エミ一人H



「あ、あぁ……っ!」
押し殺したような嬌声が室内に響く。
蛍光灯の明かりが照らす中、彼女はベッドの上で身体を丸めたまま切なげな吐息を漏らしていた。
綺麗に片付けられた年頃の少女にありがちな内装の部屋。
カーテンは完全に閉じられ、ドアにも鍵が掛けられている。
辺りには下着やパジャマが乱雑に脱ぎ散らかされており、一糸纏わぬ姿だということはすぐに分かる。
外界からの侵入を一切拒んだ室内で、彼女――日比野絵美は自らを慰めていた。
「せん……ぱいっ……」
堪えきれないほどの切なげな声を上げながら、細い指で秘部を弄る。
下腹部に甘い疼きが走り、愛液がトロトロと流れ出しては滴り落ちていく。
普通ならシーツの上にはっきりとした染みが残りそうな物だが、彼女は気にせずに刺激を求める。
見れば肝心な部分の辺りには厚手のバスタオルが二つ折りにして敷かれていた。
これならシーツに痕跡など滅多な事では残りはしないだろう。
「んっ……あっ、はぁ……ふぁっ!!」
ぬるぬるになった入り口を広げ、肉襞の中に指を潜り込ませる。
幾らかの手馴れた様子で的確な箇所を刺激し、愛撫しながら快楽を得ていく。
もう片方の手は胸元を踊っていた。
同年代の少女と比較すると多少小ぶりな胸。その薄めな胸をそっと揉みしだいている。
大きさは控え目でも弾力は申し分ないようだ。沈む指を若々しく弾き返す。
その乳房への愛撫はゆっくりと中心に近づいていた。
既に乳首は固く尖り、芯でも出来たように適度な弾力を持ち始めている。
指で摘み、爪の先で引っ掻くたびに、胸の奥から全身に疼きが広がる。
「はぁ、あふ……せんぱい……すきです……」
次第に荒くなっていく呼吸と共に指の動きを続けながら、絵美はきつく瞳を閉じた。
そして、自らの指の動きを愛しい相手のそれと思い込む。
身体の上を這っているこの手は自分の物ではなく、愛しいあの人のものだと必死で言い聞かせながら自慰を続ける。
彼女の想像の中の想い人は、優しかった。
決して彼女を傷つけるような真似はせず、嫌がることもしない。
常に彼女にとって最高の存在であり続ける。
邪魔な垣根など、そこには一切ない。そこにはどんな禁忌もなく、彼女の願いの全てが叶う。
「先輩……あぁ、いいです……気持ちいい……」
親指がクリトリスに添えられ、膨らみかけた豆をグリグリと弄る。
肉壁に埋まったままの指は攣ってしまいそうなほど奥まで伸ばされ、丹念に内部をかき回していた。
「はぁ……はぁ……」
素肌が汗で輝き、身体中が上気したように火照っている。
快楽を少しでも長く味わおうと、足が爪先までピンと突っ張った。
これは妄想の産物なのだ。
頭ではそう理解していても、自分で自分を止めることが出来ない。
「あっ、ああぁっ!!」
彼女の昂ぶりに反応して指の動きはさらに激しさを増し、荒々しいほどの蠢きを見せていた。
膣内を出入りする指の近くからは大きな水音が響き、激しく動かされ攪拌された愛液が僅かに粟立つ。
胸元では乳首を指の腹で痛いほどに押し潰し、貪欲に刺激を味わおうとしていた。
「ん、はぁっ!! 私もう……」
まるで泣き顔のようになりながら、堪えようのない呻き声を上げる。
それに呼応するように身体は小刻みに痙攣を始め、絶頂の近いことを彼女に知らせる。
頂点に向かって指を動かし続け、やがて彼女の身体が一際大きく跳ね上がった。
「せんぱい……っ!!」
本当は愛しい相手の名を叫びたかった。だがギリギリ残った理性がそれを推し止め、どうにか小声で叫ぶ程度に収まる。
もう夜も更けている時間の上、誰に聞かれるか分かったものではない。
その代わり、叫ぶことの出来なかった口の意思を受け継いだように、彼女の膣内から更なる量の愛液が噴き出した。
ほとんどはバスタオルへ収まったが、シーツの上に落ちてしまった物も少なからずあった。
だがそんなことを気にするほどの余裕は残っていない。精魂尽き果てたように脱力し、ぐったりと身体を横たえる。
「また、しちゃった……」
呆然とした瞳で中空を見ながら一人呟く。
心地良い脱力感だが、それは所詮一時的な感情に過ぎなかった。
気持ちが落ち着くにつれて、考えまいとしていた事柄が自然と浮かんできてしまう。
「先輩……好きです……」
そう囁くだけでも胸が強く締め付けられる。
恋焦がれる感情と、ほんの少しの後ろめたさ。
「やっぱり、ちゃんと告白した方がいいのかなぁ……でも、嫌われちゃったらどうしよう……」
彼女に足りないのは一歩を踏み出すだけの勇気。
モヤモヤとした感情を胸の中で渦巻かせたまま、彼女はそっと瞼を閉じた。





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