リンリ×エッジ・中編



とは言うものの。
この十数年の人生、そのほとんどを鍛冶師としての修練に注いできたエッジである。
卑猥な本の類も――それに関しては、義兄から密かに貰ったりはしたが。そんなに数は知らない。
まあ、そういったものを読みこなしたからといって上達するものでもなかろうが、とにかく少年は未熟なのだ。
「じゃ、じゃあ、僕がそのリンリさんを――」
伸ばした右手が小刻みに震えている。誰が見ても、ひどい緊張をしているのが丸分かりだ。
「……エッジ君」
「は、はははいっ!」
「何も分からないんでしょう? だったら、無理をしなくてもいいのよ」
「あ……その……」
リンリは、くす、と笑う。反対に、見透かされたエッジは顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
「誰だって初めてはそんなものよ。恥ずかしがる必要はないわ」
「す、すみません……」
まだうつむいたままの少年に、リンリはそっと近づいていく。
お湯を掻き分け、落ち込んだ彼の前に来ると、彼女はそのまま腕を前に差し出した。
そして、
「だから、私が色々教えてあげる」
「え……?」
リンリは、少年の股間にあるもの――視覚によって高められた、熱い滾りを両手で包み込んだ。
「ひっ!?」
甲高い声が口から漏れる。落ち込んでいたエッジは、それによって顔を上げさせられた。
目の前には、優しげなリンリの微笑みがある。
「リ、リンリさん、そこは!」
「まだ完全には起き上がっていないようだけど……それでも、熱くなっているのはよく分かるわ。
 お湯の中なのに、触っただけで伝わってくる……」
リンリの指先が、軽くペニスの裏筋を撫でた。
「ふあっ!」
もう一度、エッジは悲鳴のように反応する。
彼女の指から伝わってきた、何かひどく恐ろしいような刺激がペニスから背中に走り抜けたのだ。
「そ、そんなとこ触らないでくださっ……あぅっ!」
絡みつく指先は、一度の刺激だけでは終わらせなかった。
既にして硬くなりつつあるエッジのものを、白くしなやかな指で撫でていく。
「遠慮しないで、ね?」
「え、遠慮って……」
その言葉で、エッジは無意識に引きかけていた腰を止められてしまった。
はじめて受けた愛撫に身体が驚いて、咄嗟に逃げようとしたものなのだが、リンリにはお見通しだったようだ。
そうして少年の動きを止めると、彼女はより一層丁寧にペニスを撫で、擦る。
半分剥けかかっていた、未だ男としては未熟なエッジのそれは、リンリの手の中でますます硬度を増していく。
「ほら、エッジ君のおちんちんが、段々大きくなっていくわよ」
「なっ……な、何を……あ、あうっ」
十分に硬くなった頃合を見て、撫でていた指先がはがれかけている包皮にかかる。
「それじゃ、エッジ君を大人にしてあげるから」
「おとな、って……」
意味を掴めず、聞き返したエッジに微笑んでみせると、その指はゆっくりと皮を剥いていく。
「うっ……ん」
ぴり、とした小さな痛みが走った。
けれど、お湯の中であるためか、あるいはもう十分に成長していたためか。
エッジの肉の剣を納める鞘は、リンリの手で案外と簡単に剥かれてしまった。
それによって、温泉の湯の中に抜き身のペニス――赤に近いピンク色の亀頭がむき出しになる。
「これで出来上がり……大人になった感想はどうかしら?」
どこか楽しそうに問いかけるリンリに対して、エッジはまだ朦朧としている。
「よく、分かりません……」
「……そうね。実際に使ってみなければ分からないものね」
「は、はあ……んくっ!?」
言うや否や、むき出しになったペニスを彼女の指先が襲う。
剥く前の、緩やかな動きと違い――今度は力を込めた、押し付けるような勢いのしごき方だ。
「ひぃっ……あ、はぁっ……そ、そんなのっ」
エッジの高い声の悲鳴が、湯煙を貫いて響いた。
「可愛い声を出すのね、エッジ君。こっちは、こんなに熱くてたくましいのに」
指先が亀頭をなぞり、裏筋をすっと撫でるたびに、エッジは全身が震えるような快感を味わう。
「あ、熱い……ですか?」
「ええ、とっても。このお湯がぬるく感じてしまうくらい……」
「僕のが……そんな……あ、ぅっ」
優しく囁きながらも、リンリの指は巧みに、そして激しくエッジを翻弄する。
そして、右手ではペニスの先をしごき、くびれた部分を嬲りつつ――左手の指が、付け根の袋をやわやわと揉み始めた。
「リンリさん、そこはっ」
男の急所と言われる場所である。もちろん、エッジとて例外ではない。
本能的な恐怖から、止めてくれるように願う――
「大丈夫よ……私に、全て任せておいて」
「あ……」
――が。それをやっている彼女の瞳は、変わらないままで。
「は、はい……」
そのまま、少年は身体から力を抜いてしまった。
「……ふふ。有難う、エッジ君」
「…………?」
感謝された理由も分からないまま、エッジはリンリの愛撫に身を任せる。
袋への微妙な刺激と、適度に強くしごくペニスへの快感が蓄積されて、少年はどこかへ飛ぶような気持ちになっていた。
――と、そんな夢見心地から引き戻す、現実の感覚がこみ上げてくる。
「う……くう、うっ……」
下半身から、むずむずとした何かがペニスの先に溜まりつつあるのだ。
実際、そのペニス自体がびくっ、びくっ、と細かく震えて、前兆を示しつつある。
「リンリさん、僕、もうっ……!」
「出るのね……? 私の手で、エッジ君が達してくれるのね?」
「あ……は、はいっ、僕、リンリさんでっ!」
「――お風呂から上がって」
「……えっ?」
戸惑うエッジに、リンリは彼のペニスを離すと、強引に肩を掴んで立ち上がらせた。
「あ、あの、何をっ」
「そこの岩に座って……ほら、早く」
促されるまま、近くにあった手頃な岩に腰掛ける。
足の半ばまでは湯船につかるが、それより上はすっかりお湯から出てしまった。
「リンリさ――」
「これは、私からのお礼……」
呟いて、彼女は再び右手でペニスを握り――
そのまま、顔を近づけて。そっと、顔にかかっていた前髪を払うと。

一息に、エッジのものを口に含んだ。

「……うあっ!?」
敏感な少年のそれが、温かく湿った女の口内に包み込まれる。
お湯よりも温度は低いはずなのに、その中は例えようもない安らぎが感じられて。
「ひっ―ーあ、ぐっ……そ、そんなことしたらっ、僕っ!」
「……んっ」
どくっ!
――その刺激に、エッジはもう耐える術を持たなかった。
びゅく、びゅるっ!
指先で嬲られ、集まっていた何か――白い滾りが、一気に暴発していく。
一度吐き出すごとに、ペニスは大きく跳ねて――それでも、リンリの口からは抜け出ない。
よほど巧みに捕まえているのだろう、彼女の口の中でいくらものが暴れても脱出できないでいるのだ。
びゅるっ……びゅっ。
そうして、しっかりと口の中で捉えたエッジから、喉の奥に向かって白い液体が流れ込んでくる。
それを、うっとりとした表情でリンリは飲み込み――こく、こく、と音まで立てながら。
最後の一滴まで、少年の精を味わっていた。

エッジの痙攣が止まるのを見計らって、リンリは唇を離した。
「ん……」
まだ口内には少年のほとばしりが残っているのだろう、彼女の眉が少しだけひそめられた。
その口の中いっぱいに広がる、青臭い性の臭い――それを、ゆっくりと喉奥に押しやっていく。
「あ、ああ……」
それを放った張本人のエッジは、快感の余韻に悶えていて、リンリを気にする余裕もないらしい。
それでも構わず、彼女は精液を飲み下す――と、唇の端から一筋の白濁液が零れかける。
岩の上にまで落ちる前に、手でぬぐって止めると、リンリは舌でもって受け止めたそれを舐め取った。
「これで、エッジ君の男の印を、全て貰うことが出来たわね……」
呟いてから顔を上げると、ようやく少年が意志を取り戻した目になっている。
「リンリさん……」
「どうかしら、少しは上手に出来……」
感想を問おうとするリンリを見て、エッジは急に手をばたばたと動かした。
「ど、どうしたの?」
「あ、あ、あの、あああ、あの、そのっ」
魂が抜けていたような状態だったのに、随分な変わりようである。
「もしかして、私のやり方があまり気に入らなかった……?」
少し不安になって尋ねるリンリに。
「そ、そうじゃないんです、むしろ逆で……い、いきなり口の中に出すなんて……」
「……それが、どうかしたの?」
少年の困惑は更に度合いを増す。
言いたいことは頭の中で破裂しそうな程あるのに、口の部分で止まっているかのようだ。
「だ、だって失礼ですし、リンリさんの口の中はとっても温かくて柔らかくて、まるで夢みたいで……
 じゃなくってと、とにかくごめんなさい!」
「そんなこと、気にしなくても」
「でも、あんなものを飲んで……飲み干しちゃったじゃないですか、リンリさん……」
「エッジ君の精を飲んだ……のが、いけないこと?」
あくまで穏やかに対応するリンリに、少しだけエッジは収まりを見せてくる。
「僕の……から出たものだから……」
「……ここ?」
うなだれていたエッジのペニスを、白いリンリの指が包み込む。
「ひぅっ」
一度射精してそれなりに萎えていたというのに、少年の身体はもう一度襲ってきたこの感触に震えてしまう。
「ふふ……もっと触っていたら、また出てきそうね」
「そ、そんなに出せませんよ」
「あら、エッジ君は若いんだから、あと四回くらいは大丈夫でしょう?」
「計ったことが無いからそれは……ち、違います!」
ついつい流されそうになる自分を叱咤しながら、エッジは声を張り上げる。
以前からリンリと話しているとその流れに飲み込まれそうになっていたものだが、こういう状況ではますますひどい。
(僕は一人前の鍛冶師なんだから……一人前の男なんだから、こんな……)
剣を鍛えるのは男を鍛えるのと同義。幼い頃からそう教わってきたエッジである。
鍛冶師としての誇りは、そのまま男としての誇りに直結して、こんな時の意地の拠り所になっていた。
「エッジ君はたくましいところもあるから、そのくらいは大丈夫だと思うわ……」
だというのに、こうしてリンリに指の腹で亀頭を嬲られると、腰まで引けてしまう。
「そ、そうじゃなくってっ……!」
「……あなたの精、とても青臭くて、苦くて……素敵な味だった」
「――え?」
「若さが満ち満ちた、最上のもの。だから、私は飲みたくて飲んだのよ……それでは、いけないかしら?」
「そ……れは」
排泄物を出すはずの場所から放たれた、白く濁った粘液。
一種のおぞましささえあるそれを、彼女は好んで飲み干したと言う。
「エッジ君。私のことを心配してくれなくても大丈夫よ。
 ……いいえ、かえってあまり心配されると困ってしまうわ……私も気持ちいいのに……」
「な……そんな、こと」
「……証拠を、見せてあげる」
言って、リンリもまた湯船から立ち上がり、岩場に身を移した。
そしてエッジにそのまろやかな尻を向ける格好で、地面に手をつき――四つんばいの格好になる。
「しっかり、目を逸らさずに見ていてね」
前置きすると、リンリはその手を後方、自分の尻のあたりへと持っていった。
そうして、濡れた肢体の中でも温泉以外の原因で濡れそぼっている場所を指で指し示す。
「ん……」
髪の毛と同じ色の、緑がかった繁みに囲まれた場所。
さらさらとしたお湯と違う、少しの粘り気のある液体を垂らす場所――
ひゅくひゅくと蠢きながら、男を迎え入れようとしている肉の穴。それを、彼女は指で開いて見せたのだ。
「あ……あ、あ……」
「ほら、見えているかしら? 中から沢山流れているのが分かるでしょう……?」
「は、はい……」
少年の目は、完全にそこに釘付けになった。
グロテスクでさえある、女性のもっとも奥深い場所を見ているのだから。
お湯の中にゆらゆらと揺れていた、リンリの豊かな膨らみよりも――そこは、興奮を呼んでやまない。
(ここに、僕のあれが入るんだ……突き刺すように、奥の奥まで)
思うだけでも射精してしまうような気がする。
一度、彼女の口の中で果てたというのに、もう完全にエッジのものは力を取り戻していた。
それどころか、あまりに興奮が強すぎてズキズキとした痛みさえ感じる。
一刻も早く、あの肉に包まれて、思う様彼女の胎内を味わいたい――そう主張しているかのように。
「そう、もっと見て、エッジ君……目に焼き付けるように、私のいやらしいところ……」
そしてリンリもまた。エッジに、自らの秘所を見せ付けることで、強い昂奮を味わっていた。
「貴方のものを触って、弄んで……貴方の悶える顔を見ていたら、こんなに濡れてしまったの。
 止まる様子もまるで無くって、だから……エッジ君……」
とろり、と、また一筋の愛液が零れ落ちた。
「その、かちかちに硬くなっているおちんちんを……私の中に、挿れて頂戴……」
――ついに、来た。
「わ、わかりました……」
答える声もかすれて、果たして彼女に伝わったかどうか。
ひくひくと蠢く膣口と、張り詰めた自らのペニスを交互に見て、そしてエッジは覚悟を決める。
「い、いきます……リンリさんっ……!」
一度、深呼吸して気を落ち着ける。
リンリが今、指で広げている入り口に、自分でも驚く程膨張しているこのペニスを突き入れるのだ。
不安と期待と、入り混じった感情が少年の心をかき乱す。
だが、それらを併せたよりも遥かに大きな欲情が、彼の動きを再開させた。
逸る気持ちを必死でこらえつつ、亀頭をリンリの肌へと這わせる。
「んっ……」
触れた瞬間、びくっとペニスの全体が跳ねた。
敏感になっている証拠だが、これはリンリにも効いたらしい。
開ききった秘孔から、またとろりと愛液が零れたのがエッジにも見えた。
「早く……焦らさないで」
そんなつもりもないのだが――頭の片隅で思いつつ、ようやく先端がリンリの入り口の前まで辿り着いた。
そうして、ペニスの根元を手で抑え、位置をしっかりと定めてから――腰を前に突き出す。
「あぁ……エッジ君のが……」
かすれた声が、彼女の口から漏れる。
それとともに、ずちゅっ、と肉の触れ合う音を立てつつ、エッジはリンリの中に埋没していく。
(う、うわぁっ。これが……リンリさんの中、なんだ……)
想像を上回る――いや、この感触はまるで想像の及ばなかったものだ。
柔らかいのに、弾力があってペニスを肉が包み込んでくる。
絡み付いてくる襞も複雑にざわめき、エッジは一瞬自分の身体全体が彼女に呑み込まれる気分にさえなった。
「はぁ……ああ、硬い……凄く硬いわ、これ……!」
と、そのリンリの喘ぎでまだ入り口から少し奥に入っただけ、ということを思い出す。
(ま、まだ、ここからが本番なんだ……)
気合を奮い立たせて、少年は再び腰を使う。
「く……ぅ」
その過程で、ついうめき声が零れた。
硬すぎもせず、柔らかすぎもせず――と言って、エッジに他の女性の経験がある訳でもないのだが。
「ん……エッジ君、もっと奥まで……」
「う……あ、はい……」
しっかりと彼女の腰を掴み、体勢を固定する。
「じゃあ、一気に……します」
「ええ、お願いするわ……はぁ……」
濡れたリンリの声が、耳に心地よく響く。
その声に押されるように、エッジは――
「あぁ……ん、うぁっ」
ず、ずっ、と。
奥めがけて、強引にペニスを突き進める。
「あ……ん、エッジ君っ」
「リンリ……さんっ」
お互いの名前を呼ぶとともに、先端がずん、と壁を叩いた感触があった。
「ふぁあっ!」
同時にリンリが叫ぶ。膣奥から、全身を揺さぶられた衝撃を感じたのだ。
「こ、ここが奥……?」
半ば呆然としながら、エッジは完全にペニスが膣内へ入り込んだのを確認する。
少年の腰と、リンリの尻がぴったりと密着して、僅かにその間から液体が流れているのが見えた。
「そ……そうよ、エッジ君。ここが私の一番奥……子宮の入り口……」
「ここが……?」
腰を僅かに動かし、彼女の膣肉を小突く。同時に、奥も刺激された。
「あぁっ! あ……え、ええ。そこでいいわ。……これで、私はすっかりエッジ君に征服されてしまったのね」
「僕が、リンリさんを……征服?」
「そうよ……身体の、こんな奥まで貴方で一杯にされてしまったんだもの……
 ふぅ……ん、もう、私は……エッジ君だけのものにされたのと同じね……」
「ぼ、僕だけ……!」
刹那、エッジの腰が力強く動き始めた。
奥に突き刺さっていたペニスが、ゆっくりと抜かれていく。
「あ……あぁっ!」
入ってくる時とは違う場所が擦れて、リンリはまたかすれた喘ぎを出した。
「僕の……リンリさんっ……!」
そうして、今度は力強く奥まで貫く。
「はぁぁっ」
ずちゅっ、と、肉の擦れあう音も先ほどより大きくなったようだ。
「そう、そうよ、エッジ君。私の中を、貴方のものだけで満たして……あ、んっ、あぅっ」
勢いがついて、子宮口を叩くほどに突いても、リンリは痛がる様子を見せない。
それどころか、この強さに快感を味わっているようなのだ。
「く、リンリさんの中、絡み付いてきてっ……」
彼女の腰を掴む手に力が入り、腰周りに赤い指の跡が目立ち始めた。
同時にエッジの動きは激しくなって、ひたすらにリンリの肉を貪ろうと勢いづく。
しかしどれだけ乱暴にペニスを突き立てようとも――彼女の膣壁は、時に緩やかに、時にぎゅっと強く締め付けてくるのだ。
溢れ出る愛液は膣内の滑らかさを助け、侵入してきているペニスを呑み込むように奥へ招きよせた。
「リンリさん、僕っ……僕っ……」
「あぁ……エッジ君を、私の中に感じる……」
リンリの肉に溺れかけて、悲鳴のような声をあげるエッジ。
それに対して、リンリはうっとりと――身体を思うがままに蹂躙されているというのに、陶酔した声でエッジを誘う。
ぱん、ぱん、と、お互いの腰がぶつかる音まで響いてきた。
傍から見ると、犬の格好をさせられた女性が、まだ幼さを見せる少年に後ろから貫かれ、犯されているように見える。
けれど、実際はまるで逆――リンリの秘肉に、エッジが囚われ、今にも飲み干されようとしているのだ。
「もっと、もっと強く来てっ。エッジ君がどんなに乱暴にしても、私は受け止めてあげるから……ん、はぁっ」
「そ、んな……ことっ……」
最早エッジの理性とは関係なく、本能が熱い一撃をリンリに叩きつけている。
自分の意志では止められないこの律動を、少年は抗うこともせずに続ける。
「はぁあ……ああ、いいわ、凄く……素敵よ、エッジ君……」
「リンリ、さん……!」
そうして打ち付けているうちに――不意に、エッジの腰から前に向けて、どくっと何かが跳ねた。
「う……く……」
「……エッジ君、もう……?」
自覚するより先にリンリに気づかれた。ペニスの先に、更に熱いものが集まってきたせいか。
「は、はい、僕、もう……そろそろ、来ちゃう……う、くうっ」
「もう少し、我慢して。私も……もう少し、だから……」
ずちゃっ、ぐちゅっ、ずちゅっ。
「で、でもぉっ! 僕、もう、もうっ――」
「エッジ君、待っ……」
刹那。エッジのペニスが、今辿り着けるリンリの最奥部を勢いよく貫いた。
「うぁっ!?」
今までにない熱さの突き込みを受けて、彼女も呻く。そして、その直後。
「ごめっ……リンリさっ……うく、出っ……!」
亀頭が急激に膨らんだ。
エッジの全身の感覚が、この一点に集中する。
少年の、今もっとも熱く敏感な場所の、その先を目指して――命の素が、飛び出るのだ。
びゅくっ! びゅる、びゅっ!
「あ、ああ……」
エッジの動きが止まった。彼女の身体にもたれかかるようにして、ペニスの先だけは固定する。
「あん……出している、のね……エッジ君……」
膣奥に吐き出された精液は、その勢いのままリンリの子宮を目掛けて流れ込む。
だく、だく、と。ペニスの先は震えながら、少年が蓄えたものが次々に発射されていった。
「……この感触がエッジ君の精……」
片手を伸ばして、エッジのペニスが突き刺さっている辺りの腹部を触る。
「……あの青臭い精液が、私の中に……ああ……ん、素敵よ……」
「リンリ……さん」
ようやく射精を終えると、エッジは力を抜いてリンリの上に負ぶさるようになった。
彼女の背中も、やはり最上質の陶器のように美しく、すべらかだ。
それが、汗に塗れてゆっくりと揺れている――どこか淫靡な光景に、エッジはぼんやりとしながら魅入られていた。
リンリの膣内に留まったままのペニスは、もうすっかり精を吐き出し終えて力を失いつつある。
それでも、まだ締め付けてくる肉の感触に、しばらくしたら蘇りそうな気配もあるが――とにかく。
「凄かったです……リンリさん」
そんな言葉しか出ない。
「ええ……はじめてなのに、こんなに激しくされてしまうとは私も思わなかったわ」
「そ、それはっ……」
彼女の腰を強く掴んで、欲情の赴くままに貫いた。
少しだけ冷静になった頭で考えると、なんだかとてつもなくひどいことをしてしまったような気になる。
「ご、ごめんなさっ」
「お陰で、私も随分心地よくて……やっぱり、エッジ君は素敵ね」
「……あ、え、その」
ふう、と彼女は一息をついてから、顔をこちらに向けた。
「とりあえず、抜いてくれるかしら? このままでは、話しづらいでしょう」
「そ……そうですね」
慌てながら、腰を引いてペニスをリンリの膣内から引き抜いていく。
「……ぁうっ」
時折でこぼことした肉壁に引っかかって、微妙な快感が生まれるが――それでも、頑張ってエッジは任務をやり遂げた。
ちゅぽ、という微妙に間の抜けた音とともにペニスは抜けて、それと同時に膣口からとろとろと白濁液が零れ落ちる。
「はぁ……」
更に、リンリが下腹部に力を込めると――小さな川のように、彼女の中から精液が溢れ出てきた。
「本当に沢山出したのね、エッジ君」
「は、はい」
自分でも間抜けだと思うのだが、そんな返答しか出来なかった。


つづく

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