妖姫新妻(未定)奮闘記 10



「え、えーと……」
 クリュウがやや上気した頬でシュガレットを見ている。まあここまでなら彼女が彼の顔に見惚れるだけで終わるだろう。
「う……んと」
 問題は彼の腕の中にいる今夜の“特別なお客様”たる彼女だ。服は乱れ、表情は泣き顔。何か息苦しそうなその様。当然彼女は、

「お、おかえりシュガレット…」
「ご、ごめんなさい……」

「クリュウさまはそういう問題じゃないし、なんでラジィちゃんが私に謝るんですかぁ―――っ?!」
 爆発した。



「…それで、なんだかラジィが変になっちゃって…僕も少し」
「…………」
 事情は大体解った。だが、これからどうしたものか。今更だがスパイスの容器と例の物が入った陶器が似すぎていたのは盲点だった。
 何故自分達が昨晩情事に溺れたのかも謎が解けた。何故か原因については自分から探す気にはならなかったのは未だ不思議だが。
「あとでアマリエさまに詳しく伺わないと……」
「母さんがどうかしたの?」
「あ、いえ、こちらの話です」

 …………………………………………………………………アレ?

 何故、クリュウに催淫香の事を隠したのだろう? もうあんな物必要無いとすら思っていたのに。使おうとも思わなかったのに今日アマリエに返してこなかったのはどうしてだろう? 掘り下げれば下げるほど疑問が浮かび上がってくる。
「あ、あのクリュウさま、実は私…」

「ぅうんっ! はぁ、あ、あにきぃ…!!!」

「「!」」
 気付けば、半裸の少女が少年の片足にしがみ付いていた。台所からゆっくり這ってきたのか、何か床が濡れている。
「ァ、アニキ、ボク、ボクなんかへんだよぉ…」
 ガクガクと、小刻みに震えつつ少女は言う。だが涙を流しつつも、その顔は笑っている。まるで誰かに“命令”されたかの様に、ぎこちなく。
「ラ、ラジィちゃん…」

「………シュガレット、“許可”が欲しいんだけど」
 はっと、主たる少年を彼女は見た。そこには、普段通りの穏やかな顔がある。当たり前だが、何故かそれに安堵した。

 ところで、彼の言う許可とは何の事だろう?あれこれ考えて、それに該当するキーワードを頭の中から探す。契約、約束、契り、前口上…ひたすら探す。

 あった。
「わ、“私以外の女の人と”……ですか?」
「うん。ラジィを落ち着かせるには…それしかないと思う」
「!」

 彼女は深く悩んだ。クリュウさまとラジィちゃんが? 自分以外の人とクリュウさまが? そんなのとても許可出来ない。だが、ラジィがこんな事になったのには自分が原因の一端である。あんな物をいつまでも戸棚に紛らわしく隠しておいた自分が悪いのだ。

「シュガレット…“許可”を」
「…………」
 彼の眼を見る。いつもの真っ直ぐした眼だった。自分が彼に惚れたものの一つ、魂の光を感じさせる瞳。…あの眼なら、信じても大丈夫な気がする。

「…分かりました、ラジィちゃんを助けましょう」
「うん、ごめん。…それとありがとう」
「でも………」

 しゅるりと音がした。クリュウが振り向く。彼女の魔法の一種か知らないが、既に彼女は一糸纏わず、服は消え去っていた。

「私だけ仲間外れはイヤです…シュガレットも混ぜて下さい」
「……うん」
 小さく頷き、クリュウは笑顔じゃない笑顔で喘ぎ続けているラジィに向き直る。既に両手の指を局部に入れ、自分で自分を慰めていた。

「ひゃぅんっ ああっああっ……」

「…………」
 背中を向けたシュガレットにも自慰に夢中なラジィにも、彼の“獰猛に歪んだカオ”は見えなかった。



「ふあ! アニキ! アニキィ!」
 軽く手を回しただけで、ラジィは渇望するかの如く喚く。齢十三とは思えぬ乱れ様だ。
「なんか、背中がずっとびくびくして、ボクぅ…」
「大丈夫、大丈夫だから僕の顔を見て」

「…………」
 利き腕の指に付着した粉を見た所、ラジィはあの粉をかなり舐めている。それも炙らず水に溶かしもせずだ。原物のまま摂取した場合の効果はどれ程か知らないが、かなりの間効果は続く事だろう、とシュガレットは踏んだ。

 思ったよりも長くなりそうだ。

「……あ、あにきの顔が近くに」
「…落ち着いた? じゃあ聞

 ちゅっ

「!!!」

「ん…むぅ……」
「む……む…!?」

 ちゅぶっ……ず…っち

「ぷぱっ…はあー」
「ら、らじ……」
 吸い付かれた。それも口内の酸素を全て持っていかれた。肺活量も然る事ながら、子供とは思えない動きだった。

「えへへ…アニキのくうき、おいしかった…」
「…………」

 するっ

「ひゃあっ しゅ、しゅがれっと……?」
「私もお手伝いします!」
 片手を着崩れた服の中に走らせるシュガレット。手探りながらその平坦の地で唯一突き出た出っ張りをすぐに見つけ出す。既に充分に自己主張し、薄手の布という事もあって擦るのは安易そうだ。

 きゅっ ぐに  つねっ 

「あうっ ぁあっ ふぁああ!!」
「シュガレット…」
「………」

 時に引っ張り、時に胸全体を揉み、時に捻る。しかし昨夜の自分でもここまで敏感だっただろうか? 最初は軽いいじめのつもりだったが、何か面白く無いのでもう片方の胸も揉んでやる。クリュウが手持ち無沙汰で見つめているが息を整えている最中の様なので、もう少し続ける事にする。
 そしてラジィは相も変わらず笑みを絶やさない。

 もみゅもみゅ こり つん

「あふぅうん!!ひゃっひゃっひゃ…」
「…………!」
 気が付いたら両手が服に潜っていた。少し楽しんでいた気もする。

「え、えと…クリュウさま、どうぞ」
「…うん、大分クラクラが取れた」
 軽い酸欠から回復したのか、クリュウが胸攻めでのびたラジィを抱き上げた。シュガレットは後ろでボソボソと呟いている。

「確かに女の人でも大丈夫ですけど…でも私にはクリュウさまが…」
 等と葛藤しているがクリュウは一転集中、ラジィは笑って天井を見ているので誰も聞いていない。



「……今度はアニキ?」
「うん、正直あんなキスされるとは思わなかったよ」
「…こーいう時のキスって、もっと強く吸うって聞いてたから」
 笑みを多少顰めて答える。間違っていても自信を持って答案を提出する。そんな“負の余裕”を含んだ顔だ。

「半分正解かな、空気の取り合いは間違いだけどね」
「…アニキ、なんだかイジワル」
 その言葉に、やっぱり彼女は笑って答える。それに穏やかな顔で返す彼。

 向日葵は太陽に笑顔を向け、太陽もそんな向日葵に暖かく答える。彼等の関係は、それに似通っているのだろう。

 すぅ…じゅる…

「ん…み」
「…………」

 最初は軽く、そして段々激しく。少女は目を強く閉じ、舌の這いずりを一心に感じ取る。少年はあくまでも彼女の恐怖を取り除く様に、優しさを伝える。

 ぬ……と口が離れ、唾液が舌を繋ぐ糸になる。撓みながら落ちていき、床に着く前にぷつりと切れた。

「ふひゃ……」
「……と、これがそういう時のキスかな」
 熱心に教授された少女だが心此処に在らず。体では覚えただろうからと少年はそれでよしとする。

「ラジィ…」
 クリュウは名前を呼びつつラジィの乳房を舐め回す。
「あっ…う…んんっ…」
 クリュウの舌がラジィをくすぐる。時折軽く甘噛みし、そしてちゅぱっと音が出る程吸った。
「アニ…キ…吸っちゃや…だ…」
 吸われるたびにラジィの鼓動が激しくなっていくのを感じる。と、ここで口を離す。

「どうして? ラジィは気持ちよくないの?」
 否定の意見等帰ってくる筈が無い事を、彼は考慮した上で言葉を投げかける。まるで瑠璃のような純粋な瞳が彼女の心を崩壊させていく。

 しばらく瞳に射られたラジィは、首を二回横に振った。
「嫌、じゃない…よ…。アニキ、もっと…もっとよくして」

 自分は彼になら何をされても、どんな事をされても嫌いにならない。それは自分自身が彼に誓った事だから…と心で彼女は呟いた。



 既に存分に濡れそぼったそこに指を宛がい、侵入させる。まだ幼いそこは、彼の指を門前にも関わらず勢い良く締め付けてくる。正に鉄壁である。

「んあっあっ……ひゃ」
「ラジィ、もっと力抜いて…指が痛い」
「そんな、こといわれても…ぅうん」
 ピクッピクッと時折はねる彼女の華奢な体。最早彼の指の動き一つで使役出来る程容易い状態なのに、毛も碌に生えぬ無垢な門が山の様に閉ざしていた。

 まずいな、とクリュウは心中呟いた。このままでは平行線だ。何より自分も先程から息が荒くなってきている。股間を意識に入れるのは避けていたが、どうも先程から痛い。下穿きを脱ぎ去れば多少は楽になるだろうが、それは自分の抑えも共に取り去ってしまう気がした。只でさえ未熟な体の彼女に、乱暴な真似は出来ない。何時理性が焼き切れても可笑しくないこの状況で、自分が正気を保っていられるのは時間の問題だった。何か突破口を見つけ出さなくては…

「ラジィ」
 急に低くなった声に、少女はビクッとした。彼の穏やかさが消え不安になるが、それでも泣き顔にはならない辺り筋が入っている。
「なんてね」
 また緩む彼の顔。その変化に力が抜けた彼女を、彼は見逃さなかった。

 じゅぬっ

「ひっ!!!!!?」
「っく!」

 素早く開き、奥まで指を一気に突っ込む事には成功した。が、間髪入れず彼女の凄まじい締まりが指を襲った。抑えていた利き手は数秒も持たなかった。
 これは明日ハンマーがちゃんと握れるか不安になるが、今はそんな事を悩んでいる場合では無い。早速入り込んだ城内で、彼の末端は好き勝手に暴れ始めた。

「あああ! あにき! あ、にきい!!」
「つ…もうちょっと……我慢して!」
 体内への異物の侵入に、人差し指の関節が外れそうな程きゅっきゅと絞られるが、それでも動かすのを止めはしない。

 ぐじゅ じゅびじゅび……にゅくん

「ひ、ひ、ひ………!」
 笑いながら変な声…否、音を出す彼女の顔を見る。涙と涎でぐしゃぐしゃで、眼が明後日を向いている。彼女の限界は近いと踏んだ。
 空いていたもう片手が舞い戻り、豆を弄り始める。さらに顔を近付け、舐め回した。フルアクセルでゴールまで駆け抜ける。そして彼女は一度身を縮ませ、

「あああああああああああああああああああああああああああん!!!」
 全身を伸ばし、飛んだ。



 濁流が押し寄せ、それを外に流す為に門が開く。その隙に指を引き抜き腰を下ろす。彼女は大の字に倒れ、プルプル小刻みに震えている。

「………僕は…」
 こんもり盛り上がった下半身を一瞥し、彼は今一度頭を働かせる。正直限界だった。だが後方で事が終わるのを黙って待っている彼女がいる。彼女の許可は得たものの、約束は出来るだけ守りたかった。そして成しえたのだ。

「…シュガレット」
 肩を叩かれ、小さく呟き続けるシュガレットを引き戻す。ぴくっと肩を振るわせた彼女は、こちらに向き直った。
「…あ、終わりましたか?」
「うん、なんとか…ね」
 正直シュガレットの裸を見るだけで静めようとした分身がまた盛りだすが、そこは後回し、ラジィをベッドに運んでから、シュガレットに頼むか或いは自身で処理する事にする。

「あの…やっぱり最後まで?」
「いや、一応途中で止めたよ」
 シュガレットがホッと胸を撫で下ろした。許可を出し、その間放置されるのも何なのでと衣類も取り去った程だが、杞憂に終わった様だ。

「それで、これからどうしようか」
「そうですね、ラジィちゃんを着替えさせて…」
 シュガレットが足元に視線を落した。

「あ」と小さな声を護衛獣が漏らすのと、自分のズボンが下ろされたのはほぼ同時だった。

「あ、あはは…あは」

 ラジィだった。クリュウが自分の腕の届く範囲まで近寄り腰を持ち上げ、手をズボンの淵に掛けてそのままずり下ろしたのだ。足が縺れて転ぶ。

「アニ、キ……やめないで…やめないでよぉ」

 二人が呆気に取られている隙に、ラジィが地に腰を付いたクリュウの股に近寄る。そして剥き出しになった彼の竿に、手を伸ばす。

「ららららじぃ!? まだ満足して…」
「アニキ……ううん、クリュウ…」

 れろれろれろ

「ぅう!」
「ラジィちゃん!? ちょっと…」
 シュガレットの静止も聞かず、一心不乱にクリュウの爆発しそうな程膨張した息子を舐め回すラジィ。やがて先を頬張り、ぬめぬめと出し入れする。

「うっうっう……ぅく!!」
 果てた。大してもたなかったのは仕方のない事だろう。
「んむ…んぐっんぐっ………けほじけほ」
 全てを飲み込もうとした様だが、彼女の思った以上に喉を突くものがあったらしく、途中で口を離し、近くにとしゃとしゃと吐き出してしまった。

「ラジィ…ちゃん」

 そっぽを向いてしまった彼女をシュガレットが気に掛けるが、ラジィは俯いたままだ。しばらくすると肩が震えだした。
「……てもいいから」
「え?」
 消え入るような声を吐く彼女。何かデジャヴを感じるがそこは真面目な空気なので口には出さない。

「何してもいいから! アニキになら何されてもいいから!! もっと、もっとボクをめちゃめちゃにしてよぉ………」

 急に声を上げながら倒れているクリュウに縋り付く。クリュウは丹念にラジィを愛撫していたと思うが、まだまだ効果は続いている様だ。

 ふと、倒れていたクリュウがゆっくりと起き上がった。ラジィが顔を上げる。垂れた前髪でよく見えないが、シュガレットはクリュウに何かを見た。

 クリュウの魂の輝きが…大きくなった? 

(でも、何か黒光りしている気が……)

「…………ラジィ、シュガレット」
 ラジィが頭を上げ、シュガレットは後ずさる。そこにあった筈の何時もの彼の顔は無かった。

 獣のぎらつく眼と、不気味な笑みを浮かべた魔の顔が只、在った。

「あ、あにきが…げんきになったぁ」
 無邪気に笑うラジィ。そこには恐れなど無く、太陽の恩恵を渇望する花の姿しか無かった。それともクリュウ…否、“彼”を恐れている自分が可笑しいのだろうか。己の正気を保証してくれる存在は、今この場にはいない。

「…もう大丈夫だよ。じゃあしようか、続き」


To be continued.




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