リビエル×ルシアン



ああ、またか……
目の前でこっちも見ずに延々と説教をしているリビエルを見て思う
「ですから御子様を守る者としてですね、ちょっとルシアン?きちんと聞いてらして!?」
「うん、きいてるよ…」
半分溜息の混じったように答える
確かに聞いている。聞きすぎて困っているくらいだ
この話、前も行ってたんだよねぇ、と意外と話のバリエーションがないこともしっている
それでも得意げに話を続ける天使を前にそんなことはいえないし
この状況にもなれてきたおかげか、それなりに楽しい時間でもある
「ふぅ、じゃあ今日はこのくらいで勘弁して差し上げますわ」
流石に3時間、ぶっ続けで喋り続けていればそれなりに疲れるよ
喋っている方は、そしてもちろん聞いている方も
「流石にちょっと喉が痛いですわね」
彼女にしてみれば独り言なのだろうが、おてんばな姉の迷惑に長年と付き合ってきた故か即行動に出てしまう少年の性
「ちょっと水貰ってくるからまっててね」
「あ、別に貴方に持ってきていただかなくても…」
天使の声を最後まで聞くことなく部屋から走って行く
「べ、別に水くらいでしたら私でとりに行けますのに」
一人ぽつんと残された部屋の中で呟いた

「あらルシアン。またお説教?」
廊下でメイド、吟遊詩人、龍人と一緒に月夜の鑑賞会をしていた姉が、からかい気味に楽しそうに声をかけてくる
「うん、そう。でちょっと水を貰いに」
これだけを告げ、その場を立ち去ろうとすると首の後ろをむずと掴まれる
「水ならこれ、あげるわ」
ゲホと喉を押さえながら見ると確かにコップに入った水が握られている
「ちょうど良かったわじゃない。早く持って行ってあげなよ」
なぜ姉が水を持っていたかなど考える暇もなく水を渡され、そのまま背中を押されるように部屋へと帰って行く
姉の用意した『清酒龍殺し』を持って……

「本当にこんなことしてよろしいので?」
「確かにあの二人、ちょっと気になる関係ですけど」
「感心せんな、まったく」
おのおの上辺では心配していますよ?的に振る舞うが、内心わくわくが止まらない
ただ姉だけがストレートにこの方がおもしろいじゃない。と言ってのける
「そろそろお時間ですのでお嬢様と私は帰らせていただきます」
「私がパパにあの子は泊まってくってって説明しておくから、明日どんなことがあったか教えてね」
まったく可哀想に
口から出た言葉は同情
顔に浮かぶ表情と明らかに矛盾した言動だった

「思いのほか早かったですわね」
開口第一声がそれ
「別に持って来なくても良かったですのに」
と続く
ただ、そうはいいながらも手はきちんとコップにのびてきている
「で、でも、せっかくですからいただきますわ」
「はい、どうぞ」
少年の手から受け取り飲む
「……?……!」
みるみる顔色が赤く変化し、その場に倒れ込んでしまう
「え!?ど、どうしたの!」
完全に目がイってしまっている
今更気付く液体の正体、無味無臭のはずの水から独特の臭いがする
「お、お酒?」
なぜ姉がお酒なんて渡すのか
なんにせよ、この天使はお酒を一気に飲み干し、倒れ、見るからに正常ではない
とにかくベッドに運ぼう
不意のアクシデントに見舞われながら、それなりに冷静な判断が下せるようになったのも今までの戦いの日々のおかげか
とすこし複雑な気持ちになる
さ、早くベッドに運ばなくっちゃ……

パチ、と目を覚ます少女
「ルシアン?」
目の前の少年
その手にはタオルが握られている
「あ、起きた……よかったぁ」
事情は知らないが安堵の表情を浮かべている
起きた、よかった……なぜ?
「急に倒れるから、心配したんだよ」
ちょっと熱もあったみたいだし、と緊張の糸が途切れたのか次々と色々な言葉が聞こえる
私が倒れた?熱を出した?
そういえば、ものすごく気分がいい
なにかごちゃごちゃとうるさいルシアンをベッドの上へと引き倒す
力では勝てなくても虚をつけば意外ともろいものだ
自分を押し倒す形でベッドに倒れかかってきた彼
「な、なにを…………んむ!?」
うるさい口を唇で塞ぐ
ついでに声を出すのに必要なベロの動きも止めてやる
首から手を回し、逃げられぬよう抱きしめ深い深い口づけ
無防備な彼の口の中へ侵入して行く舌
彼を犯している快感
呼吸が少しばかり苦しくなってきた辺りでようやっと顔を話す
顔を真っ赤にして、直視できないのか目は何処か遠くを見ている
「貴方、かわいいですわね」
上と下が入れ替わり、今では少年を押し倒す形で見下ろしている天使
どうしてくれようかしら。その笑みはむしろ悪魔のそれに近いとルシアンは語る
ポムニットさんの方がよっぽど天使だ、と

「…ん………はぁ………んむ……」
いい加減に唇が離れない
それと同時に、下腹部への愛撫もやまない
いつの間にかズボンを脱がされ、口づけされながら
リビエルの左手は、ルシアンの股で上下運動を繰り返している
「どう?気持ちいいかしら?」
ギンギンに張ってしまっている今、どんな虚偽も無駄だ
沈黙が金。黙っているしかない
「……ふふ、プリンには敵いませんけど、美味しそうですわよ?」
ルシアンの上にまたがり、口へくわえる
「……んふ……………はぁ…………ちゅ……」
口からこぼれる唾液がニチャニチャと卑猥な音を立て、潤滑に手は滑っていく
両手、そして唇、舌。少女はその三つを上手く扱い、快楽を少しずつ与えていく
「……くっ……!」
「別にこらえなくっても……出しても構いませんのに」
実際、ルシアンは幾度か果てかけた。それでも微妙な指使いがことごとく邪魔をする
いまにもイきそうな、それでも許されないもどかしさ
「本当にいやだったら、私をはねのけて何処へでもいってよろしいですのよ?」
根元をギュと捕まれ、勢い良く吸い付きながら、その時々に何とか聞き取れるような発音
その度に、歯や舌が微妙な快感を与えるがそれも全て押さえた両手でせき止められる
結局、一度の射精もなく本番へと移行していく
「もうそろそろよろしいかしら?」
それは少年だけでなく、自分にも言い聞かせているようでもあった

「ほんとに……するの?」
ゴクリと息をのみながら騎乗している天使に問う
確かに、ここまできてやめる。などと言われてはどうにもしようがないが
それでも流石に理性が押し止める
「こんなに大きくしていては辛いでしょう?」
見下し、空間的にだけでなく精神的にも蔑みリビエルは言う
口調こそ優しく聞こえるがその顔にある笑みは優しさと最もかけ離れている
「で、どういたしますの?」
言霊。力ある言葉には霊が宿るのだと言う
言葉に導かれるままルシアンは口を開く
「お、お願いします」
…………
「良くできました」
沈黙。目が優しく細まる
ニコリ
そう聞こえるくらい綺麗な、可愛い笑顔
見ているこっちの顔が赤くなるくらいに
「素直な方がいいですわよ」
そういうとそのまま天使は少年へと腰を落としていった……

次の日、日が昇る頃。リビエルは目を覚ます
なんだか変な気がしますわ……頭も、そして腰も
そんな自分の格好を見て驚く。綺麗だった上着はいやらしく白く汚れている
さらに、下には何も穿いていない
隣には同じように衣服を取り払った少年。目元には涙の跡が残っている
「……………」
寝起きの頭をフル稼働して現状把握に務めようと努力
チン
全てを悟ったようにルシアンを叩き起こす。文字通り、叩き起こす
「あ、貴方!なんてことしてくれたんですの!?」
昨日の出来事が悪夢ではなかったと朝目覚めての一撃と口うるさい天使の態度で理解せざるを得ない
リビエルが力つきたあと一人ベッドで泣いたせいで隅に大きなシミが出来上がっている
そのシミでさえこの天使は変態とののしる材料にしている
泣きたいのは僕の方だって言うのに……
「……きちんと、責任とっていただきますからね」
リビエルは腕を抱え込むように抱き、下から顔を見上げ言う
こうして見てみると昨日が嘘みたいに、可愛らしく、愛しい気も、する
「とりあえず…まず服を着ない?」
それが大人への階段を一歩だけ上った少年に言える精一杯だった


この日、店主は妙に笑顔で、頭から怒りマークが離れない

「昨日はお楽しみでしたわねぇーえ?」

おわり

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