グラッド×フェア



「ふぅ、腹が減ったな......」
トレイユの町の駐在軍人、グラッドは何気なく呟いた。
太陽は完全に山の向こう側へと沈み、満天の星空が頭上に広がっている。
「たまには、食いにでもいくか」
いくら夜とはいえ、田舎であるトレイユの町で事件が起こる事は少ない。
今まで起きた事件も、せいぜい酔っぱらい同士の喧嘩程度である。
少しぐらい駐在所にいなくても、なんの支障もない筈である。
グラッドは空きっ腹を抱えたまま、町外れへと向かった。
「(もうそろそろ、大丈夫だろ......)」
町外れには、一件の宿屋がある。
忘れじの面影亭と呼ばれるその宿屋は、最近やけに繁盛している。
その理由は、その宿屋を経営している少女、フェアにある。
『ミュランスの星』という、リィンバウムのレストランをランク付けしている本、そこでフェアは期待の新人として紹介された。
それからというもの、お昼時や夕飯時には町の内外から多くの客が足を運ぶようになったのである。
グラッドとフェアは昔からの付き合いであり、時折今回のように夕飯を食べにいく事があった。
夕飯時のピークもとっくに過ぎており、おそらく今は客はいないと考えたのである。
「お〜い、フェア〜」
グラッドは宿屋につくなり食堂のドアを開け、フェアの名を呼んだ。
暗くなった食堂にグラッドの声が響く。
しかし、答えが返ってくる事はなかった。
「......ん?」
いつもならば元気のいいフェアの声が返ってくるのだが、今回は返事がない。
グラッドは不思議に思い、食堂へと足を踏み入れた。
「フェア〜、いないのか〜?」
食堂の電気をつけて見回してみるが、やはりそこにフェアはいない。
「いないのか?」
グラッドは半ば諦めて入り口へと踵を返す。
その時であった。
「うぅ...ぐす......」
微かに聞こえる声。
グラッドはその場に立ち止まる。
「ぐす...ひっく......」
空耳かと思った声は、何度もグラッドの鼓膜を揺らす。
どうやらそれは食堂に隣接している、厨房から聞こえてくるようだった。
泥棒かもしれない、そう考えたグラッドは静かに厨房へと歩み寄る。
「ひっく...ぐすっ......うぅ......」
壁に張り付き、そっと厨房の中をのぞく。
そこには、静かに涙を流すフェアの姿があった。
「フェア...」
グラッドは隠れるのを止め、厨房へと入り込む。
「お...兄ちゃん......」
フェアは驚きの表情をグラッドへと向けた。
目は赤く張れ、頬には涙が流れた跡が幾筋もついている。
「ど...どうしたんだお前」
グラッドは見た事がないフェアの泣き顔に、動揺を隠せなかった。
いつも明るく接してくれる彼女は、決して人前では弱いところは見せなかった筈だった。
しかし、そんな少女が今、グラッドの前で涙を流している。
「お兄ちゃん......うわぁぁぁっ!」
フェアは大声を上げながらグラッドに抱き着いてきた。
「うわぁぁん!あぁぁぁぁっ!」
なりふり構わず胸の中で泣きじゃくるフェアに、グラッドはかける言葉を見失っていた。

「どうだ、落ち着いたか?」
忘れじの面影亭、フェアの部屋。
グラッドとフェアは、その中のベッドの上へと並んで座っている。
あの後、グラッドはフェアを落ち着けるためフェアの部屋へとつれてきた。
そしてベッドへと座らせ、厨房でホットミルクを作りフェアへ飲ませた。
フェアはホットミルクを一口飲むと少し落ち着いたのか、泣くのを止めた。
「ごめんなさい...お兄ちゃん」
「いや、いいんだ」
グラッドも自分の分のホットミルクを一口飲む。
「それで、一体どうしたんだ?」
「.........」
グラッドの問いかけに、フェアは答えない。
「言いたくないんなら、無理に言えとは言わん。ゆっくり休んで、頭の整理がついたら話してくれれば良い」
「.........あのね」
フェアは涙声で話し始めた。
「さっき、一人の男の人がうちに来たの」
グラッドは再びホットミルクを口に運ぶ。
「そのお客さん、『ミュランスの星』のお偉いさんで、わざわざ私の料理を食べにきてくれたみたいなんだ」
フェアは目に堪った涙を拭った。
「私、張り切って料理を作ったの。でも、その人私の料理がおいしくないって言い始めて...」
グラッドが思う限り、フェアの料理にまずいものなど一つもない。
「それで『ミュランスの星』から名前を消すって言い出したの。でもそれじゃ、これまでしてきた苦労が水の泡になっちゃう......」
「......勝手だな」
良い相づちが浮かばず、適当な言葉しか出てこない。
「だから私、必死で謝ったの。でも、それじゃダメだって......その人、お尻を触ってきて......」
「っ!」
「もちろん抵抗したよ。でも、そんな態度でいいのかって......この世界で生きられないようにしてやるって言われて......」
フェアの目から大粒の涙が流れ、ホットミルクの中へと落ちる。
「我慢したんだけど......パンツの中にまで手を入れられて......それで...」
「......そんな事があったのか」
グラッドは底知れない憤りを感じた。
まだ15歳のいたいけな少女を食い物にする、顔も知らない男に殺意さえわいた。
「私怖くなって...すぐに厨房に逃げたの......でも、明日もくるぞって大声で言われて......うぅ...」
「.........っ!」
次の瞬間、グラッドはフェアを抱きしめていた。
なぜこうしたのかは自分でも解らない、しかし、目の前で泣いている少女をもう泣かせたくはない。
頭で考えるよりも、体が先に動いてしまったのだ。
「お兄...ちゃん......」
「安心しろ、明日は俺が守ってやるから」
月並みの、当たり前の台詞しか出てこない。
グラッドはこんな時にしっかりとした事が言えない自分に、情けなさを感じた。
「俺にはこうする事しか出来ない......でも、これでお前の悲しみが少しでも紛れるんなら、いつまでもこうしておいてやる」
「お兄ちゃん.........うぅ...うあぁ.........」
フェアの手から離れたマグカップが床へと落ち、少し残ったホットミルクが零れる。
「好きなだけ泣け、待っててやるから、な?」
「ありがとう...お兄ちゃん.........うわぁぁぁぁっ!」
フェアはグラッドの背中へと腕をまわすと、強く抱きしめた。
グラッドもそれに答えるように、フェアの体を強く抱きしめる。
そして少しの間、フェアは思いっきり泣いた。

フェアの泣き声が徐々に小さくなっていく。
力のこもっていた手からも、ゆっくりと力が抜けていく。
そして、しばしの静寂が訪れる。
「.........」
グラッドはどのような言葉をかけていいのか考えていた。
しかし、やはり良い言葉が見つからない。
「......お兄ちゃん...」
先に口を開いたのはフェアだった。
「な...何だ?」
「私の事......好き?」
唐突で直情的すぎる質問に、グラッドは驚愕した。
「あ......いや...その......」
「やっぱり、ミントお姉ちゃんのほうが好きだよね......」
またもや驚愕するグラッド、確かにグラッドはミントに思いを寄せていた。
しかしそれは誰にも話した事がない、もちろんフェアにもである。
「知ってたよ、お兄ちゃんがお姉ちゃんの事を好きだって......でもね」
フェアはそう言うと、伏せていた顔をグラッドへと向ける。
「私、お兄ちゃんの事好きだったんだよ......」
上目遣いで、涙目で訴えるフェアの顔。
グラッドはその顔から目を背ける事が出来なかった。
自分の顔が赤くなっていくのが解る。
「あっ......うぁ......っ!」
何か言おうと言葉を考えていたその時、グラッドの唇にフェアの唇が重なった。
フェアの顔がすぐ目の前に広がり、暖かい吐息が顔に当たる。
短いキスの後、フェアは顔を離した。
「一回......一回だけで良いの......私だけを見て欲しいの」
フェアは再びグラッドに強く抱き着いた。
「お兄ちゃん......私を抱いて.........」
「フェア...お前......抱いてって......」
グラッドは混乱する頭の中ではっきりと聞き取れた単語を反芻する。
「意味...解ってるのか?」
グラッドの言葉にこくりと頷くフェア。
そして、再び顔を上げると、静かに瞳を閉じた。
「フェア......」
再び、二人の唇が静かに重なった。
グラッドはそのまま、フェアをベッドへと優しく押し倒す。
そして、自らの舌をフェアの口内に侵入させた。
「ん...」
短い声を発し、フェアはわずかに体を震わせた。
互いを求めるように絡み合う二人の舌。
やがて唇が離れると、グラッドの眼前には顔を真っ赤に染めたフェアがいた。
いつもの様子からは想像できない、少女の可愛らしさと女性の色っぽさを併せ持つ未成熟な女の姿があった。
「フェア...いいか?」
グラッドの問いに、フェアは頷く事で答える。
グラッドは体を起こすと、寝たままのフェアの服に手をかけた。
慣れない動作に戸惑いながらも、ゆっくりとボタンを外していく。
上着を脱がせると、シャツをめくり上げる。
その下には、少し膨らんだ胸と、その頂点でふるふると震える桜色の突起があった。
見た事のない女性の裸に、しばし見蕩れるグラッド。
「お兄ちゃん......恥ずかしいよ...」
頬を赤く染めたフェアは、今まで見たどれよりもかわいい表情をしていた。
グラッドはフェアの胸を手で包みこみ、ゆっくりと優しく揉み始めた。

「んん......」
小さな声、フェアはそれさえも聞かせまいと、軽く握った拳を口の前に置いている。
グラッドは割れ物を扱うかのように、慎重にフェアの胸を揉んでいった。
初めて触る女性の胸は、小さめとは言うものの想像していたよりも柔らかく、グラッドの思考を正常でなくしていく。
両手で両方の胸を円を描くように揉んでいく。
「ごめんね...ミントお姉ちゃんみたいに大っきくなくて......」
フェアが力なく言った。
しかし今のグラッドに胸の大小など些末な問題にすぎなかった。
胸を揉む手の力を徐々に強くしていく。
「ん...あぁ......」
グラッドの手の動きに会わせてフェアの口から短い嬌声があがる。
ふと、指が胸の頂点で震える桜色の乳首に触れた。
「きゃっ......」
先ほどよりほんの少し大きいフェアの声に、グラッドは胸から手を離す。
「あっ、悪ぃ、痛かったか?」
「ううん...お兄ちゃん、その......続けても、いいよ」
フェアは更に顔を赤くし、潤んだ瞳でグラッドを見つめる。
グラッドは言われるがまま、再び胸に手を置き、今度は人差し指と中指で乳首を挟み込みながら胸を揉み始めた。
「んふ......んっ...」
少し指に力を込めながら、やはり繊細にフェアの胸を揉んでいく。
最初は柔らかかったフェアの乳首が、だんだんと固さを増していく。
グラッドは左手だけ離すと、あいたほうの乳首に舌を這わせた。
「きゃうん!」
いきなりの衝撃に、フェアは思わず声をあげてしまった。
自分でも触った事は幾度もあるが、舐められた経験はゼロである。
熱くぬめった舌は、求めるように何度も何度もフェアの乳首を責め立てた。
「あっ...んっ......んんっ!」
また新しい感覚がフェアの身を襲う。
胸全体が引っ張り上げられる様な感覚、グラッドが乳首を口に含み、強く吸い始めたのである。
「んんっ......お兄ちゃん...っ!」
グラッドは口に含んだ乳首を下で突きながら、更に強く吸い続けた。
「そんなに...ん...吸っちゃ......やだよぉ...」
グラッドはその言葉を聞くと、素直に口を離す。
「フェア...俺......」
申し訳なさそうな顔をフェアに向ける。
フェアも少し困った様な顔をし、眉根を寄せる。
「その......お兄ちゃん...私だけ裸じゃ...恥ずかしいよ......」
「あ...あぁ...」
グラッドはベッドから降りると、身につけていた甲冑を脱いでいく。
「(そういえば、槍どこにやったっけなぁ)」
どうでもいいような疑問が頭に浮かぶ。
少しでも現実を取り戻したいと言う、わずかな希望の現れだろうか。
服を脱ぎ、下着一枚だけになったグラッドが、再びフェアに重なる。
「私も...脱がせて......」
「あぁ...」
もういいのか、などと野暮な事は聞きはしない。
フェアはグラッドを求め、またグラッドもフェアを求めている。
グラッドはフェアの上半身を起こすと、中途半端に着ていた上着とシャツを完全に脱がす。
そして優しく寝かし、今度はフェアの履いているズボンに手をかける。
「ちょっと......恥ずかしいね...」
フェアの言葉にグラッドは無言の微笑みで返す。
するすると脱げていくフェアのズボンと、徐々に現れる美しい大腿。
やがてベッドの上には、お互い下着一枚のみをまとった男女が重なっていた。

「フェア...下着も、いいか?」
グラッドの問いかけに、フェアは頷く。
先ほど脱がしたズボンと同様に、今度は白いショーツに手をかける。
真っ赤になった顔を、フェアは両手で隠している。
そして下着も取り払われ、生まれたままの姿のフェアがグラッドの目に映った。
「綺麗だ...」
自然とグラッドの口から言葉が漏れる。
「そんなに...見ないでよぉ......」
顔から火が出そうな程の羞恥がフェアを襲う。
グラッドは裸のフェアに覆いかぶさると、そっと顔を隠していた手をどけた。
「お兄......んむっ!」
突然のキス、しかしフェアは驚く事はなく、目を閉じそれを享受した。
くちゅくちゅと舌が絡み合う音が静かな室内に響く。
グラッドはキスをしたまま、片手をフェアの秘所へと導く。
そして、一本の指が軽く敏感な部分を撫でる。
「んんっ!」
キスをされ、塞がれたままのフェアの口からくぐもった声が漏れる。
グラッドはその反応を楽しむかのように、幾度も秘所を指で撫でる。
「んっ...んむっ!むぅっ!」
その度にフェアの口からは素直な反応が声となって現れる。
「ぷはぁ...お兄ちゃ...んんっ!んあぁ!」
堪らず唇を離すフェア、しかしその表情に嫌悪感は微塵も見て取れない。
フェアは秘所を撫でているグラッドの腕を両手で掴む、しかしその手には全く力は入ってはいなかった。
「フェア、気持ちいいか?」
「あうぅっ!んんっ!んんあぁっ!」
グラッドの問いかけに答える余裕もない程に、フェアは乱れ、快感を享受していた。
「お兄ちゃん...あぁ!キス...キスしてぇ!」
フェアはグラッドの手に添えていた両手を今度は背中へとまわし、必死にグラッドを引き寄せそうとする。
しかしやはりその手に力は入らず、思うように体は動いていないようだ。
グラッドはフェアの懇願するままに、顔を近づけ深いキスをする。
「んむぅっ!んん...んんーーーーっ!」
大きくくぐもった声と同時に、フェアの体が弓のように仰け反る。
そして、力が抜けたのか、ぐったりとベッドの上へと横たわった。
「はぁ...はぁ......」
乱れた息、上気した顔、潤んだ瞳、その全てがグラッドの興奮を更に高める。
「フェア......俺ももう限界なんだが...」
困った様な笑顔を向け、指で頬をかきながらグラッドは言った。
こうした少し抜けた様なところが、グラッドらしいところなのだろう。
フェアは最初何を言っているのか理解できなかったが、彼のへその少し下を見てすぐに意味を理解した。
そして、何も言わず静かに頷いた。

グラッドは唯一身につけていた下着を取り払うと、ベッドへと座った。
フェアの目に映るのは、良く鍛えられたグラッドの体と、猛々しくそそり立つ彼の性器だった。
初めて見るそれは予想以上に大きく、フェアは少し困惑した。
「......そんなに見ないでくれよ...」
気付かないまま凝視していたのか、グラッドがフェアに言った。
「あ...ごめんなさい......」
フェアは急に恥ずかしくなり、視線をグラッドからそらす。
「本当にいいのか......」
最終確認の言葉、それにフェアはやはり頷いて答えた。
グラッドはフェアの膝を持つと、ゆっくりと開いた。
そこには美しいピンク色をした、未発達の秘所が広がっていた。
「じゃあ、いくぞ」
「待って...」
グラッドがいきり立ったソレをフェアの秘所に合わせた瞬間、フェアの口から静止の声が発された。
「あの...その......」
顔を赤くしながら、何かに戸惑っている様子だ。
「やっぱり......やめとくか?」
「そうじゃないの......私、初めてだから......その...」
グラッドはフェアの意を理解した。
体を重ね、自分の顔をフェアの顔のすぐそばまで持っていく。
「わかってる......無理だったらすぐに言えよ?」
「......うん」
グラッドは再び体を起こすと、ゆっくりと腰を沈めていった。
予想以上の締め付けがグラッドを責め立て、なかなか思うように腰が進まない。
グラッドは少し強引に、フェアの中に自らを進めていった。
「あっ......ぐうぅ!」
フェアの口から苦しそうな声が漏れる。
その声にグラッドの体が止まる。
フェアの顔は初めての異物感と痛みに耐えおり、涙も流れていた。
「フェア......」
「だ...大丈夫だよ......大丈夫だから...んんっ!」
心配そうに問いかけるグラッドに、フェアはむりやり作った笑顔で答える。
その笑顔がまた痛々しく、グラッドの心を締め付ける。
「やっぱり......止めといたほうが.........」
「大丈夫だから......お兄ちゃん...大丈夫だから......」
グラッドはその言葉を聞くと、再び腰を沈め始めた。
早く痛みを取り去ってあげたい、その一心からか、先ほどよりも速いペースで腰を沈めていく。
「んあぁぁぁぁっ!」
つーっと、秘所から一筋の血が垂れる。
グラッドの性器がフェアの最奥を突く。
「痛っ......はぁぁ......んっ!」
「フェア......」
必死で痛みに耐えるフェアを抱きしめる。
「少し......このままでいよう」
「お兄ちゃん......私達...一つになれたんだよね...嬉しい......私嬉しいよ......」
フェアは涙を流しながらグラッドと抱き合った。

一体どのくらいそのままでいたのか、それすらも解らない程二人は抱き合ったままだった。
乱れていたフェアの呼吸も治まり、幾分か楽になった様子だ。
「フェア......大丈夫か?」
先ほどからどれだけこの台詞を発したのか解らない。
それほどにグラッドはフェアを心配していた。
「うん......お兄ちゃん...もう動いてもいいよ.....」
「でも...」
「私、お兄ちゃんにも気持ち良くなってもらいたいから......だから...」
「フェア...」
フェアを貫く痛みは相当のものである筈である。
しかし精一杯の笑顔を向けてくれるフェアの気持ちを、グラッドは無駄にしたくはなかった。
「じゃあ、動くぞ...」
グラッドはゆっくりと腰を動かし始めた。
「あぐぅ.....んんっ!」
その瞬間、フェアの口から苦痛を訴える声が漏れる。
フェアの内部は初めての異物をギチギチと締め付け、少し動いただけでも相当の快感をグラッドに与える。
「フェア......やっぱり」
「大丈夫、大丈夫だから......んんっ!」
グラッドの言葉を際切り、フェアは必死に懇願する。
その願いに応えるかのように、グラッドは腰を動かし始める。
「うっ...く......フェア...」
「あぁっ!お兄....ちゃんっ!んあぁっ!」
求めるようにお互いの名前を呼び合う二人。
やがてたどたどしかったグラッドの腰の動きもスムーズになり、それを受け入れるフェアの秘所からも愛液が分泌され始める。
「あぁっ!お兄ちゃん!んひぃ!ひゃあぁぁっ!」
フェアの声からも苦痛の色が消え、快感の声があがり始める。
「フェア...フェア!」
「お兄ちゃんっ!あぁっ!」
結合部からは大量の飛沫が飛び散り、シーツを汚していく。
「くっ!もう......」
限界を感じ、グラッドは腰を後ろに下げようとする。
しかしそれはフェアの両足によって遮られた。
「あふぅ!あぁぁっ!お兄ちゃんんっ!な...かに......っ!」
「でも......」
フェアの口から出た言葉に、グラッドは戸惑う。
「いいからぁ...んんっ!お願い...お兄ちゃん!」
「くっ...フェア!中に出すぞっ!」
グラッドの腰の動きが激しさを増す。
「くぅ!」
そして、フェアの最も奥に腰がつき入れられると同時に、大量の精液がフェアの膣内に放たれる。
「んああぁぁあぁぁぁああぁぁぁっ!」
絶叫にも似た嬌声が部屋の中に響き渡る。
どくどくと流れ込む大量の精液、それは入りきらず結合部から少しずつ溢れ出す程の量であった。
「あぁぁ......お兄ちゃんのが...流れ込んでくるよぉ......」
やがて全てが吐き出されると、グラッドは性器を引き抜いた。
それと同時にフェアの秘所から精液が溢れ出し、シーツへとしみ込んでいく。
「お兄ちゃん......お兄ちゃん.........」
何度もグラッドを呼ぶフェアの唇に、グラッドは静かに自分の唇を重ねた。
静かになった部屋の中を月明かりだけが優しく照らし出していた。

次の日、夕暮れに染まる忘れじの面影亭の食堂内では、大騒ぎが起きていた。
「くっ!ワシにこんな事をしてどうなるのかわかっておるのか!」
頬を押さえながら床に転がる太った中年の男は、目の前に立つ青年、グラッドに気丈に言い放つ。
「ふん、お前が誰なのかも知らないし、どうなるかも知ったこっちゃない」
グラッドは吐き捨てるように言った。
「お兄ちゃん...」
グラッドの背中にはフェアが心配そうな顔をしてしがみついてる。
「おのれ......こうなったらこの世界で生きられないようにしてやる!」
男は立ち上がると、フェアを指差しながら叫んだ。
「やってみろ!その時は、俺が黙っちゃいないぞ!」
グラッドは携えていた槍を男に向ける。
「くっ...覚えていろ!」
男はお決まりの捨て台詞を吐き捨てると、乱暴にドアを蹴り開け外へと出て行った。
「ふん!」
グラッドは構えを解くと、振り向きフェアの肩に手を置く。
「もう大丈夫だ、もうアイツはこないだろう」
グラッドの言葉とは裏腹に、フェアの顔から曇りが取れる事はなかった。
「......どうしたんだ?」
「あいつ...この世界で生きられないようにしてやるって......」
フェアは俯き方を落とす。
グラッドはそんなフェアを優しく抱きしめる。
「お...お兄ちゃん...」
「安心しろ、そうなったら、俺が面倒を見てやるよ。一生な」
抱きしめる手に少し力がこもる。
「お兄ちゃん.......ありがとう...」
フェアはグラッドの腰に手を回すと、強く抱きしめた。
その目には、涙がうっすらと浮かんでいた。


おわり

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