クラウレ×アロエリ



暗闇に響くのは、淫猥な水音。
そして、男女の喘ぐ声。

「はっ、は…兄さま、兄さまぁぁ…はぁ…んっ」
「っ……アロエリ……」

褐色の肌がろうそくの明かりにぼんやりと照らされ、揺れ動いている。
天井から吊り下げられた紐で縛られた両手両足は、既に赤く滲んでいた。
いつも身につけている胸当ても、勇ましいセルファン族の羽帽子も取り払い、光を失った瞳を携えながら、アロエリはただひたすら出来る限り身体を動かし、快楽を貪る。
ぶじゅ、と秘裂から愛液が滴り落ちる。
その度に彼女の下で寝かされ、こちらも両手と両足を床に固定されている男はむぅ、と顔を顰める。

「おお、なかなかの出来映えでは無いか……クラウレ」
「……セイ、ロン…」

重い扉がゆっくりと開かれ、牢獄と化した部屋に入ってきたのは龍人族の若い男…セイロンだった。
むせかえるような女の香りに一瞬たじろぐも、すぐにその顔に笑みを浮かべて歩み寄って来た。
アロエリはセイロンが来た事に気付いていないのか、それとも気にしていないのか、ただ肢体を揺らしている。

「あっはっは、どうだ。実の妹の具合は」
「…貴様…ッぐぅ!」
「あぁっ!…兄さまぁ…」

クラウレが怒りをその瞳に宿すも、それはすぐに快楽によって掻き消されてしまう。
もうこの責め苦は何時間続いたであろうか。
自分では何をすることも適わず、ひたすら妹によって男根をもてあそばれている。
そして、遂にクラウレが達そうかというその瞬間には…

「!」
「ひぅぅぅっ!……あぁ……ぁぁ…」

ずるり、とアロエリの秘所からクラウレの剛直が引き抜かれる。
浅黒いそれはいまだ脈打ち、僅かな灯りに愛液が反射しててらてらと鈍く輝いていた。
アロエリを縛る紐がギリギリときしみ、彼女の身体が天井へと引き上げられて行く。
ぽたぽたと愛液を滴らせながら、恍惚の表情を張り付けたままアロエリはクラウレをじぃっと見つめていた。
そう、いわゆる寸止めだ。
もう何回やられたかどうかもわからないほど、クラウレはこれを繰り返されていた。
何度も何度も射精の寸前で情事を妨げられ、既にクラウレのそれは極限状態だった。
それでも、射精感が引いてきたところを見計らっては、またアロエリを縛る紐がぎしぎしと下ろされて行く。
待ちかねたかのように身体をくねらせ、兄のそれに腰をうずめては、
「んふぅ…んぁああぁあああっ!!」
と、歓喜の叫びをあげるアロエリに、セイロンは満足げに笑みを溢した。

「ぐ…セイロン、いい加減に…」
「悪く思うなよクラウレ。裏切りへの制裁だ」

そう。彼クラウレは、竜の子を護る『御使い』たちの纏め役を担っていた人物だった。
巨大な槍を巧みに操る、勇敢なセルファン族の戦士だった。
焼き鳥焼き鳥とさげすまれていても、それは変わりようの無い事実だったのだ。
アロエリも、兄である彼のそんな姿に憧れて戦士を目指したという。
しかし。

「御子殿に対する裏切りは、先代に対する裏切りでもある。
 そして裏切り者に“こうやって”裁きを下すのは、お前も先代の前で我と共に合意しただろう」

そう。
クラウレは、いまや御使いたちのリーダーどころか、恥ずべき裏切り者にまで堕ちてしまったのだ。
今まで通りの仲間を装って御子であるコーラルを奪おうとしたが、結界に阻まれた。
そしてライたちとの激戦の末に敗れ、裏切り者としてセイロンらに捕らえられたのだった。

『こやつも、元は我ら御使いを纏め上げていた男だ。我らの問題は、我らの手で解決させて欲しい。わかってくれるな、店主殿』
と妹を泣かせたことに腹を立てるライを説き伏せたセイロンだったが、まさかライも今現在こんな事態になっているとは思いもしないだろう。

目の前で跳ねている妹の姿を痛々しげに見つめながら、身動き出来ないクラウレは思った。
(何故だ…何故…こんなことに…)
そもそもの始まりは、数ヶ月前だった。
いつものようにエロパロ板で「アメルたん(;´Д`)ハァハァ」していた先代が、こんなレスを発見したのだ。


80 :名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 22:38:30
なるほどアロエリともどもセイロンとリビエルに調教される『ラウスの檻』なわけですな。
想像してキモくなったorz


これを見た先代、脳内がカオスな状況に陥ったのか、突然
『誰かが悪業を働きでもしたなら御使いの中でひたすら調教しろ』とか言い出したのだ。
そして夜通し先代のアメルたんハァハァを聞かされ、かなり重度の寝不足に陥っていたセイロンとクラウレは、寝ぼけ眼でついつい「はい」と返事を返してしまった。
先代が亡くなり、どんな事であれ先代との約束を破るわけにもいかないと固く誓った二人。
そしてあろうことかクラウレが裏切りという悪業を働いた今、セイロンはこうやって何故かアロエリの精神を破壊してまでクラウレを調教(?)していた。
曰く「アロエリ無しでは生きていけぬ身体にすることで、クラウレを束縛しギアン達を弱体化させる」らしい。
どう考えても本人が楽しんでいるだけのような気がするが、今となってはどうでもいいことだ。
このままでは本当に精神がふっ飛んでしまいそうな程押し寄せる快楽の波に、クラウレは汗を滲ませた。
まさか、自分が実の妹と交わり、そして何も出来ずにもてあそばれ続けているとは。
焼き鳥で既に傷ついたクラウレのプライドは、もう崩壊寸前だった。

「んはあぁぁあぁあっ!!兄さまの、兄さまのがぁぁ!ひゅぁぁあああああぁああ!!!」
突如、アロエリが一際甲高い声をあげた。
びくびくと膣肉が脈動し、自分の剛直を締め上げる。愛液が次々と溢れ出し、クラウレの身体を濡らす。

目の前で盛大にイッた妹。
もう何度目か解らない絶頂を迎えてなお、よだれを垂らしたままクラウレの上で跳ね続けている。
その様を無言で眺めていた時、ふと彼女と眼が合った。
普段の妹からは考えつかないような、淫らに緩んだ表情。
口元からはよだれを垂らし、眼には涙を滲ませ、クラウレを見つめている。
ふと、アロエリが口を開いた。

「……兄さま……好きっ……だいすきぃ…」

その瞬間、クラウレは自分の周囲の世界ががらがらと音を立てて崩れ落ちて行くのを感じた。


「……アロエリィィィイイイイッッ!!」
手足の束縛が急に消えた。そしてクラウレは妹の唇に吸い付かんと上体を跳ね上げる。
「んおぉっ!?」
ああ、みずみずしい唇の感触。もはや妹であろうと関係無かった。
クラウレはただ目の前にある快楽に手を伸ばし、ひたすらに舌を絡めた。
「アロエリ…アロエリっ…!!」
愛しい人の名前を呼びながら、ふと眼を開く。
飛びこんできたのは、顔面についた大きな傷、そして血色の悪そうな白い肌。

「……ん?」
ようやくクラウレは覚醒した。
周りが妙に明るい。床も冷たくない。それどころか、むしろ温かくすらも感じる。
そして、目の前に在るハズの、愛する褐色の肌が、無い。

「教授っ!?しっかりしてくださいっ!」

いびつな、寄せ集めのパーツで作られた青い機械人形が視界に飛びこむ。
しゃがみこみ、自分の眼下に倒れている人物を抱き寄せる。
…――――教授、だと?

もう一度、自分の眼下…ベッドの下に倒れている人物をよく見た。

ゲック=ドワイドが倒れている。

夢…?
す、と自分の唇に手を伸ばす。濡れていた。
ゲックの唇を見る。朝日に反射し、輝いている。濡れているのがわかる。
…まさか――――

クラウレは目の前が真っ暗になるのを感じた。
そして、ローレットの背後から突き刺さる、エニシアの視線によってトドメを刺された。


続かない。

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