半妖無惨



「あぁ……あうぁぁ…あっ…ぐぁ……がぁぁ……ぁ……」
 背後から受ける肉の圧迫。執拗に抉られるのは尻肉。踏み潰されるカエルの気持ち。
 それはおそらくこのようなものなのだろうと肛姦を受けながらエニシアは思った。
 口から洩れだす喘ぎ。本当にカエルみたいだ。内臓ごと踏み潰されるカエルの鳴き声。
「あぐっ…ぎっ…っひ……んぎっ…ぐっ…うっ…ぐぅぅうう!!」
 ずんずん。ぱんぱん。リズムを刻んで腸は踊る。挿入された肉棒が無理やり躍らせる。
 丸太のように図太い肉棒。こんなものもすんなりと収まるようになってしまった。
 受け入れただけではない。腸内のひだはこれでもかというほどに男根を締め付ける。
 肉人形。肉便器。精液便所。そんな呼び名が良く似合う肉体にさせられてしまった。
 どれだけの時間が過ぎたのだろう。この陵辱の始まりから。気が遠くなるほど昔の気もする。
「……んあぁっ……あっ……ぁ……あぅ…あぅあぁ!!」
 延々と受け続けてきた調教もようやくにしてエニシアの身体に馴染みつつあった。
 ずるずると肛門を掻き分ける肉棒。挿入が繰り返される度にえも知れぬ快楽が脳を包む。
 そろそろ身も心も正真正銘の肉便器に成り下がってきている。それを実感できる。
(……なっちゃったんだ……私、便器さんになっちゃんたんだ……)
 虚ろにまどろむ意識でポツリと胸中で呟く。こうして今も精液の浣腸を施されている。
 腸内を逆流する熱い液汁が胃まで届いてくるような気さえする。ヴァギナにも男根。
 ギチギチにつめこまれた肉棒が栓をする。子宮にもたっぷりと注がれた精液が零れないように。 
「んぶっ……んんっぶ……んぶぅぅ!」
 口も犯される。吐き出されるスペルマ。どれほど飲まされたのだろうか。胃がドロドロする。
 エニシアの身体の内も外も精液漬けで、そこには白濁まみれの肉人形がただ存在していた。
(お似合いなんだよ……私にはこういうのが……お似合いなんだ……)
 輪姦を受けながらエニシアは自嘲めく。そうだ。確かに相応しい。無様に肉便器にされるのが。
 なにが姫だ。出来損ないの半妖精の分際で。だってそうじゃないか。自分には誰も救えなかった。
 誰も幸せにすることなんて出来なかったのだ。ただ無惨な生き地獄に皆を誘っただけ。
『痛いよぉ……痛いよぉぉ……痛いよぉぉぉ』
『苦しいよぉ……苦しいよぉぉ……苦しいよぉぉぉ』
『助けて姫様ぁ……助けて姫様ぁぁ……助けて姫様ぁぁぁ』
 ほら聞こえてくる。亜人の子達の悲痛な叫びが。嘆き苦しむあの子たちに対してなにも出来ない。
 救うことも癒すこともできない。できるのは肉便器になること。一本でも多くの肉棒を引き受けること。
 あの子たちの負担をほんのわずかでも和らげるために。
「あ……はぁ♪……はは……」
 そうしているうちに次第に気がふれてきた。いよいよ壊れたか。けれどまだだ。
 そんなに楽に壊れることを許されるはずがない。

 イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。
 クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。
 タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。

 亡者のような叫びはエニシアの脳をグルグルと巡回する。エコーのように響き続けて耳から離れない。
「あはは……ははは……は……は……」 
 その叫びにエニシアは乾いた笑いで返す。嘲っていた。自分自身を。今も苦しみ続ける子ども達を救えぬ自分を。
 ただ惨めに肉便器にされ続けるだけの無能な自身を。なんて滑稽なんだろう。笑えてくる。
「ははは……はは……は……」
 嘲笑は次第に勢いを失う。再び脳を巡る。あの叫びがまたしても。

 イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。
 イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。イタイ。
 クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。
 クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。クルシイ。
 タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。
 タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。タスケテ。


 もう限界だ。誤魔化しきれない。乾いた笑いが止む。小さく身体は震える。前後から肉棒で挟まれた身体が。
 精液にまみれた顔。その頬に流れる水滴がほんの僅かに精液を拭う。水滴は止めどなく瞳から零れる。
 声が震える。喉の奥から。肺の奥から。何かが這いずり出てくる。あと少し。さあ出番だ。

「嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌ああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 終わりなく続く陵辱の真っ只中、延々と頭に響き続ける子ども達の叫びにエニシアは耐えかねて絶叫をあげる。




 
 幻獣界メイトルパ。生き別れた母を、引き離された故郷を求めてエニシア達が辿り着いた地。
 しかしそこに楽園はなかった。あったのは凶獣の巣窟。強襲を受け陥落したラウスブルグ。
 エニシアを守る忠臣たちはみんな殺された。守るはずだった子ども達はことごとく慰み者にされた。
 そしてエニシア自身もこうして肉奴隷として酷使されている。性処理用の肉便器となって。
(私のせいなんだ……全部……私のせいなんだ……)
 ドロドロのスペルマ塗れの身体でエニシアは自虐に苛まれる。自身の無能が無力が何よりも憎い。
(私が上手くできなかったから……みんな酷い目にあったんだ……あの子たちも……みんな……)
 思い出す。自分を守り斃れていった忠臣たちを。目の前で純潔を散らされて悲鳴をあげる子ども達を。
 そうだ。私が殺した。彼らを。そうだ。私が苦しめた。あの子達を。そうやって延々と続く自虐の連鎖。
 それがエニシアの魂を確実に削りとっていく。エニシアの身体は度重なる陵辱で穢され続けていく。
 終わりのない悪夢。果てしない絶望。それらがただ広がる。耐え難い。叫びを口にする。無為と知りつつも。
「嫌ぁぁああ!!やぁぁあ………うぅああああ!!……っぐ……うぅ……」
 壊れることさえ許されず生殺しにされている。ああ、殺して。誰か私を殺して。そうすれば楽になれるから。
「っ!?」
 刹那、調教部屋の戸がギィと音を立てて開く。エニシアは振り向く。そこには幾人かの獣人たちがいた。
(また……なんだ……)
 諦めに似た気持ちでエニシアはちらりと彼らを見る。雌奴隷のエニシアに定まった休みなどはない。
 ひっきりなしに訪れる者たちに抱かれ、よがらされて、喘がされる。それが常と化している。
 また犯しにきたのだろう。エニシアは諦観する。むしろ犯されでもしていた方が気がまぎれる。
 肉欲に狂ってよがりふけっていれば自虐の苛む度合いが薄れる。むしろその方が楽だ。
 そんな風にさえ思えていた。だが獣人たちはエニシアを犯すために来たのではなかった。
 仰向けに転がる身体を引っ張り起こされる。すると首輪を嵌められた。首輪についた鎖が引っ張られる。
 そしてエニシアはそのまま引きずられるように連れて行かれた。いったい何処へ連れて行かれるのだろうか。
(何処でも変わらないよ……そう……変わらないんだ……)
 引きずられるままにエニシアは虚ろな意識でただ足を動かす。





 大きな金属製の扉。それが開かれると『入れ』とエニシアは促がされた。ゆっくりと足を運ぶ。
 どうせろくな場所ではないと悟りながら。最もどこへ行っても地獄なのは変わらない。
 だが今度の地獄は一味違った。中に入ってエニシアは驚愕する。眼前の信じられない光景に。
「やぁぁ!嫌ぁぁぁああ!!痛いぃぃ!!」
 響くのは少女の悲鳴。覚悟していたことだ。ウサギ耳の亜人の娘。犯されている。
 幼い蕾を踏みにじられている。エニシアはその様を見せ付けられた。こんなことは前にもあった。
「やあぁぁぁ!熱いよぉぉ!!お腹壊れちゃうよぉぉお!!」
 ドクドク。白濁は少女の幼い膣に注がれる。エニシアは絶句する。眼前で行われている強姦にではない。
 それを行っているものの姿にである。今、ウサギ耳の娘を犯している者の姿に。
「んあぁぁぁあああ!!でるのぉぉおおお!!ミルリーフ、どぴゅどぴゅしちゃうのぉおおお!!」
「ミルリーフちゃんっ!?」
 なんとそれはミルリーフであった。至竜としての力を奪われエニシア同様に慰みものとされたミルリーフ。
 彼女の股間には豪壮な一本の肉棒が生えていた。そしてその生えたペニスでウサギ耳の娘を貫いている。
 肉欲の赴くままに腰を振っている。激しい射精を繰り返している。
「んあぁぁあああ!!でりゅぅぅぅう!!ちんぽみるくぅぅぅ!!ミルリーフのぉぉ!全部ぅぅぅう!!」
 ドクドクドク。射精は更に続いた。犯されている娘は既に失神し白目を剥いているというのに。
 ミルリーフは極太のペニスを引き抜くと白濁のシャワーを倒れた娘に満遍なく浴びせかける。
「ぁ……ぁぁ……ぁ……」
 エニシアは言葉を失った。肉棒を生やし射精を続けるミルリーフの異様な姿に。悪い夢かとも思った。
 悪夢には散々慣らされてきたはずなのにそう思ってしまう。そんな風に唖然としていると。
「あぁ。エニシアおねえちゃんだぁ♪」
 エニシアの姿を見つけたミルリーフが甘えるような声で擦り寄ってくる。
「エニシアおねえちゃんも来てくれたんだぁ?わぁい。ミルリーフ嬉しい♪」
「ミ、ミルリーフちゃん……」
「えへへ♪あのねえ、エニシアおねえちゃん。ミルリーフねえ、とっても素敵なプレゼントをおじさんたちから貰ったの」
 そう言ってえへんと胸を張る様にミルリーフは反り返る。すると鞭のようにしなる。ミルリーフの股間から生えるブツが。
「ひぃぃぃいいいいいいい!!」
 あまりのおぞましさに悲鳴をあげるエニシア。ミルリーフはきょとんとするがすぐに気づいて声をかける。
「あは♪驚いたぁ?ミルリーフもねえ。最初は驚いちゃったのぉ。ミルリーフのおまたから男の人のアレが生えてきて」
 そして無邪気な笑顔でミルリーフは解説する。
「なんでもねえ至竜って本来の性別ってないの。だからちょっと弄くるだけでこんなのが生えちゃったりするの」
 施された肉体改造。フタナリ娘と化したミルリーフはあやしく微笑んで続きを告げる。
「それでね。赤ちゃんを孕ませることもできちゃうんだって。もちろんエニシアお姉ちゃんにもね」
「っ!?」
 言うやいなやミルリーフはエニシアを組み伏せる。わけもわからずにエニシアはもがく。
「嫌ぁ!ミルリーフちゃん、止めてっ!そんなこと……」
「ダメだよ。エニシアおねえちゃん。おねえちゃんにはミルリーフの赤ちゃんを孕んでもらうんだから」
「なっ!?」
「おじさん達が約束してくれたの……エニシアおねえちゃんや他の皆にミルリーフの赤ちゃんを孕ませたら……
 ちゃんと返してくれるって……パパのいるところまで……だから……ミルリーフは………」
「ミルリーフちゃん……」
 ミルリーフの瞳は涙で潤んでいた。その瞳に込められた想い。それがエニシアにも伝わる。
「ミルリーフずっと……ドロドロのグチョグチョされてたの……おじさんたちの白いミルクで……
 辛かった……哀しかった……だからもう嫌なの……パパのところに帰りたいの……」 
 過酷な陵辱に晒され続けたのはエニシアや亜人の少女達だけではない。ミルリーフもである。
 延々と続く輪姦地獄にミルリーフの心は壊れてしまったのだ。エニシアはそのことを悟る。
(ミルリーフちゃん……ごめんなさい……)
 これもまた自分のせいなのだと自虐に苛まれるエニシア。だがミルリーフはエニシアに感傷に浸る隙を与えない。
 すかさず突きつける。長大な肉棒を。むき出しのエニシアの女性器めがけて。
「ひぃぃぃぃいいいいいいい!!!やぁああああ!!嫌ぁぁぁあああああ!!!」
「だめだよぉぉ。エニシアおねえちゃん。ちゃんとミルリーフの赤ちゃん孕んでくれなきゃ……」
 狂気の宿った瞳でミルリーフはエニシアを見つめる。そして冷たく吐き捨てる。
「そうじゃないとミルリーフ、いつまでたっても自由になれないもん。おねえちゃんのせいでこんな酷い目にあってるのに」
「あぁぁあああ!!あああああっ!!!」
 詰られる。己が非を。エニシアは絶叫する。そうだ。この娘には責める資格がある。
「だから今からミルリーフのために肉便器になって。ミルリーフの赤ちゃん孕んで。いいでしょぉ?」
「あぁぁ……う……ぅ……」
 エニシアは何も答えられない。だがそれを同意と受け取ったのかミルリーフは動く。
 ずぷり。埋没する。長大なミルリーフのフタナリペニスがエニシアの膣へと。
「んあぁぁぁああああああああああああ!!!!」
 肉棒は一気にエニシアの膣内を貫く。膣奥までギチギチに密着する。ミルリーフは歓声をあげる。
「あひぃぃいいい!!おまんこぉぉぉぉ!!エニシアおねえちゃんのおまんこぉぉぉおお!!
 しゅごいぃぃぃいい!!しゅごいのぉぉおお!!ミルリーフのおちんぽ溶けちゃうのぉぉおお!!」
「ああああああぁああああああ!!!んぎあぁぁあああああああああ!!!!」
 ギュウギュウにペニスを締め付けるエニシアの膣肉。ミルリーフはその味に溺れて腰をふりだす。
「んあぁぁぁあああ!!らめなのほぉぉおおお!!ミルリーフのおちんちん、ギュウギュウされてるのぉぉおお!!
 おねえちゃんのおまんこでギュウギュウされてるのぉぉおお!!らめへえぇぇぇぇえ!!すぐにでちゃうぅぅぅ!」
「んぎあぁぁああああああ!!!ぎあぁぁぁああああああああああああああ!!」
 度重なる陵辱に慣れたエニシアも流石に悲鳴をあげる。膣をえぐるミルリーフの肉棒。それはあまりにも太かった。
 どんな獣人の逞しい男根よりも。そんな凶悪なシロモノがごつごつと容赦なく子宮の入り口を叩く。エニシアは悶える。
「らめへぇぇぇえええ!!ちんぽみるくぅぅぅうう!!ミルリーフのちんぽみるくぅぅぅうう!!でちゃうぅぅぅぅう!!
 どぴゅどぴゅしちゃふぅぅぅう!!でりゅぅぅぅうぅう!!でてりゅのほぉぉぉお!イっちゃうのぉぉおおおおおお!!」
「嫌ぁぁぁぁあああああ!!!嫌ぁぁぁぁあああ!!ぎやぁぁっぁぁぁぁあああああああああああああ!!」
 そしてスペルマは吐き出される。ミルリーフの子種が大量に詰まった白濁の液汁が。エニシアの子宮へと注がれる。
 ミルリーフはありったけの子種汁をエニシアに射精し続け、子宮に侵入した精子はエニシアの卵子を容赦なく輪姦する。
「孕んでぇぇぇえええ!!エニシアおねえちゃんっ!ミルリーフの赤ちゃん孕んでぇぇぇえええ!!お願いなのぉぉぉおおお!!」
「嫌ぁぁ!!嫌ぁぁぁあ!!嫌ぁぁぁあああ!!嫌嫌嫌ああああぁあぁぁぁぁああああああああ!!!」
 そうやって泣いて嫌がるエニシアをミルリーフはひたすらに犯して精液を注ぎ続けた。エニシアはその日のうちに受胎した。
 ミルリーフに種付けされた他の亜人の娘達とともに。しかし種付けをこなしてもミルリーフも解放されることはなかった。



「あはぁ♪パパぁ……見てみてみてぇぇぇえ」
 過酷な調教ですっかりと頭の壊れたミルリーフは誰を見てもライと思い込むようになった。そして大きくなったお腹をさすりながら言う。
「ミルリーフのお腹にパパとミルリーフの赤ちゃんいるのぉ。ミルリーフのお腹の中でポコポコ動くのぉぉおお」
 誰の種とも分からぬ子を孕まされて無邪気に喜ぶ。あるいは彼女にとってはこの方が幸せだったのかもしれない。
「あっ……うっ……あぁぁ……うぅ……」
 臨月を迎えて蠢く腹部に悶えるエニシア。妊娠中も主にアナルを犯され続けた。同じ様に孕んだ亜人の娘達とともに。
「殺して……殺してぇぇ……お願いだから誰か私を殺してぇぇぇええ!!」
 既に壊れてしまったミルリーフに比べ彼女は不幸なのだろう。苦痛を感じる機能が麻痺せぬままに嬲られ続けている。なんとも惨い。
 かくして二人の少女は対照的なそれでいてどちらも無惨な末路を迎える。エルゴがもたらす運命とは時に残酷なものなのである。


〜BADEND〜

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