すれ違いの恋



太陽はすでにその姿を隠し、島には夜が訪れていた。
それはここラトリクスも例外ではない。町の明かりは落ち、ほとんどの機械は活動を休止していた。
「じゃあ、俺もそろそろ帰るよ。……また明日」
アルディラと遅くまで話し込んでいたレックスもそれに気付き、彼女に別れの挨拶をする。
帰り支度を終え、扉に手を掛けようとしたその時、不意に、背中に温かいものが触れる。
「アルディラ……」
「待って……行かないで…」
消え入りそうな声で自分にすがりつくアルディラ。
その様子を見て、レックスは一瞬寂しげな表情を浮かべる。しかしそれはすぐにいつもの微笑みに隠される。



「あ……あぁ……ぁああぁぁっ……」
いきり立ったレックスのモノの上にアルディラが腰を沈めていく。
膣内はさほどの抵抗もなく、肉棒はアルディラの中にずぶずぶと入っていく。
「きゃっ……ぁあうっ!」
先端がこつんと音を立てて奥に当たり、アルディラが高い声を上げる。
それを合図に、レックスは一気に自らのモノを突き入れる。



レックスは以前から何度もアルディラと肉体関係を持っていた。
初めて身体を求めてきたのはアルディラの方からだった。
本当に求められているのは自分ではないことは知っていた。
アルディラは自分にかつての恋人の幻影を見ている。彼女が愛しているのは自分ではなく、ハイネル=コープスなのだ。
それぐらいのことは恋愛事に疎いレックスにもわかっていた。しかし、彼はアルディラを拒むことはできなかった。
「あんっ、あんっ、あぁんっ、ぁぁあっ!」
最奥をレックスに突かれながら妖艶な声で喘ぐアルディラ。その声が魅力的であればあるほどレックスは空しくなる。
「ひぁっ……ぅぁっ……ふぁ……はあんっ!」
乱暴に腰を打ち付け、彼女の内をかき回す。相手のことなど全くいたわらずに、獣のように交わる。
「やあっ……ぁあう……うあっ……あぁぁあぁっ!」
「アルディラッ……アルディラ……ッ!」
こみ上げる射精感。肉棒をより深く突き刺し、大量の白濁を注ぎ込む。
どれだけ彼女を愛してもその想いは届かない。自分はハイネルの代わりでしかない。
レックスはやりきれない気持ちをぶつけるかのように、再び腰を打ち付け始める。




肉棒が勢いよく膣内を滑る感覚。秘肉がとろとろに溶ける感覚。
アルディラはすべての思考を放棄しながらそれらの快感を享受する。

いつからだろう。彼のことが好きになったのは。
いつも笑顔を絶やさず、自分より他人を一番に考えるお人好しの彼に、いつしか自分は惹かれていった。
そうして行動を共にする内に、気がつけば自分の中でハイネルよりも彼の存在が大きくなっていた。
その気持ちは彼女にとってハイネルに対する裏切り行為に等しかった。レックスのことを想うほど、彼女は罪の意識にさいなまれていった。
そして、魔剣の封印に協力し、遺跡の復活を阻止したことにより、それは爆発した。
あの時、アルディラはハイネルの復活ではなくレックスを助けることを選んだ。
その日の夜、アルディラはレックスと体を求め合った。
耐えきれなかった。ひとりでいると壊れてしまいそうだった。
遺跡の意思に操られていたとはいえ、彼を殺そうとしたのだ。きっと嫌われているのだろう。
それでも彼は優しいから自分を慰めてくれる。自分はその優しさに付け込んで甘えている。最低な女だ。
頭の中に渦巻く罪悪感から目を背けるように、アルディラはレックスとの肉交に溺れる。



「あんっ!あんっ!あぁんっ!あはぁっ!」
強烈な突き上げ。肉棒が何度も子宮にぶつかり、その度に脳が揺さぶられるかのような衝撃を感じる。
「あああぁっ!いぃ!イイのぉ!もっとしてぇっ!」
恍惚とした表情で自らも腰を振る。メチャクチャに犯されている時だけはすべてを忘れることができる。
「あん!あん!あん!あん!ああぁあぁぁあっ!」
一際激しく最奥が叩かれ、肉棒から白濁液が吐き出される。アルディラの膣は収縮しながらレックスのモノを締め付け、精を搾り取る。
「あぁあっ……んっ……んぷ……ふぁ……ぁ」
どろどろの精液がアルディラに注がれ、子宮内を満たす。膣内で肉棒が脈打つ度に、アルディラの体はびくびくと痙攣する。
オルガズムに達し、倒れ込むアルディラ。意識が途切れる寸前、ぼんやりとだがレックスに抱き留められた気がした。



すれ違い続ける二人。その想いが報われるのは果たしていつの日か。


おわり

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