贖罪のエニシア



「うぁっ……あぁっ……うっ……あうっ!」
 ビュクッ。ビュクッ。吐き出される汚汁。子宮で受け止めエニシアは喘ぐ。
 びゅるっ。びゅるっ。注ぎこまれる精子。どれだけの量を注がれたのだろうか。
 たぷたぷ。エニシアの子袋は既に無数の雄の子種汁で満たされている。
「あうっ……あぅぅ……うっ……やぁぁ……ぁぁぁ……」
 射精は行為の終わりを意味しなかった。一人が終わればまた次の一人が現れる。
 トレイユ住民御用達の性処理用肉便器。使用料は一回100b。それが今のエニシアの現実。
 かつて町を襲った軍団の姫であったエニシア。それを知られて与えられたのは肉私刑。
 無惨に散らされた純潔。彼女に憎しみを持つ住人達。その全てにエニシアは犯された。
 三日三晩。休む暇もなく続いた輪姦。膣も尻穴も口も全て。穴という穴にありったけ。
 白濁の液汁をエニシアは注がれ続けた。苛烈な陵辱に苦しみ喘ぐエニシアの姿。
 その無惨な姿に住人達も一旦は溜飲を下げる。けれどそれは始まりでしかなかった。
 その後、決定されたエニシアの処遇。それはこの宿場町、トレイユの公衆精液便所として住人達の性欲を処理し、道行く旅人相手に春をひさぐ事で外貨を稼ぐ肉奴隷になること。
 そのためだけにエニシアは生かされていた。それが彼女に与えられた唯一の贖罪。
「ふぁぁっ……あぐっ……はうっ……うっ……あぁ……ひぐあぁぁっ……はぐぅぅうう」
 ビクン。ビクン。濃厚なスペルマがまたエニシアの子宮に注がれる。壁に記された印。
 今月に入ってからエニシアを抱いた延べ人数。その数は早くも千に到達した。



「はぐっ……はむっ……むしゃ……もぐっ……」
 過酷な肉便器生活。それでも餌だけはなんとか支給される。当然の如くそれは残飯。
 それもただの残飯ではない。ソースとしてザーメンや尿をぶっかけられたモノを出される。
 そんなものでもエニシアは食さなければならない。これも一種の私刑であった。
 残せば折檻をエニシアは受ける。青痣だらけのボコボコにされた顔で家畜の糞と一緒になったモノを容赦なくその口に詰め込まされるのだ。どこまでも惨めだった。けれどこれは罰。
 平和だったこの宿場町に癒えることのない深い傷痕を負わせた罪への。
「ハフッ!ハフハフッ!バウッ!バウッ!」
「ひぎっ!はぎっ……ぎぃぃ……はぐっ……あぐっ……」
 食事の間も肉便器としての務めは果たさねばならなかった。後背位から犬にエニシアは犯される。
 犬のペニスはエニシアの膣内で丸く膨らむ。膣肉にぴっちりと密着する犬肉の感触を覚えながら雌犬よろしくエニシアは交尾を受ける。身に受ける獣姦。それは家畜の証し。ザーメンまみれの餌を貪りながら犬に犯されるエニシアをギャラリーはおおいに嘲り笑う。この上もなく惨め。
 自身が家畜以下の存在であるという事をエニシアはその身に思い知らされる。ああ、ドクンドクン。
 子宮に流れ込む犬の子種汁。どぴゅ。どぴゅ。どぴゅ。まだ射精されてる。すごく惨め。
(ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……)
 そんな仕打ちにもエニシアは心の中でただ謝る。『もう、止めて』とも『許して』とも言えなかった。
 拭いきれぬ罪の記憶。犯した過ちがただただ響く。止められた筈だった。町を襲ったあの惨劇も。
 自分がもっと勇気を持ってギアンと向き合う事ができたなら。それができなかった自分の弱さ。
 なによりもそれをエニシアは悔やむ。ああ、ごめんなさい。私がいけなかったんだ。
 私のせいでこの町のみんなが酷い目にあったんだね。住むお家も壊されて、お金もたくさん無くして、そして大切な誰かを永遠に失ってしまったんだね。ごめんなさい。いくら謝っても決して許されない。
 私が全部いけなかったんだ。私なんてこの世に生まれてこなければよかったのに。だからごめんなさい。
 この世に生まれてきてごめんなさい。ごめんなさい。



「あぎっ……はぎっ……ひぎぃぃぃぃいいい!!ひぎゃぅぅぅうううう!!」
「ヒヒーンッ!ブヒッ!ブヒヒヒーンっ!!」
 そうして私刑はより苛烈なものとなる。週に一度の公開獣姦ショー。そこで様々な家畜にエニシアは犯される。
 犬など可愛いものだった。牛、豚、馬、羊。ありとあらゆるケダモノペニスをエニシアは体験した。
 特に馬はきつかった。馬並みの名に恥じない極太ペニス。過酷な肉便器生活にガバガバになったエニシアのヴァギナでも受け入れるには余りある。極太の肉棒に貫かれエニシアの膣はギチギチと破裂寸前の悲鳴をあげる。
 そこから繰り出す強烈なる交尾。バシッ。バシッ。バシッ。打ち付けられる腰。激しく子宮を突き動かす。
 締まりのよいエニシアの膣肉に興奮して種馬はより盛る。より盛んに腰を突き動かしてエニシアを犯す。
 エニシアは地獄だった。響く絶叫。それを見てギャラリーは大いに沸きあがる。
「ぐぁぁぁあああああああ!!!あぎぁぁぁああああああ!!あぐぁぁあああああああ!!!!」
 ドクドクドク。焼き爛れるような熱と共に注がれる子種汁。容赦ない種付けをエニシアは施される。
 ブヒヒンッ!ブヒヒンッ!射精しながら盛る馬。白濁を注がれながら胎内をエニシアはシェイクされる。
 馬の射精時間は長い。ほんの一秒という時間さえエニシアには永遠に感じられた。そして響く大合唱。
 『孕め!』『孕め!』と轟き叫ぶ。
(うぁぁ……赤ちゃん……お馬さんの……赤……ちゃん……)
 種付けを施されながらエニシアの脳に妊娠の二文字が刻まれる。別に馬とは限らない。もう人も獣も問わず
 多種多様な精液をエニシアはその子宮に注がれてきた。とっくに孕んでいたとしてもおかしくはないだろう。
 溢れる涙。エニシアの頬を濡らす。顔中のありとあらゆる穴から液を垂れ流してエニシアは喘ぐ。
 ふいに思った。赤ちゃんだけは産みたくないなあと。それはこの世にまた哀しい命を生み出すことになるから。
 ただ運命に翻弄されて嬲られる。そんな自分と同じ哀しい命。
(ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……)
 発狂寸前の悶絶の中、エニシアはまた謝り続けた。自分の犯した罪。なによりもこの世に生まれてきてしまった罪をひたすら悔い続けた。



「……ぁ……ぁぁ……ぅ……」
 そして季節はまた移る。空気も冷たくなる季節。家畜のエニシアには室内とはいえ衣服は与えられない。
 寒い。凍えるように寒い。このまま凍え死んでしまう。
「……ぁ……は……あはっ……はは……」
 ジョロロロロ。そんなエニシアの冷えた身体を黄色い液体が温める。片足をあげた犬が為す臭い付け。
 黄色の温水シャワーが唯一の温もり。えへへへへ。すごく温かいな。ねえ、お願い。もっとかけて。
「はは……はひっ……はひひひ……」
 小柄な体格には不釣合いなほどにポッコリと大きく膨れたお腹。来週には公開出産ショーが予定されている。
 前売り券は既に完売している。当日はそれを目当てに来た観客達がありったけの白いオシッコのシャワーでエニシアの出産を祝福してくれるだろう。わあい。うれしいな。楽しみ。楽しみ。壁に記された印の数。
 もう一万は越えている。あはははは。いったい誰の子かな。ワンちゃんかな?それともお馬さんのかな?
 どうでもいいや。そんなの。
「あひひひ……ひひっ……ひはは……あははははは……」
 陵辱に壊れきった頭でエニシアはひたすら笑う。笑い続ける。一切の苦痛も犯した罪の記憶も全て忘れて。
 そうすることでようやく楽になることができた。それがエニシア、彼女の果たした贖罪であった。


 〜end〜

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