失楽園



 忘れ去られた島。そこは過去において無色の派閥の実験場であった。
 界と界との狭間にある境界線(クリスプ)の力の解析。そのために作り出された喚起の門。
 その実験の副産物として門は四つの世界から様々な召喚獣達を呼び寄せた。
 異なる世界の異なる種族たちが共存する楽園。それを夢見たある召喚師は派閥を裏切った。
 用済みとして廃棄されようとしていた召喚獣達と共に島の独立を勝ち取るために戦った。
 結果、住人達はその戦いには敗れた。しかし派閥の被った被害も甚大で必要なモノだけを持ち帰り、派閥の勢力は島から撤退していった。多大な犠牲の果てに辛くも得ることのできた島の独立。
 平和の時が長く続いた。しかし時が流れて、祖が残した遺産を回収せんと無色の派閥は再度上陸した。
 再び戦乱に包まれた島。住人達は戦った。かつて自分達を解放してくれた召喚師ハイネルの意思の宿る緑の魔剣を携えた青年を中心にして。辛かった戦いの果てに住人達は島を襲った無色の派閥の軍勢を撃退した。
 けれど戦いは島に深い爪痕を残した。決して癒えることのない深い傷痕を。



「嫌ぁぁぁあああああ!嫌ぁぁぁあああああ!!嫌ァぁぁぁぁあああああああ!!!」
 絹を裂くような亜人の娘の悲鳴が鳴り響く。ここは件の島の外。無色の派閥の実験施設。
 戦いの果てに劣勢となった無色の手勢は方針を転換した。すなわち当初の目的であった遺跡の力の奪取は諦め、そのかわりできるだけ多くの実験サンプルを収集して島から撤退することに決めた。
 島の主戦力が一箇所に集中している隙に別働隊は各集落を襲った。そしてサンプルとして召喚獣狩りを行った。
 島の守護者である護人達も遺跡を狙う派閥の本隊との戦闘に明け暮れてすぐに救援には迎えなかった。
 結果、守りの手薄となった各集落から多くの住民がサンプルとして捕らえられ連れ去られていった。
 船に乗せられて島に残された者たちの手の届かない外界へと。捕らえられた者達は船の中で査定され、そしてそれぞれの用途に振り分けられて別々の施設へと運ばれていた。派閥の実験用のサンプルとして。
「嫌ぁぁぁああああ!!助けてぇぇぇえええ!オウキーニさんっ!オウキーニさんっ!嫌ぁぁぁあああああ!!」
 今、悲鳴を上げている亜人の娘、シアリィもその一人である。彼女は危険とはわかりつつも愛する男性のために森で食材集めをしている途中に派閥の兵に捕らえられた。それも常時から薬物を服用している暗殺兵。
 キシャァァ!!と奇声を発する一団にシアリィはその純潔を奪われた。森の中での野外レイプ。
 血走った暗殺兵達はキシャシャと雄たけびを上げながら穢れを知らなかったシアリィの身体をズタボロに汚した。
 それはシアリィにとって悪夢としか言いようのない代物だった。まだ濡れてもいない秘部に突きたてられる肉槍。
 痛みのあまりシアリィは絶叫した。強姦による破瓜。肉体的な苦痛と同時に精神的な苦痛もシアリィを襲った。
 グチュグチュと胎内を這いずる穢れた男根。大切な純潔を愛する人に捧げられなかった哀しみ。
 ドクドクと子宮に吐き出される薬漬けの男達の精液は一切の希望をシアリィから奪う。
 代わる代わる犯され、次々と白濁を浴びせかけられるうちにシアリィは絶望を覚えた。
 そうして身体の内も外もドロドロの白濁液に塗された後、シアリィは無色の捕獲班の手に落ちたのである。
 そしてシアリィにとってそこからが本当の地獄であった。実験サンプルとしての価値は乏しかったシアリィ。
 捕獲された彼女の用途は非情にシンプルであった。早い話が慰安婦。派閥の兵達の慰みとしての肉便器である。
 こうしてシアリィは今も肉奴隷として過酷な調教を受けているのである。


「嫌ァァ……嫌ァァァ……」
 ズン。パン。尻肉を掻き分けて肛門に捻じ込まれた肉棒。執拗にアナルを犯されながら虚ろ目でシアリィは呻く。
 グチュッ。グチュッ。内臓は隅々まで汚された。皮膚も髪も肉も全部。白濁まみれの身体に更に白濁を塗られる。
 虚ろになる意識を陵辱で無理矢理引きずり起こされて犯されるシアリィ。その心は既に死んでいた。無惨なことに。
「オウ……キーニさん……オウキーニさん……オウキーニさん……嫌ぁぁ……オウキーニさん……」
 壊れたように想い人の名を呟き続けるシアリィ。その姿は見るものの涙を誘う。すすり泣く音が響く。

「うっ……ひぐっ……ひどい……ですよぉ……うぅ……シアリィ……さん……」
 すすり泣きの主はそれは小さな妖精だった。子猫ぐらいのサイズのルシャナの花の精。マルルゥ。
 彼女もまた無色の手によって捕らえられこの実験施設へと連れてこられたのである。取り付けられた首輪。
 それこそ犬猫にでもするかのような。首輪で紐につながれた状態でマルルゥは陵辱を見せ付けられていた。
「あんまり……です……こんなの……なしですよぉ……うぅ……」
 無惨に陵辱されるシアリィの姿に嘆くマルルゥ。彼女もまたサンプルである。数々の非道な無色の実験の。
 乗せられた実験台。その上でマルルゥはその身を弄り回される。最初はくすぐったい程度であった。
 けれど次第にハードさを増した。太い管を尻に突き刺された。そこからカエルよろしく薬液を注ぎ込まれた。
 地獄のような苦痛。けれど妖精であるマルルゥはそう簡単には死なない。それを見通してか色々と無茶をされる。
 注がれたのは麻酔薬だった。マルルゥは生きたまま腹をさばかれた。妖精の腹の中。さぞかし見ものだったろう。
 内臓をピンセットでつつかれる。臓器の一部を引きずり出される。なんともグロテスクな所業。
 もっともマナで肉体を構成された妖精にとってそれらは仮初のものでしかない。時間を置けば元通り再構成された。
 その様子を観察。そういう実験である。けれどその分、マナを消耗する。すなわち命を削り取られるのだ。
 身体の小さなマルルゥ。溜め込んだマナの量もたかが知れている。消滅寸前なまでにいつも痛めつけられている。
 そして今は補充の時間。失ったマナを強制的にマルルゥは補充させられている。最悪の手段。
「ひゃぁぁぁっ!あぶっ!」
 浴びせかけられる白濁。強い魔力を持った者の精液は高純度のマナを含む。失ったマナを精液で補充する。
 実験後はいつも、マルルゥはこうしてスペルマ漬けの処置を施されている。地獄の苦痛とのた打ち回る苦悶。
 その後に生臭いザーメンのシャワーを受ける。マルルゥをとり囲む何本もの肉棒。シコシコシコ。
 自分の手で扱いてマルルゥに浴びせる。ビシャ。ビシャ。ビシャ。降りそそぐ精液の雨。それに塗れるマルルゥ。
 身を汚す生臭くてドロドロの液体。それによって生きながらえていると思うといっそうに惨めになる。
(あんまり……ですよぉ……)
 虚ろな意識の中で胸中、マルルゥは呟く。どうしてかくもこの世は無情なのだろう。実験材料な自分。
 肉便器のシアリィ。見せ付けられ、思い知らされて虚ろにひとりごちる。楽園の外の世界。それはこの世の地獄。
 幸せだった島での日々をマルルゥは思う。
(先生さん……シマシマさん……ヤンチャさん……ワンワンさん……委員長さん……)
 心に浮かぶ懐かしき顔ぶれ。彼らと過ごした楽しき日々。もう随分と昔の事のように思える。
 もう戻れないのだ自分達は。あの楽園には。
(マルルゥ……もう……ダメ……みたい……ですよぉ……)
 薄れゆく自身の存在にマルルゥは虚しく呟く。虚ろな瞳で見つめる先にはこれまた虚ろな瞳でシアリィが犯されている。
「嫌ぁぁ……オウキーニさん……嫌ぁ……オウキーニ……さん……ぁぁ……」
 次第に弱々しくなる呻き。折れた心がパキパキと音を立てて砕け散ていく。これこそ無常。どこまでも容赦ない現実。
「あんまり……ですよぉ……」
 虚ろに飲み込まれる意識。マルルゥは最後にそう呟いた。一切の希望の光を失った絶望の闇。
 その闇に飲み込まれた哀れな生贄達の嘆き。虚しい。どこまでも虚しく響く。









「はひ……はひぃ……はひ……」
「ふぁ……あふっ……ふぁぁ……」
 季節が巡った。四季の移ろいとは無縁の殺風景な実験施設。それでも時は等しく流れる。
 季節というものから隔絶された哀れな実験サンプル達にも。
「はひぃ……はひひ……はひぃ……」
 ボテ腹のウサギ耳の亜人の娘は涎を垂らして狂い呻く。ウサギ系亜人の多産の特性。
 それを受け継いだ娘は格好の素材であった。いわゆる苗床。実験用の召喚獣の子を娘は繰り返し孕まされる。
 妊娠と出産を何度か繰り返す内に娘の心は完全に壊れた。今ではただの産む機械である。
「ふぁぁぁ……あふっ……すごいですよぉぉ……マルルゥいっちゃいますよぉおお」
 そしてマルルゥという名の妖精も変化を見せていた。数々の実験と過剰なマナの供給の結果。
 子猫サイズだったマルルゥの身体は人間の子どもぐらいの大きさになっていた。
 その大きくなった身体でマルルゥは男根を受け止める。相手は派閥の召喚師。その中でも選り抜きだ。
 愛されし者(リャーナ)。妖精の祝福によって得られる力。その祝福を与えるためだけにマルルゥは抱かれている。
「あふぁぁぁ……気持ちいいですっ……ふぁぁぁ……マルルゥとんじゃいますよぉぉ……ふぁぁぁぁ……」
 施された調教の結果、頭の中身まで上書きされたマルルゥはただ快楽の虜となっていた。
 肉棒でお腹の中身をグチャグチャにされるのが快感。濃いマナを含んだ精液を注がれるのが幸せ。
 そう思えるようにマルルゥは調教されつくした。今もこうして抱かれながら相手の召喚師に祝福を与えている。
 それだけが今のマルルゥにとっての存在意義。
「あひっ……はひっ……あふぁぁぁ……あんっ……ああんっ……あふっ……」
 ぐちゅぐちゅぐちゅ。小柄な身体にギチギチ詰め込まれる肉棒によがりながら腰を動かす。
 グニュ。グニュ。グニュ。腸をグリグリかき回されるのが気持ちよくてしょうがない。
 ドピュ。ドピュ。吐き出される精液。たくさん。おなかがいっぱい。ああ、なんて幸せ。
 この上ない幸福感にマルルゥは包まれていた。現実逃避と自己保存のために捏造された幸福に。
「あひぃ……肉便器れすよぉ……マルルゥは……みなさんの肉便器れすよぉ……あひぁぁぁ」
 注がれ続ける精液にポッコリと膨れたお腹でマルルゥはそう笑い叫ぶ。
 虚しさに塗れた絶望の先にあった淫らな快楽の世界。それを満喫しながらマルルゥは声をあげる。
「あひひ……ふぁぁ……あははっ……ふぁぁぁぁ……あはっ……」
「ぎひぃぃいいいい!いいっ!陣痛いぃぃいいいいいいいいっ!!あひぃぃぃいいいいい!」
 甘く喘ぎながら笑うマルルゥ。陣痛に悶えながらそれを悦ぶシアリィ。楽園から連れ出された彼女達の頭の中には、狂おしくも哀しい淫らな悦びに満ち溢れた新世界が広がっていた。


〜BAD END〜

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