アルディラ×クノン



「アルディラ様」
クノンが自分を破壊しようとしたその日の夜更け。
クノンはアルディラの寝室へとやってきた。
普段の夜は、機械のクノンはメンテナンス室でその日のデータの集積分を確かめ、学習、メンテナンスをするのだが、その日はなぜかアルディラの元へとやってきた。
「どうしたの?クノン」
アルディラは読んでいた本を閉じてクノンのほうへ向く。
クノンは何も言わず、とことことこ、と歩き、アルディラのベッドに座った。
今日のことをまだ気にしているのだろうか?
クノンは今日、自分に芽生えた憎しみや妬みの感情に戸惑い、自分を破壊しようとしたのだ。
結局はあの教師に助けられたのだが・・・
「どうしたの?」
再度、アルディラが問うた。
クノンは深々と頭を下げた。
「アルディラ様、今日は、本当に申し訳ありませんでした」
「いいのよ、あなたは悪くないわ」
ゆっくりとクノンの頭を撫でながらそういった。
「そして、もう一つ分かったことがあります」
頭をもたげたクノンが言う。
「私は、アルディラ様に恋をしているらしいのです」

「なん、ですって?」
呆けたようにアルディラが言う。
「ですから、私はアルディラ様に一般的に恋と呼ぶ感情を抱いているらしいのです」
クノンはもう一度言った。
(クノンが、私に恋をしている?)
にわかには信じられなかったが、クノンはアルディラをまっすぐと見つめている。
「アルディラ様、私が、お嫌いですか」
「嫌いなわけないわよ」
それだけは即答できる。
嫌いでは、ない。
でもその気持ちを受け取ることは、どうしてもアルディラには出来ない。
今はもういないが、あの人の他に恋人を作ることが、どうしてもアルディラには許せなかった。
そのことをクノンに伝える前に、クノンが先を越して言った。
「この気持ちを成就することがないことを私は承知しています。しかし、伝えずにはいられませんでした」
そして、クノンは俯いた。
「わかっ、てるんです、でも、アルディラ様のことが、好きで、好きで、苦し、くって・・・」
ベットのシーツに、クノン目からオイルの擬似涙がぽたぽたと零れ落ちた。
ようやく、クノンの気持ちが理解できた。
「クノン、こちらを向いて」
アルディラは、クノンの頬に両手を当てて、その唇にゆっくりと口付けした。
今日、今夜だけなら、あの人も許してくれるわよね。
そう思いながら、クノンの冷たい唇に、ゆっくりと舌を差し入れた。


つづく

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