深夜の酒会



 メイトルパ、なまけものの庵で、スカーレルとヤッファの酒盛りが行われているのを聞きつけたアティ。是非とも加わらせて欲しいと言ったところ、それならば俺も!とカイルが名乗りをあげる。そんなわけで総勢四人の酒宴が幕を開けた……
(ふぅ……)
 酒宴も中程となり、アルコールで桃色に上気した頬に、ぴたりとてのひらを当てるアティ。
(たまにはこういういいですね……)
 生徒への授業、慣れれない環境、加えて、絶え間なく襲い来る、もろもろの事件で肉体精神共に、ヘトヘト。夜ともなれば眠るだけだったアティには、こんなふうに気心の知れたメンツとのんびり酒を囲むようなマッタリとした時間が、久しぶりで、ひどく心地よいもののように思えていた。日々の疲労の蓄積を、思考力と一緒に、アルコールが溶かしていくよう。
(軍学校の時代に、アズリア達とこうやって飲んでたなぁ)
 そんな感傷も。
 カイルとスカーレルがひっきりになしに冗談を言いあい、それに腹を抱えて笑う。
 先生らしく、模範として……生徒に会ったときから、心がけていたそんな誓いも、この一時は忘れて楽しむ……そんな時間。
「先生さん、おかわりいかがですか〜」
 グラスが中程まで空くと、マルルゥが、かいがいしくお酌をしてくれる。
 身の丈ほどの酒瓶を担いで飛んで来て、うんしょと注いでくれるその姿は、どうにも微笑ましい。
「ありがとう」
「どういたしましてですよぅ」
 アティはこんな風にマルルゥにお酌されながら、マイペースでお酒をたしなんでいた。
 一方、カイルとスカーレルはハイペース。水のようにぐいぐいとグラスを空けていく。その足下に転がる瓶の数が凄さを物語っている。

「おう、そうだ。オウキーニの奴に、酒盛りにぴったりのツマミを頼んどいたのを忘れてたぜ」
幾分かろれつの回らなくなった声の調子で、カイルが突然、言い出した。
「え、なになに、ちょっと。期待しちゃうじゃない」
すかさずスカーレルが合いの手。
「ふっふっふ。期待しやがれ。こいつはシルターンの酒場、『イザカヤ』では定番の料理なんだぜ……」
 ばん、と皿に載ったそれをスカーレルの眼前に。なにやら細切れになったものがテンコ盛りになっている。
「で……これは?」
頬の端をひくひく、そんな作り笑いを浮かべながらスカーレルが聞く。
「おう、聞いて驚け。『たこワサビ』だ。美味いぞ!」
「って!やっぱりタコなのね!ぬるぬるは、ぬるぬるは嫌ぁーーー!」
 半ば呆れ、なかば心の底から楽しみながら、そんな二人のやり取りを眺めるアティ。
「先生さん、マルルゥはそろそろ引き上げるですよ」
「あ、そう?いままで、どうもありがとうね」
「いえいえ。それより先生さん、十分、注意してくださいね。それでは、おやすみなさ〜い」
 そう言うなり、飛んでいくマルルゥ。
(注意……?)
 何の事か分からず、首を傾げるアティだった。

(それにしても……)
 ふぅ。アティが小さくため息を吐いた。アルコールがかなり回りつつある。心地よい酩酊感、視界も少しだけぼやけて来た。
 翌日のことを考えて、そろそろお酒を止めようかしら……そう考えたときだった。
「は〜い、一番スカーレル、脱ぎま〜す!」
突如立ち上がり、そんなことを宣言する。
「な!」
泡を食ったアティ。
「ス、スカーレル、ちょっと!」
「なぁに、センセ。アタシは脱いじゃだめっての?」
「いや、そうではなくて、ここは人目もありますから!」
「じゃあ、二人っきりなら見たいって事ね!んもう、センセってば、積・極・的」
「そうじゃなくてですね……カイルさ〜ん」
 酔っ払い絡み状態に辟易し、カイルに助けを求めると、彼はうんうんとしきりに頷いている。
「まったくだ。なにが哀しくて、スカーレルの裸を見んといかんのか。どうせ見るなら……アティのだ!」
 ビシ!指差し、そう言い放つカイル。
「え……?」固まるアティ。「ちょっと、それはどうかと……」
 あわあわと手を動かしながら、慌てていいわけらしいごたくを並べようとするアティ。だが……

「隙だらけなのよね……しゃー!」
 いつのまにかその背後に回りこんでいたスカーレル。叫びとともに、アティの胸元に一瞬だけ走る違和感。
「え?え?」
何が起きたかわからないアティ。しかし、背後のスカーレルが掲げたものを見ると、顔を真っ赤にした。
「えええ!!」
 純白のブラだった。忍び寄るだに、背後から一瞬でスカーレルはそれを抜き取ったのだ。その上のセーターにはまったく手をつけることなく、潜り込ませて抜き取る、まさに神業!
「いいぞいいぞ!そのまま脱がしちまえ!」
カイルが歓声を。
「ちょ、ちょっと、スカーレル!?」
 制止の声を上げるアティ。だが、後ろに陣取ったスカーレルは聞く耳もたず。
「……わぁ、センセ。おっきいわね。妬けちゃうわ」
 セーターの下へ、手を潜り込ませた。
「あ、ちょっと、駄目です……くぅ!」
 そのまま、胸をゆっくりと揉みしだく。重量を弄ぶように、たぷん、たぷんと揺らすと、裸の乳首が、セーターに擦れる。手慣れた愛撫だった。快感を高めるように、焦らしていく。乳頭を責めることなく、その周囲をくにくにと揉むことで、受け手の期待感を昂ぶらせるような……
(あ、すご……)
「センセ。言っとくけどアタシ……巧いわよ」
 くちゅ。と耳元にライトキス。すると、アティの体がピクンと震えた。
「ふぁう!!」堪えきれず、甘い吐息を口にするアティ。
「ううん、可愛ぃ。センセ」
 きゅう、焦らされていた乳首への攻めが始まる。優しく、挟むように指の腹で挟むようにつままれる。こりこりと尖ったその部分への待ち受けていたい刺激に、アティの体が反応する。

「はぁ……胸、凄っ……感じ、る……きゃう!」
 確かにスカーレルの指運は相当なものだった。けれど……
(なに、これ。感じすぎる!?)
 胸への刺激だけで、これほどの快楽を受けるのは彼女にとって初めての体験だった。
(違う、そうじゃない……)
「ん……!」
 背中をつうっと撫でられた。それだけで、身を捩るような快楽の刺激になる。
(私の体、感じすぎちゃってる……?)
「ああ、言い忘れてたぜ」
ここでマイペースに酒を飲んでいたヤッファが、突如話に加わる。
「メイトルパの酒は、ドライアードの抽出成分が使われてて、酩酊感に魅了効果があるからな」
「……な!」
 これで、自身の身に起きている、感覚過敏の説明がつく。軽度の魅了、だからこうやって快感を求めてしまうのだ……
「というわけだから、アティ。どんどん飲んで、気持ち良くなろうな」
言うなりカイルが酒を口に含んだと思うと、
「………ん!」
そのまま、アティのくちびるへキスを。思わず、身を堅くするアティ、目と口を閉じて硬直するが、密着は執拗に続く。カイルの舌が、アティのくちびるをこじ空けるように開くと、含んでいた液体が口中へ流れ込んだ。
 甘ったるいアルコールの味。そして、侵食してきたくちびるが、絡んでくる。くち、くちと水音を立てながらのディープキス。
「あ、ちょっと、カイル!あんただけずるいわよ!」
 こじ開けるように二人の間を離すスカーレル。そして同じように含んだお酒を、口移し……
「ん……ぷは」

 アルコールに加え、二度の情熱的過ぎるくちづけ。アティの足腰がふにゃふにゃになった。酩酊と羞恥に顔を真っ赤にしながら、ぺたんとすわりこんでしまうアティ。
(あ〜、もう、だめかもしれません……)
「さぁ、そろそろ……この俺のガチンコアタックの出番か!」
 いうなり、ペロリと自身のものを、ズボンをずり降ろしてひっぱりだすカイル。
(な!……カイルさんの、やっぱり大きい……)
 見たことのないサイズに屹立しているカイルのものに、アティは言葉を失う。
「さて、まずはこいつを、口でしてもらおうか」
 ひざまずく姿勢になっているアティの目前に、差し出されるそれ。常時であればとんでもないと突っぱねるだろうが、酩酊と魅了で蕩けた頭は、そんな要求を通してしまう。
 おそるおそる、くちもとを亀頭に近づけるアティ。
 鼻につく、独特の青臭さを堪えながら、まずはゆっくりと伸ばした舌をあてた。
 ちゅぱ……。
「れる……」
 舌を、ゆっくりとモノの上で動かしていく。しだいにそれが唾液にまみれる。それから、じゅくり、ゆっくり飲みこんでいった……
「うぉ……いいぜ、アティ……」
 そこにはしる直接の刺激に加え、上目遣いに肉棒をほお張るアティという視覚的な刺激に、満悦顔のカイル。
 じゅに、じゅに。アティの口には、幾分か大きいそれは飲みこむのに難儀するシロモノだ。それでもなんとか、舌先を転がしながらの上下動を行なうアティ。じゅ、じゅ、首を動かす彼女のあごを伝い、たらりと唾液の糸が降りた。

「さて、アタシはこっちで楽しませてもらおうかしら……センセちょっとお尻上げて」
「ふぁい」
咥えたままのせいで、くぐもった声で、アティが答える。
 しりもちの姿勢のまま、いわれるがままに腰を浮かす。もとより、裾の短いワンピースだから、その奥の部分が丸見えになる。
「わお、センセったら、こんなエッチな下着。もしかしたら、こうなること、期待してたんじゃない?」
「ふぉ、ふぉんふぁことははいでふぅ……(そんなことはないですぅ)」
「あら、こんなシミつけて、そんなこと言うんだ」白いショーツの真ん中に、間違いのないシミ。ゆっくりとスカーレルが下着を太股に降ろすと、秘部からその部分につぅっと一本、愛液の糸が。
「こんなにぐしゅぐしゅにして。準備万端ね……」
 ちゅく、秘貝を左右に開くと、あざやかな桃色の奥が顔を出す。ひくつくその穴に向けて、スカーレルは愛液を纏わせた中指を沈めていった。
 ずぷぷぷぷ……
「はぁう!」
 死角となっている背後からの、予想外の攻めに、アティが背を反らせた。
「うふ、背中のぴくぴくにあわせて、膣中がきゅうきゅう締め付けるわね……」
 そのままスカーレルは中指をゆっくりと曲げた。内壁を擦るように引き抜くと、掻き出された愛液が、滴った。
「さて、具合はいいけど、カイルのモノが受け入れられるか、ちょっと心配ね。もうちょっと、濡らしておきましょうか」
 陰部に顔を近づけると、スカーレルは舌先で肉壁を掻き分けた。
「ふはーへる!?(スカーレル?)」
 くぐもった声を上げるアティの膣内に、スカーレルの舌が潜り込んで来た。
「ひゃ、はめ……ふぅ!」
 淫核に人差し指の腹をあて、くりくりと動かされる。クンニグリンスとクリ攻めの二重攻撃。アティの頭の中に、絶え間なく快楽の奔流が流れ込む。落ち着きたい、息をつきたいのだが、相変わらず喉はカイルに犯されているため、マトモな呼吸も叶わない。
「はめ……こえ…ひぃん、ひもひよふひ(気持ち良すぎ)……」
 ちゅぱ、スカーレルが舌を離した。
「さて、そろそろこっちの準備はオッケーよ」
「よし来た!」
 カイルのモノが引き抜かれ、ようやくマトモな呼吸ができるようになり、肩で息をするアティ。
「はぁ……はぁ……」
彼女に、休憩する時間はないようだった。腰元をもち、ぐっと持ち上げられると、
「あ、ちょっと……まって……くぅ!」
 正面向いて抱き着いた姿勢のままに、体重を勢いに、ゆっくりと大きなモノで貫かれていく。ぎちぎち……潤滑の愛液は充分だったのだろうが、それでも大きすぎるモノが狭いアティの膣内を広げながら、侵入していく……
 その痛みに耐えるために、アティは強く、カイルに抱きつくしかなかった。背中に回した手に込める力が強くなる。
「く、はぁぁ!!」
「く、やっぱ、キツ……」
 ぐぐぐぐぐ……。ゆっくりと、体が落とされて、最終的にはカイルのモノをアティがすっかり飲みこんだ。
(入っちゃった……あんな、おおきなのが……)

「動く、ぜ……」
 ぐん、その姿勢のまま、カイルが腰を打ちつけて来た。
「ひゃう!」
 鈍い衝撃が、アティの体を突きぬけた。最奥を貫かれるような、激しい感覚に、アティが蕩ける。抱えた腰を、打ちつけると同時にぐんと引っ張るため、結合の深度はこれ以上なく深いのだ。
 ぱん、ぱん、ぱん……遅いながらも、深い挿入だった。
「や、だめ、凄っ……これ、くぅ!」
 じぷ、じぷっ。馴染んで来た愛液が、ピストンを次第にスムーズにしていく。結合部からは、二人の合わさった汁が零れ落ちる……
「そうよ……センセ。今いい顔してる。とってもエッチな顔……」
 上気した表情のスカーレルが言う。
「そのまま今は、溺れちゃいなさい。快感に。浮世のしがらみは忘れて……ね」
「はぅ!カ、カイルさん……深い、深すぎますよぅ……キすぎちゃって、わたし、わたし……!」
「俺もだ、く!アティ、出るぞ!!」
「イって!イってください!……くぅ……!!」
 びゅく、びゅく……。重力に逆らわんばかりの勢いで放出された白濁が、最奥を目指す。そして、溢れ、零れたものが地面に滴り落ちた……


「はぁ!」
 アティが目を覚ました。
「ん……おはようさん」眼前にはあぐらをかいたヤッファの姿が。
「ヤッファさん……私、昨日って……あれ?」
 羞恥の後生々しく残っているものだろうと思っていたアティだが、周りのモノを見て首を傾げた。まず、彼女自身服を着ているのだ。カイルも、スカーレルも。酒瓶の側に寝転がっている二人も、確かに服を着ている。
「あれ?……あれれ?」
「どうした。寝ボケか?」ヤッファが笑いながら聞く。
「や、そんなはずは……ヤッファさん、昨日って、私どうでしたか?」
「どうって……覚えてなくても仕方ねぇな。そこそこ飲んだら、急に突っ伏して寝ちまったんだよ。その後は、揺すっても叩いても起きやしねぇときたもんだ」
「寝て……」
(それじゃぁあれは全部、私の夢なの!?)
「……どうした?」
「いや、なんでもないです!………はぁ、私ってば、欲求不満なのかなぁ……」
 最後は小さく呟いて、歩いていくアティ。
 その背後を見送りながら、
(あいつみたいな背負い込み過ぎ人間は、ときには羽目を外してストレスを発散するってのもいいだろうさ。……後腐れ、なくな)
 ジュラフィムの召喚石を弄びながら、ヤッファは一人ごちた。
(なんにしても、アティが酔っ払うと記憶を失うタイプで良かった。あとは、あっちもぼちぼちスリープコールが解けるだろうから、口裏あわせねぇとな)
「……あ〜メンドくせぇ」
 そのセリフだけが一人、虚しく庵の中に響くのだった……


おわり

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