湯煙温泉



深夜、月明かりだけを頼りに山道を歩き辿り着いたのは先日皆と訪れた温泉だ。
たまには一人でのんびりとお風呂にはいりたい時も有る。
というか、最近は子供達と入る事が多かった為「のんびり」とはいかなかったのだ。

アティは着衣をスルスルと脱ぎ捨ててゆっくりと湯船に浸かる。
月明かりに白亜の様な白い肌が淡く照らし出される。
ふう、と一息ついてシンと静まり返った次の瞬間――ピチャ。
「だっ誰ですか?」
突然の水音にアティは驚いて声を上げる。
「私です…」
その声は聞き慣れたものだった。
目こらして見ると、フレイズが曖昧な笑顔を浮かべて立っていた。
「見回りをしていたらアティの姿が見えて夜道は危ないですから後をつけて来たんです」
「あ…そうなんですか、ありがとうございます」
「すみません、なんと声をかけていいものかと悩んでいるうちに…」
と申し訳なさそうに言った。
「わ、私こそ…」
あわわと、自らの身体を抱いて恥ずかしそうに俯く。
「入ってもよろしいですか?」
「え?…はっはい、どうぞ」
この場合、ダメとは言いにくいし、言う権利もない気がした。
「では」と言ってアティの直ぐ傍に入ってきた。
(何も近くに入らなくても〜)
華奢そうなフレイズは意外と逞しい身体をしていて思わず目を背ける。

「あ、羽根濡れちゃって大丈夫なんですか?」
沈黙が段々苦痛になってきてアティは当り障りの無い質問をした。
「ええ防水ですから」
「へぇ凄いですね(防水…?)」
自分でも何が凄いのかわからない上、色々とツッコミ所は有るもののこの話題はダメそうだと諦めた。
「え…あ…そうだ、メイメイさんに――」
「アティ」
遮る様に呼びつじとアティを見据える。
よく見るとフレイズの目が据わっている。
湯で顔は火照りなんだか怖い…。
「あの、ちょ…っぁ」
突然強引に抱き寄せられ口付けられる。
熱い舌がアティの唇をなぞる様に舐め、唇の隙間を割って口内へと差し込まれる。
舌を絡めとられ息も出来ない。合間合間に僅かに緩められる時々に声と共に吐息を漏らす。
「ふっ――ぁん」
手はいつの間にかアティの下腹部を弄りつっと指で入り口をなぞる。
スラリと長いフレイズの指は焦らすかの様に入り口を彷徨い続ける。
とろとろとした液が苦れているのが水中でも容易にわかった。
「フレイズさん…ちゃんと射れてぇ―」
溶けそうな甘い声を漏らしアティは彼の首にもたれる様にしがみ付く。
するとあっさりと指は挿入された。
「も・・っもっと大きいのっ」
瞳を潤ませ可愛らしく愛願する。
「えぇ良いですよ。その前に…」
グイっとアティの身体を持ち上げてやや競り出して椅子の様になっている部分に座らせた。
丁度腹部の上辺りが水面から出る格好になる。
「恥ずか―ゃっ」
きゅうっと突然乳房に吸い付かれフレイズの頭を抱え込む。
「やっフレイズさんっ…」
片方の乳房は指で揉み解され先端を弄られる。

先程とは比べ物にならないほどにとろとろに溶けた下の口にフレイズはゆっくりと自らの先端をあてがう。
まるで磁石の様にぴったりとくっ付いた部分を、押し付ける様にして挿入してゆく。
ゆっくりと挿れられるそれにアティは必死に。
「ああぁぁっ…ふぁ…んぁぁぁっ」
最深部に到達した時には当たり激しい痛みとそれ以上の快楽にアティは支配されていた。
フレイズもあまりの締め付けに声を殺して喘ぐ。
「くっ」ドロリとした濃い液体がアティの内部で放射され広がって行く。
フレイズは肩で息をしながら、1度抜き放った。
先程放射しだばかりだというのに、まだ硬く反り立っているモノを
再び入り口に宛がい今度はアティの身体を持ち上げ。
「あのフレイズさん?」
火照った頬と濡れた瞳でフレイズを見つめ不安そうにつぶやく。
「少し我慢して下さいね」
ぐっと腰を掴れ、一気に身体に捻じ込まれた。
「ぁぁぁぁっああああああぁぁ」
その突き上げる衝撃と快楽に悲鳴にも似た喘ぎ声を上げアティは必死にフレイズにつかまる。
「フレイズさん私もうダメです」
「まだ大丈夫ですよ、少しづつ動きますよ」
言ってゆっくりと腰を動かし始めた、動きは次第に激しくなりアティを揺さぶる。
「はぁ…っああ、やっだ」
振動でアティの豊かな胸は揺れる。

アティはあの後、眠ってしまった様で今一記憶が曖昧だった。
「おはようございます、いい朝ですね」
フレイズは爽やかな笑顔で言って近づいてくる。
「あ、おっおはようございます」
なんだかまともに顔が見れない。
「さぁ戻りましょう」


おわり

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