第9話 先生の休日 〜Sex Holiday〜



その日、俺はみんなから休日をもらった。
剣のことや帝国軍のこと、気になることは山積みだったから気が引けた。
でもせっかくみんなが俺のために気を使ってくれたので無駄にはできない。
せっかくだからその日はゆっくりと休ませてもらうつもりだった。
(でもなあ……)
側にある木箱に腰をかけて考えた。俺には趣味と呼べるものはなかった。
(ただぶらぶらするだけっていうのもつまらないし)
何をしたらいいかを一人で考えていた。
「…………そういえば」
ふと思った。
「最近、性欲をもてあましてるよな……」
あの日、嵐にあった日からのことを思い返した。
元気がとりえのような生徒のナップの家庭教師となったあの日から、帝国軍人として俺の前に現れたアズリアと再開した先日までの間、そんなことはめっきりご無沙汰だった。
そこでいろいろと考えてみた。
生徒は、よりによって男の子を選んでしまった。選択肢を間違えなければよかった。
カイル一家は屈強な海の男たちがほとんどだ。ウホッ!いい男・・・なんて実際言えない。
メイメイさんは酒を貢がないとダメだ。あいにく今は持ち合わせていない。
ファルゼン、いやファリエルは女の子だけど霊体だからそんなことは期待できない。惜しすぎる。
アルディラはメガネっ娘というつぼを突いているがしようと言えるわけがない。殺されかねない。
クノンは好みだけど、そういった機能が付いてるか聞くのも失礼だ。向こうはそう思わないかもしれないが。
ミスミ様は年m……いやちょっと、ほんのちょっと年上なので対象外。ホントにちょっとですよ。
マルルゥは論外。小さすぎ。
アズリアは、こればっかりはどうしようもない。不本意だけど敵同士になっているから。
(と、なると……)
消去法で考えていくと残った女の子は一人。
「何をもてあましてるって、せんせぇ?」
「うわっ!!?」
背後からかけられた声に驚いた俺は跳ねるように腰を上げた。
そこには今しがた俺が最後に残した女の子がいた。
「そんなに驚かなくてもいいじゃん、失礼だなー」
「あ、あはは、ごめんソノラ」
ソノラ。それが彼女の名前。
カイル一家の男だらけの船の中で唯一の女性だ。
まだ幼さの残る顔は可愛い。あと何年かすれば美人になるなと俺は思っている。
背は低いがスタイルは悪くない。
腰からお尻にかけてのラインは本人の幼さに反してかなり色っぽい。
子猫の愛らしさと猫のしなやかさを兼ね備えた、そんな雰囲気がある。
「ちょっと、なに人の身体じろじろ見てるの?」
「えっあ、ああ、ごめん!」
でも本人はその愛らしさもしなやかさもどうでもいいらしい。
無意識のうちに見とれて視線を外して頭を振った。
「それでソノラ、俺に何か用かい?」
自分の向けていた視線を忘れてもらうためにさっさと話題を反らした。
「ん、ああ……えと、そのぉ……」
言いよどむ彼女の言葉を遮らないように黙って促がす。
「う……せ、先生が何か言ってよもおっ!!」
「ええっ!?」
いきなり怒られた。ちょっと理不尽な気がしたけど、何か言えといわれて言わないわけにもいかない。
「うーん……じゃあ浜辺のほうまで歩こうか」
「へっ!?」
俺がそう言うとソノラは目を見開いて驚いたような表情をした。
「どうかした?俺、変なこと言ったかな?」
「いや、そうじゃないけど」
「じゃあ行こうよ。すぐそこだしさ」
彼女はもじもじと俯いていたが、やがて顔を上げると元気に頷いてくれた。

浜辺に着くと俺は近くにあった岩の上に腰を下ろした。
「ソノラも座りなよ」
横に開けたスペースをぽんぽんと叩いてそこに座るよう促がした。
「えへへー、それじゃあ失礼しまーす♪」
彼女がちょこんと腰を下ろす。
触れるか触れないかの位置にある肩は俺からすれば頼りないほど小さい。
本人もそれは自覚している。だから銃を使っているんだ。
「ねえ先生」
二人で海を眺めだしてしばらく、彼女が口を開いた。
「なんだい?」
「あのさ……」
また言いよどんだ。俺も同じように黙っている。彼女が言葉を続ける。
「どうしてせっかくの休みなのに、私なんか誘ってくれたの?」
ひどく熱い、でもその中に少しだけ憂いを含んだ視線を俺に向けて聞いてきた。
「そうだな……」
ちょっとだけ考えた。
彼女と会う少し前までよからぬ妄想を抱いていた負い目があったけど、素直な気持ちを告げた。
「ソノラともっと仲良くなりたかったから、かな」
俺がそう言った途端、彼女の顔がぼすっと音を立てそうなほど一瞬で真っ赤になった。
「にゃにゃにゃにゃ、にゃに言ってんの先生っ!先生にはアズリアって人がいるじゃにゃい!!」
「アズリアは関係ないと思うけどな……」
思わず苦笑してしまった。ちょっと誤解させるような言い方だったな。
「ソノラだけじゃない。俺はこの島に住むみんなと仲良くしたいと思ってる」
「先生……」
落ち着きを取り戻した彼女が真剣な眼差しで俺を捉える。
「この島で起きてるごたごたが終ったら、俺たちはみんな離れ離れになっちゃうと思う。ここのみんなはいい人たちばかりだから、俺はここのことを忘れたくない。だからここにいる間はさ、みんなと仲良くしたいんだ。できる限り」
「…………」
俺が喋り続ける間、彼女は何も言わずに黙って俺のほうを見ていた。
「ごめん、つまらない話だったね」
愛想笑いを浮かべた。でも彼女のほうは笑おうともしない。
(な、何かとんでもないことしちゃったか……?)
「あのさ」
一人で頭を抱えてぐるんぐるんと迷想しているとソノラが訊ねてきた。
「私たちもさ、先生と離れ離れになっちゃうの?」
「ん……そう、だろうね」
何の気なしに口にした言葉だが、その一言でソノラが傍から見てもわかるように落ち込んでしまった。
「ソノラ?」
その変化に心配になった俺は彼女に話しかけるが俺の言葉なんて耳に届いていないようだ。
「ソノ……」
「ねえ先生っ」
俺の呼びかけを遮るように彼女が元気いっぱいに声を出した。
「な、なんだい?」
あまりに彼女の態度がころころ変わるので俺はちょっとしりごみした。
彼女がずいっと身体を寄せてくる。俺は同じだけすっと身体を引く。
「あのさ、前にも言ったけど、やっぱり私たちの船に乗ったりしないかな?」
「え?え?」
「そうだよそうしなよっ。みんな大歓迎だよ、先生だったら誰も反対なんかしないよ!」
「ちょ、ちょっと……」
彼女はさらに身を乗り出して、舌を噛むんじゃないかという勢いで捲くし立ててくる。
「先生が乗ってくれるんなら私毎日エビのスープご馳走しちゃうよ!」
「いや、だから……」
「一番大きなの入れてあげるからさ、だから、だから……」
「ソノラ?」
急に彼女が俯いたかと思うとぐずぐずと鼻を鳴らし始めた。
「ソノラ、どうした?」
彼女を刺激しないように優しく語りかける。肩に手を置いてそっと身体を揺すった。
俺の手をするりと抜けて彼女が胸に飛び込んできた。
「ソノ……おわぁっ!?」
バランスを崩した俺はそのまま地面へと、ソノラを抱えたまま落ちていった。
背中に岩場の固い岩盤にぶつかる衝撃が伝わった。口から空気が漏れ、さらにソノラの重みで空っぽの肺が押し潰された。
「ぐっ……かは、くは……。大丈夫かソノラ?」
幸いにも俺がうまく下敷きになったおかげでソノラは無事だ。
起き上がろうと身体を起こした。が、胸にしがみついたソノラは一向に離れようとしない。
「立ちにくいんだけど……」
「バカっ!バカバカ、先生のバカっっ!!」
激しい叱責に俺は首をすくめた。
尚も激しい口調で彼女が続けてくる。
「離れ離れになるなんて悲しいこと言わないでよ!!これ以上大切な人がいなくなったら、私……」
「あ……」
そうだった。ソノラは両親を海で亡くしていたんだった。
だからきっと仲間や大事な人と別れることには人一倍敏感なんだ。
俺だって彼女の気持ちはわかる。同じように両親を亡くしているから。
そのことを忘れて、ただ一人で自分の気持ちをソノラに聞かせてしまったことにひどく後悔した。
「ごめん、ソノラ」
胸の中で泣きじゃくる彼女の頭を、俺は優しく撫でた。
「それとさ」
俺は前々から気になっていたことを言った。
「二人でいるときくらい名前で呼んでもいいんだよ」
「先生……」
「ほら、その先生っていうのがさ、ソノラに言われると妙にこそばゆいんだよ」
名前で呼んでもらうことで彼女を泣かせてしまったことを埋め合わせることができるとは思わなかった。
でも今はできるだけ彼女との仲を深めよう。そう思った。
「レ、レ……ックス」
「うん」
「……レックス」
「うん」
「え、えへへ。レックス」
「うん」
やっと彼女の顔に笑顔が戻った。やっぱりこの表情が一番彼女らしい。
「ねえレックス。セックスしよっ!」
「うん……んん!?」
ちょっと聞き間違えそうになったが、はっきりとそう言ったと思う。
「ソ、ソノラ?」
「レ、ックス……ん、ックス……セ、ックス…………な、なんちゃってぇ!」
ソノラの乾いた笑いが響く。俺はまったく笑えなかった。
「……い、以上!ソノラちゃんの海賊ギャグでしたぁ!!あ、あはははは……」
まったく笑おうとせずただただ唖然としている俺を見てソノラが恥ずかしそうに顔を伏せた。
「し、しんみりしたのは嫌だな、って思って……そ、そんだけだよっ、他意はないからねっ!!」
俺が笑えないのは可笑しくなかったからじゃない。可笑しくなかったのも事実だけど……。
ソノラと会う前まで抱いていたあらぬ妄想が、再び芽生えてきたからだ。

やってしまいたい……

と、これは別に剣の声でも何でもなくただの俺の本心だ。
(いや、ここはいっそのこと剣のせいにしようか……)

継承せ

(いやしないから)

(´・ω・`)

「っもう!黙ってないでなんかいいなって!!」
そう言われたから俺は言った。
「いいよ、しようか」
「え……っ」
目を点にしている彼女の腕を引き寄せ、そのまま彼女の唇を奪った。

「あらやだ。キスしちゃったわよ、あの二人」
「のわ゛ぁぁぁぁあぁっっっ!!!」
遠くの岩陰から二人の様子を覗く二つの人影があった。
「カイル。あんた騒ぎすぎよ」
「あ、そ、そうだな。すまねえスカーレル」
二人は食い入るように、というかそう見ているのはカイルだけで、スカーレルは特に熱心に覗いているわけではない。
「しかしソノラが先生のことを好きだったとは……」
「あんた気がついてなかったの?あのコ、ここに来てからずっと私のところにお化粧の仕方を教わりに来てたわよ」
「なっ!?どうしてそんな大事なこと言わねえんだよっっ!!」
「だって兄貴のあんたにゃ関係ないじゃない?ねえ」
「俺はあいつのこたぁ……、ま、まあ先生ならあいつのことは大事にしてくれるだろうし……」
「あら!先生ったらあのコの服を脱がし始めたわ」
「もう我慢なんねえ!!俺も混ぜてもらいにッ!?く、首を絞めるなっ!!」
「バカ言わないで。ほら、帰るわよ」
「な、ならせめてあいつの初体験を見届けるまで俺はここに、ここにいぃぃぃっっ……」

服を脱がせる間、ソノラは拒もうとしなかった。
顔を朱に染め、俺にされるがままに身を任せている。
「なあソノラ」
上着を脱がし終えると彼女の華奢な肩が日光に照らされて白く輝いていた。
「もしも君が今になって嫌だと言えば俺は何もしないから、素直に言ってくれ。本当にいいのか?」
正直このままやってしまうのは気が引けた。
はっきりと彼女の口から許可をもらわないとこれ以上はできない。
「…………ん」
俺が言ったことに同意するようにソノラが小さく首を縦に振った。その仕草がたまらなく可愛い。
「そうか……わかった」
気を取り直し、改めて彼女に口付けた。
さっきのように軽く触れ合うようにではなく、彼女を求めるようなキスを。
「んッ、んん……」
初めてされたのだろう。彼女は歯を食いしばり、俺の口内への侵入を阻むように力んでいる。
「力を抜いて」
耳元でそう囁いてあげると少しだけ彼女の身体から緊張が抜けた。
「噛んだらダメだよ」
すかさず彼女の口を塞ぎ、力を抜いた隙を突いて口内へ舌を滑り込ませた。
「はんッ!んん、んぷぅ……はぁぁ」
始めは驚いた表情をしていた彼女も、歯の裏や口蓋、舌を舐め回していくと次第に蕩けるような顔へと変わっていった。
さらに深く彼女を求めようと俺は強く抱きしめた。
腰に回した手で彼女の背中からお尻にかけてをそのラインに沿って優しく撫でていく。
もう片方の手は彼女の唇を逃すまいと後頭部へと添え、鼻息がかかり合うほどに顔を近づける。
顔を撫でるソノラの鼻息も、鼻腔をくすぐる甘い香りも、そのすべてが欲しい。
彼女に対する独占欲がさらに激しいキスを要求した。
ソノラの唇を甘噛みし、口で覆い、舌で舐め回し、思いつく限りの方法でそこを求める。
執拗な責めですっかりガードの緩くなった口内へ再び舌を挿入させる。
今度は舌と舌を絡めるようにして口内を蹂躪した。
彼女にも俺の意図が通じたか、同じように舌を突き出して絡め合わせてきた。
舌だけが別の生き物のようにぬるぬると蠢く。
「んッ……!」
舌に軽く吸い付いてあげると可愛らしく呻き声を上げる。
そのようすが気に入った俺はさらに強く吸い付いた。
「ん、んん……!!」
彼女身体がぷるぷると震える感覚が回した腕を通して伝わってきた。
口を放して彼女を解放する。
「は、はぁ、はぁぁ……」
まだ前戯の段階だというのに彼女の息は異様に上がっていた。
初めての娘にこれは少し刺激が強すぎたらしい。
「じゃあソノラ」
本当はもっと胸とかいろいろ弄りたかったけど彼女の体力の消耗を考えると長引かせるのはよくない。
ちょっと物足りないけど早く本番に突入しよう。
地面はごつごつした岩場が多かったけどなるべく凹凸の少ない平らなところに横たえた。
彼女のズボンに手をかけるとその身体がぴくっと縮こまるのがわかった。
顔も恐怖で不安そうにしている。
「大丈夫。安心して」
そう語りかけると、素直なソノラはすぐに表情を和らげてくれた。
彼女のそんな素直なところに俺は惹かれたんだと思う。
ズボンをすっと脱がしてあげる。靴に引っかかりそうだったのでついでにそれも取った。
「ど、どくろマーク……」
すでにショートタンクトップとショーツ姿になった彼女の、そのショーツにでかでかと海賊旗と同じどくろマークが描かれていた。
「い、一応勝負パンツなんだよ。えへへ……」
相変わらずここぞというところで萌え要素を用いるところが素晴らしいと思う。
「可愛いよ」
正直な感想を言ってショーツを取り去った。
綺麗だ。無毛で、つるつるで、縦筋がはっきりと見ることができる。
そこはキスだけで十分すぎるほど涎を垂らしていた。
ごくりと唾を飲み込んだ。
「恥ずかしいかな……」
赤く染めた顔を両の手で覆い隠す。そんな仕草の一つ一つが起爆剤となっていく。
えっちなことはそんなにしていないけどそれだけで下半身に血が集まっていく。
俺のあそこはまだ全開じゃないけど欲望だけならすでに限界を超えていた。
「入れるよ」
ソノラの粘液で光り輝くそこへと自分の先端を当ててぐっと腰を突き出した。
彼女の腰もぐっとずり上がった。
「……」
気を取り直してまた腰をぐっと突き出した。
また彼女の腰もぐっとずり上がった。
「…………」
またぐっと突き出すと、またぐっとずり上がる。それが数回繰り返された。
「なあソノラ」
「え、な、なに?」
「こんなんじゃ絶対入れられないんだけど……」
「だって、怖いし。うぅ……」
参った。ソノラがこんなに怯えていたらどうしようもない。
「うーん……。それじゃソノラの決意ができたら、そのタイミングで入れるのはどうかな?」
「んー、それでいいけど、でもどうやって……きゃっ!?」
寝ているソノラを抱き寄せると俺が地面に腰を下ろし、その屹立したものの上にソノラを跨らせた。
「ち、ちょっとこんなカッコ……ッ」
「これならソノラのタイミングでオーケーだろ?」
「それは、そうかもしれないけどぉ」
「じゃあ頑張って。俺はずっと待ってるよ」
「ん……、わかった、やってみる」

それから十分。俺たちは未だに同じ姿勢を取り続けていた。
その間、萎えてしまいそうになる俺のものを何度も奮い立たせた。
ソノラのさらけ出された股間が目に入るので案外楽にそそり立ってくれる。
「……」
彼女はというと膝立ちの姿勢のまま微動だにしない。
その顔には躊躇いの色が濃く滲み出ている。
「あのさ、早くしないと日が暮れちゃうと思うよ」
「わ、わかってるよ!ちょっと心の準備してただけなんだからぁ!!」
「そ、そう……」
俺の一言がきっかけとなったのか、ようやく彼女が意を決したように顔を引き締めた。
俺があてがっていた割れ目の間の小さな穴が、先端部を少しだけ包み込んだ。
「んんぅ……ど、どのくらい入ったかな?」
「まだ十分の一くらい」
「ま、まだそんなにあるんだ。シクシク……」
「無理せず自分のペースでやるといいさ」
「うん、ありがと」
ソノラの腰が本当に少しずつ下に落ちてくる。
じわじわと中に入っていくほどに彼女の顔が苦痛に歪むのが目に見えてわかる。
「ソノラ……」
「大丈夫ッ、まだ、全然平気だよっ」
全然平気な声じゃない。でも、無理して強がる彼女は絶対に曲がらない。
ソノラの強固な決意に応えるようにどんどん腰が下がってくる。
半分ほどが彼女の中に埋まったとき、中で何かが切れるような感触が伝わってきた。
多分、破瓜のものだ。
その後はずるずると滑るように挿入はうまくいき、すぐに根元まで埋没した。
「ソノラ、奥までいったよ」
ソノラには答える余裕がないようだ。初めてだから当然かもしれない。
「動くよ」
言ってから優しく腰を動かし始めた。
そのたびに苦悶に満ちた表情が色を強め、痛みを堪える苦渋の声が漏れている。
「きつい……けど、いいよ、とっても」
間違いなく情けない顔をしていた。それほどソノラの中はきつくて、でも、気持ちよかった。
「…………きゅう」
ソノラがそう言って、いや言ったんじゃなくて漏らしたのかもしれないけど、
そうしてぱったりと胸に倒れこんできて動かなくなってしまった。
「あ、あれ……ソノラ?おいソノラっ」
ぺしぺしとほっぺたを叩いても反応しない。完全に気を失っている。
「…………」
結局ソノラから抜き取って自分で処理した。
「虚しい、な……」

「ソノラ、ソノラァァァゥゥゥウウッッ、ぐすっぐすっ」
ベットの上で泣き伏すカイル。
「カイル。あんた泣きすぎよ。いい加減になさい」
その横で、どこぞの店のママのようにタバコをふかしているのはスカーレル。
「ソノラだっていつまでも子どもじゃないんだし、好きな人くらいできるわよ」
「だからなんでそれが俺じゃなかったんだよぉぉぉぅうぅ、ぐずっぐずっ」
「私とこんな関係持ってるからでしょ?」
「なにぃッ!!知ってたのか!?あいつは知ってたのか!!?」
「まあばれないほうが不思議じゃないかしら」
「ソノラぁ……こんな不甲斐ない船長で悪かった!!謝るから戻ってきてくれぇっっ!!」
「あんたも情けない男ね……」
その時、部屋の扉をノックする音が聞こえてきた。
「失礼します。船の修理に必要な部品で足りないものが……これは失礼しました」
バタンと扉を閉めてヤードは何事もなかったかのように去っていった。

「ふぅ」
気絶したソノラを船まで担いで帰ってきた。
途中でヤードが意味深な笑みを浮かべて森のほうに消えて行ったけど深く考えないようにした。
ソノラを自室のベットに寝せて俺はその場を後にした。
「さて、これからどうするかな」
正午には程遠い時刻だった。まだ今日の休みは終っていない。
「風雷の郷にでも行ってみるか……」
ソノラがいない今、結局ぶらぶらと島を散策することにした。

微妙に続く――
























第9話 先生の休日 〜Sex Holiday〜 おまけ

「ん?」
鬼の御殿の側を通りかかると、話し声が聞こえてきた気がした。
「…………」
「…………」
人の気配が二つ。押し殺すような、くぐもった声だ。
(この声……キュウマとミスミ様か)
失礼な気もしたが思わず聞き耳を立ててしまった。
聞き取りづらいけど断片的に会話の内容が聞こえる。
「……だ、ダメです――スバル様に見られてしまったら――」
「よいではないか――寂しさを埋めてくれんのか?」
「あ――ッ!ミスミ様ぁ!!」
「キュウマ、よいぞ、よいぞッ!!」

「…………」
聞いてはいけないものを聞いてしまった。
俺がそそくさとその場を立ち去ろうとした時、俺の先生である人物が御殿の中へと姿を消していった。
「んー?」
訝しく思っていると、さっきから叫んでいる二人の声に混じってゲンジさんの声が聞こえてきた。
「はははっ、精が出ますな。どれここはわしも一肌――」

「行こう」
これ以上聞くのは俺の身が持たない。よりによって先生の裸が頭を過ぎるなんて、変態だよ、俺は……。
「ラトリクスにでも行くか」
頭を振ってから独りごちて散策を再開した。

少し思い当たることがあったのでスクラップ場まで足を運んだ。
ヴァルゼルドがどうなっているのか気になったからだ。
「う、うおぉおぉぉッッッ!!」
「な、なんだ!?」
突如聞こえてきた大絶叫に俺は身構えた。
「おぉぉッ!だ、ダメであります!わ、私はまだ、そんな……!」
「この声は……ヴァルゼルドか」
それが聞き覚えのある声だったので身体の緊張を解き、声の発生源まで近づいていった。

「は、はおぉぉッッ!!」
山積みのスクラップの下、鋼鉄の鎧を身にまとったヴァルゼルドが一人で絶叫していた。
「おい、どうした」
「ぐぐぅッ……も、もう出るであります!!」
とりあえず見てわかることといえば身体を微動だにさせないヴァルゼルドが喚き散らしているということだけだ。
「なにやってんだこいつは……」
悪い夢でも見てるのかとも思うが、機械兵士がそんなものを見るとも思えない。
それに今は機能をほぼ停止させている状態だったと思う。
「……はぁ」
というか一体どんな情事が頭の中で繰り広げられているんだろうか。
こういうことはアルディラかクノンにでも聞いてみるほかない。
未だ悶え続けるヴァルゼルドを放置してリペアセンターまで足を運ぶことにした。

「やあクノン」
リペアセンター内でいつものようにクノンを見つけたので声をかけた。
「おはようございます」
ぺこりと頭を下げて挨拶を返してきた。
メイド服似せてある服でそんなことをされるとご主人様と言ってもらいたくなる。
(というかなんでアルディラはクノンにこんな格好を……まさか!)
実は二人っきりになったときはいつもご主人様と呼ばせていたりするのか。
我ながら馬鹿な妄想だがどんどんと加速していく。
(そ、そして夜は『ご主人様、本日最後の奉仕をさせていただきます』とか何とか言ってベットの上で……)
「レックス様、どうかされましたか」
「おわっ!?」
クノンの顔がが俺の顔を覗き込むように下から現れたので思わず仰け反ってしまった。
「?」
「いや、何でもない、何でもないよ」
考えていたことを悟られるわけがないのに、クノンの真っ直ぐな視線を見るとそんな気がしてならない。
「そうですか」
そう言ってそれ以上追求はしてこない。そんなところがよくできた娘だと思う。
「本日はどのようなご用件で?」
「ん……ああ」
すっかり忘れていた。
「ちょっと聞きたいことがあったんだけどさ、アルディラはいるかな?」
クノンに聞いてもいいのだがこういうことは確実に知っていそうなアルディラにまずは話をしようと思った。
「アルディラ様は自室にこもって休息をとっておられます」
「そっか」
「よろしければ用件は私がお取り次ぎしますが」
「いや、取り次ぐほどのことじゃないよ。かわりにクノンが答えてくれるかな?」
「私が、ですか?」
「うん」
「わかりました。できる限りのことでお答えします」
「あのさ、クノンたちは夢とか見るのかな?」
「夢……ですか」
思いっきり頭の上に疑問符が浮かんでいる。確かに彼女たちにこんな質問は馬鹿げてる。
「私には睡眠という行動理念がありません。ですから夢を見るということはまずあり得ません」
「それは他の機械人形……機械兵士にもいえることかい?」
「はい。例外はありません」
「じゃあさ、機能が停止している間に何らかの行動を起こすとか、そういったことはないかな?」
「……あり得ないことではありません。回線の接触不良等が原因で予期せぬ自体が起こる可能性は十分あります」
そうか。ということはヴァルゼルドはそれが原因でおかしくなったのかもしれない。
「ありがとうクノン」
「いいえ」
「で、さ。もう一つ聞いてみたいことがあるんだけど……」
「なんでしょうか」
女性型のクノンにはちょっと聞きづらいのだが、気になってしょうがない。
ヴァルゼルドのあの悶えっぷりからすると、俺の貧困な頭ではああいうことしか思いつかない。
「く、クノンはさ、えっちなこととか考えたりするのかな?」
「…………」
クノンがじと目で俺を見てくる。聞かなきゃよかった。
「いや、そのさ!さっきここに来る途中で他の機械人形がそんなこと口にしてたからくのんもそうなのかなっておもってさ」
最後のほうは舌を噛みそうになるくらい早口で捲くし立てていた。
クノンはというと相変わらずじーっと俺のほうを見つめている。
「あ……あの、クノン?」
「試されてみますか?」
疑問に思う間もなく、クノンの腕が首へ回され、逃れることもできずに唇を重ねられてしまった。


微妙なところで続いてしまった――


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