大人ナップ×アティ



その日カイルや護人達と共に帰還する予定のアティを、緊張で高鳴る胸を押さえ今か今かと船が着くのを見守った。
船が見えて暫く経つが中々近づかないので、もどかしくて仕方無い。
数年ぶりだ。なんと声を掛け様かなどと思い巡らせる。
しかしその時が来たら段取りなど吹っ飛び、船から降り立ったアティに駆け寄り、声を上げた。
「先生!」
「え…」
潮風になびく赤毛を手で留めながら、暫し不思議そうに見つめる。
ようやく、諸々が一致したのか「あぁ」とやや素っ頓狂な声を上げる。
余程驚いたのか、歩き出した途端に砂浜に足を取られ、たたらを踏み成長した腕に支えられる。
「嘘、ナップ君?うわぁ、大きくなりましたね」
腕の中で体勢を立て直し、アティは懐かしそうにかつての生徒を見上げる。
声変りもしていたので一瞬誰か分からなかったが、それでも顔には面影が残っていた。
見下ろさないと目が合わなかった筈の少年は、アティよりも頭一個分は身長が伸び見上げないと顔が見れない。
「ああ、先生は変わってない」
それは御世辞でも何でもなく、この島のゆるやかな時間の中で過ごしている
アティはあれから肉体的に全く年をとっていなかった、むしろ若返っているのではと思わせる。
しかしあの後ナップは島を出て軍学校に行っていた為にそれなりに年を重ね大人になっていた。
「わ、先生」
ジーンと瞳を潤ませ、むぎゅうっとあの頃と同じ様に頬を擦り寄せ抱き付いてきた。
柔らかいアティの胸の感触と甘い香りに赤面しつつも、彼女の細い腰に腕を回してさりげなく抱き付いてみる。
この華奢な体に守られていた、けrど今は守りたいと思う程にナップも成長した。
「アティ、お帰りなさい。」
穏やかだがどこか含みを感じる言い方に聞こえるのはナップの気のせいでは無いだろう。
フレイズはナップを一瞥して、アティに視線を戻す。
「あ、はい、ただいま帰りました」
とペコっ丁寧にお辞儀しした。
チリチリと胸が痛む。

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その夜、マルルゥの提案で恒例の鍋パーテーィーが開かれた。
アティ達の期間祝いと言う口実だ。
「メイメイさん、程々にしてくださいね」
常にほろ酔いの状態の彼女だが、今日は一層に酔っている。
「わかってるってば〜もう先生ったら、相変わらず真面目なんだからぁ」
うへへと笑いながら、アティの肩をバンバンと叩く。
ふと疲れ果てた酔うに視線を逸らすと、視界に…
「ああ、ナップ君それお酒ですよ!」
あわてて取り上げようと手を伸ばした瞬間、ゆらぁ…と地面に倒れ込んだ。
「メイメイさん!なんですかこのお酒!」
「うふふふふ〜メイメイさん秘蔵の銘酒・龍殺しよ〜」
瓶をみると信じれない程のアルコール度数が表記されていた。
少し口に含むと…
「ぅゲホッ――ぅう、なんですかこれぇ」
舌がひりひりする、なみだ目でメイメイを睨めつる。
「ちょ、ああナップ君しっかりして下さいっ」
肩を揺するも、完全にダウンしているらしく目を覚ましそうに無い。

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「ん…あれ…俺」
上体を起こし、辺りを見回す。自分の部屋だ。
「良かった気付きましたか?」
心配気にナップを覗き込み微笑む。
「………」
「間違えてグラスに入ってたメイメイさんのお酒飲んじゃって、倒れちゃったんですよ。本当に心配したんですよ、もう…」
嗜めるように言うも表情は安堵の色を浮かべ優しげだ。
ナップは酒のせいか、座った瞳でつじとアティを見つめている。
「?ぁあカイルさんが運んでくれたんです、流石に私じゃもうおんぶできないですから」
ふふと笑って立ち上がる。
「……何処行くの」
心細いのか手を掴み引き止める。
「お水を取ってくるんですよ、ちゃんと寝ててくださいね」
言って再び背を向けたアティの手を後ろから強く引きベットに倒れ込んだ。
「ナップ君?」
それを受け止める形で、背後から抱き付かれ戸惑いの色を含んだ声を上げる。
「先生…」
甘い声で耳元で囁き耳朶を甘噛みしてくる。
明らかにまだ酔っている。
「寝てないとだめですよ、まだお酒抜けてないんですから」
子供をあやす様な調子で言って離れようとする、しかししっかりと抱きしめられ殆ど身動ぎも出来ない。
成長と共に力もアティを上回った様だ。
「ねぇナップ君、先生の言うこと聞――っ」
曖昧な笑みを浮かべ言いかけた瞬間、セーターの上から両の胸を掴まれやわやわと揉みしだかれる。
「ちょ、ナップ君!こらやめな…ぁっ」
「柔らかい…先生」
すうっと息を吸い込むと鼻腔をくすぐる甘い香り。
柔らかい赤毛を掻き分け露になった白く蕩けそうな項にゆっくりと舌を這わせる。
後ろから脚を絡ませる形で拘束しワンピースの裾から手を滑り込ませ、触れた突起を指で摘む。
「ナッぁ…」
死角から攻められる事に言い知れぬ快楽を感じつつも、警鐘が煩いほどに鳴っている。
「や、やめなさ…ぁんぅッ」
なんとかして離れようにも力では適いそうも無い。
ナップは搾る様に乳房を捏ね回し指の股で挟みきゅうっと引っ張られる。
身体を強張らせ零れそうになる声を押し殺す。
「先生昔からここ弱いよね」
ぐっと少し乱暴に頭を後ろに逆さ向きにされ、些か無理な体勢で強引に唇を重ねられる。
喉が反り返り絡まされる舌に伴う唾液が喉を伝う。
一度唇を離しナップは何かを口に含みアティの喉に直接流し込んでくる。
液体が喉を通って暫くすると喉が焼ける様に熱くなり、その熱は全身に広がっていった。
ナップはわざとらしく音を立て舌を絡ませ続ける。
唇が離された時には全身が焼ける様に火照り指先にさえ巧く力が入らなくなっていた。
「催淫剤入りのお酒だよ、メイメイさんがくれたんだ」
「……ぁっ」
余程強力なのか呂律さえも巧く回らくなり抵抗する事さえどうでも良くなった。
ぼんやりとナップの膝の上にしな垂れる様にして座らされ、熱に潤んだ瞳はどこか遠くを見ている。
「凄い効目だ、」
嬉しそうに言って膝の上のアティのワンピースの下に手を潜り込ませる。
後ろから下着ごしに蕾を指で撫で擦り、ジンワリと濡れた部分に指先を挿入して擽る。
抵抗を忘れ、されるが儘に身体を預け押し寄せる快楽に長い睫を伏せる。
下着ごしに触れられるもどかしさに、太腿を擦り合わせせ吐息を漏らす。
「先生どうしたの?」
意地悪げに囁いて膝の上のアティを寝台に横たわらせ、くいっと太腿を押し開く。
「ふぁ…ぁ」
ナップは下着を口で咥えゆっくりと引き下ろす。
すると、ひくひくといやらしくひくつく蕾が蜜を流す様が露になる。
そっと蜜を指で掬い突起部分に塗り込む。
「ひぁッぁん」
声を殺す事なく上げた矯声はナップの耳を擽った。
「良い声で鳴くよね先生、あの頃もこの声で天使様を喜ばせてたんだ」
恨み言を言って、アティの脚の間に顔を埋め舌で執拗に蜜を舐め始めた。
「ぁんぁあっ」
舌を巻く様な仕草で蕾を割って舌を押し射れる。
入り口部分を掻き回し舌を引き抜くと、次にその上に有るひくつく小さな突起に吸い付く。
「ああああぁああぁああぁ」
性感帯を激しく刺激され喘いで、ナップの頭を太腿で挟み込む。
舌はそこから少しずつ身体を這い上がり、胸の谷間に到達し顔を埋め首を振る。
揺さぶられた乳房がナップの頬を擦る、顔を上げ揺れる胸を見つめた後突起した乳首を乳輪ごと口に含み激しく吸い上げる。
すると甘い液体が口に広がった。
驚いて口を離し乳房を見つめ、搾る様に手を動かすと乳白色の液体が先端から零れた。
「凄い先生」
感嘆の声を上げ再び吸い付き舌をうねらせる。
「はぁんんっ」
舌はさらに這い上がって来、唇に優しく口付け囁いた。
「先生、口でやってよ」
脈打ち硬く反り立った自らをジッパーから引出してアティの目の前に差し出す。
アティは蕩けた瞳でろのろと上体を起こし、差し出されたソレをしなやかな指で包み込む。
子猫の様に舌先だけを覗かせ、ちろちろと舐める。
一通り弄った後、形の良い口に咥え込み舌を這わせ、筋の様な部分に舌を押し付ける形でなぞった。
器用に舌で擦りながら、上目使いにナップを見る。
彼は快楽に歪んだ表情でアティを見下ろし、その光景に酔いしれていた。
アティは瞳を伏せる、甘噛みをしナップが吐息を漏らしたと同時に先端を吸い上げた。
「くっ…」
声を漏らしアティの小さな頭を自らに押し付け、激しく喉を突いた後射精した。
「ぁぐ…く、ケホッ―」
咥内を犯され少しだけ咽苦悶の表情を浮かべた、未だ反り立ったままのそれから口を離す。
咥内に放たれた精液を自然な動作で喉を鳴らして飲み込む。
受け止めきらなかった液体はアティの胸の谷間を伝い流れていた。
その扇情的な姿に、煽られ性急にアティを組み敷いて自身の先端をあてがう。
まるで獣の様な荒くいやらしい息を短く漏らしながら、一心不乱に腰を振った。
「っあ、」
急いたそれは中々奥まで挿入できす、入り口で燻ぶっていた。
ナップはアティの胸に額を押し付けながら一層激しく腰を揺らし、強引に欲望を突き立てた。
「ああああんっ」
体の芯を力任せに突かれ、背を弓なりに反らし悲鳴を上げ悶える。
激しく揺さぶられ何度も最深部を突かれ、アティは部屋の外に漏れそうな程の声で喘ぎ覆い被ったナップの背に爪を付き立てる。
けれど自らの快楽だけに夢中に為った強引な挿入は苦痛でしかなく、アティを中から引き裂くような痛みが襲う。
それでも催淫剤の効力の賜物か、やがて痛みはアティの中で強引に快楽へと転換される。
「っぁく」
内壁が押し潰さんばかりにナップを締付けその津波の様な快楽に気が遠のく。
「先生凄っ――ぅあ」
さらに激しく揺れ動き
「んぁああぁああっ、」
アティの声と同時に彼女の内部で欲望を撒き散らし侵食する、蕩ける様な熱い液体がアティの中に広がってゆく。
しかし若さ故か早々にナップのそこには次の波が押し寄せて来、再びアティの細い腰を掴み性急に揺さぶる。
「ナップ…く…」
大量に汗を掻いたせいか、次第に思考する頭を取り戻し始めたアティは生徒の名を呼ぶ。
「――やっああん」
しかし強引に与えられる快楽に逆らう事も出来ず、されるがままに翻弄された。
これでは、意識の無いほうが良い、何も出来ないのに意識だけはあるなんて拷問だ。
その後数度に渡り繰り返され、その全てを内部に放たれた。
アティは自らの上で果て眠ってしまったナップの身体を押しのける気力も体力も無く、ぼんやりと天蓋を仰いだ。
今から逃避したくて必死に別のことを考える。
しかし、それほど器用になれないらしく、何度気を紛らわそうとしても無駄だった。
そういえば、朧気な意識の中でナップが《天使様を喜ばせていた》と言っていた。
あれは…きっと、見られていたのね…。
ならば彼の歪んだ性欲は自分の責任だろう、ならば責める事も出来そうもない。
ナップに対する怒りや憎しみよりも、自責の念で気が狂いそうだ。
眩暈がする、けれど涙さえ零れない。

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目覚めたナップはなにが起きたのかすぐには思い出せず暫し記憶を巡らせる。
「起きたのならどいてください」
言われて始めてアティの上に自分が寝ていた事に気付き、慌ててアティの上から飛びのく。
二人とも乱れあちこちに染みは付いているものの衣服は辛うじて身に着けていた。
アティはナップを見る事なく床に投げ出された白いマントを羽織、逃げる様に足早に部屋を後にした。
転がった酒瓶が視界に入った直後全ての記憶が蘇り、何か言わないとと思ったが喉が引き攣り声も出ない。
引き止めることも出来ず、虚しく扉を見つめる。
アティの声は聞いた事も無い冷ややかなモノだ。
音を立てて全てが崩れ落ちた気がした。

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歩くたび下腹部に痛みが走ったが、今はただ逃げ出したかった。
ナップから?否、多分不甲斐ない《先生》という自分から。
答えは初めから出ていた、抜剣してでもあの時逃げなかった己の非だ。
けれど与えられるモノは拒めない、拒絶の恐ろしさを知るアティには。
しかしその結果がこの様だ、救いようが無い。
「あら先生朝帰り?」
突然声を掛けられギクリと身を強張らせる、振り返るとスカーレルが立っていた。
「そうとう激しかったのね、声が聞こえてきたわよ、」
いつもの茶化すような口調だ、冗談を言っているのだろうが今は上手く笑えそうもない。
なんとか、曖昧にだが笑ってみせ無言でスカーレルの横をすり抜けた。
声を出すと泣き言を言ってしまいそうで恐ろしかったから。
「やだ、私拙い事言ったかしら…」
いつもなら顔を真っ赤に染め「なに言ってんですかっ」という可愛らしい反応が返ってくるのだが、先程は何とか作り笑ってこそいたものの、あきらかに様子がおかしかった。

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「ねぇ、昨日先生何処に居たか知らない?」
少しでしゃばり過ぎかとも思ったが、一応当たって見ることにした。
二日酔いで気分悪そうなカイルは
「いや、昨日から見てないな」
と、吐きそうな顔を上げた。
「昨日?いつ頃からか分かる?」
「あぁ酔い潰れたナップを部屋に運んだ後に俺は別れたぜ。まだ看病してるんじゃないか?」
「坊やの所?」

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「起きてる、入っていいかしら?」
ノックをして声を掛ける。ややあって返事があった。
「…どうぞ」
ドアを開け入ると、なにか甘ったるい香りがした。
「ねぇ、先生と何かあったの?」
不躾に質問する、回りくどいのは苦手だから。
「え」
ナップは顔を強張らせスカーレルを見つめる。
あからさまな動揺に瞳を細め詰め寄る。
「あったのね、」
「その…先生が何か言ったんですか?」
「いいえ、なんだか様子がおかしかったから」
「…そうですか…」
「知らない」
沈黙の後、ポツリを吐き出す様につぶやいた。
「強要しました…」
「は…?」
その意味を図りかね、暫し凍りついてその言葉を頭の中で反芻する。
ナップはその沈黙に耐えらず、泣きそうな顔で声を荒げる。
「だからッ!無理やり犯し―ッ」
弾ける音、殴った音なのかイメージによる幻聴なのか分からない。
確かなのはスカーレルの拳がナップの顎を砕かんばかりに振り下ろされた事。
派手な音を立て椅子ごと床に転げ落ちた彼に、再び殴りかかる。
ナップは抵抗もせず、与えられる痛みを罰だとどこか安堵し受け入入れた。
「お、おいスカーレル!なにしてんだ」
喧騒を聞きつけ制止しに入ったカイルに後ろから羽交い絞めにされ、荒く肩で息をする。
「殺されないだけ感謝なさいッ」
怒気を孕んだ声、おもわずカイルさえも怯んでしまう。
「それと、今言ったこと死ぬまで人に言うんじゃないわよ」
「……は、い」
血の流れる口を拭い、力なく頷いた。

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知らなかった上での冗談とは言え、あれは酷い。
スカーレルはこの時ばかりは自分の軽口を激しく自己嫌悪する。
慰めることさえできない。
第三者に知られる事で傷はより深く刻み込まれ、それにより忘却さえ許されなくなるだろう。

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楽しい子供時代は終わった。
大人だったけれど子供のつもりでいたアティ達、けれど此処に来てもうそれさえも続けられなくなった。
暫くしてアティは静かに、島から姿を消した。




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