レシィ×ユエル 第三話



三年前のあの旅の最中、一時ゼラムへと帰還していた時だったと思う。

総帥エクスに呼ばれたトリスとネスティが留守の間、派閥内のネスティの部屋を掃除していて、ふとタンスの一番下の空白部分に、何か雑誌みたいなのが山積みになっているのを発見したのが、そもそもの始まり。
「どうしてこんな所に本を置いてるんでしょうかね?」
埃を掃き出す為の箒を片手に、何気なく手にとってパラパラとめくって、次の瞬間レシィはと手に持っていた箒をバタンと取り落とした。
「…なっ! こ、こここ、これはーーっ!?!?」

そこにはまあ。あるわあるわ。『ネスティ=むっつりスケベ説』を10回肯定しても尚おつりが来るような、字ばっかりのから絵ばっかりのまで、上は真面目なテクニック指南書から下は犯罪入ってそうな危険なのまで。

慌てて元に戻して掃除を終わらせたものの、やる事を終えてしまえばレシィとしては散歩と読書ぐらいしか他にすることがないのであって。
…更にはトリスもネスティも、おそらく深夜になるまで帰って来れない。

「こ、後学の為に…ちょ、ちょっと読むだけですからね…」
誰も聞いてないのに自分で自分に言い訳しながら、再びタンスの下にあったそれらを手に取ったレシィが、自然自分のズボンの中へと手を伸ばすのに、さして時間は掛からなかった。

穢れの無かった純粋な少年が、初めて自身を汚す事を覚えた瞬間である。

…尚、ネスティが樹になった後、彼の部屋が他の召喚師に回される直前、レシィは『ネスティさんに対する周りの評価を傷つけない為ですからね!』と、それらのコレクションを皆に内緒で全部回収(=徴収)していたりする。
…結果的にネスティの人物像は守られたわけだし、まあいいんだけどさ。

(…でも、僕もあまり人の事をむっつりスケベとか言えませんよね…)

上着を脱いで上半身裸になりながら、レシィはそんな事を考えていた。
そんな事言っても、実際には世の『真面目で無害そうな男』の実に九割はむっつりスケベであるという(極めて信憑性の高い)学説もあるのだが、まだ若いレシィには、そういう次元までは考えの跳躍が及ばない。

流石にズボンまで脱ぐのは恥ずかしかったので、(さっきから股の辺りがきつく張り詰めててちょっと痛かったけれども)そのままにして振り返ると、ユエルが上半身を起こした姿勢でベットに横になったまま、きつく目を瞑ってちょっとだけ震えているのが見えた。

(確かユエルさんは今13で、僕はこの間15の誕生日プレゼントを…)

リィンバウムに来てからのここ数年間で培ったレシィの社会知識が、頭の片隅で激しく空襲警報を鳴らしていたが、…聞かなかった事にした。
…同時にゼラム市の法律の中の男女の有婚姻資格年齢基準について繰り返し暗唱している自分もいたが、…これも斬って捨てる事にした。

(…ともかく、今はユエルさんを気持ち良くさせる事だけを考えないと…)

そう思い直し、それ以外の思考を全て自分の中からシャットアウトする。
…彼が蓄えた限りのこの手の知識の全てが、こういう時は男性側が優しくリードするものである、と語っている。
…逆にこういう時に取り乱して相手の女性を不安にさせるような男は、それこそ本当のダメオ君である、とも。


カラカラに乾いた唇を舌先で湿らすと、そっとユエルのそれに重ねてみる。
「あ……」
僅かに身を強張らせたユエルだったが、逃げようとはしなかった。
ほんの瞬き数回分、重なって、離れる。

「…味……しないね、……レモンの」
「…はい、あれは、あくまで味に例えればの話ですから……」
顔を一層赤くして、恥ずかしそうに耳を伏せるユエルに、微かに微笑んで答えるレシィ。
一見すると和んだ会話だが、しかし内心ではレシィの心臓はバクバクと音が聞こえる位に早鳴っていた。眩暈など、とうの昔に感じてる。
(…あんまり緊張し過ぎると、人間かえって冷静になるものだって話、本当だったんですね…)
一枚白い幕が降りたような頭で、レシィはぼんやりとそんな事を考える。

「…でもユエルさん、キスにも二種類あるって事、知ってましたか?」
「……?」
怪訝そうな顔で首をかしげるユエル。
レシィはそれを見て穏やかな笑みを浮かべると……
「…もう一種類の方のキスはですね……、こうやるんです…」
……ユエルの体をぐっと手元へと引き寄せた。

「…んうう〜〜〜〜っっ!?!?」
覆いかぶさるような唇と、割って入ってきた舌の感触に、目を白黒させて手足をバタバタさせるユエル。
…しかし舌に舌を絡められ、裏側を先っぽの部分で軽くくすぐられると、雷に撃たれたように一度痙攣し、そのままヘタリと両腕を落とす。
少なくとも、彼女が知る昔話や、子供向けの本の中の白馬の王子様は、こんな風なキスのやり方がある事は教えてくれなかったに違いない。

限界までたっぷりと味わい、荒い息をつきながらレシィが唇を離す頃には、ユエルは視線の定まらない火照った顔で、力なくベットに横たわっているような状態だった。
刺激に敏感な今の彼女には、レシィのつたない舌使いだけでも…――あるいは、ひょっとしたらレシィのつたない舌使いだったからこそ――…あまりにも強すぎる刺激であったのだろう。

「……ユエルさん、気持ちいいですか……?」
図らずとも押し倒すような形で覆いかぶさり、労わりからの問いを放つ。
このまま黙っていたら心臓が壊れてしまうのではないかと、そう怖くなるほどの興奮だった。

しかし、ユエルはそんな彼の思いを知ってか知らずか、
「……ゃ…」
我に返り、潤んだ瞳でいやいやするように首を振る。
そんな彼女のいじらしい姿を見ていられるわけもなく、レシィはもう一度深い口づけを落として、その動作を封じ……

……いつもの快活なユエルとは、明らかに異なった弱々しい姿。
普段の彼らの能動・受動の立場が逆転した、奇妙な関係。
それらがレシィの劣情を刺激し、心の中の何かを確実に砕いていく。
(…可愛いです…ユエルさん… …とっても…)
口腔を舐りながら、レシィはたった一枚ユエルの体を隠すシャツをゆっくりとめくり上げていった。

「……見、見ちゃ…駄目だよぉ…」
当然ユエルは、身じろぎしてあらわになった胸部を隠そうとするが、
「…どうしてですか? とっても綺麗です…」
レシィがユエルの胸元に顔をうずめる形で抱きついて来たので、それもできなくなってしまった。
「…だ、だってユエルの胸… 小っちゃ……」
「そんな事……ありませんよ…」
「ひゃうっ!?」
ペロリと小さな突起を舐め、同時にユエルの下腹部に片手を伸ばして。
…あの頃、初めて出会った時のユエルはやせっぽちのぺったんこで、レシィも最初は彼女の事を同姓だと勘違いしたくらいだった。
……だが、年月は流れる。それも今では……

「…ユエルさんの体……十分エッチですよ…」
「…やっ…? …っ!! ふぁっ…そこっ、やだぁっ……!!」
先ほど一人でいじっていたせいか、かすかにべたついたその部分を、円を描くようになぞりつつ、発展途上の双丘の一方を舌で弄ぶ。

「ふぅっ、…ユ、ユエル、エッチじゃ、ない、もん。エッチじゃ…っっ!!」
まるで宝物でも探すかのように、ゆっくりと、おそるおそる動いていた指が、けれどついに見つけたのだろう、唐突にユエルの中へと、浅く潜り込んだ。
ごく浅くではあったが、それだけで今のユエルは大きく背中を仰け反らせ、レシィにそこが当たりであった事をやすやすと知らせてしまう。

追い討ちをかけるように、レシィの言葉。
「でも…気持ちいいんですよね? とっても気持ちいいんですよね…?」



『でも、気持ちいいんですよね? とっても気持ちいいんですよね?』

レシィの口から、いつもはどこか頼りなさげで、…だけど優しい、大好きな大好きなレシィの口からそんな事を言われて、ユエルは恥ずかしさと、同時に何か背筋を駆け上がる得体の知れないゾクゾクとした感覚に身を震わせていた。

もう嫌だと言ったあの日、アイツラに味わらされたような苦痛は、ユエルの懸念に反して、今までのところは少しもなかった。
…ただ、代わりに泣きたいくらいの恥ずかしさと、そしてあの時とはまた違った意味での恐怖とには、押しつぶされそうな思いだったが。

そういう方面の知識にひたすら疎いユエルにも、この行為が、今の自分の有様が、レシィにされている数々の行為が、とても恥ずかしい事なのだというは、なんとなく判る。
……付け加えるならば、この行為の本当の意味も、本能で。
だが。

(…でも…ユエル、怖いよぉ…。どうしていいか…判んない…)

確かに、…うまくは言えないのだが、体が泡立つような、ピリピリと弱い電流が走っているような、くすぐったさとはまた似て非なる、未知の感覚が――キモチイイ?――ユエルの全身を支配していた。
…この流れに身を任せてしまえば、きっととてもキモチイイのだと……きっとものすごくキモチヨクなれるのだろうという、予感はある。
しかし同時に、この流れに一度身を任せたら、もう抑えることは出来なくなってしまうのではないかと…、何か自分の想像もつかない所へと連れ去られてしまうのではないかという恐れがあって、次々と押し寄せる波に、必死に歯を食いしばって耐えるしかなかったのだ。

……そして、それよりももっとユエルの心を脅かしていたのが、レシィに嫌われるのではないかという恐怖。
こんなエッチでハシタナイ(トリス達が怒る様な)事をしている自分を、大好きな皆の中でも、特にレシィにだけは見られたくなかったのに。
この今自分が置かれている状況を考えると、肉体的なではない、胸が締め付けられるような奇妙な辛さに苦しかった。

『そんなんじゃレシィ君に嫌われちゃうわよ?』と、ミニスの母ファミィに(意味深な笑顔で)言われる度に、必死になってフォークとナイフの使い方も覚えたし、お風呂にだって我慢して毎日入るようにしてきたのに。
それも全部無駄になってしまったと考えると、どんどん悲しくなってくる。

なのに、である。
「レシィの…いじわるぅ…、なんで…そんな、いじわる…ウゥゥゥ〜〜!!」
とうとう唸り声まで漏らしながら、ユエルはレシィの腕の中で転げまわる。
…そう、そんな自分を崖っぷちに追いやっているのは当のレシィなのだ。
しかも何だか余裕気で、楽しそうにさえ見えるのが、なぜか無性に癪に障る。

自分の口腔内を動き回り、舌に絡んで来ているこれは、レシィの舌。
背中に回されているのは、レシィの腕。
発展途上の胸に、ぎゅっと押し付けられるレシィのぬくもり。
そしてそろそろと、しかし次第に地理を把握してきたのか、自分の奥へ奥へと潜り込んでくるレシィの指。
レシィの声、レシィの髪、レシィの体温、レシィの匂い…………

「もぅ……やだぁあーーーっっ!!」
上から下から、じわじわと攻められ、とうとう堪えきれなくなったユエルが堪らずに叫んだ。
そう叫ばずにはいられなかった。
「…エッチなのはっ…ユエルじゃなくてっ、レシィの方だよぉっ…! もうヤダ……こんなエッチなレシィなんか…大ッ嫌いだぁっ!!」


その瞬間。
先程からまるで針金でも入ったかのようにピンッと立っていた
レシィのしっぽが、ぱたりと落ちた。

「…………そう、ですか」

「…ぇ?」
さっきから執拗にユエルをいじめ続けていた指の動きが、ピタリと止む。
驚いたユエルが目を開けると、そこには何とも言い表しがたい表情をしたレシィの顔があった。

「……でも僕は、こんなエッチなユエルさんの事も大好きですよ? もちろん、普段のユエルさんも。ユエルさんの全部が好きなんです」
「…レ、レシィ…?」
いきなりの告白に戸惑うユエルに構うことなく、普段の彼からは考えられないような強い口調で続けるレシィ。

「…ユエルさんを傷つけたくありませんでした。ユエルさんに嫌われたくありませんでした。……だからずっと、考えないようにしてたっ!! ユエルさんの『大切なお友達』でいられるようにって、頑張ってたっ! …でも違うんですっ! 僕のユエルさんへの好きは、お友達としての好きじゃない、仲間としての好きじゃないっ、こういう好きなんです!」
「…〜〜〜〜〜っっ!!?」
そう言って、レシィはいきなりユエルの体をかき抱くと、余った方の手でユエルの秘所への責めを再開した。
…先程までとは違って、強く、強引に。

より激しい刺激と、しかし同時に明らかに混じる多少の痛みが、かつての悪夢を喚起し、ユエルの体を一瞬強張らせるが………そこで気がついた。レシィの体が、小刻みに震えている事に。

「ふっ…ふぁっ! レシ……ッキャウウウウウウーーーッ!!?」
「きっと自分自身、無意識に気がつかないようにしてたんだと思います。でももう判っちゃったんですっ。…ずっと、ずっとずっとこうしたかったっ! ユエルさんにこういう事をしたいって、心の底で考えてたっ! ユエルさんを僕だけの物にしたいって、本当はいつも思ってたっ!」
激情に任せて本当の気持ちを吐露しながら、手を僅かに滑らせて包皮にくるまれたユエルの朱玉を親指の平で強く押した。
中と外からの強烈な刺激に、ユエルは子犬の様に悲鳴を上げるしかない。

「僕はユエルさんが考えてるような優しくて無害なメトラルじゃないんだっ! ユエルさんが僕以外の人に抱きついてるのを見た時、もの凄く嫌な事を考えてる僕がいるんですっ! ユエルさんが僕以外の男の人と楽しそうに話してるのを見て、ユエルさんの一番の友達は僕なのにって、もの凄く嫌な気持ちでそれを見てる僕がいるんですっ、それが本当の僕なんですっ!」

もうレシィは泣いていた。話しながらボロボロと涙をこぼしていた。
ユエルを傷つけたくないという想いはあったが、しかし今までずっと無意識に押さえつけてきた気持ちを認めてしまった事により、もうレシィは自分を押さえつけることがほんの少しもできなくなっていた。
激しい後悔と捨て鉢な気持ちが、キリキリとレシィの心を締め付ける。

「…でも、やっぱりユエルさんが僕の事を好きなのは、『レシィだけは大丈夫』だからなんですか!? 僕が男に見えないからなんですか!? お友達だから、なんですかっ!? 仲間だから、なんですかっ!? …そんなのっ、そんなの嫌だ! 嫌だぁっ!!」

叫んで、剥き出しにした紅珠を強く擦り上げた瞬間、声にならない叫び声を上げてユエルの体が大きく跳ね上がった。
体を硬直させ、ギリギリとレシィの背中に爪を立てると、レシィにしがみ付いたままピクピクと震える。
…レシィの指を伝い、とろりとした液体がシーツの上へと滴り落ちた。


そのまま、長い沈黙が落ちる。


……しばらくして先に口を開いたのは、レシィの方。

「…これで、体の火照りはだいぶ収まったと思います。よく頑張りましたね、ユエルさん」
無理に笑顔を作って、レシィはいつもの調子に取り戻そうとする。
たった今背中に付けられた爪痕と、昼間付けられた爪痕が、ズキズキと痛みを発していた。

とりかえしのつかない事をしてしまったという思いがレシィの心中を打ちのめしてはいたが、……でも謝る事ができない。
…謝ってしまったら、レシィが謝罪の言葉を口にしてしまったら、自分も、ユエルも、一生今の出来事を後悔する、そんな予感があった。
少なくとも、自分はそれに耐えられそうにない。
だから逃げようとした。全部ユエルの病気の治療だったという事にして。
…今のが根本的な治療にはなっていないのは判っていたが、でも少なくともこれから数日は、久しぶりにユエルもぐっすりと眠れる……はずだと、思いたかった。

しかし冷静になるに従って、後悔の念がじわじわと増してくる。
「…あ、いけません、もうこんな時間でしたね。……それじゃあユエルさん、僕もそろそろ自分の部屋に戻らないといけませんから…」
不自然な笑顔を保ったまま、レシィはギクシャクとした動きで上着を掴み、そのままユエルの腕の中から離れようとした。
…ちょっとでも自分の言葉がどもらないよう、精一杯の努力を行いながら。

だが、立ち上がろうとしたレシィのズボンを……ユエルが掴む。


「…ごめんね…」


そうやって、小さな声でユエルがそう言うのを聞いてしまっては、レシィが元々持ち過ぎなきらいのある良心の盛大な呵責に、耐え切れなくなるのはすぐだった。

「……どう、して…、…ユエルさんの方が、逆に、謝るんですか…」
「だって…」
「…もう、いいんです、もう…」

優しく抱きしめて、宥める様にユエルの髪を梳いてやる。
流血大惨事、とはいかなくても、おそらくは酷い有様な背中の事の、あるいはたった今暴露した自分の本心に答えられない事の、そのどちらを謝っているのかは知らないが、ただ今日だけは、そんな彼女の優しさが残酷だった。
「…もうこれで、きっぱり諦められますから。明日からはまた…」
「違うの!」

けれどそんなレシィの意に反し、ユエルは意を決したように決然とレシィを見上げる。…その瞳の中に、いつもの元気なユエルがいた。
「ユエルも…エッチなレシィの事、好きだよ?」
「そうですか…でももういいんです…………って、はいっ?」

ものの見事に裏返るレシィの声。聞き間違いかとすら一瞬思うが、畳み掛けるようにユエルは続ける。

「ごめん、ね? …レシィ、本当はユエルを怖がらせないように、一生懸命、してくれてたのに……。ユエル、怖くて、どうしていいか判んなかった……だけなんだよぅ…。大嫌いなんかじゃ、ないから、…行っちゃ……やめちゃ、やだぁ…っ」


「それに…ユエル、レシィはトリスの事を好きなんだって……レシィが、ユエルみたいなのに優しくしてくれるのも、レシィが優しいだけだからなんだって…思ったりとか…してた…から………そういうのが、嫌で……嫌だった、だけなんだよ……」
ぐりぐりと、あまり厚くない裸の胸に頭を押し付けられながら、レシィは、ポツポツと聞こえてくるユエルの声を認識する。
「…ユエル……嫌な子、だよね?」

「…そんな事…ないですよ…」
ぎゅっと、ユエルの髪に顔を埋ずめるレシィ。
うまくは表現できないのだが……とにかく、幸せな気分が。
不思議に安らいだ気持ちが、そうしていると、こみ上げて来た。
「すごく…嬉しいです」

「……うん、だから、ユエルもおんなじ…」
ユエルの方も同じ気持ちなのだろう。
目を細めて、髪をレシィにされるがままにまかせていて。
「ユエル、レシィがユエルのことそんな風に見てくれてたって判って、嬉しかった…、とっても嬉しかったよ。…だから、だからね……」

ふいに僅かに口調を変えて、ユエルが問う。
「…ねぇレシィ、レシィ、エッチなユエルの事も好きって言ってくれたよね?」
「え?」
唐突にそんな質問をなされては、当然だが戸惑って言葉を返せないレシィ。
だがそんな彼にお構い無しに、ユエルは有無を言わせぬ口調で強く繰り返す。
「言ったよね!? ねっ!?」
「は、はいっ!」

そうやって、ほんの少し、考え込むように俯いて。
「…うん。じゃあ…じゃあね……」


「…今度は、ユエルの番っ!」

そう言って、ユエルおもむろにむんずとレシィが片手に掴んでいた上着を奪い取ると、ぺいっ、と遠くに放り投げた。
「ユエルさん…?」
次に、今では申し訳程度に体を隠すのみの自分のシャツを、う〜んと言いながらすっぽりと脱ぎ、同じように、ぺいっ、と。
「ユッ、ユユユ、ユエルさんっ!?」
そうして、おもむろにレシィのズボンをぐいっと掴むと……

「うっ、うわわわわわわわわわっ!? ちょ、ちょち、ちょっとちょっと、ユエルさん駄目です、それは駄目でっ、…ひ、ひっぱっちゃ嫌ですぅっ、お願いですからホント、それはマズイ…って、うわったぁっ!!?」

えいやっ!とばかりに下着ごと引っ張ったので、慌ててバランスを崩したレシィがベットから転げ落ちると同時に、すぽーんと音がしそうなくらいに気持ちよ〜く脱げるそれら。
無論、ユエルは容赦なくそれをぺいっ、とばかりに投げ捨てた。
…ちなみに、あんまり強引に脱がしたので、尾を出す穴に引っかかった拍子の摩擦で尻尾の付け根に擦り傷が出来てたりとかもする。痛い。

そうして後頭部をしたたかにうったレシィが、自分が完全にすっぽんぽんにむかれてしまったという事実を認識しないまま、それでも上半身を起こし、
「いっ、いきなりっ、何するんで……」
……そのまま、時が止まった。

…まぁ、そりゃ、止まりもするだろう。
裸のユエルに抱きつかれて、口を塞がれたその日には。


「んん〜〜っ、ぷはっ…ユ、ユエルさんっ!? 何……うぁっ!?」
「…あのねレシィ、ユエルなんとなくだけど判ってるんだ。さっきのあれで、本当の終わりじゃないんだ、って……」

そう言って、痛いほどに屹立したレシィの性器に、今度はユエルの下の口がキスをする。先端部を覆う濡れそぼった感触だけでも既に大脳新皮質が感覚拡大により処理落ちしそうなのに、その上更に『その部分』をむぷむぷと強く押し付けられようものなら、レシィじゃなくても思わず荒い息を吐かずにはいられない。

おまけに耳元でこんな事を囁かれようものなら。
「…ユエルだって、本当はずっとこういう事しかったんだよ…。レシィにこういう事されるの、想像しながら、エッチな事してた…。ユエル、レシィのが欲しいよ… レシィの…ちょうだい……ね…?」
「うっ……うわああああぁーーーーっっ!!」

腰を前に出さずにはいられないというのが、男のサガで。

ぬるり、とした熱い感触に、肉を押し分けて先に進む侵略感。
自分の手や知識では決して味わえなかったそれらの生々しい感覚に、レシィはそれだけで、そのままがむしゃらに腰を突き動かし、絶頂まで全力疾走してしまいたいという衝動に捕われかけたが、そこは自分の男としてのプライドでもって、たたらを踏んで踏み留まる。

(…ひ、日頃から、毎日欠かさず『訓練』しておいてよかったです…ぅ…)
数々の為になる知識の記されし参考書を授けてくれた(というか、盗った)ネスティ(のコレクション)に、感謝感激雨あられである。

…だが次の瞬間には、立ち膝の姿勢のままカクンと自分の肩に頭を預けてきたユエルにぎょっとするレシィ。
「あ……ユ、ユエル、さん。……痛かった、ですか?」
いくら十分に濡れていたとはいえ、いきなり竿の半分近くまでをねじ込まれたのである。
陵辱された過去があるとは言え、それは数年近く前の話であり。
レシィの方は痛みにも似た快感、で済むかもしれないが、ユエルの方までそれで済んだとは考えにくかった。

「…う…ううん…ユエル、平気だよ? …ただ、ちょっと、きつくって…」
苦しそうな笑顔を見せるユエルだったが、残念ながらその表情を見れば、レシィでも嘘だというのがすぐに判る。
彼だって人のことは言えないのだが、ユエルはそれに輪をかけて嘘をつくのが下手なのだ。

「だめ、ですよ、嘘ついたら…ユエルさんは、嘘が下手なんですし…」
「…だっ、だから、ユエル嘘なんて…ぇ…ぅ」
背筋に指を這わせて、頭を引き寄せるついでに首筋を舐めてやると、それだけでユエルの声は小さくなり、力が抜けるのが面白くて。

豊富なのは知識だけで、実技に関しては全くの素人な自分の手でも、これだけ素直に反応してしまう今のユエルの体が、そんな彼の中にふつふつと男としての自信を植え付け始めていた。
ひょっとしたら発情期なだけが理由でなくて、ユエルさん自身もしかしたら敏感な体質なのかもしれませんね、なんて事も考える。

「ほら、ちゃんとユエルさんも…気持ち良くならなきゃダメですからね…?」
手と口でユエルを愛撫しつつ、少しずつ挿入を再開するが、ユエルとしては、レシィにそうされることはあまり本意ではないようだ。

「やっ…ダメだよぉ…ユエル、レシィ…あんなに…大切にして…貰ったのに…んんっ…、今度はぅっ、ちょ、ちょっとくらい、痛くても、レシィに気持ち良い事して…上げたい…、のにぃぃ…っ」

そう言って、必死になって押し寄せる快楽に耐えようとするけれども、しかし月夜の下、発情期の到来で鋭敏になった体は、レシィからの攻撃に対抗するには、あまりにも脆弱な鎧。

「でも、ユエルさんが気持ち良くなってくれないと、僕の方も気持ち良くなれませんから、ほら……??」

そんないじらしい彼女の反応を、可愛くて可愛くて仕方が無いと言わんばかりで眺めていたレシィの視線が、…つと、一点で止まった。

…尻尾が、動いている。
青色い、尻尾が、動いている。
尻尾。
…レシィの好きなユエルさんの、青色の可愛いふっくらとした尻尾である。

それが力一杯左右に振れている。
メトロノームもびっくりなくらいに、ブンブンブンブン行ったり来たり。

…この尻尾振り、ユエルが嬉しい気分でいる時に無意識に出る癖で、普段レシィに抱きついてくる時や、最高の日向ぼっこの為の場所に寝転がっているような時には、比較的小さく。
ご馳走や大好物(焼きプリンとか桃ゼリーとか)を食べている時には、比較的大きく振られるのである。

でもこんなに最大級に、それこそ千切れんばかりに振られているのを見たのは、レシィとしても始めての経験である。
…つまり、それだけユエルは、嬉しくて嬉しくて仕方がないわけで。

そして、そんな勝手に尻尾が動いちゃってる事に気がつかないユエルは。
自分だけが気持ち良くて、レシィにいいように翻弄されているのが悔しくて、まあ理由はどうであれ、世に言う『ユエル気持ち良くなんかないもんっ、感じてなんかいないもんっ!』系の我慢をしてるんだという事は、レシィにもなんとなく察しがつくのであって。

(…ユエルさん、意味、ないですよ、それ…)
尻尾が振れちゃってるのに、全然気がついてないし。

こんな、歯を食いしばって、親指まで噛んで、必死になって目をつぶって、ぎゅっと手で握りしめてて、でも肩の辺りがちょっと震えてて、そんなになってまで頑張って気持ちよくなんか無いように見せてるのに。

(でもユエルさんの、あの青いふかふか尻尾が言うには『嬉しい♪嬉しい♪』)

…………

「…かっ……」
と、思わず無意識に口に出しかけて、しかしレシィは口を閉じた。
思わず表に出してしまった小さな声であり、ユエルは気がついていないが。
…しかし、敢えてここで彼の心の中を覗いて見ると……

(…か、可愛いです、可愛いです、可愛い、可愛い可愛い可愛い可愛い可愛すぎますよユエルさんっ! どうしてそんなに可愛いんですかっ!?)

…オーバーロード、していた。日頃レシィがユエルに対して感じ、けれども決して表に出す事がなかった全ての感情、例えばお昼寝してるユエルに対して(…可愛いです)、自分が作ったケーキを美味しそうに食べているユエルに対して(…可愛いです)、などと胸の内だけにひっそりと留め、大切にしまってきた物が、全部、全て、一切合財逆流中。

(…あれも…これも、いつだってユエルさんは可愛くて可愛くて可愛くて!…う、や、止めてくださいよ、そんな風に可愛らしく尻尾をフリフリするの止めて欲しいです…。そんなに全身で嬉しがられたら、もう、もう、僕…)

さらに、そんなユエルが全裸で自分の上に跨って、尻尾を…、彼女の(レシィからすれば)とっても素敵で魅力的な尻尾――メイトルパの亜人達にとって、尻尾は重要な美的判断基準――を、本当は嬉しいという内心を表す為に振るっている姿は、とても蠱惑的で扇情的に見えるのであって。

(…ユエルさん、僕と、ずっとこうしたかったって…。…ユエルさん、僕みたいなのに、犯されてて。…僕の、大切なとこ、もうほとんど、くわえ込んでるのに、なのに…あんなに…嬉しそうに…尻尾…振ってて。…僕が、ユエルさんを、こうさせてて…。…僕だけの…ユエルさんで…。…そうだ…僕だけのユエルさんだ。僕だけのユエルさんなんだっ! 僕―)

プツッ

ふいに、レシィが両手でトンとユエルを押したので。
…既に足腰が立たなくなっている彼女は、当然そのままコロリと床の絨毯の上に転がってしまう。
「アウゥッ!」
唐突に襲い掛かる内壁をぐりんと抉られるような衝撃。
突き上げるような快楽。

「……はい、これで、全部入りました。…どう、ですか? ユエルさん…」

やがて収まったそれらにうっすらと目を開けると、見上げる顔の上で、レシィがにっこりと笑っているのが見えた。
…そこで、初めて。ユエルはいつの間にか自分が正真正銘――それこそ完全に――レシィに押し倒されているという事実に気がつき、……数瞬の後、恥ずかしそうに耳を何度か動かす。

「…ちょ、ちょっとお腹きつくて、苦しいけど…、な、なんか変な感じ…する…」

昔の忌まわしい体験で感じた、焼けた鉄棒をねじ込まれるような激痛も、火かき棒を体内に差し込まれたような白熱感も、今この瞬間には少しも存在していないわけであって。
…こういう行為がそういう痛みに耐えた上で行われるものなのだと勘違いしていたユエルとしては、覚悟の分だけ拍子抜けした気分である。

しかしそんなユエルの、どこかほっとしたような様子を確かめると、

「…それじゃあユエルさん、さっきの続き、してもいいですよね…?」

「えっ?」という表情で、ユエルが顔を上げた瞬間を見計らって。


「…ふっ!?…あっ、あああああああぅっっ!!?」

最奥まで差し込まれたものが、ずりずりと膣壁を押しのけながら逆流する感触に、嬌声を上げて震えあがるユエル。

「…ねぇユエルさん、気持ちいいですか? …ね? 気持ちいいですか?」

入り口付近まで引き抜いた後、同様のペースで中まで押し戻しながら、とても嬉しそうにレシィが聞いた。
その表情は心の底から楽しそうであり…、同時にほんの少しであったが、何か邪悪なものが混じっていて。

「あうぅっ、レッ…レシィ、い、いまのなにっ? いっ、いまのなにっ!?」

だがユエルの方にして見れば、そんなのにいちいち気がついていられる余裕など無い。今彼女は自分の内部を襲った強力な快感に怯えの色を隠せず、ついでに言えば現在進行中で再度レシィのに潜り込まれている最中なのだ。…まともな思考をしろというのだに無理がある。

しかしレシィは、
「…ダメですよユエルさん? 質問にちゃんと答えてください♪」
そんな全てを無視して、ユエルの一番奥、微かにしこりの様になった部分に自分の先端が当たったのを確認すると、…今度はさっきよりも、もっとゆっくりと時間をかけて腰を引く。
ユエルの反応を、楽しみながら。

「うぁっ!?…やっ、やだぁっ、やめっ、てっ、レシッ、こっ、これ、これっ! ビリビリッ、ビリビリするっ、からっ、あっ、やっ、やああああああっっ!!」

瞬間的かつ鮮烈な快感とはまた違う、長く連続して送られる強めの快感。
それらが生む、脇腹をくすぐられ、しかし止めてもらえない責め苦にも似た、強烈な切なさがユエルの全身を何週も駆け巡り、彼女の身を焼き焦がした。

…そして長い単一のというよりは、間断無くなまくら刀で押し切られるような鈍い快感の連続は、確実に彼女の体の中へと蓄積し、元よりこれまでの責め苦で高まりつつあったユエルの肉体を、急激に絶頂間際へと押し上げてしまう。

「ふっ…ふぁっ…ぁっ…レシ、ィ、ちょ…、ちょっとだけ、休憩…しよ…? …ね? きゅうけい、しよう、よ? でないと、ユエル、もう…もうっ…」

じんじんと体に残響する快楽を感じながら、それでもまた、耐え難い程ではないが擦れる感覚と共に中に侵入してくるレシィの肉体に、ユエルはある種怯えの色すら見せて懇願する。

…先程レシィの指で軽く達したとは言え、実はそれは長々と自分の指での行為に耽っていたからであり。…とてもレシィには恥ずかしくて言えないほどの長時間の集大成を、レシィに手伝ってもらっただけの話で。
…だが今彼女の目前に迫っているのは、そんなようやく覚えたてのユエルが二、三度味わった程度ものとは明らかにスケールが違って。
怖ければいつでも加減できる自分の指でのものとは違う、手加減無しの快楽を、詰め込まれるだけ詰められた後での爆発である。
今までのを石段の三段跳び四段飛びと例えるならば、これから来るのは石段の最上からの放り投げ、恐怖の大跳躍なのだ。

…しかし、そこで彼女は、ようやくにしてだが気がついてしまった。
見上げた先の、レシィの目の中で輝くものの正体に。

「…聞こえてるんですかユエルさん? 人の話はちゃんと聞かないとダメだって、ご主人様やミニスさん達に習ったはずですよ? 僕は…」

レシィはちっともユエルの話を聞いて――(ううん、本当は聞こえてるのに聞こえないフリしてるんだ!)――薄笑いすら浮かべてユエルを見ていた。
…ユエルが小さい頃、一度だけ言いつけを破って魔獣の領域に入った時、結局は助かったのだが、大型の魔獣と遭遇してしまった経験がある。

今のレシィのユエルを見つめる目は、その時の魔獣とそっくりの。


―― タ ベ ラ レ ル ? ――


「レシ…ィ…? …っ!! やっ…やだっ、やだよぉっ、お願い、ちょっ…」
「…僕は、『気持ちいいですか?って、聞いてるんです』、ユエルさん♪」
逃げようとして思わず後ずさるが、レシィはそれを許さずにすかさずユエルの腰を両手で押さえつけた。
そうして――ユエルの背中を、ポンと、未知の領域へと向けて。

「…ぁっ!?…やっ、やっ、やっ、やだっ、やだっ、やだっ、やだあっ、うあっ、だめ、だめっ、だめぇっ、レシッ、レシィッ、レシィィィッ、ぃっ、……っああああああああああああ―――――――――っっっ!?!?」

頭の中が真っ白になって。…網膜の裏側に、バチバチと火花が散るような。

…………

「…ユエルさん、返し針って、知ってます? 釣り針に、ついてるんです…」

…未だ痙攣しているユエルの髪を、いとおしげな目をしながら撫で上げつつレシィは言う。
「僕らメトラルの持ちモノは、大抵大きさも太さも平均並かそれ以下だって言われています。…まぁ、あくまで宴会の席とかでのゴシップですけど、だから入れる時は全然大したことなくて、むしろ拍子抜けなくらい、だって」

ユエルの耳の動きから、ちゃんと聴こえてはいる事を確認して、彼女の口から零れた涎を舐め取ってあげた。…そのまま、まるで動物がそうするようにユエルの顔中をぺろぺろと舐め始める。
「でもエラが…って言っても、ユエルさんには判りませんか。…ともかく、入れる時はいいんですけど、抜く時はとんでもない事になるらしくて。…『女泣かせ』とか、『孕ますまで抜けない』とか、色々と悪評も、確か」

「んっ…」
呆けたようにずれていたユエルの焦点が、レシィの舌の感触にようやく正常に戻ったのだが。…そう思った瞬間、

「…レッ…レシィの…バカァッ! …ユ、ユエル、止めてって、言ったのに…だっ…大体なんでっ… レシィそんなにニコニコしながらユエルを見るのっ!? ユエルをいじめて…そんなに楽…って、あっ、やぁんっ!」

大声で怒り始めたのだけれど、そのままレシィが舌を彼女の大きな耳の中にまで這わせ始めると、途端に身を竦めて黙ってしまった。

…レシィはものすごく満足げに、――雄としての誇りに満ちた目で――そんなユエルを見つめると、
「でも、ユエルさんが悪いんですよ? ユエルさん、僕が何回も何回も『気持ち良いですか?』って訊いてるのに、答えてくれないんですもん」

悪びれた調子のまったく無い笑顔でそう答えるものだから、
「……レ…レシィのエッチ! スケベ! 変態変態へんたいーっ!!」
本気で顔を真っ赤にして怒り始めてしまうユエル。

…もっとも、顔が真っ赤なのは何も怒りだけのせいではないのだけれど。
そうやってひとしきりユエルに怒鳴られてから。

「でもユエルさん、さっきあんな風に僕に中をかき回されてて、やっぱりとっても気持ちよかったんじゃないですか?」

そう言って、未だ差し込んだままだった自分の分身を、…今度はほんの少しだけ――さっきの10分の1ほど――引っ張った。
途端にビクンと背筋を震わせ口を閉じ、再び怯えのような色を持ち始めた瞳がレシィを凝視する。

「…ねぇユエルさん。なんだかんだで誤魔化されちゃってますけど、そろそろ僕、ちゃんとユエルさんの口から、ユエルさんの自身の意思で訊きたいんですよね」

そうやって、ユエルを見下ろすレシィの目には、今では明らかに…先程の肉食獣的な、『優位に立っている者』独特の輝きが、宿っていた。

「…それとも、我慢して答えないでさっきみたいに『お仕置き』されるのと、ユエルさんはどっちがいいんでしょうね♪」<続>


つづく

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