レックス×アルディラ



夜のラトリクス。
ほの暗い青の灯りがちらほらと見えるだけで、辺りは沈黙している。
どことなく冷たくも見える風景を、電波塔からレックスは見つめていた。
「……レックス?」
「え?」
ぼうっとしていたレックスは声のした方を振り向く。
「アルディラ……」
「どうしたの?こんなところで」
そこに立っていたのはアルディラ。
夜風に長い髪がなびいている。
「いや、何となく外に出たくなっただけで……」
「そう。頼まれたもの、用意できたわ。来てくれるかしら」
柔らかく微笑んでアルディラは踵を返す。
その後姿をぼんやりと見つめながら、レックスはついこの間のことを思い出していた。

アルディラがマスター、ハイネル・コープスとの関係を語ったのもこの場所だった、と。
彼女に好意を持っていただけにレックスにとって、その真実は痛かった。
笑顔で接するけれど、本当はまだ痛い。

「気をつけて帰ってね」
中央管理棟の玄関口、帰るレックスを見送るアルディラがいた。
「大丈夫だよ。何度も通ってるし」
「そういう問題じゃないでしょ?全く……あなたという人は警戒心ってものがないのかしら」
やや呆れたように呟くアルディラに、レックスは曖昧な笑みを浮かべる。
「じゃあ、また明日」
「ええ。おやすみなさい」
――と言う言葉は返ってこなかった。
黙りこくるアルディラ。
帰りかけた足を止めて、レックスは振り返った。
「アルディラ?」
「あ、あの、レックス」
どことなく切羽詰ったような顔をしながら、アルディラは手を伸ばしてレックスの服を掴んだ。
「もう少しだけ……ゆっくりしていかない?」
彼女の唇から出た誘いにレックスは目を瞬かせた。
服に伸ばされた手をそっとほどいて、握り締める。
「いいの?」
問う声が、掠れた。
わずかに頬を染めながら頷くアルディラ。
その手に引かれるままにレックスは再び、中央管理施設の中へと足を踏み入れた。

通された部屋は、アルディラの私室だった。
「そこに座って」
言われるままにレックスがベッドに座る。
するとまるで逃げるかのように
「待ってて。今、お茶を持って来るから……」
アルディラは踵を返した。
その腕を、すかさずレックスが掴む。
「っ!」
「お茶はいいよ」
「……レックス……」
「それよりも聞かせて欲しい。どうして俺を」
「部屋に連れてきたのか。……分からないわけじゃ、ないんでしょ?」
「アルディラ……」
眼鏡の奥の瞳が穏やかに微笑む。
「私たちより人の心の機微に敏感なあなたですもの」
つかんだ腕を離して、レックスはアルディラの手を握り締めた。
華奢な指先を絡ませる。
「……でも、君はハイネルさんが……」
思い出すと切ない胸の痛み。
表情を曇らせるレックスに
「マスターのことは今でも好きよ……けれど」
アルディラは穏やかな微笑を浮かべて
「それ以上に、私の中で貴方の存在が大きくなってる」
交わす言葉が熱を帯びてくる。
レックスはおずおずと、けれどしっかと、アルディラを引き寄せた。
引き寄せられ、顔を近づけるアルディラ。
座ったレックスの首に手を回して
「好きよ……レックス」
囁いて、口付けた。

ベッドにアルディラを横たえ、レックスは訊ねた。
「……あの、アルディラ?触って、いい」
「え?」
「アルディラの、腕の……」
レックスの言いたいことに気づき、アルディラは微笑む。
「ええ、どうぞ。あなたの好きにして?」
そっと、腕に触れニの腕へと指を滑らせていく。
彼女の融機人である証、肉に埋めこまれた機械に指先が触れた。
「温かい……んだね」
「血が通っているんですもの。冷たいと思ってた?」
「……うん。実は」
苦笑するレックスにアルディラは手袋を脱ぎ、レックスの手を握り締める。
「ほら、温かいでしょう?それと同じことよ」
「アルディラ……」
たまらなく愛しくなって、レックスはアルディラを抱き締めた。
「レックスっ、痛いっ……」
「あ、ごめん……でも」
つと、首筋にキスを落としてレックスは呟いた。
「好きだよ」
右腕の手袋も脱がせると、そっと胸元へとキスする。
「ん……」
胸元のあちこちにキスして、レックスは服の横あいから手を滑りこませた。
柔らかな胸をそっと揉みしだくとアルディラはわずかに身を捩らせた。
「レッ、クス……」
手のひらで乳房を、指先で乳首を愛撫すると、アルディラの息が弾んだ。
胸元を愛撫しながら、もう片方の手は下へ滑る。
太ももを撫ぜて、脚の間へと。
レックスの指が動くたびに、身体が反れた。

「あ……っレックス……」
熱い指の感覚をショーツに感じて、アルディラは唇を噛み締める。
くちゅり、と水音が静かな部屋に響いた。
「やだ……っ」
いつもは冷静な眼鏡の奥が、羞恥に歪む。
見たことのないアルディラの表情にどきまぎしながら、それでもレックスは止まらなかった。
「ここ……?」
囁きながら、さらにショーツごしに秘所を弄る。
かっとアルディラの頬が赤くなった。
「んっあ……、ぃや……っ」
執拗な指先に体を跳ねさせ、声をあげるアルディラ。
と、熱っぽい瞳でレックスを見上げると
「あなたも……感じて?」
息を弾ませながら身を起こして、やんわりとレックスをベッドに押し倒した。
そうして、白い指先が存在を誇張する、股間に触れた。
「あ、アルディラ?」
レックスの呼びかけに艶然と微笑んで、アルディラはそれを取り出し、舌でちろりと舐めた。
「っ」
「感じる……?レックス……」
ふふ、と笑いアルディラは勃起したそれを咥えた。
太幹から亀頭へ、舌を絡ませるように丁寧に舐める。
「アル、ディラ」
は、とレックスの呼気が荒くなる。
脚の間に跪く彼女に、興奮してさらに体が熱くなる。
それはアルディラも同じらしく、肉棒を舐める彼女の息もわずかにあがっていた。
「ん、アルディラ……」
咥えたそれが脈動するのを感じて、アルディラは上目遣いでレックスを見上げる。
「いいわよ……?イっても……」
「っ……アルディ、ラぁ……っ」
その言葉に押されるように、レックスは精を放つ。
噴き出したそれは頬へ眼鏡へとかかり、つうと、滴り落ちた。


おわり

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