赤と青の厄災



 薄暗い倉庫のような部屋で女は自らに起こった出来事を必死に思い出そうとしていた。その女の名は、アリーゼといった。

 護人の体調が崩れカイル一家と先生が彼らを助けるため島を出た。そんな中、聖王都から召喚師とその仲間が遺跡の調査という目的で来島、アリーゼはそれに協力し調査の結果、源罪と呼ばれるものと対峙、それを打ち破る。源罪を倒し、アリーゼはせっかくだから、と彼女らの出発を1日遅らせた。
 アリーゼは彼女らの仲間の一人、豊穣の天使アルミネの生まれ変わりと言われるアメルと呼ばれる少女と仲良くなっていた。アメルに島の案内をし終わってアメルたちが乗ってきた船まで戻ってきていた。
「今日はとっても楽しかったです、ありがとうございました」
アメルはペコリ、と礼をする。
「今度は私のほうがお礼をしなくっちゃ」
そういうとアメルは召喚石を取り出し、タケシーをすぐさま召喚。アリーゼへ攻撃を仕掛ける。たった一瞬だった、アリーゼは自分がタケシーの雷撃を受けたことに気付かず意識を失った。
「この島でタケシーにマヒの効果があることを知って驚きました」
アメルはボソッとつぶやいた。

 目の覚めたアリーゼは目の前の男たちに気付いた。島に来た双子、物静かな青い髪の槍使いロッカと兄とは反対に紅い髪をした斧使いリューグ。ロッカが静かな口調で言う。
「気がつきましたか、あなたはタケシーの雷撃で気を失っていたんです」
「そ、そうなんですか…ここはいったい」
「あぁ、ここは僕らの乗ってきた船ですよ」
ロッカは冷静に受け応える。
「どうしてアメルさんが私に召喚術を…」
「簡単なことですよ、彼女は僕らの言うことならなんでも聞きますから」
「え…?」
「じれったいな!こういうことだよ!」
先ほどから黙っていたリューグがアリーゼの胸をつかむ。
「い、いやっ!」
思わずリューグを突き倒しそのまま部屋のドアへと走り出す。パァン!ロッカの平手打ちがアリーゼの頬を激しく叩く。その勢いにアリーゼは床へと倒れ込む。
「リューグ、まだ僕は説明し終わってないんだからね。アリーゼさん、つまり僕たちがアメルを使ってここに来させた、ということですよ」
アリーゼはこの2人から感じる雰囲気に怯えと恐怖を感じ、これから自分の身に何が起こるのか想像もしたくなかった。
「…ど、どうしてこんなことをするんですか!?」
アリーゼは自らを奮い立たせ激昂した。
「あ?簡単だろ。この島でまともなのはお前くらいだからだよ。機械人形にゃ興味ないし、ガキのいるようなババアと比べたらお前がマシだからだよ?わかるか?」
リューグは腰をかがめ、見上げるような感じでアリーゼを見る。
「お…大声を出しますよ!」
「はっ、そりゃ無駄だな、この船には俺たちしか居ねぇ。ったく、ミニスまで調教するんだからよ、この兄貴は」
「ははは、まぁそういうわけなんですよ。ミニスとアメルにはしばらくこの船に誰も戻ってこないようし向けさせたんです」
「兄貴、もう戯れ言もいいだろ、俺は楽しませてもらうぜ」
「あぁ、リューグから先に楽しみなよ」
ロッカはイスに腰掛け、冷たい目でアリーゼを見ながら
「それじゃあアリーゼさん、楽しみましょうか」

 アリーゼは迫り来る恐怖で体が動かないでいた。それはこれから犯される、という現実に対してとは別に幼い頃に体験した島の遺跡を巡る無色の派閥との戦いのさなか、数え切れない男に犯された、という記憶を呼び起こしたからだ。
敵の召喚師が召喚した召喚獣は敵味方関係無く男たちに憑依、性欲を暴走させる。信頼していたカイル一家、護人たち島の人、無色の兵士たち、そして…最愛の人にまで犯されたという記憶…

 既に何人目なのだろう、それを考えるよりも目の前の男たちのペニスを受け入れることに少女―アリーゼは精一杯だった。薄らいだ意識の中で周りに目をやると海賊一家の紅一点でアリーゼとも仲の良かったソノラや、機界の護人アルディラ、クノン、ミスミも同じような光景だった。ただ、痛みに耐えても拒絶もなく、それを恍惚とした表情で男たちを受け入れていた。そんな…、と思う暇も与えず男はアリーゼを突く。
「あ…あ、あ、あぁ…ああ…」
幼いアリーゼでは痛みに耐えるしかなかった。次々と男たちはアリーゼの中へと入っていく。名前も知らない、敵として見ていた兵士だけでなく共に戦ってきた仲間にまで彼女は犯されていた。
「はぁ…はぁ…うっ!」
また一人男がアリーゼの中に放つとずるり、とペニスを抜き出す。アリーゼの膣から白いものが同時に垂れてくる。男はどさっ、と地面に倒れ込むとまた次の男がアリーゼの己の欲望のままに犯していった。
「はぁ…はぁ…せ…せんせ…い…?」
次に自分を襲う男をアリーゼは見て言葉が出なかった、その男はいつもアリーゼを守り、みんなを守っていた。いつも笑みを忘れない股間を沢山のベルトで守り抜くみんなの先生…。
「ごめんよ…アリーゼ…」
その男、レックスはアリーゼを抱きしめるとキスをした。己を失うまで暴走しなくともレックスもまた性欲には勝てなかった。
触れるだけのキス、唇を離したレックスは
「俺にできる抵抗は…他の男みたいに君を傷つけはしないようにするだけ…なんだ…」
「先生…私、先生のこと…大好きだから、いいんです」
アリーゼはレックスのせめてもの優しさに応え、今度はアリーゼからキスをする。今度は舌を絡めたキス、レックスとアリーゼの舌はお互いを離さないように絡めていくようなキスをした。舌を絡めるたびに唾液によってクチャクチャと音が鳴る。先ほどまでの不快感のあったキスとは違う快楽に満ちたキスにアリーゼは自ら進んで舌を絡める。レックスもそれに応える。唇を離したレックスは、耳を舐める。耳元でクチャクチャと舐める音。
「あ…はぁ…あぁ…れ…えっくぅ…す…」
言葉にならないアリーゼの喘ぎにレックスは彼女が耳に弱いことに気付くと耳を集中的に攻めた。グチュクチュ、同じ音が彼女の耳にはいることはなかった、レックスは緩急をきかせて優しくアリーゼの耳を愛撫する。耳への愛撫をしながらすっ、と左手をアリーゼの下部へともっていく。優しく触れたそこは、濡れていた。触られた瞬間、アリーゼはビクッ、とするもレックスは膣へと中指を入れアリーゼを刺激する。ゆっくりと上下に動かし上と下、両方からグチュグチュと卑猥な音が聞こえる。
「あぁ…ん…んあぁ…」
アリーゼは思わずレックスを強く抱きしめる。レックスは膣への指を2本に増やし愛撫を続ける。ふいに手を止め愛撫をやめたレックス。
「アリーゼ…いくよ」
レックスはアリーゼに確認をとる。アリーゼは頷き、彼を受け入れるために。既に膨張しそうなペニスをレックス取り出し、アリーゼの膣にあてる。何度か男を受け入れていたとはいえ、初めてのとき以上にアリーゼの心臓は高鳴って緊張していた。
それを察したのか、レックスは大丈夫だよ、と笑顔で答える。そしてぐっ、と力を込めてレックスのペニスはアリーゼの膣へと入っていく。
「あぁ…んっあ…」
レックスを抱きしめる力が自然と強くなる。レックスのペニスはアリーゼの中へと入った。
「ア、アリーゼ…動くよ?」
無言でアリーゼはうなずく、レックスはゆっくりとピストン運動を始めた。
「はぁ…あぁ…んぅ…れ…っくす…」
「アリーゼ…俺も好きだよ、アリーゼのこと」
レックスはさらにスピードを増す、お互いの肉がぶつかり合い、パンパン、と音を立てる。
「あぁ…んあぁ…ひぁ…!あぁ!あぁ!」
「アリーゼ、お、俺はもう…」
「せ、せんせっ…だ、だしてっ!中に出してっ!」
幾度と無く男たちに突かれてきたアリーゼが初めて自ら中へ出すことを望んだ。その言葉を聞いたレックスはさらに激しく動く。
「アリー…ゼ…ッ」
「あぁ…あぁ…んあぁ…あぁーっ!!」
そして放たれた。

 そこから先のことをアリーゼは覚えていない。絶頂を迎え気を失ったからだ。レックスが剣の力でなんとか正気に戻って彼らを撤退させた、ということは聞いた。それ以来その戦いのことは誰も口にしなくなった。子どものアリーゼが負った傷を思い出させないために、という配慮がされ、アリーゼもまたその記憶を封印した。愛する人と体を交えたという記憶ではあったが、それ以上に傷は深かったようだ。

 そして今、再び犯されようとしている。歩み寄ってくるリューグ。その忌まわしい記憶を呼び起こしたアリーゼは何かが、壊れた。
「いいかげんにしてください!だいたい自分たちに彼女がいないからって力任せに襲うなんて何を考えてるんですか!」
「てめっ…」
「そんなにネスティさんやフォルテさんが羨ましいんですか?どうなんですか? だいたい、そうやって強姦強姦、調教調教って何考えてるんですか。だからモーリンさんの尻に敷かれるんですよ、もしかしてモーリンさんに勝てないからこうやって別の女性に手を出すんですか?こっちは余計なとばっちりですよ。それに貴方!」
アリーゼはロッカを指さしながら
「ミニスちゃんに手を出すなんてただのロリコンじゃないですか、恥ずかしくないんですか。そういえばマルルゥを見る目もなんだか変でしたね、マルルゥもストライクゾーンか何かですか。小さければなんでもいいんですか?あなたたちを見てると本当にムカムカします。だいたい強姦なんて発想をするなんて貧弱な発想もいいところです。それにですね…」
アリーゼは止まらない。
どれくらい時間が経ったろうか、ロッカとリューグは正座して彼女の説教を聞いている。既に何度目のループだろうか、同じ内容の繰り返しがあったかと思えば先ほどとは違った内容があったり、別の話題になったりしていた。ただ変わらないのはアリーゼの問い詰めだけである。
「兄貴…」
「何も言うなリューグ…」

おわり

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