成長ベル×レックスの両想い逆鬼畜・2



「クノン、ちゃんとカメラに撮ってる?こんなチャンス滅多にないんだから綺麗に撮っておくのよ?」
「はい、アルディラ様。しかし、このような物を一体何に使われるのでしょうか?」
真昼間から外で情事に耽る二人の様子を木陰からそっと見守る二人の女性は小声で会話を交わす。片方の手にはロレイラル式の最新型ビデオカメラが握られていたりするのだが。
「そうねぇ。さっきからかったお詫びに後であの子にあげようと思ってるんだけど…あの子の性格ならこれをネタに後々まで脅しそうよね、彼のこと」
「はあ…」
それを分かった上で撮り続けるというのだから自分の主人は結構根性が悪いのかもしれない。クノンはそんな事を思ったが口には出さずにいた。
「それよりアルディラ様」
「何かしら?」
アルディラに問い返されクノンは少し躊躇いがちに次の言葉を口にした。
「先程からかったとおっしゃいましたが、それはアルディラ様はレックス様の事を本気でお好きではないという事なのですか?」
少し不安げの様子でクノンが問う。それにアルディラは不敵な笑みを返した。
「当たり前でしょ。煽っておけばこういう展開になるかなって思ってわざわざラトリクスに戻ってビデオまで取りに行ったのよ。ふふ…でもあの子も相変わらず分かりやすい行動取るわよね。男を騙すにはもう少し考えて行動しないと」
「そういうものなんですか…」
「そういうものなのよ。貴女にもいつか分かるわ」
そんな呑気な会話をしながら見つめる二つの視線に話題となっている二人は勿論気付いているはずもない。そしてこの時その二人は、この情事を見つめるこの二人以外の存在が自分達に近付いている事など勿論知る由もないのだ。

「はわわ〜教室に忘れ物しちゃいましたよぉ」
あたふたと慌てながらマルルゥは先程後にした教室に戻る。授業が終わった後、スバルやパナシェと遊んでいたのだが途中で忘れ物に気付き、一人で戻ってきたのだ。
「ううう…きっともう誰もいないですよね。何だか寂しいですよ」
そんな独り言を呟きながらふわふわと飛んでいけば教室はすぐにでも見えてくる。そしてそこに人影がある事に彼女は近付くまで気付かなかった。
「く、ん…ッ!」
「どう、先生?気持ちいい?」
「!?」
教室に近付くと馴染みの声が聞こえてマルルゥは思わずその身を硬くした。聞こえてくるその声が、いつもとは全く違う音色をしていたからだ。
「は…ベル、俺もう……」
「まだよ。まだイっちゃダメ」
「んぅ…ッ!」
その声に吃驚して思わず木の陰に身を隠してしまったマルルゥだが二人の様子だけは気になった。そっと、気付かれないように覗き見する。 よく見ればそこにいる自分の教師はあられもない姿をしており、その彼の上に乗っている彼女は酷く楽しげな表情を浮かべている。
「先生さんのあそこ…おっきくなっちゃってます」
そっと小さな声でマルルゥは呟いた。
上がる艶やかな声や白い裸体、それらを見ればそういった知識の少ない彼女でもそこで何が行われているかは理解できた。
「ほら、どこをどうして欲しいのかちゃんと口で言わなきゃダメでしょ?口は物を食べる為だけに付いてるんじゃないのよ?それとも別のナニかを咥えさせて欲しいの?」
「ち、違…ぅ、ぁ、ん…ッ!」
そう言ってベルフラウは手でレックスの膨張した性器を扱きあげた後それをギュっと手で握る。快感を与えられても射精は遮られる。そんな事の繰り返しでレックスの口からはあれ程出す事を拒んでいた微かな喘ぎが零れている。
「な、何か変ですよぉ…」
二人の情事を見つめながらマルルゥは己の体がむずむずとして熱くなっている事に気付く。身を隠しながらも思わず膝と膝を擦り合わせてしまう。こういった知識にも経験にも乏しい彼女はどうすればそれが止まるのかは理解していてもそれに及ぶのには少し抵抗があった。恐る恐るといった様子で己の体に手を這わせ始める。
「ひゃ…ん、あ、は…な、何か気持ちいいです……」
服越しに平たい胸を撫で、指先で小さな乳首を転がすと何とも言えない快感が走って控え目だった手の動きも段々と積極的なものへと変わっていく。
「あ、あ、あん…だ、だめですよ、こんな事しちゃ…んはッ…!」
口で己を戒めても手の動きは止まらない。服をはだけさせ、露となったこりこりと硬くなった乳首を片手で愛撫しながらもう片方の手で秘所にも刺激を与え始めていた。溢れ出していた蜜が指に絡み付いてその華奢な手を汚す。しかし自分への慰めに夢中になるマルルゥは気付いていない。ベルフラウがそうして自慰に耽る彼女の存在に気付いている事に。
「っ、ぁ、あ…ベ、ベル…ねがい、だから…」
「ねえ、先生?」
レックスへの責めの手を緩めぬままベルフラウは耳元でそっと囁く。
「マルルゥが見てる、私達のこと」
「…!う、そだ……」
マルルゥの名前が出たことであからさまに変わったレックスの表情にベルフラウは満足気に微笑むと楽しげに言葉を続ける。
「本当よ。今のエッチな先生に欲情しちゃったみたい。こっちの事見ながらエッチな声出しちゃってる」
「う、嘘だ…嘘だ…ッ!」
教え子に痴態を見られている。その事実がレックスの心と自尊心を傷付ける。ベルフラウはそれが楽しいのかくすりと優雅に微笑みながら言う。
「何なら呼んでみてあげましょうか?マルルゥも近くで今の貴方の姿、見たいでしょうしね」
そう言ってにっこりと笑顔を向ける。そうしてマルルゥの隠れている木の方を向くと再度口を開いた。
「マルルゥ、出て来なさい。そこに隠れてるのは分かってるのよ。盗み見するなんていい度胸じゃない」
「!?」
マルルゥは突然に自分の名前が呼ばれ、その体をびくりと震わせた。秘部に埋めた指をゆっくりと引き抜けばとろりと溢れる愛液が零れる。
「出てこないんならスバルやパナシェに教えちゃうわよ、今マルルゥがエッチな事して悦んでたってこと」
「!ま、待ってください…ッ!」
ベルフラウの一言にその場から出るのを躊躇っていたマルルゥが姿を現す。はだけた服から覗かせる平らな胸のぷっくりと立った乳首や蜜を溢れさせる秘部は酷く扇情的で、その体の幼さからか背徳的でもあった。教え子の裸。それを見ている自分があまりに最低な人間に思えてレックスはマルルゥから目を逸らす。
「ご、ごめんなさい…先生さん、小先生さん…。マルルゥは…マルルゥは……」
「いいのよ、気にしなくて」
居た堪れない様子でたどたどしく口を開くマルルゥにベルフラウは微笑みを向ける。その声は優しい。
「こんなエッチな先生見ちゃったら誰でもいやらしい気持ちになっちゃうものね。貴女は悪くないの。悪いのは教え子を欲情させちゃうようなエッチな先生なのよ。こうやって女の子みたいに喘いで、気持ち良くして欲しいって私に懇願して、本当にこんないやらしい人が先生だなんて信じられないわよね」
「い、言わないでくれ、そんな事…」
教え子の前で言葉で辱められる。
その事実にレックスの精神は打ちのめされ、屈辱とそして今の状況に対する激しい抵抗を覚えていた。
「ねえ、マルルゥ。先生のこれ、気になるんでしょう?いやらしく勃ち上がって、エッチなお汁をいっぱい溢しているこれが」
「っ、んあ…ッ!…ルル…ゥ、見ちゃ、ダメ、だ…あ、ああッ!」
ベルフラウが片手で根元を押さえながら扱く。少しの刺激でもその体は小さく震え、甘い喘ぎが漏れていた。マルルゥはその自分の教師の痴態に自分の中の言葉にできない感覚が益々熱く、大きくなっていっている事が分かった。
「ほら、ここちょっとでも弄られると女の子みたいなエッチな声出して気持ち良くして欲しいって
せがむのよ?ふふ、もうお尻の穴まで濡れちゃってるのよ、先生ったら。本当にいけない先生よね」
「あ…見ないで、こんな俺…。聞かないでくれ…こんな、声…ッ!」
はあはあと荒い息と潤んだ瞳で懇願されマルルゥは熱くなっている体と頭が更に熱を増している事に気付く。誰でもいいからどうにかしてほしい。もう、そんな気分になっていた。
「しょ、小先生さん…マルルゥ…何だか……」
「ふふ、もうマルルゥったら先生の恥ずかしい姿見て益々欲情しちゃったの?この教師にしてこの教え子ありかしら。じゃあエッチな先生にお願いしてみたら?先生はどうしようもなくエッチで自分のいやらしい姿を見せて教え子を欲情させちゃういけない先生だって。先生のせいでエッチな気分になっちゃったんだから責任取ってくれって」
「そ、そんなぁ…」
ベルフラウの一言にマルルゥは戸惑った。
マルルゥはレックスが好きだった。恋愛対象としてではなく教師として。
スバルやパナシェと同じ様に好きだった。
強くて優しくて頼りになるみんなの先生。憧れていた、とても。大好きだった。
その想いを裏切り、その事実に嘘を吐く様な事を口にするのだ、自分の快楽と引き換えに。
その事に純粋な彼女は悩んだ。
それを口にしてしまう自分がどうしようもなく恥ずかしい存在に思えて。
「言いたくなければ言わなくてもいいのよ?マルルゥはお願いするより自分で自分の体にエッチな事する方が好きな子だって思っちゃうけど」
「ち、違いますよ…ッ!」
くすりと口元に綺麗な笑みを浮かべながら吐かれたベルフラウの言葉をマルルゥは否定する。これから口にする言葉に抵抗はあっても、しなければ自分で自分の体を慰めるしかない。そしてそれはとてもいやらしく浅ましい事なのだ。そう考えたら口は自然と動いていた。
「せ、先生さんは…凄くエッチで…マルルゥの事をエッチな気分にさせちゃういけない先生さんです…。マ、マルルゥは先生さんのせいでこんな気分になっちゃったんです…だから…責任取って下さいです…」
「…ッ!」
マルルゥが口にした言葉はマルルゥとレックス、どちらの心も傷付けていた。ショックだった。ベルフラウに罵られるよりずっと。シャルトスが壊れた時よりショックかもしれない。大切な教え子に淫乱だと罵られ、その上まだ幼いその子を欲情させたという事実がどうしようもなく心を揺さぶった。今まで築き上げてきた信頼関係を全て壊された気分だった。否、自ら壊してしまった気分だった。そしてこんな状況なのに未だに快楽に縋ろうとする自分の体が情けなくて仕方なかった。
「先生聞いた?マルルゥにまでエッチって言われるなんて先生はやっぱりいけない先生で、そしてどうしようもなくエッチね。教師失格。ふふ、ねえ明日もまたいつもと同じ様に授業するの?マルルゥにこんな姿見られたのに。みんなの教室でこんな事してるのに。いつもと同じ笑顔で今日の事全部なかった事にしてまたみんなを騙すの?」
ベルフラウの言葉がレックスの教師としての自信と自尊心を崩していく。教師失格。その言葉がレックスの頭から離れなかった。
「でも先生から「先生」を取ったら何が残るのかしら?そのエッチな体で女の人を誘ってすぐに尻尾を振っちゃうような盛った雄犬にでもなるつもり?そんなの人間としても失格よね」
「い、言わないで…それ以上は……。ベル…も…許してくれ…頼むから……」
泣き声にも近い声でレックスは懇願した。これ以上罵られるのは心が耐えられなかった。そして体も限界だった。そんな自分が情けなくて仕方なくて、死にそうだった。そんな泣きそうな表情のレックスをベルフラウは嬉しそうに見つめながら言う。
「だからさっき教えてあげたでしょ、お願いの仕方は。さあ、さっき教えてあげた言葉を私とマルルゥに聞こえるように言って。そうしたらちゃんと気持ち良くしてあげるから」
声は酷く優しいがその姿は悪魔の様にレックスの目に映った。込み上げる恥辱と屈辱と羞恥に耐えて口を開く。
「お、俺は…自分の生徒の君とエッチな事して悦ぶ淫らな最低教師です…。だ、だから俺のおち、おちんちんを舐めてしゃぶって、手で扱いて擦り上げて…ぉ、れの…体を気持ちよく…して、エッチな声、と汚い精液を沢山出させて下さぃ…」
所々擦れたそれは泣きそうな声だった。自分の情けなさに死にたくなる。しかしそれに返ってくるのはベルフラウの天使の様な優しい笑みだ。
「ちゃんと言えるんじゃないの。ふふ、でもこれで貴方は自分の事を最低な教師だって認めたわね?自分からあんな所を教え子に弄って欲しいってせがむなんて最低ね」
ベルフラウの言葉にレックスの心は打ち砕かれる。教師としての自信もプライドも今や完全に失っていた。今まで大切にしてきたものを、よりにもよって一番大切な人に砕かれたという事実が一番辛かった。
「ほら、マルルゥ。好きにしてもいいわよ。先生のこれ、欲しくて欲しくて仕方なかったんでしょう?」
「は、はい…」
マルルゥが頬を染めながら返事をし、その体をレックスの性器へとくっつける。ベルフラウがレックスを言葉で追い詰めている間も彼女は自分の体を慰めていたらしい。先程より溢れる蜜は増えていた。
「あ…先生さんのこれあっつくて大きいです…ん、あ、お汁がいっぱい出てきます…あ、あ…ッ!」
マルルゥはレックスのそそり立った性器に自分の小さな体を押し付けるとその体全体を擦りつける様必死で扱く。時折先端を小さな唇で強く吸ったりした。立ち上がった乳首や愛液を溢れさせる秘部が擦り上げる度摩擦で快感を生み、甘い声が上がった。
「あ、ん…ッ…ルルゥ…ダ、メだ…んな事しちゃ…く、ぁ…ッ!俺も…イっちゃ…っ、あ!」
「あぁん!気持ちいい…気持ちいいですよぉ、先生さんのこれ…!頭がおかしくなちゃいます…ああぁぁ…ッ!」
マルルゥは何度か軽く絶頂を迎えているらしいがそれでも自分の体を擦り付ける。二人の口からは艶やかな喘ぎだけが恥ずかしげもなく上がっていた。
ベルフラウはそれをただ見つめるだけだ。
「ぅ、あ、ああッ!」
レックスの口から堪え切れなかった大きな声が漏れると同時に先端から大量の白濁液が吐き出される。それはマルルゥの体へと降りかかり髪や体全体を精液塗れにした。
「ケホッ…うう…何だかベタベタしてますよぉ…。でもあったかいです…」
そう言ってマルルゥは自分の腕に付いたレックスの精液を舐め取り出した。
――白濁に汚れる教え子。その姿にレックスの心が軋みを上げる。
人として、教師として、最低なことをしてしまった。
「ごめん…ごめん……マルルゥ……」
「先生ったら最低ね。自分を慕ってくれてる教え子汚しちゃうなんて。マルルゥ、このままじゃおうちに帰れないわね」
「あ…」
ベルフラウの言葉はしでかしてしまった事の重大さをさらに思い知らさせた。熱心に自分の体にへばりついた汚い精液を舐め取る様は幼い体には不似合いで心が痛む。
「ねえ、先生が綺麗にしてあげたら?マルルゥの体」
「…ッ!無、理だよ…流石にそれは……」
耳元でベルフラウが囁く。その言葉にレックスの心は激しい拒絶を示す。マルルゥを綺麗にしてあげたいとは思う。彼女を汚してしまった責任もある。しかし自分の精液を自ら舐め取るなど、正気の沙汰ではない。強い嫌悪が湧いて止まらない。
「ふーん。先生って随分と薄情な教師なのね。マルルゥが可哀相だわ。きっとあのまま汚い精液を顔や体にくっ付けたままユクレス村に帰るのよ。みんなにどんな目で見られるかしらね?全部先生のせいなのに」
「―……」
ベルフラウの言葉がレックスの精神を追い詰める。全部先生のせい。その言葉が重く圧し掛かってくる。そうしてレックスは暫く躊躇するが意を決したように小さな声をマルルゥに掛けた。
「マルルゥ…ちょっとこっちに来てごらん?」
「あ、はい…何ですか?先生さん…」
マルルゥが汚れたままの体でふわふわと飛んでくる。近付いてきたマルルゥの体にレックスはそっと顔を近付けると舌を彼女の体に伸ばした。
「ん…は…んん……」
「ひゃ、あ、あん、ああッ!せ、先生さんダ、ダメです…ッ!き、気持ちい…ひあ、ああぁん!」
ぴちゃぴちゃと舌がその体を這う度にマルルゥの体が仰け反る。マルルゥの体に付着した自分の精液は青臭いような苦いようようなよく分からない味がしたが、何だか気持ちが悪い。吐きたい衝動に駆られるが我慢して無心にその体を綺麗にしてやる。口内に青臭い味が広がる度にどうしようもない屈辱がレックスの身を襲って思わず泣きそうになった。
「あ、あ、あ、先生さん…ッ!ああぁぁあッ!」
マルルゥは余りの刺激にまた絶頂を迎えたようだ。荒い息のままくたりとレックスの体の上に落ちてしまった。
「マルルゥ、綺麗になって良かったわね。先生の舌、たまらないでしょ?先生はね、あんなエッチな舌でいつも私のあそこ舐めてくれるの。羨ましいでしょ?」
そっとマルルゥを手に抱いてベルフラウは草の上に横たえてやる。彼女はまだ快感の余韻に浸り肩で息をしている。
「こっちの方の快感を味わえないなんて本当に残念よね。サイズ的に無理があるから仕方ないんだろうけど。先生はこっちも凄いのよ?」
そう言い終わるとベルフラウはまたレックスの耳元へ口を近付け囁いた。
「ねえ先生?自分の教え子を汚して自分の汚い精液を飲んだのはどんな気分?屈辱的?ふふ、先生は私に虐められて悦ぶ変態なんだからむしろ嬉しかったりするのかしら?私、先生の剣の名前って果てしなき蒼ウィスタリアスより果てしなき変態マゾに変えた方がいいんじゃないかって思っちゃうのよ」
「ッ……」
微笑みは優しくても言葉は何処までも苛烈だ。
――彼女の言葉を否定したい。それでも今自分がしてしまった事を考えるとそれすらもできない。それが歯痒くもあり屈辱的でもあって悔しくて仕方なかった。どうしてこんな目に合わなくてはならないのだろう。好きな人にこんな仕打ちをされるのが辛くて仕方なかった。
「俺、は…」
「何?」
小さな声で吐かれた言葉の先をベルフラウは促す。レックスは居た堪れない様子でぽつりぽつりとゆっくりと言葉を漏らす。
「俺は…そんなにエッチで…変態な先生、なのかな…?みんなの先生をやる資格のないくらいに…最低な人間、なのかな…。こんな俺は、ここにいちゃいけないのかな…?誰も好きになんて、なってくれないのかな…?」
目に薄く涙が滲んでいた。ベルフラウの言葉による強烈な責めで彼の心はすっかり折れてしまっていた。教師としても一人の人間としても自信を失ってしまったその姿はあまりに弱々しい。ベルフラウはそんなレックスの顔を両手で挟み込むと微笑む。綺麗に、まるで華のように。
「馬鹿ね。貴方がどんなにエッチでも私は貴方だけが好きよ。貴方がどんなに駄目な先生だって言われても私にとっては最初で最後の大好きな先生。たとえ貴方が先生でなくなってもずっと好きでいるわ。だから安心して。ね?」
「本当に…?」
不安げな様子で問われるそれにベルフラウは力強い声で答える。
「ええ本当よ。私はずっと貴方だけを大好きでいるから、
だから貴方も私だけを好きでいるのよ、永遠に」
「う、うん…」
ベルフラウの言葉にレックスは素直に頷く。その言葉の重さも知らずに。
「先生、私の事好き?」
「うん。勿論だよ」
「じゃあ、私の言う事、何でも聞いてくれる?」
「うん。君が望むなら何でもするよ…」
それはまるで暗示か洗脳とでもいうのだろうか。
ベルフラウは自分の欲しい言葉を欲しいがままに手に入れていく。
「私が何しても許してくれる?」
「君が、俺のこと好きでいてくれるなら…」
飴と鞭。彼がこの言葉を知っているかどうかは知らないが、彼女は恐ろしい程にこれを巧く使い分け、恐ろしい約束を取り付けさせた。
「ふふ、じゃあこれから毎日今まで通り私の為に美味しい御飯を沢山作って、それから一緒のベッドで寝て沢山キスをして愛の言葉を星の数ほど言ってね。貴方は永遠に私だけのものよ…」
強すぎる愛情とは時としてその形を歪めるものである。しかし、歪んでいる位が本人達にとっては丁度いいのかもしれない。どんな形であれ幸せであるなら、それで文句はないのだろうから。たとえそれが恋人同士という関係より女王様と下僕、に近い関係であったとしても。
「さて、貴方にはこれから何をして貰いましょうか?私の為に、何でもしてくれるのよね?」
嬉しそうに微笑む彼女は酷く美しい。それは幸福に酔いしれる勝者の笑みだった。


つづく

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