スバルちゃんの憂鬱・2



 スバルの双球が外気に晒されている。森を流れる微風を直接感じ、少しくすぐったく感じた。
 だが、それを見せる相手であるパナシェは、
「な、なにやってるの!? ダメだよスバルっ!!」
 両手で視界を塞いで見ないようにしながら、そんなことを言っている。
「ダメだっ!! ちゃんと見ろよっ!!」
 パナシェの腕を掴み、鬼人の腕力に物を言わせて掌を引きはがした。だがその下にある両目は固く閉じられている。
 さっきまであれほどチラチラと胸を気にしていたくせに、実際に見せるとこの有様だ。ムカムカイライラしてくる。
「おまえが見たいっていうから見せてるんだぞ!!」
「ぼ、僕そんなこと言ってないよおっ!!」
 別にそれほど見せたいというわけでもないが、こうまで拒まれると意地でも見せたくなるのが性分だ。
 だが両目をこじ開けてやろうかと思ったが、鬼人の力を考えると下手なことはできない。ただでさえ、自分は力の加減というものが苦手なのだ。
 どうしたものかと一瞬考え込むが、ふと、頭の中で豆電球がついた。思いついたアイデアを、何の推敲もせずに実行する。
「これでもくらえっ!!」
 そういうと共に、パナシェの頭をがっしりとつかむ。そのまま顔面を自分の胸へと押し付けた。豊かな乳房が、パナシェの顔に合わせて優雅に形を歪ませる。
「ス、スバうっ!? うーっ!?」
 突然の感触に、大きく見開いた目を白黒させるパナシェ。
 これまでは、服を押し上げる膨らみから、その下の乳房を想像しているだけだっだ。それが今では目で見るという段階を飛び越して、直接胸の感触を味合わされている。
 じたばたと抵抗はするが、未知の感覚に思考が侵され、ろくに力が入らない。結局、スバルのなすがままにされるパナシェであった。
「ほーらパナシェ、おっぱいだぞー」
「む〜〜〜っ!!」
 パナシェの頭を抱きしめて、体を上下させて乳房を顔面に押し付ける。そのたびにまだ固さの残る双球がパナシェの顔を押し返し、ムニムニと形を変えていた。
「だめ……だめだよぉ……」
 いつのまにかパナシェの抵抗も無くなったので、体の動きを止める。そのとき、初めて気がついた。
(……あれ?)
 なんだか、体が熱い。脱いだ直後は少し肌寒く感じていたというのに、今は体の奥にポゥと火が灯ったような感覚がある。 
 それにパナシェのフワフワとした毛が、チクチクとくすぐったい。だがなぜかそれが不快ではなかった。
(む、胸って、こんなに敏感だったっけ……?)
 ぐい、ともう一度胸を押し付けた。胸の潰れる感触が、ずいぶん鮮明に感じられる。それは胸だけでなく、熱を持って体の奥まで染み渡ってくる。
 予想外の体の変化に驚いていると、不意にザラリとした感触が胸を襲った。
「ひ、ひあっ!?」
 冷たくでヌルヌルでザラザラしたものが、胸に触れている。いまだスバルに頭をおさえられたままの、パナシェの舌だった。それが胸の輪郭を確かめるかのように、絡み付いてくる。
「な、なにやってんだよぉ……」
 今まで感じたことのない衝撃に、背筋にゾクゾクと寒気がはしる。寒気なのに、体が熱くなるという矛盾を残して。
「ス、スバルのおっぱい……美味しいよぉ」
「バ、馬鹿ぁ……」
 乳房の弾力を楽しむかのように、舌を食いこませるパナシェ。艶やかな表面の味を確かめ、さらに舌を頂点へと移動させる。
 ツン、と硬くなっている乳首を、ザラザラの舌が襲った。
「ひゃっ……!?」
 体がビクリと震え、それに呼応して胸の双球も揺れる。その胸の先端に、パナシェがしゃぶりついた。
 口の中、舌でスバルの乳首を転がしながら、チュウチュウと吸い上げる。
「パ、パナシェの馬鹿ぁ……そんなとこ吸ったって、何も出ないぞ…っ」
 そうは言ったものの、スバルは胸の先から何かが吸い出されるような錯覚を覚えていた。もしかして、目に見えないだけで、パナシェの口内には母乳が注がれているのではないだろうか。
 母乳は赤ん坊のいる母親からしか出ない、それぐらいは知っているスバルだったが、そんなことを考えてしまった。
(パナシェ……赤ちゃんみたいだ……)
 片方の乳首がジンジンと疼いている。吸われていないはずのもう片方の乳首までもが、硬くとがっていた。
「お、おいらの胸、そんなに美味しいか……?」
 パナシェが乳首に吸い付いたまま、コクコクと頷いた。その動きまでもが、胸を通して体に伝わってくる。
(これ……気持ち、いいのかも)
 乳首を吸い上げるパナシェを眺めていると、あることに気がついた。パナシェのズボンが、不自然に盛り上がっている。まるで、何かを押さえつけるかのように。
「パナシェ……ここ……」
 そっと手を伸ばし、膨らみをなでる。それだけでビクリとパナシェの体が震え、あうう、と呻き声をあげた。
「ス、スバル……そんなとこさわっちゃだめ……」
「なんでだよ……ここ、すごく大きくなってるぞ」
 ベルトを解き、ズボンをずらす。押さえつけられていたものが、ピョンと飛び出した。
 その感触に、思わずひゃあと悲鳴をあげるパナシェ。
「こ、これって……チンチンか?」
「だ、だめだよぉ。見ないでスバルぅ……」
 昔は一緒に風呂に入ったことも何度かあるので、スバルもペニスの存在ぐらいは知っていた。だが目の前のそれは、ただの飾りだった昔とはまったく違うものになっている。
 杭を思わせる剛直が、青筋を浮かべてビクビクとそそり立っていた。皮は向け、エラの張り出した亀頭が剥き出しになっている。色は昔と同じ綺麗なピンク色をしていたが、むしろそれがアンバランスで、答えようのない背徳感を感じさせる。
 このようなもの、今まで見たことはない……
(いや……一度だけ、あったよな)
 それは数年前、こんな父がほしいと思って慕っていたレックスが、本当に父親となってからすぐのことだ。
 ある晩、夜中に目が冴えてしまったとき、ミスミとレックスの部屋から妙な声が聞こえてくるのに気がついた。何事かと思って部屋を覗けば、ちょうど夫婦の睦み合いの最中だったのだ。
 夫婦の間でそういう行為があることは知っていたが、まさか自分の親達がそういった行為をしていることは想像もしなかった。
 すぐに自分の布団へと飛び込んだスバルだが、そのときに目に焼き付けられた光景を思い出しながら、初めての自慰に耽ったのだ。絶頂ともに、両親をオカズにしてしまったという大きな罪悪感に襲われ、それ以来自慰をすることは無かった。
 そのときに覗き見たレックスのものも、今のパナシェのようにガチガチに硬くなっていたはずだ。
(もしかしてパナシェ……あの時の父上みたいなことやりたいのかな)
 自分を相手にして。
 そう考えると、体の奥がカァと燃え上がった。目の前のペニスから、目が離せない。
「あうっ!! み、見ないでよおっ!!」
 スバルの視線に反応して、パナシェのペニスがビクビクと震えた。その先端からは、先走りの液が一筋垂れている。
(パナシェ……苦しそう……)
 それなら、自分がなんとかしてあげなければ。だが、なにをどうすればいいかはさっぱりわからなかった。
 男女の間にそういった行為があることはを知ったのは、女性徒だけを集めた、アティの保険授業でのことだった。だが、さすがにその内容についてまでは教えられていない。
(そうだ……母上が父上にやってたようにすればいいんだ)
 尻餅をついているパナシェの前に腰を下ろし、顔を股に近づけるスバル。オペニスの匂いが鼻をくすぐるが、パナシェのものだと思うと不快な気は起きなかった。
「な、何してるのっ!?」
「いいから、おいらにまかせとけ!!」
 そう言いながら、双乳をペニスに近づけた。



つづく

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