リプレひとりH



何故だろうか?
ここの所この時間、皆が寝静まった頃に妙に胸が騒ぐ、
いや、別に嫌な予感がするとか言うわけではない、
でも何故か落ち着かない、どうしてだろうか?


また今夜もだ…。
何と言うか…、胸が締め付けられる気がする、
いや、切ないと言った方がいいかな?
とにかく寝不足だけは間違いないな。


ああ!もう!どうしてだよ!
こんな原因不明の動悸に何で俺が悩まされないといけないんだ!
妙に体は火照るし、息も上がるしわけがわかんねぇよ!
……、駄目だな、何熱くなってるんだ俺は、
外で頭でも冷やすことにするか……。

虫が控え目に囀る庭は空気が澄んでて火照った身体が気持ちよかった。
切り株に腰をおろし空を見上げた、
屋根の上から見上げる空とまた一味違ってこれもいいな、と思った。
でも胸の鼓動は収まらない、こう毎日だといい加減俺でも不安になってくる、
明日あたり医者にでも行こう、
でもその前に原因でも考えてみることにする、
少しでも治療に役立つかもしれないから。

生活には…、特に問題無し、いつも通り、
今日もあの色素が欠乏してる馬鹿をガゼルと一緒におちょくった、
悔しそうに地団駄踏む様が最高だった、カメラが無いのが残念だ。
食生活は…、特に問題無し、こちらもいつも通り
リプレが作ったものを普通に食べた、それだけ、
もし料理に問題があるのなら俺だけでなくみんなに異常が起きるので料理はシロ、と。
運動は…、特に問題無し、やはりいつも通り、
あの馬鹿が真っ白な顔をタコの如く真っ赤に染めて追いかけてくるのを逃げるのは非常に楽しく、
ついつい楽しみ過ぎた、寧ろ運動は過剰すぎる位だ。
睡眠は…、ここの所寝不足でこれは問題だが、
いつも通り寝ているある日突然こうなったので原因としてはイマイチ力不足。
他に考えられるのは…………、…………呪いかな…?
何を馬鹿なことを俺は考えているんだ、いくら何でも非現実的過ぎる、
でも、召喚術とかが存在する世界だからなぁ…、
今頃あの色白が泣きながら五寸釘を打ち付けているのかも、
丁度時間もそれくらいだしな…。
うっ…、想像したら笑いがこみ上げてきた、
馬鹿を取り囲む人形人形人形…、必死になって木槌を振り下ろす馬鹿、
いかん、様になり過ぎだ、洒落にならん。

ふぅ…、とりあえずは原因不明、と、
とりあえず寝るか…、
そう思い腰を上げたその時何かが聞こえてきたような気がした、
「………」
? 何だ?何か弱々しい感じの声がしたような…?
「………」
まただ…、聞き違いではないようだ、近づいてみよう、
ま、やばい時にはライザーでも身代わりにして逃げよう。
「…ト、……ヤト」
!? 俺の名前か?あそこか…、ってあそこはリプレの部屋じゃないか、
「ハヤト…、ハヤト…」
そうっとリプレの部屋を覗き見た俺は凍りついた、
そこには自慰に耽るリプレの姿があった。
「ああっ、寂しいよぅ…、ハヤト…」
服は乱れて、胸をはだけ、片手で秘所をなぞっていた。
一心不乱に自慰に没頭するリプレの痴態に俺の目は釘付けだった、
「ハヤト…、ハヤト…」
自分の名を連呼しながらリプレは秘所をなぞるのでないもう片手に何かを持っていた、
その手には…、あれは…、俺のシャツ…?
確か夕食の後にリプレが洗濯物を集めていたときに渡した…、あれか…?

記憶の糸を手繰っているとリプレはシャツを顔に押し当てた、
「ああぅ…、ハヤト…」
その匂いに興奮したのかますます自慰は熱くなっていった、
そしてリプレはシャツをその豊かな胸に強く、だがいとおしそうに抱きしめた、
うっ…、なんだこの感覚は…?
そうだ…、あの胸騒ぎだ…、
じゃあ、毎晩の異常は、リプレが…?
思考を巡らせているうちにリプレは力尽き、眠ってしまったようだ、
胸騒ぎはもうしなかった。
でもリプレの痴態が頭から離れない、
自分のシャツを使いながらあんなに激しく自分を求めて…、
そんなことを考えているうちに夜が明けてしまった、
今日は寝不足どころか、全く寝ていなかった。

重い頭を無理矢理振り、食堂に向かった、
そこにはいつも通りの明るい顔のリプレがいた、
夜のあれはまるで夢ではと思わせるくらいの綺麗な笑顔だった、
「どうしたの、ハヤト?」
マヌケに棒立ちになっている俺の顔を覗き込んできた、
その顔には清楚ささえ感じられた、
だが俺の頭の中は夜の光景に支配されており、
ぶっきらぼうに横を向き「別に…」
としか言えなかった。




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