ツンドラとツンデレは似てるから気を付けろ 2



さて。
深呼吸して息を整え、色々落ち着かせる。一部分がひどく落ち着かないが。
「十秒待つから。蹴落とすなり吹っ飛ばすなりしてくれ。──じゃないと、お前を傷付けることになっても止まれないと思う」
一、と数えたところで口をふさがれた。
「その前にこっちの質問に答えてもらえないかな」
と、三本指を立てる。
それを一本折りながら
「──あたしのこと、好き?」
「……ああ」
もう一本折り
「──他の誰よりも?」
「……ああ。そうだと、思う」
最後の一本を折り
「──あたしの気持ち、知ってる?」
「……今気付いた」
そこまでニブかったの……、と口元がひくついている。悪かったな。
「……遅すぎ。ま、ともかく問題はないってことじゃないの?」

じゃあ、とカシスはパジャマのボタンに手を掛け──くるりと背を向ける。
「何だよ」
「……少しは察しなさいよ。脱ぐとこ見られるのは恥ずかしいもんなの!」
そして、一つ、二つと上からボタンを外していく。
「ああ。別に良いよ、脱がなくても」
後ろから抱きしめて、ふくらみに手を掛ける。
パジャマの上から、布一枚を通してつんと突起の感触が手に伝わってくる。
「……ノーブラ? 下着付けないのか」
肩越しに下半身をのぞき込みながら
「ていうか……はいてないのか?」
「寝る時はブラ付けてないだけ! パンツははいてるわよ!」
いや別に残念とか思ってないよ? 本当に。

気を取り直して、両手で服越しにゆっくりと揉みしだく。
「んっ……ふぅっ……」
だんだんと漏れる声が甘く変わっていく。
その隙を突いて下半身へ手を滑り込ませ──
「やっ!だめっ!」
くちゅ。
指が触れ、湿った下着が水音を立てる。
「……」
「…………」
さっきのお返しにちょっといじってやろうと思ったんですが。
「もう思いっきり濡れてるな。……結構やらしいな、お前って」
「そういうことわざわざ言わないでよ……!」
真っ赤な顔で抗議するカシス。
いつもあなたのこと想ってひとりえっちしてるからですワ、などとは口が裂けても言えないをヲトメゴコロ。
「まあとにかく、これならもう準備できてるよな?」
「へ?」
ころん、とカシスの体をベッドに寝かせ、パジャマの下を引っぺがす。
自分でも信じられないくらいの手際良さ。
それも仕方ない。
心臓はばっくんばっくんとかつて無いほど限界突破のビートを刻むMAX HEART。ドキドキが止まらねぇ!
愚息も震える心も燃え尽きるほどヒートなのですよ。

足を割って、すでにぐっしょりと重くなった下着をずらし、自身をあてがう。
いいか、と目で聞いてみるとカシスはやや恥ずかしそうにうなずいてくれた。
OK、いざ。
カシスの腰を掴んでゆっくりと進めていく。
濡れているとは言え、初めて入ってきた異物を進入を拒むかのように締め付ける。
「痛!いった!いったーい!」
「いや、まだ先っぽ入っただけなんだけど……」
「痛いもんは痛いわよ!仕方ないでしょ!」
体を起こしてぽかぽかと頭を殴りつけてくる。わりと余裕ありそうだけどな。
「わかったわかった。とりあえず呼吸を整えて落ち着くんだ。はい、ひっひっふー、ひっひっふー」
「そりゃ出す方でしょ!」
べしん、とひときわ強くはたかれる。
「……お前、さっきからパンパンパンパンと人の頭を。タンバリンか俺は」
「ふんだ。アタマからっぽだから良い音出してるわよ」
失敬な。アタマからっぽの方が夢詰め込める。
とりあえず元気有り余ってるみたいなので容赦しない方向で。
とにかく力抜いてもらいたいんだが、どうすればいいのやら。

「ちょっとこっち向いて」
「……何?」
向いた顔をがっちりホールドしてに唇に吸い付き、舌を侵入させてカシスの舌に絡めていく。
「んっ……ちゅ……んんっ……!」
くちゅくちゅと口内を犯して唾液を混ぜ合う。
と、良い具合に力が抜けてきたようで。
唇を付けたまま片手を背中に、もう片方を頭に回してしっかりと抱きしめる。
そのまま一息に──貫いた。
「────────ッ!」
肉を裂く感触。繋がった部分から垂れる愛液に朱が混じる。
カシスの瞳から涙がこぼれ、声にならない悲鳴が上がる。
口を塞いでなかったら家中に響いていただろう。
「……っの、バカッ……! なんてこと、すんのよ……!」
「……無茶したのは悪かったよ。でも、その……これ以上待てないって言うか。お前を見てるともう我慢できない」
「……すけべ」
ええ、男はみんな猛獣ですよ。ビーストモードにチェンジしますよ。

「……少し落ち着いたから、動いていいよ。……ゆっくり、ね?」
「ああ、わかってる」
さすがにもう一度泣かせるわけにはいかないので、至極気を付けて。
ゆっくりと、ゆっくりと前後に動かしていく。
しっかり濡れているのに、がっちりと食い付いたかのように離さない。
「くっ……!ぁぅっ……!」
泣かせないようにと思ってはいるのだが、やはり痛みがひどいのか、きつく閉じたまぶたから涙がにじんでいる。
「なあ、やっぱ痛むんなら──」
「……っ!……あたしも、覚悟してやってるんだから……っ。ここでやめるとか、女の子に恥かかすんじゃないわよ……!」
恥じ入った。懸命に堪えてくれていた努力を無にするような事をするところだった。
「……じゃあ、もう最後まで止まらないからな」
「……うん、がんばる」
がんばって。

ぐっと体を沈め、奥まで到達すると、ゆっくりと引き抜く。
回を重ねるごとにだんだんとほぐれたのか、ほんのわずかだが抵抗が少なくなってきた。
それに合わせるように、腰を前後させる速度を上げてやる。
「くっ……!」
「んあっ……、あっ……、ああっ……!」
声を殺した悲鳴が、艶を帯び、あえぐような声に変わっていく。
腕を回して抱きついたカシスの爪が服越しに背中に突き立つ。
「……大丈夫、か……?」
「うん、何とか……。少し、痛みもやわらいできたから……」
ぐちゅぐちゅとした水音に、肉がぶつかる音、抑えきれず漏れるカシスの声。
鼻を突く女の臭いに頭がクラクラし、余分な思考が落とされていく。
「あぁっ……ふぁっ……!」
「……っ、もう……!」
限界が訪れ、一気に抜こうと──
したが、背中に回っていたカシスの腕ががっちりと腰を固めて引き抜けない。
「くっ……!」
「ふあぁぁっ!」
どくどくと体内に打ち込まれる精。
その度に電流が走るように小刻みに震えるカシスの体。
最後まで放出し、ゆっくり引き抜くとこぽりとカシスの秘所から精の混じった愛液がこぼれだした。

どさ、とベッドに仰向けになり、目を閉じて呼吸を整える。
さすがに疲れ──
「あの、何やってんですかカシスさん」
目を開けると、下着を脱いだカシスが膝立ちでまたがっていた。
「あたしがさぁ、ヤられっぱなしで終わると思ってる?」
にやりと口の端をゆがめて笑う。いわゆる悪魔的笑顔。
その気、ヤる気、気合十分。以下自粛。どこが未熟とか口走ったら血を見る。
「……あの、それって」
いや、さすがに無理ですよ。
と頭は思ってるものの、腰から下は別なようだ。
軽く触れられただけですぐに固さを取り戻してしまう。
「キミの方もOKみたいだし、ね?」
いえこれは一種の脅迫ではないでしょうか。
この状況で拒絶できるような男がいたらマジ尊敬すらしますよ。
とか思ってる内に、彼女は腰を沈め始めていた。
つぷり、と先が飲み込まれ、ゆっくりと腰を落とし──
「んっ!ちょっ……やだっ、深っ……あぅっ!」
一度貫かれていることもあり、すんなりとまではいかないが、いくらか抵抗は少なかった。
「はぁっ……やばっ……これだけでイっちゃうとこだった……」
体はびくびくと震え、頬は紅潮。瞳に情欲が宿り、恍惚とした表情になっている。
ゆっくりと、腰を浮かし、落とす。
先ほどより深く、一番奥までごりごりと突かれる。
「はっ……!あぁんっ……やだっ、止まんない……!」
繋がった部分からはぐちゅぐちゅと絶え間ない水音。
「お前……さんざん言ってたくせに、俺よりすけべだろ……!」
「ふぁっ……、言いたかないけど……誰かさんの、血かも、ね……」
ああ、あの人の。何か納得。
しだいに単純な上下運動から、腰を振るような動きに変わっていく。
未体験ゾーン突入。初体験はついさっきですけどね。
「はっ!あんっ!ああんっ!」
動きが激しくなり、はだけたパジャマからちらちらと顔を出す乳首が欲望を駆り立てる。
「うっ……もう……!」
「やっ!ああっ……、ふあああああっ!」
三度目。限界まで絞り取られた精を解き放つ。
「んっ……熱ぅ……!」
カシスの体が弓なりに反り、打ち出された精を最後まで受け止める。
「も……ダメ……」
「……同じく」
ぱたり、と脱力したカシスの体がハヤトの上に倒れんだ。

「でもさ、キミって女の子のシュミ悪いよね」
何だ唐突に。
ちなみに濡れた下着で寝るのはイヤ、と代えを漁ったら残りは見事に洗濯中という事態になっていたのでカシスは現在素っ裸でベッドに潜り込んでいる。
じゃあパンツ穿かずにパジャマ着ろと言ったらマニア呼ばわりされてしまった。何と理不尽なことか。
それはともかく。
「そうかな……。そういうお前はどうなんだよ」
「あたし?」
うーん、としばし考え
「かなりシュミ悪いかもね」
む、そりゃ自分でいい男だとかは思っちゃいないがちょっと傷付く。
カシスは軽く落ち込むこちらにふふっ、と笑い
「いいんじゃない? あたしの中で最高なら」
かなわないな、などと今さら思ったり。

「んーっ……」
ベッドから体を起こしてぐっと腕を伸ばす。
しんと冷えた空気。隣で寝てる裸の女の子。
目覚めもばっちりだ。
彼女は少々寝相悪いのか、胸や足がはみ出てたので布団を掛け直しておく。
寝顔が非常に性欲を持て余すのだが、見入ってるところで目を覚まされるとマズい展開になってしまうので諦める。今度エルジンに頼んでカメラ手に入れておこう。

適当に着替えて廊下に出ると、モナティがいた。
「マスター、カシスさんをいじめちゃいけませんの」
めっ、とダメ出ししててけてけと去っていった。何のこっちゃ。
3mも行かないうちにすっ転ぶモナティを見てると軽く肩を叩かれた。
「お前さ、ウチの壁がどんだけボロいかわかってるよな」
まあほどほどにな、とだけ残してガゼルも居間の方へ歩いていく。

つまりアレか。筒抜けか。
……今日一日、弄られるのを覚悟しなければ。

居間をのぞいてみれば、ロン毛やハゲなど数人がサマーセーターのお姉さんを囲んでいる。
その内の一人、ローカスが紙幣を渡し
「負けは負けだから払うけどよ。こういうのはアリなのか?」
「直接手ぇ出してないんだから文句はナシよ。ちょーっと部屋埋めただけなんだし」
あんなきっかけでヤってるなら時間の問題だったわね、わははと豪快に笑うメガネのお姉さん。
黒幕発見。
「まあ一人勝ちも何だし、記念にみんなでパーッとやっちゃいましょーか」
我らがリーダーの童貞卒業記念にね、とまた大笑い。余計なお世話だ。

と、そのエロさに定評のあるお姉さんと目が合った。
「あら大将、おかげで儲けさせてもらったわ」
ありがとねー、と軽い投げキッスをかますと飲み会の打ち合わせをし出した。
さて、もうこの一行はほっといてこっそり外に出ることにする。
背後で異様なオーラが膨れてることだし。

少し広い所まで出て、とみに仲良くなったワイバーンを呼び出す。最近使用頻度が高いのだ。
「じゃ、今日も頼むわ」
一声吼えたワイバーンはハヤトを背に乗せると翼を空撃ちし、飛び立った。
と、ほぼ同時に背後で火柱が吹き上がる。
さて、今日はどこまで飛ぼうか。
とりあえず爆炎とかほとぼりとか冷めるまで。


おわり

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