二人の絆編〜夏美と綾〜その3



「綾ぁぁぁぁっ!……綾ぁぁぁぁぁっ!!」
絶叫としか言いようのない夏美の叫びが辺りに響く。夏美の視界に広がる光景。多数の肉棒の群れが綾を蹂躙する姿。赤く滾る肉塊達は綾の膣とアナルを抉っていく。濡れた肉同士が摩擦する卑猥な音。それとともに前後から貫かれる綾が洩らす喘ぎ声。綾の身体は既に吐き出される白濁に汚されていた。精液の溢れる膣口と菊門を続けて犯され、白濁を注ぎ込まれる。悶えながら喘ぎ続ける綾の瞳から生気が削り取られていく。
『あふぁ…くふぅぅ…あ…ぅ…夏美さ……んひぃぃっ!くふぅぅぅ!!』
絶叫する夏美の姿が綾の目にも入る。声をかけようとするが胎内をかき回す肉獣がそれを阻む。群がる無数のペニスの洗礼は綾のヴァギナとアナルだけでは受け入れきれない。極太の肉棒が綾の口内を犯す。それと同時に手も胸も使えるところは全て肉棒をしごく道具として酷使される。柔らかい綾の舌の感触にたまらず絶頂に達する男根。粘性の白濁が綾の顔に降り注ぐ。それとともに子宮に注ぎ込まれる精液。前に射精されたものと混じりあいながらゴポゴポ音を立てて溢れてくる。貫かれ続けたアナルはもう括約筋が酷使され過ぎて緩んでいた。だらりと締まりのない肉穴を肉根が所狭しと出入りする。
「やめてよぉぉ!!もう止めさせてよぉぉ…こんなの……」
何も出来ない。目を閉じても卑猥な濡れた音と喘ぎ声が聞こえてくる。うなだれてただ哀願する。こんな悪夢から早く覚めることを。
『ずいぶんな物言いだね。君のリクエストに答えたつもりだけど。種明かしをしようか。これは君が見ている夢だ。だから目が覚めれば終わる。でも大差ないだろうね。実際は。』
そう淡々と声は告げる。これが夢。そんなことは夏美も薄々気づいている。ありえない。不条理の連続だから。だが例え夢でも見ている夏美にとってそれは現実。大差ない。本当の意味で。
「ぅあ…ぅ…覚めてよ…早く…あたしの夢なら…早く覚めてよぉ……」
出口の見えない悪夢の中で夏美は早く覚めることを願う。どこまでが夢でどこまでが現実なのか。その境界さえあやふやなままに。

夢の世界。その世界にいるものにとっては夢を見ている間はそこが現実なのだろう。夢だと分かっているのに。自分の夢だと分かっているのに。そこで感じるものは実感を伴う。ほっぺを抓って痛かったら夢じゃない。そんなのは嘘だ。夢だと分かってるのに痛い。夢だと分かっているのに苦しい。そんなのは茶飯事だ。そう。悪夢も現実も区別つかぬ狂気にとりつかれてからは。
「うぁぁ…あぅぅぅ…うっ…っぐぅ…うぇぇ……」
結局あれだけ願ったのに未だに悪夢という名の牢獄に夏美は閉じ込められていた。場面が突然に切り替わったと思えば今度は自分が。あるいは綾が。時には二人とも惨めに陵辱された。夢だと分かっているのに苦しい。夢だと分かっているのに哀しい。覚めたと思うとまた次の悪夢。もうどこが夢でどこが現実なのかなんて夏美には分からない。どの夢の中でも自分ないし綾が無惨に犯される。狂うおしいまでの生き地獄。もうたくさんだと思っても一向に解放されない。
『分かったんじゃないですか少しは…絵美の気持ちが……』
そうふいに現れて語りかける影。絵美だ。彼女もまた夏美の心が作り出した虚像なのだろう。虚像とはとても思えないほどにリアルな。
『こんな風に惨めに犯され続けて…何もかも無駄だって思い知らされてきたんですよ…何も考えずにいられたら楽なのにって思うほどに……』
今なら分かる。あのときの絵美の気持ちが。出口なんてない。解放などありえない。逃げることさえ叶わず惨めに犯され続けるのだ。肉便器として。深い。深い絶望を抱きながら。
『君も本心では諦めてるんだろうね。こんな夢を見続けるということは。』
今度はキール。諭すような口調で続ける。
『夢は当人の心の投影だ。君が悪夢から解放されない。それは君自身がもうこの悪夢と同じ結末になることを認めていることに他ならない。言っただろう?大差ないって。そう夢の中でも…現実でも…君たちは…』
そうだ。言うとおりだ。本当はとっくの昔に諦めていた。ただ虚勢をはって誤魔化していただけ。そのメッキも剥がされた。絵美に陵辱されたときに。
「やめてよ…許してよ…もう…お願いだから……」
そう許しを乞う。だが帰ってくる答えなんて聞くまでもない。自分の結末が。自分たちの未来図が。今の夏美には容易すぎるほどに想像できてしまう。
『絵美と同じになるんですよ…あなたも…綾先輩も…絵美と同じに…』
『夢の中と現実と…どっちにいたって君にとっては変わらないだろうね。さあどちらが現実なのだろうか。ひょっとしたら君が現実と思っている世界もまた夢かもね。』
「止めて、止めて、やめてぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
懇願する。だが声は構わずに続ける。
『壊れてしまいましょうよ…早く楽に…そうすることでしか…救われないから…』
『僕としてはどちらでも構わないけどね。さあ君はどうするつもりだい?』
「い……や…嫌ぁぁぁっ!嫌ぁぁぁぁぁっ!!嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
覚めない悪夢。悪夢と変わらぬ現実。無常の連鎖の中で夏美はただ叫ぶ。できることはただそれだけ。起こりえる未来に怯え悪夢にうなされてはその都度泣き叫ぶ。そんな矮小な存在。それが自分。そのことを心に刻み付けられながら。

気がついたときにはいつも柔らかな感触に抱きしめられていた。何度繰り返した?何度繰り返したのだろう?動悸する心臓と脳に昇った沸騰した血液と。息切れしそうな苦しい呼吸の中でいつも見るのは同じ顔だ。そうもはや夏美にとっては馴染みの。
「…大丈夫ですか…夏美さん……」
そう少しやつれた顔で少女は心配な顔を見せる。彼女もまたろくに眠れてはいないのだろう。目の下のくまに疲労のあとがくっきりと残る。
「………あ…や…綾!?………綾ぁぁぁぁぁぁっ!!」
気がつくと飛び込んでいた。綾の胸の中に。柔らかな感触に包まれる。細い腕が夏美の背中に回される。優しい抱擁。悪夢から覚めた夏美を慰める唯一無二の存在。
「うぁぅぅ…うぐぅぅぅ…あぅぅうぅ……」
「もう大丈夫です…もう大丈夫ですから…」
背中を優しくさすってくれる。傷ついた自分を抱きしめて慰めてくれる。どこからが。そしてどこまでが悪夢と分からぬ世界の中で。ただこの温もりだけは真実のものだ。夏美はそう信じる。いや信じたい。
『いい気なもんだね。そうやっていつもいつも。』
(………っ!?)
ふいに聞こえた幻聴。肉声ではない。自分の内側から聞こえてくる。
『綾に甘えちゃってさ。見てみなよ。綾の顔。可哀想にあんなにやつれちゃって。』
声に従うままに覗き見る。確かに酷い顔だ。明らかな睡眠不足で憔悴している。寝付くたびに夏美がうなされてパニックを起こすのでそれも当然といえる。
『そうやって人に甘えて…自分誤魔化して…見たくないものから目をそらして…いい加減認めたら?』
声は容赦ない。当たり前のことだ。
『自分は綾に何もして上げられない。綾を守ることなんてできやしない。そうだよね?あんな年下の娘にもボロボロにされちゃうぐらいだから。笑っちゃうよね。』
聞きたくないこれ以上は聞きたくない。でも声は止めてくれはしない。確信がある。
『結局はあの娘の言うとおりなんだよ。あたしも綾も結局はああなっちゃうの。何もかも無駄。無意味。分かってるんでしょう。』
それは自分の声だから。自分の正直な本心の声だから。だから響く。だから何も言えない。
『今こうしてあたしを抱きしめてくれてる綾もいつかは…もう今日にでもああなっちゃうよ?絵美って娘みたいにさ。当然あたしもね。』
(………っ!!!)
刹那、フラッシュバックのように一人の少女の姿が映し出される。絵美。綾の後輩。無惨に陵辱され続け壊れ果てた哀れな少女。その絵美をはじめてみたときの姿が生々しく脳内で再生される。白濁に全身を染め虚ろな瞳で壊れていた絵美の姿が。
『早く壊れちゃいなよ。あの娘の言ったように。その方が楽なんだから。』
そう囁く。悪魔のささやきだ。だがそれが本心。自分の本心。
『それにさあ………』
少しかぶりをふるようにして声は付け足そうとする。その続き。聞きたくない。聞いてしまったらもうまともでいられなくなるから。
『これが夢じゃないって保証あるの?』

「…あ…あぁぁぁ…ぅ……」
「夏美さん?」
言われてしまった。一番言われたくないことを言われてしまった。覚めない悪夢。今の目の前の現実がその一部に過ぎないということ。そんなはずはない。だが否定を証明するものはない。永遠に続く悪夢の牢獄。綾と出会ってからの全ての出来事。あるいはそれ以前キールとの遭遇。もっと昔、自分が生まれてきたこと自体が。全てがこの悪夢を構成するパーツに過ぎぬ可能性。覚めるはずがない。自分は今も悪夢の牢獄の中にいるのだから。
「い…や…嫌ぁぁ…嫌ぁぁぁっ!!」
「夏美さんっ!!夏美さんっ!!」
呼びかける綾の声も夏美には届かない。悪夢と悪夢と変わらぬ現実と。あやふやなそれらの境界に翻弄される夏美には。
「あぁぁぁっ!うぁぁぁぁっ!!うぁぁぁぁぁぁっ!!」
「夏美さんっ!夏美さんっ!!」
割れるばかりの頭を抱え吼え狂う夏美に、綾には何もなすすべがない


つづく

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