妖姫新妻(未定)奮闘記 5



「ああ、そっか………二人っきりの夜は何をやってもいいんだ……」
 どこか虚ろな雰囲気で少年は少女を見、呟いた。その瞳には妖しい光が 輝き、少女は普段の少年とは違う、別の輝きに見惚れていた。
「そうです、クリュウさま…………」
 少女は自分でも、言葉が自然と口を突いて出た事に驚いた。が、すぐに どうでもよくなる。今から始まるであろう“なにか”に比べたら、それは 塵芥の興味も生まなかった。
「…でも、他の女の子と二人っきりになったらどうするの? やっぱり、 何をやっても、いいの?」
 少年にはまだ、思考が余所を向く余地があるらしい。この場には少女と自分 しかいないので、口からこぼれた疑問は少女が受け止める。
「それは………ダメです! 私が認めない限り絶対にやっちゃダメです! クリュウさまは私の旦那様ですからあぁっ」
 少年は折角回答を貰ったというのに、その興味対象を少女の、露出の多い 衣服の胸部に向けた。その二つの丘を覆う黒い布を、鎖骨が隠れるまで上に 移動させた。その仕草は荒く、少女の見た目にはやや大きめの乳房は、 ふるっと上下に揺れ、止まった。
「そっか…シュガレットの許可が出たらいいんだ……」
 生返事に聞こえるが、一応少女の声には耳を向けていた様だ。だが、口と 手はその対象を別々にして動く。口は静かに言葉を紡ぐのに対し、手は強く力が 入り、その白い山々に片方ずつ触れ、土台から千切れそうな程、捏ね回す。
「そ、そうで…す………痛っ ちょっと強いです……」
 律儀に少女は少年の言葉を拾い、返す。例え彼が急に速球を投げても、 彼女は打ち身覚悟で受け止め、次の球に飛び付くのであろう。

 そこには、もう主を失いたくないと、新しい主に必死で尽くす忠実な犬の 姿があった。

「ん……わ、私が…許可すれば、の話で………そこじゃないでんむぅっ」
 だが、彼女は言葉すら奪われた。彼の口もまた、獣と化した。

 ちゅっ………んぷ……………ぴちゃ…………

 彼女の声と、気と、糧しか今まで出入りを許されなかった口は、いとも簡単に賊の侵入を許し、荒され、渇きを潤す液体を根こそぎ奪われた上で…
「ぷはぁ……」
「ふぅ……んぐ」
 落とされた。完膚なきまでに。少年にしても初めての事であったが、まさかここまで乱れたものになるとは思いも見なかったろう。スパイスの味がした。

 少年は多少頬が高調している様だが、不気味な程の冷静さは欠いていない。 何か、普段の少年を形成する上での重要な何かが、すっぽりと抜け落ちた状態とでも言うべきか。

 俗に、それを『道義』と言う。

「うん……ボクはシュガレットが……いいって言わない限り……他の女の子にこんな事、しない……あ、ここ……凄く尖ってる……赤い」
 手は休まずに彼女の肌を弄んでいた様だ。爪跡がやや残っている。口の衝動をとりあえずは満足させたのか、言葉を再度紡ぎだす。尤も、それは深く考えずに、頭から直に垂れ流している様だ。その所為か否か、言動は正確に、酷く鋭角的に、少女の脳髄に突き刺さる。
「ぁあっあうん……ぅぅ………」
 彼女は、口内の余韻に最早言葉を発する事も出来ず、少年の飛んできては自分に直撃する単語を真正面から受けていた。

「なんだか・・・・・・おいしそう。シュガレットは食べ物じゃないのに」
 時折聞こえる甘ったるい単語にも、少女の心と体は反応し、熱を持つ。
「く、くりゅうさまぁ……」

 はむっ

「っ??!!」
 彼女の熱と電流が交差する左胸の辺りから、稲妻が脳に向けて走った。 確認などしなくとも、眼と鼻の先に答えがある。彼の美しい銀髪がすぐ左下に 見える。咥えられているのだ。既に左の山の天を目指さんばかりであった頂を。

「ふむぅ………む…すぅっ…ん…っちゅ」
「ひゃああ……そんな………ゃ」
 弱く、時に強く噛み、舐め回され、離れたかと思えば側面に我が物である証 を付けられる。口の望みは未だ達成されていない様だった。その証拠に彼の 口に潜む賊は今も肌の上で暴れている。「貪る」とは上記を表するのではないか。

「はぁ……はぁ……」
「…………ぁあ」
 一通り、口が自らの領地とした二つの山に証を付け終わり、少年はその様を静かな 視線で見渡していた。流石に息が荒くなったが、遠い瞳は変わらなかった。

「ク…クリュウさま、胸だけじゃなくて……」
「…………うん」
 好きにしていいとは言った少女だったが、流石に上半身だけでは歯痒さがある。
職人気質な少年は目前の一つに打ち込み過ぎた。そしてやり終えたと感じたのか、眼が次に取り掛かる処を示し、下へ下へと移動した。

 そこは熱く、溢れんばかりの泉。彼女の髪色と同じ薄紫の茂みに囲まれた 秘境。城を、山を我が物としてきた荒くれ者達は、最後にそこへと辿り着いた。

 くちゅり

「ひゃぁ、ぁ、ぁ……」

 すちゅ…ず

「ぅん……ふっ」
 ひゅくっひゅくっと動くそれを、怖いもの知らずな右手が先陣を切り、 次いで恐る恐る左手が加わる。そして、口が戦況を見極めた上で…

 ずずーっ……

「ぁああん!!」
 出陣した。泉は出し惜しみ等せず、略奪者に成すがままだ。否、元より 叛逆の意思が無いだけか。どこまでも従順で、それは素朴な原住民が侵略者を 神の使いと崇め、供物を差し出すが如しだった。だが彼らは恩を仇で返すが如く 荒れ狂う。弄り、抉じ開け、啜る。だが、その供物は侵略者に一矢報いた。

「…ああ、口の中が、もっと、すっぱいけど吸いたいって、言ってる」
 快楽と共に毒を相手に巡らせた。
 酸味をストレートに表現する少年。若さ故か。そして彼の口内は、 奥へ奥へと僅かに残った液体を、喉へと押しやる。それは独特の後味を残し、彼の脳に第二波を求めさせた。だが…
「クリュウさま、その…私も、欲しいものが……」

「え…? あ、うんなに?」
 少年は初めてまともに受け答えた。一通り手も口も眼も満足したのか、檻中の捕虜の希望を聞き入れる事にした。

「その…クリュウさまの……」
 彼の下半身を彼女は指差す。そこには下穿きの押え付け等諸共しない勢いで、我此処に在りと躍り出た一つの柱があった。
「…?」
 少年が二重の布地を一度に脱ぎ、下ろしてみる。戸惑い等一切無い動作で。

 ぶるっん!

「きゃあ!!」
「……これが、ボクの?」
 少年は、相変わらずのんびりと分析した上で、口に出す。そこには少年が いつも脱衣所で見掛けるものとは違う、歪なものが聳えていた。ビクンビクンと 蠢くそれは、あどけない少年には余りにもアンバランスで、そのグロテスクさを際立たせていた。

 そして、少女もその肉の柱を見るうちに、目付きが徐々に変わりだしていた。

「ボクの、こんなんだっけ…ってうわぁ!?」
「クリュウさま…それを私に……」

 少女の瞳もまた、妖光が宿っていた。だが、目蓋は眠たそうに閉じかけ、 その手は艶かしく繊細に、彼の削岩機のメンテナンスに取り掛かる。 防護カバーを丁寧に剥がし、抜き身になったそれは、抉るべき標的を探していた。
「あむっ………じゅるっ」
「っ!」
 洗浄機に掛けられ、先走った潤滑油を一気に飲まれる。そして…

 ちゅぶっ……ぴちゅ……っぷ………

 丹念に、隅々まで、少年の得物が洗われる。持ち主は自然と腰を床に下ろしていた。全てを任せる様に。 
「フヒュウはは、ほんはほひっふぁはホホほおほひふぇひはほは…ははひふぁ、ふぇんふふはええはへはへん…ふぇほ……んんん」
「な、何言ってるか全然分からな…ぃい!!」

(クリュウさま、こんなご立派なモノをお持ちでしたとは…私じゃ、全部は銜えられません…でも……)

 少女はやや仰け反り、胸部を彼の棒の側面に、押し当てた。
「ぅあ……しゅがれっ…」
「ふぇっはいひはんふぉふはへはふ!(絶対に満足させてみせます!)」

 ぐに………ねろり……すう……

 剥かれ、舐められ、挟まれ、しごかれ、吸われ…彼のエンジンは臨界値を超え…

「うぅぅうぁあああーっ!!!」
「ひゃ」

 ドぷっドぷっドぷっ……………

 ヒートした。その撒き散らされた廃液は少女の顔を、胸を、汚して…否、コーティングしてゆく。その濁流の中、
「んむっ…んぐっ………えほ」
 少女は熱き流動を、必死に堰き止めようとする。少しのこぼれも舌で掬い、一滴残せば死ぬと思わんばかりの勢いで、舐め取り飲み込んでゆく。

 やがて、全てを喉へ流し込んだ彼女は、うっとりと欲望を具現化した味の余韻を噛み締めていた。
「ふう…にがいですが……おいし」
「…………」
「…? クリュウさま?」
 ふと、改めて少年を気に掛けた少女。しかし年は俯いたままだ。
「………………」
 先程とはまた違う静けさを、彼が纏っていた。
「……………………る」
「? 失礼ですが、もう一度言」
「ボクがっ!!!!」

 彼女の両手首を押さえ込み、組み敷き、
「え!? え!?」
「…ボクがやる!」と叫んだ。

 じゅぶるっと液が大きな音を立てながらも、彼は彼女の穴へと得物の照準を定め、押し広げ、貫いた。

「あっはあああああああああああああああああああああ!!!」
「ぐっ……」

 ばちゅっ ばちゅっ ばちゅっ ばちゅっ ばちゅっ ばちゅっ

 上下に引き上げ、叩きつけ、引き上げ、叩きつけと繰り返す。
「まだ……っ か……はぁ…………んくっ」
「………しゅがれ……っ」
「硬い……熱……っ」

 ぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅ……

 その速度は激しく、だが快感という効率のみ求めたそれへと変わる。
「いくぅ……!」
「ぐ…でる…!」
「ぁぁぁ!あああああああああああああああああああああああああああん!!!」

「はあ、はあ、はあ、はあ…」
「あはぁ、あ、はあ、は、ぅん、はー」
 酸素を必死で取り込み、それでいて体は服従の位を示し動かず、だらりと 広げられた股から彼の精子を垂れ流し、ヒクヒクと局部を痙攣させているシュガレットを見て、彼は息を整え一瞬満ちた笑みを見せ、

「まだ終わらないよ………」

 抑揚の無い声で、呟いた。


 ぽんっと、誰も見ていないのに、部屋の中でアマリエは手を打った。
「そう言えばあのお香…確か正体は捕虜尋問用の魔法薬で、水に溶かして飲んだら強力な暗示もかけられるモノだったわ。素人が使ったらアブナイから火で焙って催淫成分の香りだけ使用しなさいって説明書に書いてあったっけ」

 指を口元に当てて、首を傾げる仕種はまだ十代の娘の様である。もっとも、その思考の中は娘という範疇は元より、母親と言う枠組みからもはみ出すきらいがあり、余人には窺い知れない。

「うちの人に使って既成事実を作るつもりだったけど、なんかアブナそーな感じがしたからやめたんだったわね…いけないいけない。スッカリ忘れてたわ」

 テヘ☆と頭をコツンと叩くアマリエ。 そんな重大すぎる事を忘れている事は元より、そんなモノを息子の護衛獣に 渡した挙句、思い出したのにも拘らず気にしていないのには頭が下がる。 というより、親として…人としていけないのではという突っ込みは無粋か。

「ま、どちらにしても孫が出来るからいっか。それに、万一なんかの手違いで 他のオンナノコに“お手つき”するようになったら義娘も増えるし。サナレちゃんに してもラジィちゃんにしても将来有望株の美少女だし…それとブロンさんの言ってた ハリオちゃんやヘリオちゃんも美少女だっていうしね。ああ、でもコウレンさんに お義母さまとか言われたらシャクよねぇ……」

 それだけが問題だけではない気がする。

「クリュウはこの街を救った英雄だし、『英雄色好む』とはよく言ったものだわ。つまり、英雄って一流のスケベじゃないといけないのよ、うんきっと」

 何かが違う様な…

「どう転がっても吉、私の野望その一『三十代で孫を抱く』は叶うし、野望そのニ『家族をいっぱい増やす(クリュウが)』もスタートしてくれるかも☆」

ヤホ―――イ♪ と夜だというのに箒で楽しそうに掃除を始めるアマリエ。
ぶっとびママのスカタンな行動のお陰で今、ワイスタァンに一つの嵐が吹こうとしていた…………


To be continued.




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