セイロン&シンゲンのたのしい房中術講座 その1



べべん。短く響く三味線の音が場の沈黙を際立てる。
フェアの短く、しかし衝撃的なお願いはその場を凍りつかせるには十分であった。

「・・・えぇ〜、御主人はその、胸を大きくしたいと。」
そうよ、と即答されてシンゲンは返答に窮する。
「・・・そうよ。胸を大きくしたいの!
シンゲンと、セイロンならシルターンの秘儀で胸を大きく出来るってアカネが!」
繰り返して言われ、いよいよ幻聴妄想の類いでは無いことに驚く。
何かの罰ゲームかと疑えばその瞳には真剣な光が宿り、必死の形相であることに更にシンゲンは頭を抱えたくなった。
明るく快活で、男勝りと言えなくも無い少女である。それが言うのだ。

ある目的の為、自分には胸が必要なのだ。
だから、その秘儀を教えろ、と。
「はっはっは・・・店主は自前では不満だと申すか」

一方、シンゲンの使っている部屋(畳持込済)のベッドの上で、優雅に扇子を弄ぶセイロンは愉快そうに笑っている。
「別に不満ってワケじゃないよ!でも・・・」

フェアが言葉を濁す。・・・駐在か。
シンゲンは咄嗟に悟った。巨乳好きの駐在をフェアは好いているようだ。
セイロンも悟ったらしく、何事か、扇子で隠した下で思惑をめぐらしているらしい。

「あい判った。そこまで言うのなら我の秘術で店主の胸をミント殿並にして進ぜよう」
何を言うか。微乳が良いんだろう!(子安声)
思わず口に出しそうになった言葉を飲み込み、偉そうな龍人族の若殿を見遣ると、彼はそれは真剣な顔をしているので準備していた窘めの言葉も引っ込んでしまう。

「ただし・・・この秘術は我々シルターンの者たちの秘術中の秘術。
一度始めたら後戻りは出来ぬが、よいというのだな?」
おいおい我々かよ。しかし、つっこむ気は起きなかった。
シンゲンも真剣なセイロンの脳内に描かれたムフフな未来図を敏感に察知したのだ。


微乳揉み放題。その輝く文字がシンゲンの脳裏に翻った時には、フェアとセイロンはがっちりと握手を交わしていたのだった。


つづく

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