一周目リシェルENDクリア記念 7 ライ×リシェル



 柔らかな感触だった。初めて触れ合った唇と唇。気がつくと互いの舌を舌で舐めあっていた。
 ファーストキスの味はさっき二人で食べた夜食の味。流石にあまりロマンチックとはいえなかった。
 けれど、多分そういうのが似合っているのだろう。この二人には。
「キス……しちゃったね……」
 ほんのりと赤く染まった顔で伏せ目がちにリシェルが呟く。今しがた口付けを交わしたばかりの相手の顔を直視する度胸。
 流石に持ち合わせていなかった。それはライも同じである。
「そうだな……」
 と視線をリシェルから外してぶっきらぼうに答える。すると、自分の心臓が強く脈打つのをライは感じた。
 ドクン ドクン 血液は全身を循環する。身体中に確かな熱気を伝えて。
(やべぇ……完全に病気だ。こりゃ……)
 自分の胸に渦巻く想い。その深刻さをライは知る。今までは意識することがなかった。
 意識するようになったきっかけは誰かさんのお節介。けれど一度、意識してしまったら後はもう止まらない。
 ひどい泥沼だ。そこにまんまと足を踏み入れてしまったらしい。
「なあ、リシェル……」
 声をかけようとする。けれど後が続かない。続く言葉が頭の中で真っ白になっていく。
 なるほど。こういうものなのか。よく実感できた。
「何よ。言いかけで黙っちゃって……」
「悪い。何を言おうとしていたのかも頭からすっぽり抜けちまった。我ながら情けねえ」
「ふふっ、少しはあたしがどういう思いをしてきたかアンタも分かったでしょ」
「ああ」
 それからしばらく二人でボンヤリとしていた。まどろむような心地が二人を包む。
 沈黙とは違う静寂。ふいによりかかる互いの身体が妙に温かかった。このまま時が止まってしまえばいい。
 何をそんな夢想をとは思うが、それも悪くないかもしれない。だが……
「なあ、リシェル……」
 言いかけで止まった台詞の続き。それがライの頭にふっとよぎる。そしてそのままを口にした。
「抱いてもいいか?」

 とんでもないことを口走ってしまった。言ってしまった後でライは気づく。
 たちまちに顔が紅潮し、頭から湯気がたつのが自分でも分かる。
 まずい。失言どころではない。どうしてこんな世迷言を口走ってしまったのか。
(ああっ、オレのアホ……オレのアホぉっ!!)
 いっそのこと『なに言い出すのよっ!この馬鹿っ!』と罵倒された方が気が楽だった。穴があったら入りたい。
 心の底からライはそう思う。すると。
「それって……あたしとしたいってこと?……その……エッチなこととか……」
 がふっ! クリティカルヒット! 直撃だった。
「いや……別にそういう意味で……言ったんじゃ……」
「……じゃあどういう意味よ」
 問われて口ごもる。そういう意味以外の何者でもなかった。ライは観念する。
「すまん。そういう意味だった。気にしないでくれ。……って無理か。なに言ってんだオレ……」
 どうかするにも程がある。まだ、互いの気持ちを確かめ合ったばかりだというのに。
 すぐにそっちの方に発想が行ってしまう。自分の性別が男だということを否応なく実感させられる。
 流石に幻滅させてしまっただろう。そんなふうにライが思っていると。
「……いいわよ。別に……アンタがどうしてもしたいっていうんなら……させてあげても……」
 暴走召還!ダメージ700。そんな即死級の一撃をリシェルは見舞う。ライは慌てふためく。
「お、おまえっ!意味分かってて言ってんのか!」
「分かってるわよ!そんなぐらいっ!ってか先に言い出したのはアンタでしょ!」
「いや、そりゃそうだけど……もっと自分を大切に……」
「自分から言い出しといて逃げる気っ!ちゃんと自分の言葉に責任持ちなさいよっ!それに……」
 そこまで言うとリシェルは顔を伏せる。そして頬を染めて呟く。
「あたしも……したいって思ってるし……アンタとエッチなこと……とか……」
「なっ!」
「ああっ、もうっ!なに言わせるのよっ!馬鹿馬鹿。この馬鹿ぁっ!」
 照れ隠しにポクポクとリシェルはライの胸を叩く。そしてライの胸の中にまた顔を埋める。
「リ、リシェル?」
 胸の中でリシェルの頭は小さく震えていた。少し涙まじりの声でリシェルが呟く。
「本当はね……不安なんだ……アンタに好きって言ってもらえたのに……それなのに、どこか安心できない感じがして……」
「………………………………………………………」
 それはライも同じだった。人の心は弱い。心でつながっていても、どうしても何か確かなものを求めてしまう。
「だからさ……欲しいよ。あたしがアンタの特別なんだって心の底から思える何かが……あたし欲張りかな?」
「そんなことねぇよ。オレだってそうだ」
 だからあんな爆弾発言をしてしまったのだろう。納得がいった。もう心も身体も芯から求めていた。
 リシェルと繋がりたい。二人の絆を確かなものにしたいと。
「じゃあ……するか?その……」
「……うん………」
 こうして夜が始まる。二人だけの。初めての大切な時間が。

「脱がして……」
「あ、ああ」
 目を伏せながらリシェルはポツリとそう呟く。段違いに留められたパジャマのボタン。
 慌てて留めたときのことがライの記憶にまだ新しい。
 ごくん 唾を飲み込む。指がボタンに触れる。今度は留めるためではなく外すために。
「ん……う………」
 目を閉じて、リシェルは恥ずかしさをぐっとこらえていた。ぷちんぷちん。
 シャツのボタンが一つ一つ次第に外れていくごとに露わになる。隙間から覗く肌色が。
「全部外したぞ。後は……いいのか?そのまま剥いちゃって?」
「いちいち聞かないでよ!……そんなこと……」
 真っ赤になってリシェルは言う。そんなリシェルにドギマギしながらライは彼女のシャツを脱がす。
 ぱさり。音を立てて衣がベッドの隅に放られる。現れたのは剥きだしのリシェル。
 まだ女性と呼ぶには青い果実のような初々しい肢体。
(〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)
 リシェルは顔をぷるぷると震わせていた。よほど恥ずかしいのだろう。そんなリシェルを見ているとこっちまでおかしくなりそうだ。
「そっちは脱がないの?」
「あ、そうだな……」
 言われて気づく。自分たちがこれからするのがそういうことなのだと。とにかく脱がないことには始まらない。
 愛する者に自分の大事な箇所を晒す気力が問われているのだ。
「ぐずぐずしてるならあたしが脱がすわよ。まったく」
「いいって!自分で脱ぐ。そっちも下のほうは自分で……」
 そういってリシェルに背を向けてベルトに手をかけてズボンを下ろす。
 ぱさり。すぐ傍で衣の落ちる音。ごくん。また唾を飲み込む。
 振り返ればすぐそこに生まれたままの姿のリシェルがいる。そう思うと自然と手が止まってしまった。
「まだぁっ!早くしなさいよっ!」
「だあぁ、悪い。今すませるから」
 急かされてライは焦る。ジッパーが噛んで下ろすのに手間取ったがようやく脱ぎ終えて振り向く。
「……あっ…………」
 そして呆然とする。胸と秘部だけ手を当てて隠す丸裸のリシェル。その艶姿にライはすっかりあてられていた。

「……なんか言いなさいよ……」
「悪い。なんか見とれてた。……オマエに……」
 リシェルに声をかけられ、ハッと気づいてライはそう言う。リシェルは恥ずかしそうに目を伏せて
「バカ……」
 と一言だけ呟いた。
「……でどうすりゃいいんだ?これから。なんか既に右も左も分かんねえんだけど」
「あたしに聞かないでよっ!そんなん知るわけないでしょっ!」
 お互いに初めてのことなので事のいろはも分からず戸惑う。とりあえず手本になるものを思い描く。
 それはもちろん、この想いの目覚めのきっかけとなったお風呂場での一件。
「ちょっ、ちょっと!そんなとこに顔近づけてこないでよ!やだぁ。変態っ!」
「しゃあねぇだろ。なら他にどうしろってんだ。まったく」
 いやいや言うリシェルを制しながらライはリシェルの大事な部分に顔を近づける。
 隠す手を払いのけてあらわれたそこをマジマジと見つめる。
「やだぁっ!見ないでよぉ!ひ〜んっ……鬼っ!悪魔っ!」
 リシェルは罵倒こそすれども本気で抵抗はしてこない。例のごとく照れ隠しだ。
 そして間近で見るリシェルの可愛らしい肉の割れ目にライは思わず言葉を失った。
(……やべぇ……)
 もう死んでもいい。本気でそう思ってしまった。風呂場で見たときはこれほどしっかりとは見なかった。
 それでも記憶にくっきり焼きついたが。とはいえリアルで再度、じっくり拝めるとなるとやはりそれは格別。
 熱いものがぐっと込み上げてきてどうにも抑えられなかった。
(とりあえず……ここを弄ってやればいいんだな。ポムニットさんがやってたみたいに)
 つくづくあのメイドは策士だと思う。自分にリシェルのことを意識させるばかりか
 こうなったときのための手ほどきまで教えてくれて。感謝していいのやら。
「やんっ!ひあっ!」
 ぴたりと指が触れた途端にリシェルが可愛い声で喘ぐ。心臓に悪い。生きた心地がしない。
「お前……そんな声だすなよ。いきなり……」
「何よっ!出させてるのはアンタじゃないっ!……って……ひゃっ……ひっ…やだぁ……もう……」
 さわり。指先は秘裂をなぞる。ぞくぞく走る悪寒に声をあげるリシェル。
 そのまま、つぷり。指をちょっとだけいれてみる。軽く、クチュっとかきまわしてやっただけで反応が返ってくる。
「お前、いちいち感じすぎ」
「アンタのせいよっ!言っとくけど相手がアンタじゃなかったらここまで感じたりなんか……あっ、ひゃうっ!ひあっ!!」
 実際、自分で慰めたときやポムニットにされたときもここまで大きくは感じたりはしなかった。
 肉豆を指でつんつんされただけでまた喘いでしまう。秘部は早くもにじみ出た愛蜜でドロドロになっている。
 それもこれも相手がライだから。想いをよせる異性にされているからこそであった。

「……ぐすっ……う〜〜〜」
 秘所を愛液で、瞳を涙で濡らしながらリシェルは低くうなる。
「なんか……不公平……」
 拗ねた顔で口を尖らせる。こちらは羞恥に耐えながらされるがまま。なんだか少し面白くなかった。
「ああ、もう!選手交代っ!今度はあたしの方からいくんだから!」
「ちょっ、お前……何を……って!」
 すると、今度はリシェルの方が攻め手に回る。リシェル同様に剥き出しのままの姿のライ。
 そんなライの一部分をリシェルはその手にとらえる。ビクン。脈動を手の中に感じる。
「これって……こんな感じなんだ。なんか妙に弾力があって……うわっ、今ビクンっていった」
「おい!マジマジ見つめんなよ。つうか離せ!!」
 突然、自身を握られて慌てふためくライ。が、リシェルはライのそれを離そうとはしない。
「いいじゃない。アンタだってあたしのを散々、ジロジロと見たくせにっ!」
「うっ……」
 そう言われると何も反論できない。恥ずかしいのはお互い様。だから今度は自分の番。そういうことでライも納得せざるをえない。
「……やっぱこうすると気持ちいいのかな」
 軽く手先で擦ってみる。妙になま温かかった。ぐにぐにと弾力のある海綿。指先で圧力を加えながら弄ってみる。
「うっ……止めろよ……あんま弄くるな……」
「だからそっちが先にしたんじゃない。あたしも我慢したんだからアンタも我慢しなさいよ!」
 こうなるともう我慢するしかなかった。しかし自分のあそこを他人の手に委ねる。なんだか凄いことを自分達はしてるんだなとライは改めて実感する。
(しかしこのシチュエーション……)
 湧き上がる既視感。あれはそう。風呂場で気を失ってからリシェルの部屋で目が覚めるまでに見た夢の話か。
(正夢ってやつか?となると今度は……)
 さすがにそこまではないだろうとたかをくくっていたら甘かった。はむっ。リシェルの唇がライの先端を優しく挟み込む。
「ぬわはぁぁぁぁああっ!!何をぉぉぉぉおお!」
「んっ……だってアンタ……気持ちよさそうにしてたじゃない……お風呂場でポムニットにこうされて……」
 アレを見られていたのか。気づかなかった。なんだか泣けてくる。一方的に淫魔に貪られる姿をリシェルに見られていたと思うと。
「あんなの見せられて……なんか悔しかった……だから……んっ」
 そう言ってリシェルは再びライのモノを口に含む。柔らかい唇。それがライの亀頭を優しくあま噛みする。
 ちろちろと。リシェルの舌が先端をつつく。茎の部分は手で優しくさすられて、夢に見たものと同じ光景にライはたじろぐ。
(やべぇ……なんかすげぇ興奮してきた……)
 血が巡りすぎて卒倒してしまいそうだ。所詮は見様見真似なのでその技術自体はつたない。
 けれどリシェルに、大好きな女の子にこうして口で奉仕されているという事実。それだけでライの気持ちは、はち切れそうになる。
「んっ……ぬむっ…っは……んぶっ……はぁ……」
 はち切れそうになっているのは気持ちだけではない。口淫を受ける海綿もまたはち切れそうに膨張していた。
 このままリシェルの口の中にぶちまけたい。そんな誘惑にかられてしまう。
「なあ、リシェル。オレ……そろそろ……」
「んっ……ふむっ……んちゅ……んじゅぷ……」
 声をかけようとするがモノをしゃぶるので必死なリシェルには届かない。負けたくない。そんな気持ちがリシェルの心のどこかにはあった。
 ライのことが大好きな気持ち。それに関しては誰にも負けたくないという強い気持ちが。
「んっ……っは……んぐぷっ!んぐぅ!!……がはっ……げほっ……」
 暴発は突然に訪れる。先走った液汁が勢いよく飛び出しリシェルの喉を突く。おもわず噎せ返り口を離す。
「だから無茶すんなって………っておい!」
 するとリシェルは自分が零した液を舌ですくって口に含む。そしてゴクンと飲み込む。喉奥で感じる苦味にたえながら。
「苦いぃ……なにこれ不味ぅ……」
「飲むなよ!そんなもん!身体壊すぞ」
「だって……負けたくなかったから……」
 そんないじましいことを言ってくれるリシェルをライはいっそう愛しく思った。ポンとリシェルの頭に手を置く。
「オレはお前に負けたよ」
 本当に心の底からそう思い、ライは言った。


つづく

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