失敗せし慰み



「ん…ふぁ…」
手の休む様子が見られず、形が歪む。
膨らんだ双丘は抵抗の意を示すことすらせず単純に手つきに従うのみ。
指一つ一つが脳の命令とともに動き、撫でて動き続ける。
こんな時間がどれだけ続いたのだろうか、太陽の光はもうすぐ全ての街を輝かせる。
どこか眠そうな目つきをしたままのハヤトは理性を崩したまま胸を揉みしだきつづける。
「は、はやと…そんな、胸だけじゃ・・」
もどかしい、感情が先走り、意識する前にそんな欲求をクラレットは声にしてしまう。
だが決してハヤトはやめる気配を現さなかった、むしろ顔に笑みさえ浮かべ、よりこねまわしはじめる。
「少し落ち着けよ、これからもっとよくなるんだからさ」
「んぅ・・・ふ・・・これ、から・・・?」
「だから落ち着けって」
そこで、彼女にも気付かれないように、手つきに徐々に力を加えてゆく。
そう何度も飽きることもなく揉み続けるのも所謂男性の性的欲求だが、ハヤトには何か意図があるようにしか見えなかった。
「落ち着け」といわれてもこれが落ち着けるわけがないのだ、
意図のありそうな行為に、自分そのものの肉欲の我慢できない部分、特にそれが秘所に証明されていた。

まだかまだかと思っていると、とうとう望みの波が襲い掛かってきた。
「ひゃぅぅぅぅぅ!?は、はひゃとっ!?」
一気に甲高い声が部屋に響く、
今の声で他の面々が起きてきてしまうのではないかというくらいに大きな声で。
声を上げた理由は一つ、ハヤトの指先にあるものが原因であった。
ハヤトの指先にあったものは、丘に立ち上がっている先端部分、つまり乳首だ。
大きな波が襲い掛かり、それがあっという間に彼女の体に流れ込む。
声の呂律すら上手くいかず、一気に声を上げたそれは当然ハヤトに信号を送るのだった。
「っと…いっちゃった?…なんて聞くもんじゃないわな」
ちょっと子悪魔的にそう呟くと、穏やかな手つきが一点、次第に激しい攻めへと交換する。
「じゃ、もうちょっと苛めてやるよ」
再び子悪魔な笑みを浮かべる、無邪気なその表情が理性をより崩させてしまったということを理解できる。
今度はもどかしさというものすらクラレットに感じさせないくらいに激しい攻めだった。
胸を揉みしだくだけではなく、一定ごとに揉みしだきから先端をいじり、また時間が経てば再び胸を揉むなど、ローテンション。
たったそれだけなのに繰り返されれば繰り返されるほどに頭は真っ白になってしまう。
「は、はやとぉ・・!そんなに・・・あぁ!」
何とかこの波の間を抜けて何かを講義しようとするが、声すらあげる前に新たに波が来てそれを静止してしまう。
喘ぎ声だけを上げさせる為に行う激しい行為は勢いを止めずにローテーションを延々と繰り返す。
そう、一つの花火を上げさせるまで、それは延々と続くことであろう。
白い花火が上がる瞬間、それは先の行為への一つの通路になるのである。
「―――あっ?」
一瞬、疑問符を持ったクラレットの声が漏れる。
胸を苛めているハヤトにも当然その声は聞こえたようで、頭を彼女の瞳に向ける。
当然、その間も揉みしだく手つきは一切止めることはなかったが。
「どうかした?」
「何か…出てきているような…んぅ…そ、そんな感じが…」
「あぁ、それか…」
そんな訴えに小悪魔な笑みがますます深くなる、それはまるで待ってましたといわんばかりに。

「出しているんだよ、クラレットから乳をさ」
こんな時くらい、言葉をもっと考えてくれたらいいのに、とも言いたかったがそんなこともいえるわけがない。
そしてそんなハヤトの言葉に一気に彼女の顔が紅潮してゆく、
乳が出てきている、つまり母乳が出てきていることなのだ。
「乳が出るくらいなんて…クラレットも結構胸弱いんだな」
「そ・・・そこまでしたのは・・・ひゃぁ!?」
「だーめ、口答えは禁止」
何気にハヤトの苛め的な口調に口論しようにもそうすれば乳首をねじられ、波が襲ってきてくる。
搾乳、何気無い胸への攻撃がそこまでのものになったということは感じているということを認めざるを得ない。
「落ち着いて、気持ちよくなってるんだから嫌がることもないだろ?」
「で、でもぉ…ぁ」
晒されている胸に、ぬるぬるとした感触を既に覚えているハヤトに言わせて貰えば濡れた彼女の乳房は更に魅力的に見えるのだった。
今まで揉みしだいたものとは別のものにむしゃぶりついているような感覚を思い出させる。
その濡れた感覚が楽しくて楽しくて、もっと濡らしてやりたくて、
一気に強く揉みだした
「ひゃ!?は、ハヤト!?あぁぁぁぁ!」
強く揉まれた瞬間、先端から白い液体が一気に噴出した。

「景気よく出しちゃったな」
「…誰のせいなんですか」
濡れた肌が互いに向き合った状態、先の搾乳からそれほど時間がかかってはいない。
実際、未だに彼女の体には快楽が流れ込んでいて、当分はこの感覚が落ち着く様子もない。
拗ねた口調にしているが、本来は「よかった」とでも思っていることだろう、そこ、ツンデレとか言わない。
「悪い悪い、だってクラレットがあんなになるの久々だったし…」
「は、はやと…!それは…!」
久々、実際これが始めてというわけではないのだ、
まぁ出会ってから何年も経つ、しかも恋愛対象として互いに意識したのもそこまで短くはない。
…単刀直入に二人はこれ以前にも交わっていたということだ。
まぁこれがはじめてだったらハヤトもそう簡単に理性を崩すわけが無い。
「まぁ…とりあえず、そろそろ行くぞ?」
今までおどけていた彼の顔が突然真剣な、そして穏やかにも見える顔にもどる。
此処から先も同じ性行為だが、もっと激しくなるのかもしれないのだから。
さっきまで散々苛めてきたくせに、こんなときだけは男性らしい。
そんなハヤトの声に体が自然と蕩けていき、そして何よりも体が欲求を不満にしていた。
拗ねた態度のまま、赤らめた顔を横にし、そして
「…はい」
どこか艶かしい声で、その言葉を受け入れた。

返事に笑みを浮かべると、彼女の顔が真正面になるように彼女の上に取れると、最初の時のように唇を重ねる。
本日二回目の口付け、最初は胸を揉まれた感触で感じることも出来なかった唇が今此処で感じられる。
「ん…」
声が漏れて、その快感をじっくりと味わう。
激しい波と緩やかな波は互いに違うもので、それが快感をより引き立たせるのである。
優しく重なった唇はそのまま徐々に深くなってゆき、その快楽に互いに楽しんでいた。
舌が重なり、口内を互いに犯しあう、それだけでも幸せという言葉が歌っているようにも見えた。
どっぷりと溶け込んだ後、ハヤトから唇を離す。
少々もったいなさそうだという表情が見えたがこれからのことを考えれば少々我慢するだけだ。
口付けによって完成された銀色の橋を軽く絡め取ると、ハヤトの手は乳液で濡れた肌へと伸びてゆき、そっとなぞるようにし肌に重なる。
「ん…」
摩擦の少ない肌は、驚くくらいにするすると滑ってゆき、それが彼女へと注がれてゆく。
滑った手つきの上にさらに肌を抱きかかえると、そのまま彼女の唇で愛撫して、更にその感覚は蕩けてゆく。
「少し、耐えてくれよ」
少し警告の様な声が聞こえたかと思えば一気に波が襲い掛かってくる。
「ひゃう!?は、ハヤト!?」
耐えろ、といわれてもやはり慣れないものはなれないのである。
緩急をつけて秘所をなぞられる、ゆっくり引き抜いたと思えば今度は激しく入れたり、波がばらばらに再び襲ってくる。
そんな波の違いに頭が真っ白になってしまう、最初の違和感の強さがあまりにも大きすぎて。
「ん…ふぁ…」
「…っ」
いよいよ我慢できなくなってきたハヤト、
攻めすぎていていつでも出来たのかもしれないが、さすがにこれ以上は限界というものだ。
秘所から指を取り出すと、指は白い液体に染められていた。
ちょっとだけ額に口付けをすると、今日何度目になるであろうか、笑みを浮かべて。
「もう、いいかな?」
笑っている先のハヤトの欲望は、もう限界というごとくぷるぷると震えていたのだ。
ちょっと苦笑いにもなっている、それが確かな事実である。
クラレットはというと…
「はい…ハヤト…来てください…」
秘所の愛液が先以上に零れておりこちらも同じように我慢が成らないようである。
その反応を見て、ハヤトはその欲望を一気に彼女の膣に突き出した。
「ひあぁぁぁぁ!!!」
悲鳴ともなる声が一気に響きだす、太い何かが彼女の膣内に一気に侵入したから。
当然痛みが先走る、貫いた肉棒は太く、それはとてもまだ完全に入りきれるものではなかったのだから。
けれど
「は、ヤト…」
どこからだろう、彼に房中術を与えて、彼の傷の痛みを癒すはずだったのにいつの間にかこんなことをしている。
彼が自分に欲情してめちゃくちゃにしてきたのだ、それはつまり自分に欲情してくれたということ。
そして今その時点で欲情の勢いがこれだ、
既に何度も体験したことがあるこの交わりが何だか特別に嬉しかった。
いつもこんな感覚なのだろうけど、毎回毎回それが何だか嬉しい。
何故?そんなのは分からなかった、ただ、今だけは――――
「クラレット…」
しばらく落ち着いていた彼の同行が変化し、腰を次第に振り始めていく。
抜き刺しを何度も何度も繰り返し、それが繰り返されていくことに彼女の甘い声が聞こえてくる。
「あ・・・あぁ・・・ああぁぁぁ・・・!」
痛みの間から快楽が、快楽の上から快楽が、そして最終的には絶頂へと突き進んでゆくだろう。
それが一瞬の幸福感を得るのだから。

「クラレット…クラレット…」
「は、はやとぉ・・!」

互いに絶頂はお互いの名前が重なった瞬間だった。

「んあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

幸せを数えたら 指が足りなくなっていた



翌朝の出来事、そして後日の出来事を語ろう。
「ハヤトお兄ちゃんー?早く起きないとリプレママ怒るよ〜?」
何の前触れも無く活発な声が部屋のドアから聞こえてくる、フィズだ。
反応のないことから堂々と部屋に侵入してくるであろう、昨日の様子を全く知らないのだから。
全く起きる気配を感じさせないことに、無理矢理起そうとでも考えたのだろう、
「こらー起きろーーー!!」
大声で叫んで堂々とドアを大きな音を鳴らして全開する、そしてその先には。

何一つ纏っていない男女の姿

「〜!?し、失礼しましたぁ!?」
思いっきりドアを締めて、その部屋の前から立ち去ってゆく。
フィズもそれくらいの知識を持っていたわけである…まぁ一応は。

「ん…」
今の大声で先に目覚めたのはクラレットだった。
あの行為から数時間程度しか経っていない、目覚めるには少し早いかもしれないがまぁいいだろう。
少しだけ、起き上がると隣にはやたらと疲れ果てているハヤトが本当に熟睡していた。
「…ハヤト…」
そして昨日の怪我の様子を再度確認して違和感を感じる。
「・・・?」
怪我が一行に治っている気配が無かった、セイロンの教えが間違っていたのだろうか、それとも…?
まぁ今は満足感に浸っていよう、彼が目覚めるその時間まではともに交われたことを…

だがこのとき、クラレットは房中術の最も忘れてはならないことを忘れていたのだ。




後日譚がある。

トレイユの街、そこに女性の影があった。
「お〜いそこの龍人さ〜ん…」
「む…?」
龍人といえば自分、自分といえば龍人、そんな自覚を持っているセイロンに女性の声が響き渡る。
声のほうを振り向けばそこにいたのはいつぞやの泥棒さん、いやくのいちさんアカネである。
「おぉ、そなたはいつぞやのくのいちではないか…で、我に何か用か?」
「うん…それもす〜〜〜〜っごい大事な話…」
「ほう…?」
セイロンに大事な話、といえば龍姫の話。他に何がある。
と思えばそれとはまったく別の話のようである。

「ギアンと戦った後、いろいろと一悶着あったじゃん…そのときアンタ、クラレットと話してたよね?」
「クラレット…?誰だその者は」
名前を聞くことを忘れたのかそれとも本当に忘れたのかは分からない。
まぁそんなことは今のアカネには全く関係ないのであるが、それよりもっと重要な話があるのだ。
「まぁ誰かわからないなら兎も角…その時さ、誰かに房中術なんて教えなかった?」
セイロン、一瞬だけその話を聞いて何があったかをじわじわと思い出してゆく、
そして
「おぉ、あの女子か!結界を張ったものへの治療としてその技を我が自ら教えてやったぞ?」
「…」


「犯人はお前かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
突如ぶちぎれたアカネがそこにいた、刀を手にして一気にセイロンに切りかかる。
かろうじてその一撃をセイロンはかわしたとはいえ、何が何だか分からない。
「ぬ!?貴様何をする!?」
「だまれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!あんたのせいであたしは濡れ衣を着せられたんだぞぉぉぉぉぉ!!!」


そこでハヤトとクラレットが交わった日の出来事である。


「アカネさん、少しいいですか?」
「ん?どうかしました?お師匠」
シオンの表情を見るに何かあったのだろう、くのいちならそれはすぐわかる。
だが…自分は戻ってきてから何一つ不手際を起こした事は無いはずである。
「先ほど、クラレットさんに精力の回復を助ける薬をお渡ししました」
「精力って…房中術の失敗の時のじゃ?」

「えぇ、その通りです…房中術は性行為の際に男性の精を膣に注入してしまった場合、
 女性に全ての与えた気の力を男性自身が持っていた気ごと持ち運んでしまい、
 性行為の後、極限にまで疲労状態に陥ってしまう状態ですね。
 これが失敗の房中術の一つ、ハヤトさんがかかっていた症状です。
 先ほどクラレットさんにその薬をお渡ししたのですが…」

シオンの顔は変わらない、しかしその後に恐怖が待っていることはすぐに理解できた。
「普通、房中術はシルターンの秘術、あまり知られていないはずです…どうしてクラレットさんが知っていたのでしょう?」
「へ?そんなの誰かに聞いたんじゃ…ってお師匠まさか・・・」
「さてアカネさん、売ってきて欲しいお薬があるのですが…」
そこに見えるは大量の薬の山、それは売ってくるまで帰ってくるなというお仕置きの合図。
「ち、違うってお師匠!?教えたのはあたしじゃないってば!?」
「では、誰が教えたのでしょうか?カイナさんもカザミネさんもいないというのに?」
「そ、それは…帝國の方にいるはずだから…」
「証拠になりませんね」
「お、お師匠ーーーーーー!!!!!!」

515 名前:失敗せし慰み[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 01:18:06 ID:U+zBG6Ef
「アンタが教えてなければあたしは変なことで押しおき受けなかったんだぁぁァ!!!」
「八つ当たりというものか!くのいちが情けないぞ!その根性たたきなおしてくれる!」
セイロンもただでやられるつもりなど毛頭ない、構えを作るとそのままアカネに対抗する。
「我が女子に負けるとでもおもうたか!さぁ我に向かって『あびば』と叫べ!」
「さけぶかそんなもぅぅぅぅぅ!!いっぺん死んでこいぃぃぃぃぃぃ!!!!」
トレイユの街で何かと物騒な騒ぎ声が聞こえている、
それはまた後ほどシオンの耳に届くということは言うまでも無い…

ちなみにこの二人を知っているあるちっちゃな店主がこの騒動をまとめてくれたらしい。
シオンはやってくるわ、あちこちは壊すわ…惨劇になった為に、



セイロンとアカネは貧しい生活を行うこととなる…


おわり

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