Happy time Refrain 1



「オーダー入りました。三彩コロッケが2つ、魚菜薬膳とミニ海賊ナベがそれぞれ1つ、それとデザートは完熟果実のプリンとオトコマエパフェをよろしくお願いします」
「はいよ。こっちは愛情ラーメン&至源のギョウザセット3つあがったぜ」
「はいはい。了解!あ、それと三番テーブルの方は春雷炒めとピリッとオムレツ追加だからよろしく!」
 ランチタイムの面影亭。そこはいつも通りの戦場であった。次から次へと足を運んでくる客の数々。
 制服姿のリシェルが接客にフロアーを駆け回り、接客と厨房の仕事をポムニットは同時にこなす。
 手伝いの二人が忙しく働く中で、ライもまた延々と鍋を振るい包丁をはしらせる。
「ほら。春雷炒めとピリッとオムレツあがり!それと至源のギョウザはもうオーダーストップな!」
「かしこまりました!あ、おじょうさま!二番テーブルの方が空きましたのでセットの方をお願いします」
「はいはい。分かった。分かった。あと五番テーブル、コーヒー3つすぐにお願いね」
 忙しく働けども中々には片付いてくれぬ客の列。面影亭の食堂は今日も嬉しい悲鳴をあげるのであった。



「「「つ……疲れたぁぁぁああ…………」」」
 激戦を終えて三者三様に残る疲労感。とりわけ今日はきつかった。近隣の大道都市で行われている縁日。
 その通り道にあるトレイユにも当然、旅行者は立ち寄る。縁日のついでかあるいはこちらがメインなのか。
 帝都でも噂の若き天才料理人の料理を一口味わおうという客が押し寄せてくるのである。
 嬉しいことではあるのだがそれを捌く人員不足はいかんせん。普段はそれぞれ交代で手伝いに来てくれるリシェルとポムニットが二人一緒に来てくれても相当にきつかった。三人そろって精魂尽き果てた態を晒す。
「でもありがとな。二人とも。おかげで今日は助かったよ」
「いえいえ。いいんですよこのぐらい。わたくし達とライさんの仲じゃありませんか」
「そうそう。それに元はと言えばウチのパパが人件費ケチってるのが原因なんだしね」
 一息をついて互いをねぎらいあう時間。忙しない一日の終わりにこうして今日も安堵する。
 ありふれた日常の連続。それが無事に続いていく幸福を噛締めながら。
「さて、本来ならわたくしとおじょうさまはそろそろお暇をさせて頂く時間なのですが……」
 時計を見やりながらポムニットは言う。時刻は既に夜。屋敷の門限はとっくに過ぎている。
「そういうわけですのでライさん。今晩はお願いできますでしょうか?」
「あ、ああ。それは別に構わねえけど……」
 用は泊めて欲しいということだ。そのこと自体はライに異存はないのだがせまる問題が一つ。
 つまりは若い男の家に跡取り娘とそのメイドが無断で外泊するということ。
「ご安心くださいまし。わたくしもおじょうさまもちゃんと旦那様の了解はとっておりますから」
「そうか。それならいいんだ」
 それを察してポムニットは先手を取ってライに言う。するとライも安堵する。
「うふふふふ。よかったですねえ。おじょうさま♪」
「な、何よ!あ、あたしは別に……」
「はいはい。いい子ですからもっと素直になってくだしましね。おじょうさま」
「だぁぁああ!もう、いちいちうっさい!ヒトを茶化すなっての!」
 あたふたと照れ隠すリシェルにそれをあやすポムニット。これまたいつも通りの主従のやり取り。
 目を細め息を吐きながらライはそれを見やる。本当にいつも通りだと胸の中でひとりごちながら。
 そんな主従のじゃれ合いがしばらく続いた後、切り替えるようにポムニットはポンと手をうつ。
「さて、それはさておきなんだか汗臭くなっちゃいましたね。おじょうさま」
「……白々しいわよ……ポムニット……」
 ジト目でリシェルは睨む。続く展開に予想がついて。
「いけませんよぉ。ブロンクス家のご令嬢とそのメイドたるもの。清潔は常に心がけませんと……」
「だーかーらーっ!魂胆見え見えだって言ってるんだっての!このアホメイドっ!」
 そう言ってリシェルは噛み付いてくる。ポムニットはそれを難なくいなす。ジタバタともがくリシェル。
 力任せに押さえつけながらポムニットは微笑んでライに言う。
「ライさん。お風呂貸してくだしましね♪それとよろしければライさんもご一緒にどうぞ♪」
 なんともにっこりさわやかなデビールスマイル。それを断る術などライにはある筈もなく。
(結局、こうなるんだよな……)
 諦め半分で溜息を吐く。とことん頭が上がらない。そんな自分達の立場の弱さに落胆しつつ。
「うふふふ。でも、期待していなかったわけじゃありませんよね。ライさん♪」
「ぐっ……」
 そうして図星をさされてぐうの音も出なくなるライ。かくして今日も悪魔メイドの主導の下、晩餐は行われるのである。

「コラぁっ!離せっ!離しなさいってば!」
「ダメですよ。おじょうさま。お風呂場であんまりジタバタしては」
 面影亭の浴場。ブロンクス邸のそれとは比べるべくもないが仮にも一応は宿泊施設。
 複数の客が同時に利用できる程度のスペースは十分にある。そこで羽交い絞めにされるはリシェル。
 ポムニットに剥かれて素っ裸の身体をそこに晒す。それを押さえつけるポムニットも当然、全裸である。
 湯気に向こうは丸裸のお嬢とメイドの待つ官能の世界。そこへ足を踏み入れるには少しばかりの勇気が必要。
「ライさ〜ん。そんなところで立ち尽くしていないで早く入ってきてくださいまし〜」
「っ!?」
 どうしたものかと入り口で立ち往生するライをポムニットは手招きする。ライは何度も息を吐く。
(まあ、しょうがねえよな……)
 ライは観念を決める。自身の欲求に素直に従うことに。タオルだけを腰に巻きつけ浴場に足を運ぶ。
「うふふふふ。ライさん。いらっしゃいませ〜」
「うぅぅ〜〜〜」
 迎えるのは例のごとくニッコリ顔のポムニットと涙目のリシェルだった。いつぞやのお泊り会の時と同じシチュエーション。舞台がブロンクス邸からこちらに移っただけで後は大差ない。
「さあ、おじょうさま。今日はライさんに身体の隅々までキレイキレイにしてもらいましょうね♪」
「ああ、もう!うっさい!こらっ!そこっ!そんなにジロジロこっちを見るなぁっ!鼻スピスピ禁止っ!」
 そんな予想通りの出迎えにライは思わず微笑ましくなる。リシェルに配慮して視線だけは伏せたまま近づく。
 浴槽脇の二人の傍に寄ったところでポムニットが石鹸とスポンジを渡す。
「これを使って洗ってあげてくださいましね」
 何を?と聞き返す野暮はしなかった。当然、涙いっぱいの目で愛らしくも睨みつけてくるこのウサギ娘をだろう。
 手に取るスポンジ。苦笑する。頼むから睨むな。後が怖い。けれど現金なものだ。ワクワクしている自分がいる。
 それを認めながらライはスポンジを泡立てる。ヤベエ。すげぇおぎおぎしてきた。
「鼻の下伸びてるわよっ!このドスケベっ!」
 案の定、突っ込まれた。けれど仕方ないのだ。これが男の本能というものなのだから。
(ほんとどうしようもないな……オレ……)
 自分のどうしようもなさを自嘲しながらライは息を吐く。けれどリシェルに軽く微笑みかけてライは言う。
「んじゃあ洗うぞ。いいよな。リシェル」
「…………好きに……しなさいよ……」
 赤く染めた頬でぶつくさと呟くリシェル。いつも通りの照れ隠しぶりだった。背後のポムニットはニヤけている。
 泡立つスポンジを手にライはリシェルの前に立つ。まずは何処からはじめたものか。
(まずは無難なとこから……)
 まず最初は腋の辺りだった。ポムニットによってバンザイの姿勢をとらされたリシェルの腋をスポンジで擦る。
「んっ……んふっ……」
 泡立つ石鹸を念入りに擦り付けるようにゴシゴシと。くすぐったそうにリシェルは呻く。
「んぅぅ……ん〜〜……ん〜〜〜」
 続いて首筋から肩にかけてを丁寧に擦る。喉元を洗われて小動物のように撫で声をあげるリシェル。
 子ウサギの丸洗い。例えるならばそんな感じ。こうしてスポンジを擦り付けるごとに小さく震えるその仕草がなんとも愛らしい。
(しかし……これはなかなか……)
 そそられるものがあった。だがここまではまだ序の口。これからが本番。
「ふぁ……やっ……ちょっ…とぉ……」
 ふよん。柔らかな感触がスポンジ越しにも伝わってきた。胸元。控えめな二つの膨らみがそびえる部位。
 泡立つスポンジでそれに触れる。ドクン。心臓がざわめき立つ。間違いなく興奮している。
(そろそろ……ヤバくなってきた……)
 ばくつく心臓の音とともに熱気が頭に上ってくるのをライは感じた。リシェルの肌。触れている。
 この手でワシワシと揉み洗いしている。一度、意識しだすと興奮を抑えられない。
「ふぁ……あぁ……んっ……」
 ふにふにと胸元をなぞる度に耳に入る甘い喘ぎ。白い靄が脳内にかかる。リシェルの身体を洗う。
 そんな当初の目的からはライの手つきは逸脱する。石鹸の泡を擦り付けると同時に揉みこむ。
 控えめでいてそれでかつ手触りの良い乳肉の感触を確かめる。ぷにっと指で押す。柔らかい。
 揉みほぐすように擦る。いい心地だ。思えば最近、微妙にではあるが肉づきがよくなってきた。
 手のひらサイズのほのかな感触。その微細な変化が手に取るようにわかる。
「ひぁっ……ひゃぁぁ……」
 コリッ。硬い感触。これは乳首だ。指先で摘むように洗う。クニクニ。弄っている。するとリシェルは喘ぐ。
(ヤバすぎだ……ヤバすぎだぞ……オレ……)
 自重すべきとは理性ではわかる。けれど手は止められない。ただ朦朧とその手で愛撫を続ける。
 病み付きになりそうな感覚。魔性の快楽にまた一つ目覚めていく自身。ライは戦慄する。
「ライさん。そろそろ別のところも洗ってあげてくださいまし」
「あ、ああ」
 そんな折にかかるポムニットの声がライの意識を少しだけ引き戻す。赤面しながら我に返るライ。
(ヤベぇ……マジでヤベぇ……)
 胸はとりあえずもう十分だ。次の部分に視線を落とす。腹部。リシェルが常日頃から露出させている部分。
 普段なら特に気にしない。だが今ばかりは勝手が違う。
「……………………」
 湯気の熱気にあてられたのか、普段は意識しない部分さえも気になってしまう。愛らしいお臍。
 ついつい指を突っ込んでクリクリ弄りたくなる。そこから下の下腹部。思わず何度も擦る。
 この辺にリシェルの子宮がある。新しい命を育み、ライの存在を受け止めてくれる尊い部分。
 その上に今、この手で触れている。そう思うと脳髄が煙をプスプスたてる。焼け付いていく思考回路。
 医者の触診のような腹撫ぜ。つい繰り返していた。透けて見えるようだ。内側の世界が。
(ぐっ……うぐっ……もう駄目かもオレ……)
 自分の妄想に悶死しそうになる。懸命のおもいでなんとか踏みとどまる。だが次が最大の難所。
「ふぁぁ……はふっ……」
「ぐはっ!」
 ゆっくりと下腹部から手を下ろすとそこにあるのは禁断の花園だった。思わず噴出す。
 これ以上は危険だ。しきりに警告をライの脳は発する。息をすることさえも苦しかった。
 口を開けば大量の熱気がそこから噴出しそうだ。それほどまでに臨界点。
(落ち着け!落ち着くんだ!オレっ!!)
 理性と本能。その狭間で揺れ動くライ。チラリと見やる視線。するとそこには僅かな亜麻色の茂み。
 リシェルの髪と同じ色の。その薄っすらとした茂みから覗くのは薄桃色の肉の割れ目。
 もう何度もその目で拝んできた。その度にこの上ない感嘆と興奮、それと劣情を催させてくれた。
 この日もまた格別。震える手でライは触れる。艶やかなるリシェルの秘所に。
「ひあぁぁぁっ!!」
「っ!!」
 スポンジが軽く触れた瞬間、リシェルはひときわ大きな声をあげる。つられるようにライもビクッとする。
 寒々しいほどのゾクゾク感。背筋をはしる。たまらない。抑えきれぬ何かを感じる。
「あふっ……はふっ……」
 加えて漏れ出す吐息。その息の音さえ反則級だった。理性が狂う。狂化レベルはMAX。
 途方も無い力が沸き立ち暴発寸前であることを覚える。
「ふぁ……はふっ……はひっ……ひんっ!ひぅぅ……」
 気がつくと自分の意思とは別に手は動き出していた。石鹸たっぷりの濡れたスポンジ。丹念に擦っている。
 リシェルの秘肉をゴシゴシと念入りに。アルカリ性のぬるぬるをそれはもうたっぷりと塗りつける。
 その度に喘ぐリシェル。反則だ。いくらなんでも反則すぎるだろ。この声は。もう我慢できない。
 もう止まらない。ふいに指先が何かに触れる。クリトリス。摘みたい。そんな欲求に身体は驚くほどに素直。
「ひやぁぁぁぁぁああああああ!!!」
 くりり。肉豆を摘んだ瞬間、ひときわ甲高い嬌声が風呂場に上がる。陰核。性的に最も敏感な部分。
 それを刺激されてリシェルの身体はビクンと大きく仰け反る。
「ひやぁぁぁあ!駄目ぇぇ!らめぇぇっ!そこっ!ひやあぁぁぁああ!ひぁぁぁああああ!!」
 しかもそれだけでは済まされない。摘んだリシェルの肉豆をライは指の腹を使って何度も扱く。
 くにくに。くにくに。指先が遊ぶ。まるで絶好の玩具を見つけた子どものように。
「あひっ……はふっ……ふぁぁぁぁあ!ひゃひぃぃぃいい!!いぐっ!ひぐぅぅっ!」
 そしてぬちょぬちょと膣肉に石鹸のぬるぬるを擦りつける。ぬるぬる。いい滑りだ。それにもましてこの感度。
 狙ったポイントを弄る度に面白いように喘ぐ。恐ろしい。虜になってしまう。さながら廃人のように。
「あひやぁぁぁぁ!ふぁぁぁぁ!!はひぃいいい!ひぐっ!ひゃぐぅぅぅぅうう!!」
 完全に聞き惚れていた。リシェルの口から出る喘ぎに。完全にとり憑かれていた。リシェルを弄る行為に。
 ぬるぬるぬる。石鹸は満遍なく刷り込まれる。とろとろとろ。愛蜜はリシェルからも溢れ出す。
 愛のローション。それで秘部を潤すためのただの前戯。それだけなのに、いやそれだからこそ夢中になる。
「リシェル……リシェル……リシェルっ!」
 うわ言のように何度もその名を呟いていた。自分が今、弄っている少女。誰よりも愛しく夢中にさせる存在を。
「ふぁぁ……あぐっ……あふっ……ライぃぃ……」
 弄られながら愛しくリシェルも見つめる。その手で自分を愛してくれている者の顔を。こみ上げる愛しさ。
 それが性的な興奮をいっそうに昂ぶらせる。高まっていく衝動。その頂はもう間近。
「ひあぁぁぁぁあああああ!あひぁぁぁぁあああんっ!!!」
 そうして迎えるオルガズムにリシェルは盛大に愛液を噴出させるのだった。



「はぁ……はぁ……はぁ……ふぅ……」
 息が荒らいでいた。収まりようのない動悸。ただの前戯。それだけでも没頭してしまうと恐ろしい。
 身を包む熱気。確かに上昇している体温。身体中の紅潮が分かる。手に取るように。
「……ひっ……はひ……はふ……ひふ……」
 目を向ける。愛蜜に塗れた秘肉を晒して果てているリシェルに。例の如く蜜に和えられたウサギ娘は無防備なその姿をさらけ出す。ケダモノにとっては格好の獲物だ。前戯だけでもこれほどなのだ。
 ましてメインともなれば、ゴクリ。唾を飲み下す。呆然と、ただとり憑かれたようにその傍に。
「ダメですよ。ライさん」
「っ!?」
 ぎゅむ。するとなにかがライの一部を掴んで抑止する。驚き見やる。それはポムニットの手だった。
 いつのまにかリシェルの背後から這いずり出てきたポムニットがその手でライのナニを掴んでいる。
「ポ、ポムニットさん……」
 咄嗟のことにライはようやく我にかえる。するとそこにあるのは窘めるようなメイドの視線。
 その視線に自覚させられる。先程までの自分のケダモノぶりを。
「わ、悪いっ!オ、オレ……ついっ!」
 調子に乗りすぎたというだけでは済まされない。元々ただリシェルの身体を洗うだけだったのにそれが激しい愛撫行為にすり替わっていた。その手でリシェルを弄ることに夢中になっていた。
 よりにもよって保護者であるこのメイドの目の前で。
(絶対、怒られるっ!っていうかシメられるっ!ああ、馬鹿っ!オレの馬鹿っ!!)
 後悔先に立たず。今さらのように自分の愚行を恥じ入る。けれどライの想像には反してポムニットはクスリと微笑みを見せながらライに語りかける。
「いえいえ。いいんです。おじょうさまも望んだことでしょうし」
 そう言ってチラリと視線をリシェルにやる。愛撫にイかされて果てているリシェル。
 その表情のなんとも幸せそうなことか。愛しい人に愛されたまどろみに包まれて。
「クスクスクス。本当にお幸せそうですねぇ」
「………………」
 クスクス笑いを浮かべるポムニット。ライは何も言えずに顔を俯かせた。
「うふふふふ。さて、それはそうとライさん。ダメですよ。きちんと準備をする前にされるのは」
「じゅ、準備って……」
 視線を戻すとまた窘めるような目つきでポムニットは言ってくる。準備。まあだいたい想像はつく。
 っていうかもう始めてらっしゃいますね。メイドさん。御手手がさすさす気持ちいいんですけど。
「うふ……ライさんのこれにはおじょうさまの奥まで洗って貰うんですから……ちゃんと清潔にしませんと……」
 にゅるにゅるにゅる。滑る石鹸液をその手でポムニットは肉竿に塗りつけてくる。本番前の下拵え。
 今度はライの方がされる番。

「うっ……くっ……ポムニット……さん……」
「ダメですよ。じっとしていてくださいましね。ライさんのここ……ピカピカにしちゃますから」
 そう言ってポムニットは丹念に手で擦り付ける。肉茎の根元から先端まで。アルカリ性の滑りを刷り込む。
 ゴシゴシ。泡立てていた。石鹸の泡。それでもって包まれながら手扱きされるライのペニス。
 ピクッ。ピクッ。敏感に震える。リシェルへの愛撫の時点で海綿体は既に昂ぶり硬直化していた。
 滲み出ているカウパー液。粘り気のある汁が先端をベトベトに濡らしている。そこにピチャリ。
 桃色の舌肉が鈴口をなぞる。
「うあっ……あくっ……」
 亀頭をなぞる刺激にライは呻く。ピクリと反応する肉竿。それを握ったままポムニットは舌を這わす。
 チロチロと鈴口から滲み出る汁を舌ですくい取るように。それと同時に手で玉と竿を優しくさする。
 くにくに。石鹸まみれの手がライの陰茎を揉みほぐす。ピクピクと震えるライ自身。それを舌先でつつく。
「んっ……んちゅ……はむはむ……ライさん……どほ……れすか?」
 そうして口で奉仕を続けながら上目遣いで見つめてくる。その視線が快楽に悶えるライをいっそう刺激する。
 蕩けるようなフェラチオだった。その技術はやはり巧み。カリ首に溜まった恥垢もキレイに舐め落とされる。
 同時にぬるぬると揉み洗いされる肉竿。性感のポイントを指で的確に刺激してくる。転がされる精嚢。
 性腺が活発に刺激されていく。ビクンビクン。肉茎は情念とともに熱く蠢く。
「はむっ……すごひ……れふ……ライさんの……すごひ……食べ応え……れふ……」
「くあぅぅ……ポムニット……さん……うぁ……」
 気がつくとライの一部はポムニットによって食べられていた。先端部は丸ごと咥えられている。
 舌先でなぞりながら柔らかな唇が亀頭を扱く。根元付近も泡塗れの手でもって丹念に揉み洗いされている。
 膨らんでは弾ける石鹸の泡のように、ライの意識も弾けゆく。真っ白になる。
(ダメだ……もう……我慢できねぇ……)
 堪え続けた射精感。しかしそれもそろそろ限界寸前だった。このまま解き放つ。白い情念の迸りを。
 ポムニットの口の中へと。そうしたい欲求と堪えきりたいという気持ち。それが折れる寸前の際で。
「くっ……うぅ……ぐあっ……うっ……ぐぅ……」
 はち切れ掛けた栓は強制的に締められた。肉竿の中腹辺りを戒めるポムニットの指。射精封じ。
 行き場をなくした情念の逆流がライを苦しめる。
「ダメですよ。ライさん。出されるのでしたらわたくしにではなくて……」
 そう言ってポムニットは視線で促す。その視線の方にライも顔を向ける。
「リシェル……」
 そこにはリシェルが待ちわびていた。愛液で濡れほそる膣肉。それを疼かせながら少し拗ねた顔のリシェル。
 ライへの奉仕を見せ付けられて堪らなくなっていたのだろう。涙目でこちらを見つめながら小さく唸っている。
「さあ、ライさん。おじょうさまを満足させてあげてくださいましね」
「ああ……」
 優しく背を押すポムニットの声にライは頷く。準備は整った。自分もリシェルも万全の状態だ。
 一つに解け合う。最高の瞬間を今日も手にするのに。少し前屈みの姿勢でライはリシェルの傍による。



「……………………」
 リシェルは頬を少しだけぷくっと膨らませていた。先程の一方的な狼藉。それとポムニットにされていた姿。
 それらが相まって少々拗ね気味だ。苦笑する。これは言葉ではどうにもならない。
「…………んっ!?んむっ……」
 だから気持ちをダイレクトに伝える。唇に乗せて。軽く押し当てるキス。柔らかなリシェルの唇の感触。
 それを感じるとすぐに僅かに開いた唇の隙間に舌を滑り込ませる。口の中で舌肉同士は甘く絡む。
 どんな言葉よりも雄弁な接吻。甘く解け合う。触れ合った舌の先から。心と心が深く。
「ぷはっ……はっ……はぁ……はふ…………馬鹿ぁ……」
 唇を離すと赤く染まった頬でリシェルはそう小さく呟いた。軽く微笑みながらライは頷く。
 そしてそのまま視線であやしながら体位をとる。繋がり。最も尊い愛の示し方のために。
「いくぞ……リシェル……」
「うん……」
 石鹸の泡でヌルヌルに濡れた膣肉。そこにあてがわれる肉竿もまた十分な滑りで包まれていた。
 アルカリの粘膜に包まれた赤み肉。どちらも熱く疼いている。欲する。どうしようもなく互いを欲していた。
 滲み出る愛蜜。それは身だけでなく心までも滑らかにする潤滑油。それに塗れて触れあう肉同士。
 くにゅ。膣口に亀頭の先が僅かに埋没する。こうなると後はスムーズ。ぐっと腰を推し進める。
 にゅるり。驚くほど滑らかにリシェルの中に沈みゆくライ自身。
「くぁぁぁぁぁああああああっ!リシェルぅぅぅっ!!」
「ふぁぁぁぁぁああああああっ!ライぃぃぃっ!!」
 挿入と同時に頭の中で弾け出す擬音。その響きに脳を包まれながらライもリシェルも絶頂を迎えていた。
「くぁぁぁああっ!あくぅぅぅぅ!リシェルっ!リシェルっ!!リシェルぅぅ!!!」
「ふぁぁぁあぁっ!あぐふぅぅぅ!ライっ!ライっ!!ライぃぃぃいいいっ!!!」
 そのまま二人は互いに腰を振ってまぐわりあう。それはさながらケダモノのように熱く。そして激しく。



「あっ……はぁ……はふ……ライ…さん……おじょう…さま……」
 そしてそんな二人の交わりを見守るポムニットもまた火照っていた。抑えきれない情動。仕方なく自身で慰める。
「んっ……んふっ……あふっ……ライさんっ……おじょう…さまぁぁっ……」
 滑る指先で弄る秘芯。愛蜜の滲み出すポムニットの秘部。乳肉も揉みしだく。自分の手で。乳首もクニクニ弄る。
「あふっ…・・・ふぁっ……ライさんっ!おじょうさまぁぁっ!!」
 しかしどれだけ弄れどポムニットの身体と心の疼きは一向に止むことはなかった。ライとリシェル。
 ポムニットにとって最も愛しい二人の睦み合い。その喧騒に包まれながらポムニットの中の情念は、より一層の高まりとともにポムニットの心と身体を熱く焦がし続けるのであった。


(続く)

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