Happy date time 2



 見慣れた部屋だった。本棚に乱雑と並べられた召喚術の教本と恋愛小説。ベッドの上に鎮座する愛らしいぬいぐるみ。
 実に女の子らしい装いのその部屋。リシェルの部屋。久しぶりに足を踏み入れてライは息を吐く。
「あんまし変わってねえな。この部屋も」
 率直な感想を洩らす。あのときのままだった。前にこの部屋に足を踏み入れたときと。忘れられない思い出の日。
 リシェルと初めて結ばれたあの日の夜。
「ゆっくりしてきなさいよ。今日はパパ。遠くに行ってて帰ってこないし」
 そう言ってリシェルはクッションをライに差し出す。遠慮なくこしかけるライ。一息をつく。
 するとリシェルは身をよせる。
「おいおい……」
 リシェルはそのままもたれかかって来た。溜息を吐きながらライは素直に肩を貸す。触れあう肩先。
 接触した部分から伝わる温もり。悪くない。むしろ心地よい。
「うふっ……えへへっ♪」
 リシェルは微笑んでライの肩に頬ずりする。すりすり。すりすり。肩に伝わるリシェルのぷにっとした頬の感触。
 癒される。心も身体もほぐされていく。
「はっ…………」
 軽く吐き出す息とともに、ポンポンとライはリシェルの頭を撫でる。くせ毛気味な亜麻色の髪。ふわふわしていた。
 それに触れるライの心もふわふわする。そのまま空に浮かんでしまいそうだった。愛しさを浮力にして。そんな頃合。
「ねぇ……キスして……」
 ポソリ。ライの耳元でリシェルは呟く。するとライは顔を向けて即答する。
「目……閉じてろ……」
「うん……」
 言われるままにリシェルは目を閉じる。ゴクン。ライは唾を飲む。間近には自分のキスを待ちうけるリシェルの顔。
 トクン。胸がときめく。キス。大好きな女の子とのキス。思えばもう数え切れないくらいリシェルとキスしてきた。
 それでもときめいている。当たり前だ。ときめかないはずがない。だって今、目の前にいるのは自分にとって、この世で誰よりも大切な特別な女の子なのだから。ドキドキが止まらない。けれど、むしろそれを楽しんでいた。
 リシェルの顎の下に手を当てる。くいっと引く。上向きに傾く顔と突き出される唇。あとはこれに重ねるだけ。 
 ライも目を閉じる。そして自分の顔をリシェルに寄せて。
「んっ…………」
 チュッ。愛らしいその唇をライは自分ので塞ぐ。一瞬、リシェルは目を見開いた。けれどすぐに閉じた。
 感じたいから。飛びっきりの愛を唇で。


「んっ……ちゅ……」
 唇は優しく重なり合っていた。甘く解け合う接吻。口唇で感じ取る愛。それは乳飲み子の頃から備わる。
 最も初歩的な愛の感じ方だった。一途に吸いあう。母の乳房を一心で口で含む赤子のように。
「……ふっ……はふっ……ふぁ……」
 息継ぎに一旦口を離す。吐き出す息。互いの顔に吹きかかる。生暖かな感触。気づけばこんなにも近くだった。
 鼻先が触れ合うほどに。見つめあう。その頬は互いに愛しさの朱に染まる。
「んちゅ……んっ……んむっ……んぅ……」
 顔を寄せて再度、重ねあう。繋がる口腔。唾液の蜜に塗れた舌肉が絡み合う。ねっとりと濃厚なディープキス。
 触れあう舌と舌から特等の愛が染み出す。蕩けてしまいそうだった。この上なく甘い官能に骨の髄まで。
「ぷはっ……はふっ……あふぁ……」
 再度の息継ぎ。口元は唾液の糸に繋がれる。確かな絆を示す透明の糸。途切れぬうちに愛を交わす。
 何度も何度も貪るように。
「んぅ……んんっ……んっ……んぁっ……んむっ……んむちゅ……んん……」
 くちゅくちゅと音を立てて舌肉同士は何度も絡まる。ちゅく。ちゅく。ちゅく。唾液が口の中で混ざり合う。
 濡れた舌と舌が触れ合うことで生まれる悦び。心と心が解け合う極上の甘味。夢中になって楽しんだ。
 今、ここにあるのは一人と一人。何者も介在を許さぬ二人だけの世界。蕩けていた。繰り返しの接吻に唾液まみれの口内。
 構わずに続ける。互いの体液に塗れた量。それが増すごとに愛が深まる。濃厚に絡み合う舌肉が、鼻先に吹きかかる息が、ぴったりと密着しあう肌と肌が、そこから伝わるお互いの体温が、そんな何よりも尊い幸せを心に感じさせてくれる。
 骨の髄がトロトロに、脳の髄もトロトロに、そして心の髄までもトロトロに蕩けた頃合。ようやくに離される唇。
 その口元はお互いの唾液でベトベトになっていた。
「んっ……ぺろぺろ……」
 指先で拭う唾液。その指をしゃぶりながらリシェルは確かめる。自分とライ。二人が混ざり合った味を。
「ふっ……あはっ♪」 
 基本的に無味な筈の唾液。けれど確かに感じる。これが愛の味であるのだと。微笑むリシェル。
 ライはニヤニヤと見つめてくる。すると照れくさくなってリシェルは頬をぽっと赤く染める。
 けれどすぐにまた微笑む。
「えへっ♪」
 ギュッ ぺたりと食みつくリシェル。抱きしめながらライはその背を優しく撫ぜる。また伝わってきた。
 抱擁を介して肌の温もりが。温もりを介してお互いを間近に。愛しい人の存在。身体と身体で。心と心で。
 そんな掛け替えのない尊さの時間。
「ずっと一緒に……いっぱい幸せになろうね……あたし達……」
 囁く言葉。それは二人にとってはもう決まり文句。
「当たり前だろ……そんなの……」
 その受け答えもまた定番。何度でも繰り返す愛しさの反復。愛を確かめ、そして深め合うために。
「ライ……大好き……」
「オレもだ……リシェル……」
 飛び切りの糖度でもって互いの脳を甘く蕩かせながら、ライとリシェル。二人は今宵もその愛に磨きをかける


 

 
「はぁ……はふっ……あふっ……はぁ……」
 半脱ぎのブラウス。そのボタンを片方の手で外しながら、もう一方の手でライは弄る。隙間から覗く白地。
 レース模様のブラジャーの中に収められたリシェルの控えめな膨らみを。
「んっ……ふぁっ……あふっ……んっ……んぅ……」
 さわり。指先で乳房に触れるとリシェルは声を出す。ふにふに。心地の良い感触。手のひらサイズの膨らみ。
 大きさはそれ程でなくても十分に柔らかい。それに温かい。
「ふぁ……はぁ……はふっ……ふぁ……あはぁ……」
 パサリ。ボタンを全て外されたブラウスは脇に脱ぎ落とされる。一枚剥いだ。愛くるしい雌ウサギの皮を。
 更にもう一枚。後ろのホックを外す。脱げ落ちるレースのブラジャー。もぞもぞ。スカートも取り外す。
 一枚、一枚。ライの手で剥ぎ落とされていくリシェルの皮。同時進行で自身の皮もライは脱ぎ落とす。
 ややあって、剥き出しの雄と雌が一対そこにいた。愛らしい雌ウサギとそれを獲物に定めた雄狼。
 生まれたままの姿を曝け出しあって。
「んっ……ふぁぁっ!」
 ちゅく。狼の爪は雌ウサギの急所に突き立てられる。重ねられた中指と人差し指。するりと滑り込んでくちゅくちゅ。
 膣肉を慣らす。手馴れたものだった。狼は熟知していた。どこをどうすればこのウサギが悦ぶのかを。
「ふぁぁぁぁっ!はぅ………んひっ……ひぃ……ひふっ……んぅぅぅ……」
 ぬちゅ。ぬちゅ。間接を器用に動かして膣内を愛撫する。手に取るように分かる。リシェルの弱い部分。
 ときには激しく、ときには焦らすようにライは責める。とろとろ。滲み出る愛蜜。リシェルが感じてくれている証。
 可愛く喘ぐリシェル。透き通った響きがライの脳を貫通する。愛でている。感じさせている。悦ばせている。
 愛しいリシェルをこの指で。たまらなくなる。激しい興奮。すぴすぴ。鼻息が荒くなっているのが自分でも分かる。
「気持ちいいか?……リシェル……」
 昂ぶりゆく自身を感じながらライはそう尋ねる。リシェルはコクコクと頷いて見せた。可愛いヤツめ。
 さあ、もっと可愛い姿をオレに見せてくれ。ライの指先はリシェルの肉豆を摘む。
「ひあぁぁぁっ!はくっ……んくぅぅぅ……んひっ!」
 最も敏感な箇所を責められて、たちまち喘ぐリシェル。その喘ぎに聞き惚れながらライは更に弄る。
 こりこりこり。肉豆を指の腹で擦る。くにくに。勃起しかけた乳頭を摘みつぶす。響き渡るリシェルの喘ぎ声。
 もっと喘がせたい。一心不乱に愛撫を続ける。
「ふぁぁぁぁ……ぁぁぁぁぁ……ぁぅぁぁぁぁぁ……」
 涙目でリシェルはよがっていた。与えられる快感に脳は既に蕩けている。指先で愛でられる快楽。
 すっかりその虜にリシェルはなっていた。ねえ、もっと弄って。もっとあたしをよがらせて。心の中でねだる。
 それに応ずるかのように。くちゅくちゅ。ライは指でリシェルを愛してくれる。すごく気持ち良い。
 意識が飛んでしまいそう。愛されている。確かな実感がそこにある。
「ら…めぇ……あた…し……も…ぉ……」
 もうじき迎えるオルガズム。その訪れにリシェルは悶えていた。ピクピクと身体が反応しているのが分かる。
 涙目で喘ぎながらリシェルは訴える。するとライは微笑んで見せた。にっこりと優しいその微笑み。
 それがリシェルの意識をより高みに昇らせて。
「ひぁぁぁぁああああっ!!いくぅぅぅぅぅうう!いくぅぅぅぅううう!いっちゃうぅぅぅううううう!!!」
 そして盛大な歓声とともにリシェルは果てる。愛液をプシュッと噴出して。そのままぐたりとライにもたれかかる。

「大丈夫か?……リシェル……」
 もたれかかってくるリシェルをしっかりと受け止めてライは尋ねる。その答えはしばらく返ってこなかった。
 自分の肩にぴったりしがみ付いてはあはあと息を吐きかけるリシェル。抱きしめながらライはその背を撫ぜる。
 そのまま数拍の息継ぎ。その後に答えは意外な形で返ってきた。
「うぉっ……お、おい……」
 ギュム。握られる感触。大事な部分をリシェルに掴まれる。ライはギョッとなってリシェルと目をあわす。
 するとリシェルはクスリと悪戯っぽく微笑んでこう言った。
「えへっ♪……お返し……」
 そう言ってリシェルはぺろりと舌を出す。そのままさすさす。たおやかな手で竿を擦る。丹念に何度も扱く。
 そうしてムクムク。ライの一部は元気になる。それを愛しむようにリシェルは指先で愛でる。
 くにくに。亀頭の先。指先で弄ってやる。続いてカリ首。爪先をたててつつっとなぞる。たまらず呻くライ。
 そうすると今度はつんつん。鈴口の付近。指で突く。もにょるような快感がライにもたらされる。
 じわり。じわり。これはまるで蛇の生殺し。
「……ねえ、……して欲しい?」
 肉茎を愛撫しながらリシェルは上目遣いで聞いてくる。なんのことかはハッキリと分かる。アレのことだ。
 この二人の営みにおいてもはや定番となっているアレ。して欲しいに決まってる。ライは視線で切に訴える。
 リシェルは微笑む。微笑みながらその口元を肉竿に近づけて、そのまま。
「んっ……はむっ……」
「っ!?」
 パクリ。ライの一部はリシェルに食べられてしまう。ぷにぷにと柔らかいリシェルの唇。それがライの亀頭を挟む。
 はむはむ。唇での甘噛み。刺激される前立腺。フェラチオ。それはリシェルの十八番。
「んっ……んむちゅ……ぺろっ……んちゅんちゅ……ちゅむっ……んむっ……はふつ……」
「くぁっ……うっ……くぅ……うっ……くぅぅ……」
 続けて舌を這わせるリシェル。ぺろぺろ。ねっとりとした舌先がライのペニスを舐る。れろれろ。塗りこめる唾液。
 肉棒の根元から先をピカピカになるまで丹念に。背筋をはしる快感にライは喘ぐ。
「んぅっ……はぁっ……はむっ……んちゅ……んっ……ふぁみゅ……っは……」
 懸命に舌を動かしながらリシェルは手でもライを愛でる。ピクピク。反応する肉竿。指先でくにくに揉み扱く。
 するとビンビンに竿は膨れる。同時にコロコロ。精嚢を手の中で転がして精通を促す。ピクッ。ピクッ。
 硬直化していく海綿体。その感触がなんともたまらなかった。感じてくれている。興奮してくれている。
 自分の奉仕で。そのことがリシェルは嬉しくてたまらない。
「んっ……はむっ……ぺちゅ……じゅっ……ろほ?……気持ひ……いひ……?」
 フェラチオし続けながらまたも上目遣いでリシェルは聞いてくる。気持ちいいに決まってるだろうに。
 わざわざ聞くなよ。そんなこと。この顔を見ればわかるだろ。

「くふっ……あぁっ……あくっ……リシェル……リシェルぅぅ……」
 今度はライの方が涙目で喘がされる番だった。続くリシェルの奉仕。唾液まみれの舌がねっとりと気持ちいい。
 先端から滲み出る先走りの汁。それがリシェルの唾液と混ざり合う。ゾクッとする。チュッ。チュッ。
 ペニスに何度も落とされるリシェルのキス。リシェルの唇が、大好きな女の子の唇が自分のペニスに触れている。
 それを意識するだけで心がもうたまらなくなる。ぶちまけたい。この竿の中身を容赦なく。
「うぁぁ……リシェルっ……オレ……そろそろ……」
 限界を訴える。けれどリシェルの奉仕はなおも続く。ぺろぺろ。ぬちゅぬちゅ。さすさす。なんて気持ち良い。
 ビクンビクン。もう限界だ。我慢できない。ライはぶちまける。
「くぁぁぁぁぁぁっ!!リシェルぅぅぅっ!!」
「っ!?……んぐっ!!」
 びゅく、びゅく、びゅくぅ!飛び出す射精にリシェルは一瞬戸惑うが口を前後させて白濁を受け止める。
 びくっ、びゅくっ、びゅるっ!射精はしばらく続いた。リシェルの口内はライの精液まみれになる。
「んっ……んぐっ……んぐぅぅ……ぐぅ……ごくっ……んぐっ……」
 粘性の高いスペルマ。つまらせながら吐き出されたそれを胃に落とすリシェル。喉奥に感じる苦味。
 精液の味。とても不味い。けれどとても愛しい。それはライの味。
「んっ……じゅっ……じゅるじゅる……んちゅ……ちゅっ……」
 そうして尿道に残ったものもリシェルは啜りだす。ちゅるちゅる。吸い尽くされる感触。
「うっ……あぁ……リシェルぅぅ……」
 ライは歓喜していた。ほんの一滴まで愛でてくれるリシェルに。誰よりも自分を愛してくれるリシェル。
 その確信がある。たまらない。愛しさが胸から溢れ出す。
「リシェルっ!!」
「っ!?きゃあっ!んむぅぅ!」
 愛しさのあまりライはリシェルをベッドに押し倒す。そのままフェラチオを終えたばかりの唇を強引に奪う。
 自分の精液にまみれたリシェルの舌。それに自分の舌を絡ませる。感じる苦味。生臭いスメル。
 こんな不味いものをよく飲んでくれた。そして愛してくれた。ありがとうリシェル。ライの目に涙が滲む。
「ぷはっ……あふっ……あっ……リシェル……リシェルぅぅ……」
 潤んだ瞳。愛しくライはリシェルを見つめる。視線を介して混じり合う心。リシェルは微笑んで頷く。
 そしてライをあやすように囁く。
「いいよ……させたげる……あんたをあたしでいっぱい気持ちよくさせてあげる……だから……」
 そこで一呼吸おいてポソリ。リシェルは自分の願いを呟く。
「あんたもあたしを愛して……もうメチャクチャになるぐらいにいっぱい愛して……お願い……」
 プツリ。その言葉にライの理性の糸はぶちきれる。さあ、始まる。ケダモノの時間。いつもよりも大いに盛って。
「うぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!リシェルぅぅぅぅうううううう!!!」
「きゃああああ!!だからいきなり発情すんなって言ってんでしょうがっ!このケダモノぉぉおおお!!」
 部屋中に轟くいつもの始まりの合図。二人の営みは今日もこうしてその本番を迎える。




「ふぁっ……ふぁっ……ふぁぁぁ……あふっ……ふぁぁぁあっ!!」
 グチュッ。グチュッ。濡れ音を響かせながらリシェルの膣肉はライに捏ね回されていた。情欲に滾る肉根。
 ぐにゅりと飲み込まれるように膣口から入って奥までしっかりと届く。ぐにゅ。ぐにゅ。うねるような肉の絡みあい。
 突き入れるライの竿をリシェルの肉が包む。にゅるるる。粘膜にまみれた肉同士が激しく擦れる。奥にいけばいくほど。
 食い込む肉の締め付け。ぎちぎちと締めつける。ずんずんと突き動く。そしてぐにゅぐにゅ。胎内を掻き毟る。
「んあっ……はうっ!……ふくぁぁぁあああ……あぁっ……んくぅぅぅぅううう」
 身をかけぬける肉の悦びに喘ぎながらリシェルも腰を動かす。ライがもっと気持ちよくなれるように。
 そして自分も一緒に気持ちよくなれるように。積み重ねてきた逢瀬の中で身体で覚えたこと。
 こうすればもっと気持ちよくなれる。こうすればもっと気持ちよくしてあげられる。それはあまりに感覚的なこと。
 実際に交わりあうことで初めてわかった。そうして気づく。もっと、よりもっとライのことが大好きになっている自分に。
「はっ……ふっ……リシェル……リシェルっ……」
 それはライも同じだった。幾度となく抱いたリシェルの身体。その度に愛しさに溺れた。
 交わりを重ねるごとに技を上げるリシェル。それが自分を悦ばせるためなのだからもう感無量。
 肉襞の締め付けが、トロリとまみれる愛蜜の濡れた感触が、可愛く喘ぐリシェルの声。
 もう数え切れないほどライの理性を引っぺがしてくれた。もっと気持ちよくなりたい。リシェルと一緒に。
 もっと気持ちよくしてあげたい。愛しいリシェルをとことんまで。リシェル。リシェル。リシェル。
 ライの頭の中はどこまでもリシェルで埋め尽くされていた。
「ふぁぅっ……はぐぅぅ……ふぁ……好きぃぃっ!……大好きぃぃ!!……ライっ!……ライぃぃっ!!」
「くぅぅ……あぅぅ……オレもだ……リシェルっ!……リシェルぅぅ!!」
 互いに愛を叫びながら抱き合い交わる二人。ぐにゅ、ぐにゅ、ぐにゅ。ライの陰茎はリシェルの膣肉に揉まれている。
 ずん、ずん、ずん。リシェルの胎内はライの肉槍で激しく突かれる。肉体同士が一つになる快感。
 そこに生まれるエクスタシー。高みへ。より高みへ。二人でなら踏み出せる。
「くぁぅぅぅっ!!リシェルっ!!」
「はひぃいぃぃぃいいい!!ひぐっ……熱いっ、熱いっ、熱いぃぃいいい!!」
 ビュクッ、ビュクッ、ビュクゥゥ!!施される膣内射精。熱をともなったライの白濁はリシェルの子宮に叩き込まれる。
「うぁっ……くぅ……リシェ……ル……リシェルぅぅ……」
 びゅるる、びゅるっ、びゅるるっ!射精しながらライは悶える。リシェルに種付けを施す悦びに。
 ドクン、ドクン。注ぎ込んでいる。リシェルの子宮に自分の精液を。その中に含まれる何億もの精子。
 それがリシェルの胎内を駆け巡る。孕ませたい。そんな欲望さえ湧き上がってくる。止められない。
 この衝動はもう止まらない。
「ふぁぁぁぁぁっ!はぅぅっ!ふぐぁぁぁあ!!」
 グッチュ。グッチュ。射精を終えてもライは肉棒を引き抜かなかった。そのままリシェルの膣肉で肉竿を扱く。
 喘ぐリシェル。その喘ぎ声のなんとも愛らしいこと。ドクン。ライの心臓はひときわ脈打つ。

(ごめんな……リシェル……)
 ライの理性はもう限界だった。獣性だけが剥き出しになる。犯したい。犯したい。犯したい。
 とことんまでリシェルを犯しぬきたい。肉棒が擦り切れるまで膣肉をグチャグチャに掻き回して、ありったけの精液をその子宮に叩き込みたい。注ぎ込む精子。それに喘ぎよがるリシェル。
 想像するだけでもうたまらない。リシェル。リシェル。リシェル。高まりすぎた愛しさは獣欲に形を変える。
「はうっ……ふぁっ……あんっ……ふぁぁぁっ!……っ!?……う…ぁ……」
 激しく犯されながらリシェルも気づく。ライの瞳の色がすっかり変わってしまっていることに。
 ケダモノの目だ。獲物をひたすらに貪りつくそうとする野獣の目。この場合の獲物はリシェル自身。
 膣奥を突き上げるライのピストンが激しさを増す。子宮ごと胎内を突き動かされながら喘ぐリシェル。
 喘がされながらその瞳はライをじっと見つめていた。こんなにも激しく、こんなにも野蛮に自分を求めてくれるライ。
 愛おしい。愛しさがこみ上げる。ちゃんと受け止めてあげよう。それができるのはこの世界であたしだけなんだから。
「いひっ……いよぉ……受け止めて……あげる……だからっ……あたしをメチャクチャにしてぇぇぇぇええ!!!」
 そうしてライに残された最後の理性をリシェルが断ち切る。さあ、来なさいよ。このケダモノ。
 今日はとことん、このあたしがあんたに付き合ってあげるんだからね。精々、感謝しなさいよ。
「くぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!リシェルっ!リシェルっ!!リシェルぅぅっ!!!」
「ひぁぁぁぁぁぁああああああああ!!はぐっ!ひぐっ!!ふぐぁぁぁああああああ!!!」
 グジュッ、グジュッ、グジュッ!胎内に受ける肉の蹂躙。覚醒状態のライの本気のセックス。
 受けるリシェルは悶えよがる。膣口から子宮口までを連続で激しく突く。膣肉を抉りこみ子宮を容赦なく圧迫する。
 まさに"犯して"いた。リシェルを。ただリシェルの肉を己が肉で貪ろうと。
「リシェルぅぅぅぅうううう!!うぁぅ……リシェルぅぅぅうううううう!!!」
「ふぁぁぁぁああああああ!!はひぃぃぃぃぃぃいいいいい!!!!」
 ゴツ、ゴツ、ゴツ。ぶつかっている。先端がリシェルの子宮の入り口を。ぐにゅ、ぐにゅ、ぐにゅ。肉竿は掻き回している。
 リシェルのヴァギナを容赦なく。響く喘ぎ。よがるリシェル。リシェルを犯している。本当に今、リシェルを犯している。
 満たされる獣欲。いいや、まだだ。まだ犯し足りない。リシェルをまだ犯したりない。もっと犯したい。
 リシェルをもっとメチャクチャにしたい。この世で自分だけに与えられた権利。それをライは迷いなく行使する。
 もっと犯す。まだ犯す。リシェルを犯す。メチャクチャに犯す。それをリシェルは許してくれる。
 許した上で一緒に気持ちよくなってくれる。ここが楽園。さあ、もっと。その果てしない高みへと。
 ライは突き進む。リシェルは受け止める。
「リシェルっ!リシェルっ!リシェルっ!!うぉぁぁぁあああ!リシェルぅぅぅぅううっ!!」
「ふぁぁっ!はぐっ!ひぎぃぃいいいっ!ふぐぅぅぅう!ふぐぇぇぇええっ!」
 全身を駆使して繰り出すピストン。ありったけの情念をライはリシェルにぶつける。育んできたリシェルへの思いを。
 生まれてたころからずっと一緒の幼馴染。姉弟同然に育った幼少期。ライにとって最も身近な存在がリシェルだった。
 家族と離れて暮らした孤独の毎日。その寂しさをいつも紛らわせてくれたリシェル。一緒によく遊んだ。そしてよく喧嘩した。
 いつもお姉さんぶってるくせに肝心なところではフォローしなくちゃいけない手間のかかる妹のようでもあった。
 喧嘩ばかりしていたけれど、お互いがずっと一番の仲良しだった。家族であり親友でもある。そんな存在だった。
 リシェルがいつも傍にいてくれたからこうして自分は幸せでいられる。それに気づいたときに多分、恋をしていた。
 それを認めるまでには時間はかかったけれど。素直になれない彼女を随分やきもきさせたけれど。今はこうして二人。
 繋がっていられる。愛し合っていられる。愛情は時にヒトをケダモノに変える。ライにとっては正に今、この時。

「リシェルっ!リシェルっ!リシェルぅぅっ!!」
「ふぁぁぁぁぁっ!はぅぅ……ライぃぃ……」
 楽しかった今日のデート。今日という日を作るために一生懸命に働いてくれたリシェル。すごく愛しかった。
「好きだっ!リシェルっ!愛してるっ!リシェルっ!リシェル……リシェルぅぅ!!」
「あふぁぁああああっ!あ……あたしもぉぉぉおお!!」
 初めて人前で腕を組んで一緒に街を歩いた。道行く人々の視線がこそばゆかったけれど。決して悪くはない気分だった。
 心の中ではずっと誰かに見せ付けてやりたかった。どうだ。こいつが世界で一番可愛いこのオレの彼女だと。
「リシェルっ……んむっ……はっ……んむっ……リシェルっ……」
「んむぅぅう……んっ……んむぅぅ……」
 唇を貪りながら思い返すのは喫茶店での出来事。お互い交代でお口をアーんしてケーキを食べさせあった。
 二度とやらないぞ。あんなこっぱずかしい真似。あのときはそう思った。でも嘘だ。またやりたい。何度だってやりたい。
 また一つのジュースを二つのストローでチューチュー啜りあいたい。蕩けるようなお互いの甘さを感じあいたい。
 今だってそうだ。チューチューチュー。吸いあう唇の味。なんて甘い。蕩けるように。
「くぅぅぅぅうううっ!リシェルっ!うぁぁぁああ!リシェルぅぅぅっ!!!」
「ひぁぁぁあああああああ!熱いっ!熱いぃぃぃいいいい!!」
 ビュクッ、ビュクッ、ビュクッ!また射精している。リシェルの膣内に容赦なく。すごく気持ち良い。
 自分の子種がリシェルの子袋目掛けて突撃している。ふいに妄想にとらわれる。リシェルのお腹の中にいる
 小さなリシェルを輪姦するそれまた小さな無数の自分の姿。みんなでリシェルはオレの嫁だと主張している。
 なんてワガママな奴らだ。我ながら。リシェルを先に孕ませたやつの勝ちだとばかりにリシェルに種付けしている。
 なんてケダモノ。けれどリシェルはどんな自分も受け入れてくれる。へばることなく無数の自分の精液を受け止めてくれる。
 愛してくれる。気持ちよくさせてくれる。バタバタとリシェルの中で果てていく無数の"オレ"達。
 おいおい、幸せモノだなお前ら。そんなに気持ち良いのか?ああ、気持ち良いに決まってる。リシェルとセックスしてるから。
 この世で一番大好きな女の子と最高に気持ち良いセックスをしているのだから。絶対に誰にも渡さねえ。
 こいつは一生ずっとオレの嫁。だからいっぱい孕ませてやる。オレの赤ん坊をたくさん産んでくれよリシェル。
 子どもが生まれたらいっぱい遊んでやるんだ。オレのつくった手料理を毎日腹いっぱい食わせてやるんだ。
 オレがして欲しかったこと全部、自分の子どもにはしてあげるんだ。それが今のオレの夢。絶対に叶えられる。
 リシェル。お前と一緒なら。お前がずっとオレの傍にいてくれたなら。


「ふぁぁぁぁっ!あふぁぁぁあああっ!ふぁぁぁああああっ!!」
 ぐっちゅ。ぐっちゅ。精液まみれの膣内を突き続ける。先に出したスペルマがリシェルの胎内でメレンゲになってる。
 ビュクッ、ビュクッ、ビュクッ!それでもまだ注ぐ。何度でも。
「うぁぁああああ!!熱いっ!熱いっ!熱いぃぃっ!!あぐっ!うぐっ!んぐぅぅぅぅうううう!」
 ぐちゅり。ぐちゅり。ビュー、ビュー、ビュー。射精しながら腰を動かす。もっと奥に精液を届かせるために。
 吐き出した精液がリシェルの子宮の壁を何度も叩く。そう何度も。
「あひぃぃいいいいいいい!!ひあぁぁああああっ!!くひぃいいいい!あひぃいいい!!!」
 ずん。ずん。ずん。今度は後ろから犯す。この姿勢がライは好きだった。リシェルのより深くまで自分が届く気がして。
 盛りのついた犬のようにひたすら腰を打ち付ける。パコ。パコ。パコ。本当に飽きない。まさにケダモノ。
「ふぁぁぁああああ!あふぁぁぁあああああ!あぁあぁああああああああ!」
 そして背面座位。リシェルが一番好きな姿勢。獣欲にとりつかれた今でもそれは身体が覚えていた。
 こうすればリシェルは悦ぶ。自分とリシェルが深く繋がっている様子。リシェルにちゃんと見せてやる。
 すると案の定、リシェルは感激してくれた。『繋がってる!繋がってるよぉぉ!』と言って涙までみせた。
 嬉しい。リシェルが悦んでくれると本当に嬉しい。リシェルが悦んでくれるとこっちも気持ちよくなる。
 もっと犯そう。もっと気持ちよくなってしまおう。ついてきてくれるよなリシェル。こんなのお前にしかやらないぞ。
 お前だけが特別なんだからな。オレがここまでケダモノになって犯したいと思う女はお前だけなんだから。
 どんなときだってずっとお前の傍にいる。傍にいてずっとお前を支え続ける。だからお前もオレを支えてくれ。
 お前の大切な人はオレも大切にする。オレの大切な人はお前も大切にしてくれ。そんな風にずっと二人でやっていこうな。
 忘れてくれるな。お前だけがオレの嫁。オレだけがお前の婿。お前はお嬢様。オレは一生、お前の家来。
 





「あぁ……あぅ……リシェル……リシェルぅぅ……」
 獣性を越えて、愛しさはより純度の高い愛の塊へと昇華していた。ここまで来るのにどれだけ犯したのだろう。
 気がつけばリシェルは身体中、ライの精液まみれになっていた。ベトベトした白濁の粘液。膣にもいっぱい。
 口にもいっぱい。アナルにもいっぱい。髪も肌も顔も精液でベタベタ。
「このぉぉ……ケダ……モノぉぉ……」
 精液まみれの身体でリシェルはいつものように呻く。今日は一段とやりすぎた。昼間のデートが効きすぎたのだろう。
 自制など一切きかなかった。
「わ、悪りぃ……」
 頭に手を当ててペコリとライは謝る。本当に成長していない。こんなことの繰り返し。
「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
 涙目で睨みながら唸るリシェル。悪かった。いや、本当に悪かった。でも許してくれたのはお前だろ。
 だからそんなに睨むな。おお、怖い。怖い。
「まったく……この鬼畜……ケダモノ……ろくでなし……」
 言いたい放題だった。けれどライに反論の余地があるはずもない。正にその通りだから。さっきまでの自分は。
「でも……」
 ポソリ。ポッと顔を赤らめてリシェルは呟く。ツンツンと刺々しい言葉の後にはいつも。
「すごかった……今日のあんた……いつもより……ずっと……」
 やってくるのはデレデレの表情。激しくその身を求められた名残にリシェルはまどろむ。手をあてる下腹部。
 ドロドロの精液がまだつまっている。今日が排卵日だったら絶対に妊娠していただろう。後で念入りに洗わないといけない。
「っ!?……って、なに言わせてんのよアンタはっ!いつもいつもっ!この、このぉっ!」
 そうして駄々っ子のようにポカポカ叩いてくる。なんてテンプレ通り。本当に可愛すぎるぞお前。ライはほくそ笑む。
「なによ。ニヤニヤしちゃって……感じ悪い……」
 にやけたライの表情に唇を尖らせるリシェル。険しい眼差しでしばらくライを見つめる。けれどその視線は。
「…………えへっ♪」
 デレデレに甘ったるいものへと様変わりする。微笑みながらリシェルは食みつく。ライの身体にぺっとりと。

 
「うぉ……お、おい……」
 食みつかれてライは一瞬戸惑うがすぐにキュッと腕に力を込める。優しくリシェルの身体を抱く。
 この温もり。絶対に離したくない。
「ん…………」
 そうしてしばらく二人はお互いの肌の温もりを確かめ合った。ぴったりとくっついた肌と肌。
 とっても温かい。それにすごく優しい。
「どうだった?……夜の……デート……」
 ややあって、はにかんだ顔でリシェルは尋ねてくる。答えなんて決まってる。けれど大事なことはちゃんと言葉にする。
 それが必要な時も人生には多々あるから。
「すげぇ気持ちよかった……それに最高に可愛かったぞ。リシェル」
「うん。えへへっ♪」
 付き合い始めてから何度も繰り返したこのやり取り。何回やっても飽きないものだ。まさにバカップル。
 多分、死ぬまで一生こいつら絶対バカップル。
「リシェル……」
 そしてリシェルをギュッと抱きしめライはおもむろに呟く。自分の想い。ありのままに。
「ずっとオレの傍にいてくれよな。絶対に離してやんねえからな。これからも一生……お前にまとわりついてやる」
 ニヤリと笑いながら台詞の最後をライは締めくくる。それを受けてのリシェル。その答えは当然。
「うん。いいよ。ずっとあんたの傍にいてあげる。あんたがイヤだっていってもずっと一生くっついてやる。覚悟しなさいよね。あたしって諦めが悪いんだから。あんたのことずっと、ずっと、ずーっと、離してやんないんだから」
 普段だったら照れ隠しせずにはいられないような会話。けれど今は素直にポンポンと口から出てくる。
 この機会だ。あれもこれも全部ぶちまけてしまおう。こんな風に話せるのも次は当分は先だろうから。
 本当に楽しかったこの一日。心残りがないように。まず、第一に。
「愛してるぞ。リシェル」
「大好きだよ。ライ」
 吐き出す言葉はこれまた定番。変わるようで変わらない。変わらないようで変わっていく毎日を二人は過ごしていく。
 胸に抱くお互いへの愛だけはずっと高めあって。最高のパートナー。大切なパートナー。いつまでもパートナー。
 変わらずにパートナー。そんな二人三脚をずっと二人は続けていく。蕩けるように甘くねっとりと濃厚な今日のデート。
 それもまた二人が踏み行く道のりのほんの一歩なのかもしれない。


 Happy date time  


 〜fin〜

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