Happy time Valentine days 2



「あっ……あふっ……んっ……はふっ……」
 洩らす吐息とともに口から出てくる喘ぎ。今宵も極上のウサギ肉は入念な下拵えをなされていた。
 このトレイユが誇る若き天才料理人の手によって。
「あふっ……んっ……んくっ……うっ……」
 手始めに指先で弄るは乳肉。リシェルの控えめな膨らみ。けれど少しづつではあるが成長はしてきている。
 指先でふにふに。ほのかな乳房の感触。こんなにも柔らかい。この手触りがライはお気に入りだった。
 指先で軽くふにゅ。ふにゅ。ふにゅ。手のひらサイズで揉み。揉み。揉み。甘く喘ぐリシェル。
 身体に巻きついたリボンが肉を引き締めているような感じでいつも以上に肉質を感じさせられる。
 可愛らしく小振り。けれどすごく幸せな感触のリシェルの胸。もっと味わいたい。カプリ。
 ライは直接味わう事にした。
「ひっ……あはぁぁあああっ」
 カプ。リシェルの乳房にライは吸い付く。手揉みの刺激に勃ってきたニプル。唇で軽く甘噛みする。
 するとリシェルは大きく喘ぐ。構わずそのままチュウ。チュウ。チュウ。赤子のようにライは胸を吸う。
「ふぁ……あぁぁ……はひっ……ふぁぁぁ……」
 吸われながら感じるゾクゾク。リシェルの背筋を駆け抜ける。授乳。それは原始の悦び。
 乳房を吸われること。そして吸うという行為がこんなにも愛おしい。ゾクッ。ゾクッ。ゾクッ。
 身体は悦んでいる。ピクッ。ピクッ。ピクッ。ほら、こんなにも。甘噛みをする度に乳首は硬度を増す。
 おしゃぶりのようにしゃぶられ、あるいは奥歯でガジガジと軽く噛みつかれ、終いにはピンピンになっていた。
 桜色のリシェルの乳頭。それがライの愛撫によってピクっと見事に勃起している。
(食べられてる……あたしのおっぱい……ライに食べられてる……)
 丹念に胸を愛撫するライに喘がされながらリシェルの意識はまどろんでいた。ライの指先。ライの唇。
 愛しそうにリシェルの可愛らしい乳房を愛でる。あんまり肉付きのいい胸じゃないけれど。
 それでもライはこんなにも愛してくれる。身体の隅々まで愛しぬいてくれる。その実感があった。
 だから幸せ。大好きな人に求められるということ。それに勝る幸せなんて他に思いつかないから。
「ふぁ……あっ……あふっ……んっ……あっ……ふぁ……ああっ」
 何度も吸い付かれ、何度も弄られてその度にリシェルは喘ぐ。そんなリシェルを一心不乱にライは愛でる。
 さあ、今度はどう料理してやろう。頭の中でそんなことをライは考えていた。可愛く喘いでくれるリシェル。
 そんなリシェルのもっと可愛い姿を見たい。その思いのままにライは行動する。
 ピンピンになった乳首を指先でコリコリ摘みながら、喘ぐリシェルを堪能すると次の目標を捉える。
「ひあっ……らめっ……そこっ……はひぃぃぃいいい」
 次なる標的はこれまた愛らしいリシェルの割れ目。顔を近づけて直接、ペロリと舌先でなぞる。
 するとたちまちリシェルは悶える。そのままんちゅ。んちゅ。リシェルへのクンニをライは続ける。 
「らめぇぇ……やらぁぁ……ひんっ……ひぁぁぁあああっ」
 女の子にとって一番大事なアソコ。そこに顔を近づけられて直接愛撫されるのは流石に恥ずかしい。
 羞恥心にさいなまれるリシェル。けれどペロペロ。犬のようにライは舐めることをやめない。
「んっ……どうだ?……気持ちいいか……んむっ……リシェル……」
「くふっ……んくっ……あうっ……んッ・・・…気持ち……いひ……よぉ……あふっ……」
 恥じらいのあまりに涙目になって、それでも悦びを感じてくれているリシェルにライは安堵する。
 唾液まみれの舌で性器を愛でる。それはいつもならリシェルがライによくしてくれることだった。
 リシェルのフェラチオ。病みつきになる。だから今日はこっちがしてあげたい気分。
 愛しいリシェル。その愛液に顔を濡らしながらクンニし続けるライ。舐める度にトロトロリ。
 あふれ出してくるリシェルの蜜。そうだ。オマエをもっと気持ちよくしてやるからな。
 だから今日も一緒に気持ちよくなろうな。オレたち。そんな風に心で囁きながら続く愛撫。
「あふっ……はぅぅ……っは……あぁぁ……」
 そうして秘肉を唾液で十分に濡らされて、敏感な肉豆も時に弄られリシェルの身体は万全な状態になる。



「はぅっ……あぅ……はひっ……あひっ……」
 下拵えは終わった。トロトロの肉蜜にまみれた極上のウサギ肉を調理人は愛しく見つめる。
 丹念に乳肉を揉み解し、執拗にしゃぶり回した乳房。唾液の光沢を纏った乳首はピクッとそそり立つ。
 ピクピクと汁を垂らしながら痙攣しているのは秘裂も同じ。唾液まみれの舌で十分に慣らした膣肉。
 肉貝の入り口をくぱぁと愛らしく開いて今か今かと待ちわびている。敏感なクリトリス。
 こちらも適度に指先で扱いてやった。ビンビンである。悦びを最も感じられる万全の状態。
 リシェルという極上の素材をライはモノの見事に調理仕上げた。
「うぁ……リシェル……」
 愛蜜をたらして快感に悶えるリシェルの姿。ライは感嘆を洩らす。大好きなリシェルのすごくエッチな姿。
 キュンと胸が締め付けられる。悦びに喘ぐ雌ウサギを彩るはピンク色のリボン。それもリシェルの蜜で濡れていた。
 濡れたリボンが乳房や秘部に巻きついている。それがそこはかとなくよりエロスを醸し出す。
 まさに最高だった。今宵の晩餐を彩るメインディッシュは。
「すげぇ……可愛い……」
 呆然と見惚れながらリシェルに顔を近づけるライ。そのままチュッ。優しくキスをする。
 キスをしながらリシェルの肌をさすさす撫ぜる。ピクッ。ピクッ。リシェルの反応がライの手に伝わる。
「食べても……いいか……」
 キスを終えて耳元で囁くようにライは尋ねる。リシェルはしばらくまどろんでいた。何拍かの間を置く。
 そうしてリシェルはライを見つめる。そして呟く。
「うん……食べて……いっぱい……食べて……んっ……」
 答えるや否やもう一度ライはリシェルにキスをする。柔らかなリシェルの唇。堪能してから準備する。
 取り出す肉竿。こちらも状態は万全だった。今日も元気な亀の頭が美味しいウサギを食べたがっている。
 童話では付き物のウサギと亀。それが今もこうして互いに重なりあって。
「ふぁぁぁぁぁぁああああっ!!」
 グニュゥゥゥ。そうしてライはリシェルの中へと一気に沈むこむ。挿入する肉根。膣肉に包まれて。
 トロトロの愛欲ソースにまみれたウサギ肉に肉のナイフをライは入れる。ぐにゅ。ぐにゅ。ぐにゅ。
 うねるような感触。揉みこまれていた。ライ自身がリシェルの膣内で。すごく気持ちよくて。それに温かい。 
「くぁぁぁぁあああっ!リ、リシェルぅぅ……くぅぅうううう!」
 挿入しただけでライも喘ぐ。ぐにゅ。ぐにゅり。自身で味わうリシェルの味。筆舌に尽くしがたい。
 こうして膣肉に包まれているだけで極楽に逝けそうだ。その至上の滋味を噛締めるように味わう。
 密着させた腰。小刻みに動かす。より深くリシェルを味わうために。
「リシェ……ル……くぅ……リシェルぅぅ……」
「あふっ……ふぁぁ……はぁぁぁぁぁああ」
 ぬちゅ。ぬちゅ。ゆっくりと。けれど少しづつ速度を速めてリシェルの膣内で動くライ。
 接触する粘膜。ねちょねちょと擦れあう。擦れあう度に高まる。互いの愛欲。もう抑えきれないほどに。
「くぁぁぁぁぁぁぁっ!!リシェルっ!リシェルっ!リシェルぅぅぅっ!!」
「ふぁぁぁぁぁああっ!ライっ!ライぃぃぃいいいいいっ!!!」
 昂ぶる獣欲。腰を激しく突き動かしてライはリシェルを犯す。つられてリシェルも腰を動かしてよがる。
 ぶつかり合っていた。互いの肉と肉、そして心と心が。ぐにゅり。ぐにゅり。肉の歪む衝動。
 狂おしくも全身を掻き立てる。ぬちゅっ。ぬちゅっ。捲れる粘膜。ずちゅっ。ずちゅっ。こんなにも激しく。
 まさに交尾。全身の力を込めて雄は雌を喰らい、雌は雄を受け入れる。胎内に響くピストン。二人で刻むリズム。 
 そのリズムにのるかのごとく激しく交わる。ライはリシェルを突き上げ、リシェルはライを締め付ける。
 セックス。身も心も一つになれる男女の営み。愛し合う二人は今宵もこうして。



「うっ……くぅぅぅうっ……イくっ……リシェルぅぅぅう!!」
「はひぃぃぃいいいい!ふぁぁぁあああああっ!!」
 ぶぴゅっ。そうして膣内射精。破裂音と共にライはリシェルの子宮に注ぎ込む。流れ込む熱い液汁。
 その熱に喘ぎ悶えるリシェル。ビュクッ。ビュクッ。スペルマを容赦なくライはリシェルに叩き込む。
「くぅ……うぅ……リシェ……ル……くぉぉ……」
「あぁ……ふぁ……ああっ……ふぁぁぁっ」
 膣内射精の開放感。その余韻に浸る間もなかった。射精から間を置かずにライはまた動き出す。
 吐き出した精液でグチョグチョのリシェルの膣内でペニスを扱く。足りない。まだ、足りない。
 まだリシェルを味わいつくしていない。そう思うが否や、ライの行動は早かった。
 いまだ射精の余韻に悶えるリシェルを抱き起こして今度は対面座位の姿勢でリシェルを犯す。
 ぐにゅっ。ぐにゅっ。ライの竿にまとわりつくリシェル。もっと、もっと貪りたい。
「うぁ……あぁぁ……あっ……好きぃぃぃ!大好きぃぃぃいいっ!あぐっ……ふぁぁぁああっ!!」
 するとリシェルもライにしがみつく。しがみついたままライへと愛を叫びながらよがる。
 射精を受けたばかりの身体。通常以上に感じやすくなってる。そんな状態でライに抉られる。
 ひぐっ。はぁぁあっ。ダメっ。壊れるぅぅううう。それでもやめてだなんて言えなかった。
 むしろもっとして欲しかった。身体の隅々まで犯しぬいて欲しい。もっと自分で気持ちよくなって欲しい。
 そんな雌の本能のままにリシェルもライを求める。ぐにゅっ。ぐにゅっ。スゴイ。膣奥まで届いてる。
 ぬちゅっ。ぬちゅっ。お腹の中でメレンゲかきたてられてる。思い出すのは昨晩のケーキ作り。
 昨日の夜もこんな風に泡立てたっけ。それが今度はあたしのお腹の中で。
 こんなにいっぱいライのミルクが泡立ってる。いっぱいだよ。あたしの中がライでいっぱい。
「オレも好きだぁぁっ!リシェルぅぅっ!!」
 リシェルを抱きしめライも抱きしめ返す。腕に抱くリシェルの身体。細っこく華奢で、それでいて温かい。
 こうしてリシェルを抱くことができる。愛する人と一緒に気持ちよくなれる。すごく尊いことだとライは思う。
 一突き。一突きごとに高まっていくリシェルへの気持ち。オレが絶対におまえのことを幸せにしてみせる。
 だからおまえもオレのことを幸せにしてくれよな。こんな風にずっと。なあ、リシェル。
「くぅぅう!くぉぉぉ……くぁぁああ!あくぅぅうううう!」
「んひぃぃぃいい!あっ……はひぃぃぃいいいい!ひぁぁああああああっ!」
 そうして交わり続ける二人。肉棒を完全に引き抜くこともなく。ライは何度もリシェルの中で射精して。
 リシェルは何度もライを受け止める。行為を続けながら少しずつ変える体位。押し倒してまた正上位。
 そこから少しづつ身体を捻る。そうするうちにいつの間にか後背位から骨盤を尻肉にぶつけていた。
 そこから引き起こして背面座位。繋がっている様子を見ることのできる姿勢。リシェルは好む。
 トロトロとスペルマを垂らす膣口が肉竿を離さないようにパックリと咥えこむ姿を見てリシェルは歓喜する。
 繋がっている。離さない。絶対に離してなんかやるもんか。あんたはあたしの一生の家来なんだから。
「ふぁ……あふっ……はぁぁっ……」
 自身の肉杭でリシェルを固定しながらライは弄る。リシェルの乳房。それと肉豆を。指先でクリクリ。
 そうするとより強く喘ぐリシェル。すごく可愛い。可愛すぎる。膣肉の締め付けも痛いぐらい。
 ああ、そろそろ。また逝く。リシェルの中で。何万、何億ものオレ達が。
「うくっ……くぁぁぁあああっ!リシェルぅぅううう!!」
「ふぁぁぁぁああっ!ライぃぃいいいいいいっ!!」
 そうして至高の快楽に包まれながらなされる射精。ライの情念のつまったパトスは幾度となくリシェルの子宮を満たした。



「んっ……んぅ……んむちゅ……」
「ぷぁぁ……はぁ……あふっ……」
 小休止。渾身の精を振るって二人はまどろんでいた。抱き合ったままで。しきりに唇を重ねたりして。
 ライのペニスはいまだにリシェルの膣に埋まったままだ。こうする方が一番回復が早い。
 もう少し休めばまた愛し合える。もっと深いところまで。
「んちゅ……ちゅっ……んむっ……ちゅ……」
 だから今はこうしてキスを楽しもう。重ねあう唇。触れあう舌と舌。この微妙な感触もたまらなく好き。
 なんだって好きだった。こうして互いを深く感じられるのなら。
「ぷふっ……あっ……ふぁ……」
 何度目かのディープキスを終えて二人見つめ合う。まどろんでいた。トロトロに蕩けて。
「えへっ♪」
「ははっ」
 重なる視線。クスッとお互い笑ってしまう。無邪気な笑顔。見せながらポソリ。リシェルは尋ねる。
「美味しかった?」
 何のことかは言うまでもない。尋ねられてライは照れ隠すように笑う。答えなんて決まっているけれど。
 それでもちゃんと答えてあげよう。この甘えん坊のウサギさんに。
「ああ、美味かった。これまでで一番」
 素直な感想。実際、食べるたびにより美味しくなっている。このウサギ肉。自分の調理の腕も上がったのかな?
 と少し得意気にもなる。
「よかった……あはっ……じゃあさ……今度は……」
 感想を聞いて喜ぶリシェル。するとふいにリシェルは部屋の戸の方に視線を向けて大きな声で呼びかける。
「ポムニットぉぉ。いるんでしょ。さっさと中に入ってきなさいよ」
「っ!??」
 ドタン。リシェルがそう言った瞬間、部屋の戸の前で物音がした。いつのまにか退室していたポムニット。
 けれど傍でじっと聞き耳を立てていたのだ。ライとリシェルの睦みあう様子をずっと。
「えうぅ……おじょうさまぁぁ……」
 言われてしばらくしてから部屋の中に入ってくる涙目のポムニット。乱れた着衣。ところどころ濡れている。
 どうやら二人の行為をオカズに一人慰めていたようだ。その火照る身体を。
「まったく……あんたって娘は……」
 そんなポムニットを見つめてしみじみ呟くリシェル。自分とライの二人っきりの営み。
 それを気遣って邪魔しないようにしてくれたポムニット。けれど我慢し切れなかった。
 そんなところがいじましい。だから今度はそんな掛け替えのないメイドのために。
「へへっ♪」
「ははっ……」
 目線だけでリシェルはライと会話をこなす。キョトンとするポムニット。その間にズルリ。
 肉棒をリシェルから引き抜いてライはゆっくり起き上がる。
「ラ、ライさん……」
 いきなりのライの挙動に戸惑うポムニット。ゆらりとライはポムニットの傍による。
 呆気にとられるポムニットの顔。その頬にライの手が触れて。
「んちゅ……」
 そしてポムニットの唇をライは奪う。重ね合わせるだけの短いキス。けれど効果は覿面だった。
 たちまちに赤面するポムニット。
「よ、よろしいのですか?」
 キスをされて、ライとリシェルを交互にチラチラ見つめながらポムニットは言う。するとライは頷く。
 リシェルも仰向けに寝転んだまま、けれどニッコリと微笑みを見せてポムニットに頷く。
「えぅ……えぅぅ……」
 そんな二人に涙するポムニット。嬉しかった。二人の気持ちが。だってこんなわたくしのこともお二人は。
 こんなにも思っていてくださるんですから。
「ポムニットさん……」
「ライさん……んっ……」
 涙を指で拭って交わすキス。今度は少しだけ長め。それを終えるとポッと火照った顔で呟くポムニット。
「どうかわたくしも……わたくしのこともお召し上がりになってくださいまし……ライさん……」
 そう言うポムニットにライは微笑んでコクンと無言で頷く。寝そべるリシェルもニヤニヤと二人を見つめていた。
 バレンタインデー。その愛の劇場の幕は次の舞台へと移るのだった。



「ふぁぁぁぁぁああああああっ!!」
 挿入はスムーズだった。既に自慰行為で十分に濡れたポムニットの膣内。容易くライを一気に受け止める。
 対面座位の姿勢。ライの肉棒に真っ直ぐに下ろされたポムニットの身体。一気に貫かれポムニットは喘ぐ。
「あぁっ……ふぁぁ……深いっ……」
 肉棒は膣奥まで届く。子宮の入り口付近。亀頭の先端でグリグリされて喘ぐポムニット。
 とろり。とろとろり。滲みでる愛蜜は挿入を潤滑にする。ぬちゅっ。ぬちゅっ。
 卑猥な水音。膣内ではぜる。かきたてられるような音の洪水。溢れていた。ポムニットの胎内で。
「あはぁ……ライさん……ライさんっ……」
 そうしてキュッと膣肉を締め付けながらポムニットもライにしがみつく。柔らかな乳房が顔にあたる。
 むにゅ。むにゅ。乳肉をライの顔に押し当てながらぐにぐに。よがり喘いでポムニットは腰を振る。
 異性に抱かれるという女としての悦び。こうして自分も知ることができた。
 その喜びにうち震えながらポムニットは喘ぐ。艶やかに。
(ポムニットさん……)
 自分との行為に悦んでくれるポムニット。なんだか嬉しい気持ちにライもなっていた。
 いつも自分とリシェルを支えてくれるポムニット。自分達にとって掛け替えのない大切な女(ひと)である。
 ポムニットがいてくれるからこそ自分もリシェルも幸せでいられる。そのことにいつだって感謝している。
 だからポムニットにも感じていて欲しい。自分とリシェルが感じている幸せを少しでも多く。
 その気持ちは初めてポムニットを抱いたあの日の夜からずっと変わっていない。
「あはぁぁぁ……あっ……あふぁぁぁ……」
 抱いているうちにライは体位を変えていた。正上位からまっすぐにポムニットをとらえる。
 ぐにゅっ。ぐにゅっ。力強いピストン。ポムニットの肉蓑をかきむしる。こうして肉の襞を。
 肉根でもって抉る。感謝を込めて。ポムニットへの。もっと気持ちよくなって欲しい。そんな思いも込めて。
「あふっ……あぐぅ……あふっ……はうぅ……ライ……さん……」
 犯され喘ぎながらライをみつめるポムニット。色々な思いがポムニットの心の中で溶け合っていた。
 今、自分を抱いてくれているライへの愛しさ。ライとの逢瀬を自分に許してくれるリシェルへの感謝。
 それと少しばかりの疚しさ。いくらおじょうさまが許してくれているとはいえ。
 おじょうさまの大切なライさんと今、こうしてエッチしている。流石にそれは後ろめたい。
「ふぁぁぁっ……あはぁぁぁ……」
 けれどそうした疚しさも受け入れた上で、ライさんもおじょうさまもわたくしを愛してくれる。
 わたくしのことを大切だと、特別なんだとお二人の間にも受け入れてくれる。幸せモノだ。
 この上なくわたくしは幸せモノだ。ねえ、お母さん。わたし、こんなにも幸せになることができたよ。
「あふっ……あふぅぅ……」
 だから今は甘えちゃうことにしました。大好きなおじょうさま。それと大好きなライさんの優しさに。
 わたくしも大好きな二人と一緒に幸せになりたいから。もっと一緒に。気持ちよく。
「ふふっ……今度はわたくしが上になりますね……」
 艶っぽく微笑みながらポムニットは言う。フッと息を吐いてライも仰向けになる。直立した肉根。
 その切っ先に割れ目を合わせて。ポムニットはゆっくりと。
「ふぁぁぁぁぁあああっ!あふっ」
 肉杭の上に腰を下ろした。騎乗位の姿勢。今度はポムニットが主となって腰を振るいライに奉仕する。
 あははっ。ライさん。ピクピクしてます。わたくしの中で。とってもお元気ですね。
 おじょうさまとあれほどなされたばかりだというのに。
「んっ……くぅぅ……はっ……く……あくふぅぅ……」
 ずりゅっ。ずりゅっ。腰を上下に膣肉で奉仕。そそり立つライの竿をポムニットは咥えこむ。
 ピクッ。ピクッ。ポムニットに包まれて反応するライ。大きさも硬さも少しずつ増す。
 よかったです。ライさんがわたくしで気持ちよくなってくれて。ライさん。もっと気持ちよくなってくださいまし。
 おじょうさまみたいにはいかないけれど。わたくし頑張りますから。
「あはっ……ポムニットったら乳首コリコリ……」
「あひゃうっ!?お、おじょうさまぁぁ……」
 するとそこへいつのまにか起き上がったリシェルが後ろからポムニットを愛でる。
 ビンビンにそそり勃ったポムニットのニプル。指で摘んでリシェルはクニクニと弄る。
 それと同時にポムニットのうなじに吐息をリシェルは吹きかける。
「あんたももっといっぱい……気持ちよくなって……ポムニット……大好きだよ……」
「えぅぅぅぅうう……おじょうさまぁぁぁ……」
 リシェルの愛撫を受けて涙ぐむポムニット。膣肉で受け止めるライの肉根。
 乳房で感じるリシェルの指先。愛するモノ二人にこうして愛され、至上の幸福にポムニットは包まれて。
「ふぁぁぁぁっ!あふぅううううう!ライさんっ!おじょうさまぁあああっ!!」
 ビクッとオルガズムに達して肉棒を咥えた秘部から愛液を噴出してポムニットはいきかける。
 大好きな二人の愛に包まれて。それと同時にドぴゅっ。ライの放った精液がポムニットの子宮にも注がれるのだった。



「ふぁぁぁっ……あふっ……んくっ……」
「くひぃぃぃっ……ひんっ……ふひぃぃぃっ……」
 そうして宴の締めくくりは三人一緒。極上のデザートを三人で味わう。重なりあう愛蜜まみれの肉貝。
 逞しいミートスティックがそれを交互に掻き分ける。上に被さるはリシェル。下で受け止めるポムニット。
 互いに抱きしめあいながら二人は受け入れていた。この上なく愛しい自分達の大切な人を。
「くぅぅ……リシェル……うぉぉ……ポムニット……さん……」
 そんな二人を額に汗を滲ませながら懸命にライは抱く。散々ヤりすぎて腰が痛いけれど。
 これは自分にしか出来ないことだから。リシェルとポムニット。大好きな二人を一緒に気持ちよくさせる。
 交互に突き入れる二人の膣。どちらも優しくそして愛しくライを包み込んでくれた。
「んちゅ……んむちゅ……んっ……ポムニット……」
「んむっ……ふむっ……うっ……おじょうさま……」
 交互に犯されながらリシェルとポムニットは唇を重ねる。こうしてまた一つになることができた。
 今度は三人で。二人だけでも最高の幸せだけど、三人でならもっと最高の幸せだ。
 甘い。甘い。チョコレートのように甘く、ちょっぴりだけビターな関係。この夜には相応しい。
 本来は性別もなにも超えて、愛しい人への感謝を伝える日。バレンタイン。
 この世界で生を受けた三人は知る由もないけれど、その本質を見事に体現させていた。
「くぅぅぅうううっ!リシェルっ!」
「ふぁぁぁぁあああっ!あふぅぅううう!!」
 そして近づく終幕。ライの射精をリシェルは受け止める。おそらくは今宵最後のライのスペルマ。
 それをリシェルは子宮で味わう。ドロリと濃厚。精気いっぱい。さしづめそれはミルクチョコ。
 一月早いホワイトデー。お返しの特製ホワイトチョコ。ドクドクと流しこまれる。
 ちょっと、あたしの中で固まっちゃうじゃない。
「んっ……あくっ……んふぅ……あふっ……」
 幾度となく浴び続けた射精の感触。余韻を味わいながら喘ぐリシェル。今日もたっぷり愛してもらえた。
 次もそのまた次もずっと。こんな風にあたしを愛しつづけてね。ライ。命令なんだからね。一生の。
「んぁ……あぅ……ポム……ニット……ポムニットにもぉぉ……」
 ドロドロでタプタプのお腹の中。ヌルヌルと膣内を滑る肉棒に喘ぎながらリシェルはねだる。
 今、自分の感じているこの幸せ。分かち合いたい。世界でたった一人だけの大好きなあたしのメイドと。
「ああ……勿論だ……」
 そんなリシェルの気持ちをライは汲み取る。今日も激しかった行為。ライの精力も底をついていた。
 けれどもう一回ぐらいならなんとかなる。ぬちゅっ。ぬちゅっ。懸命にペニスをリシェルの膣で扱く。
 そうすることで自身にリシェルをまとわりつかす。愛しいメイドへと贈る最高の状態に。 
「ふぁぁぁああああっ!あくふぁぁぁあああああっ!!」
 ずにゅるるるる。リシェルから引き抜いた肉棒をライはポムニットに差し込む。喘ぐポムニット。
 その肉根は最高の贈り物だった。ポムニットにとっての。
「うぁぁ……ライさんがぁぁ……おじょうさまがぁぁぁ……わたくしの中にぃぃいいい!!:
 たっぷりとリシェルの愛蜜をまとったペニス。大好きな二人の存在を同時に感じられる。
 ぬちゅっ。ぬちゅっ。膣奥を突くピストンのリズム。ぐりっ。ぐりっ。子宮ごと突き上げられる。
 ライの動きに合わせてリシェルも動く。乳首や割れ目。濡れたそれらがぬちゅぬちゅと淫らに擦れあう。
 ポムニットの膣に沈められたライの肉根。その付け根を割れ目でリシェルは刺激する。
 もう少し。あともう少し。あともう少しで三人のバレンタインデーを飾る最高のフィナーレを。
「うっ……くぅぅぅうううう!ポムニットさんっ!リシェルっ!」
「ふぁぁぁぁっ!ライっ!ポムニットっ!」
「あひぃぃぃいいいいっ!ライさんっ!おじょうさまぁぁああっ!!」
 宴の終わりは次の宴への門出。今宵を締めくくる。渾身のラストショット。ライはポムニットに注ぎ込む。
「ふぁぁぁぁぁああああっ!あふぁぁぁぁあああああああっ!!!」
 子宮へと迸る極上のホワイトチョコにポムニットの意識は界の狭間にまでも飛ばされるのだった。



「えへっ♪えへへ……」
「うふっ♪うふふふ……」
「………………………………」
 宴が終わって、こうして今日も三人は同じベッドの中にいた。本来は二人用のベッド。三人でねるには少し狭い。
 左右からムギュッと挟まれる真ん中。勿論そこはライの定位置である。
「あ、あのさ……二人とも……」
「なによぉ」
「なんですか?ライさん」
 リシェルとポムニット。二人に挟まれるライは声をあげる。するとリシェルは口を尖らせて。
 ポムニットは悪戯っぽく微笑んでライに聞き返す聞き返す。しばし沈黙。後にコホンと息をして。
 両側から自分をサンドする二人にライは言う。
「そんな風にされるとオレ、寝られないんだけど……」
 ライの言葉の示す通り、二人はライに密着していた。それはもうピッタリとあたっている。
 胸とか大事なところとかがばっちりと。これではとても寝られやしない。
「なに言ってんのよ。この贅沢モノ。そこは普通は喜ぶところでしょうが」
「そうですよ。ライさん。それともわたくしとおじょうさまで不服ですか?」
「いや、不服とかそういうんじゃなくて……」
 むしろその逆だった。ライの一部は喜んじゃっていた。そりゃもうビンビンに。勘弁してくれ。
 アレだけした後にさらにしたら流石に死ぬぞ。オレ。とはいえ反応してしまう自分が情けない。
 これが若さか。ああ、本当にどうしようもなさすぎる。
「やーい。このケダモノ。ケダモノ」
「そうですね。おじょうさま。うふふふふ」
「………………………………」
 ここぞとばかりにはやし立てるリシェルに何も言えずにライは黙り込む。ああ、そうさ。
 ケダモノだよ。オレは。だけどケダモノにさせてるのはオマエラだろうが。
 激しくそう突っ込みたかったがグッとライは黙り込む。ふう。大人だなあ。オレ。
 そんな風に内なる自分とライが格闘しているとふいにリシェルが呟く。
「でもさ……よかったよね……」
 なにが?そう聞き返そうとする前に続きをリシェルは口にした。
「バレンタイン」
 言うとリシェルはフッと息を吹き出し、そしてライの顔を見つめながら続ける。
「なんかさ。由来とかそういうのあたしは知らないんだけどこういうなにか特別だって思えることがあると普段どおりのことでもなんか特別に感じちゃえるのよね」
 それはライも同意だった。2月14日。特別でないただの日付が掛け替えのない日に変わってくれた。
 自分だけの特別ななにか。それを人は見つけ誰かと分かち合う。それがいつしか風習や行事に姿を変えるのだ。
「そうですね。こんな風になにげない時間を大切な人と、特別な時間だと思って過ごせるのならそれは素晴らしいことなのかもしれませんね」
 それにポムニットも補足する。幸せになれる方法は人それぞれ。けれど一緒に幸せになれる方法も存在する。
 二人での幸せ。三人での幸せ。あるいはもっと、もっと多く。よりよい幸せを掴み取れるのかもしれない。
 大切な人に感謝するその気持ちを忘れなければ。
「ありがとうな。二人とも。今日はオレのために。オレ、すげぇ嬉しかった」
 だからライも感謝する。最高の一日を自分にプレゼントしてくれた大切な二人に。
 微笑んで二人に感謝の言葉を口にするライ。リシェルは当然よと得意気に言い放ち。
 ポムニットはごういたしましてと丁寧にお辞儀する。
「さて、と……それだけ感謝してるなら一ヵ月後のホワイトデーは期待してもいいわよね」
「ホワイトデー?なんだそりゃ?」
 聞きなれない単語を耳にしてキョトンとするライ。してやったりとほくそ笑むリシェル。
 したり顔でリシェルはそのまま続ける。
「男の子の方がバレンタインデーのお返しをする日よ。パパから聞いた。パパはあんたのパパから。ひょっとしてあんた知らなかったの?」
 意地悪く微笑みながらリシェルは言う。その表情にうっとライは嫌な予感を覚える。ホワイトデー。
 そういえば昔、親父から聞いたこともあるかもしれない。忘れてたけど。
「ちなみにホワイトデーのお返しは三倍が相場です。ライさん」
「ぬわにぃぃっ!!」
 チョコのお礼は三倍返し。かくも非情なルールをぽろっとポムニットは口にする。仰天するライ。
 ちょっと待て。聞いてねえぞ。おい。三倍返しだなんて。そんな。
「さあてと……あんだけ恥ずかしい真似してあげたんだから当然それに見合うお返ししてくれるんでしょうね。あはは。なにしてもらおうかしら」
「うふふふふ。ライさん。勿論おじょうさまだけではなくてわたくしにもですよ。ふふ」
「なっ……あぁ……」
 そうして邪悪な笑みを浮かべる二人。挟まれるライは血の気がさあっと引きあがる。おい、待てオマエラ。
 いったいオレになにをさせるつもりだよっ!普通のことでいいんだよなっ?
 今日のヤツより三倍美味いケーキ焼いたりとかすりゃそれでいいんだよな?おい。
「さあて……それはどうかしら……」
「そうですね……うふふふふふ……」
「………………………………」
 ほくそ笑む二人の表情にライは絶望的な気分にさせられる。ああ、一ヵ月後のオレよ。頼むから強く生きてくれ。
 オレももうすぐそこへ逝く。
「勘弁してくれ……」
 溜息とともライはそう呻いた。一ヵ月後のホワイトデーの試練。それをどう乗り越えるかで頭の中はいっぱいだ。
 けれど思う。そんな試練も含めて人生の楽しみなのだと。2月14日。バレンタインデー。
 この風変わりな異界の行事はライの中で確かに掛け替えのない大切なモノに今年からなったのである。


 〜fin〜

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