アティ先生の青空授業



「……えっと」
 アティが困惑の表情を浮かべる。
 ここは、シルターン集落、鬼の御殿。ミスミに呼び出され、海賊船から駆けつけたアティだったが、その彼女からの『お願い』がいささか常識の範囲を超えていたようで、彼女を途惑わせていた。
「私が、スバルくんたちに、勉強を教える、ということですよね?」
「そうじゃ」
「でも、どうして……」
「あの子らにはな、これからこの島を担ってもらいたいわけじゃ。広く世界を知る、もちろん外の世界のことも」
「はい、そのことはこの前も伺いましたけど……」
「担うならば必要不可欠な知識じゃろうが?子を生すための勉強なんじゃから」
 そう、スバルたちとの勉強自体は、ウィルを混ぜて今までも、青空教室で何度となく繰り返して来たことだ。ただ、今回の『お願い』の問題はその内容なわけで。ミスミがアティに頼んで来たのは、『男女の営みに関しての正しい知識を教えて欲しい』とのこと。いわゆる、性教育である。
 子供といえど異性、アティが躊躇うのも無理はない。ましてや、彼女は軍学校へ通う生徒のための家庭教師として雇われただけであって、本職の教師という訳ではない。勉強、体術を教えるノウハウは、自分の経験から引き出せても、生活一般の範疇である保健知識を教えるには、半ば門外漢であるといえなくもないのだ。
(困りましたね……)
「なぁ、先生、やってもらえぬものかな」
「うーん……」
 言葉に迷うアティの背中に、
『バカモン!!』
 怒声が響いた。
 驚きに思わず背を震わせ、恐る恐る背後を伺うと、そこに立っていたのはゲンジ。アティにとって恩師と呼べる存在の老人だ。
「おうおう、どうした、御老体」
 ミスミが声をかけると、ゲンジは憤懣やるかたなしといった表情のまま、ずかずかと二人の間に入ってくる。
「先ほどから話を聞いていたら、あまりの若造の不甲斐なさに耐えられんでな。何を躊躇うことがあるか!」
 再び怒号。正座のアティが目を閉じて、身を縮みあがらせる。
「教師たるものが、生徒を恐れ、壁を作ってなんとする!いいか、間違った方向へ進み、とり返しのつかないことになる前に、正しい方法を教えておくことが、生徒の未来に如何ほどの理となるか、それを自身の羞恥心と天秤にかけるなど、言語道断!貴様も教師を名乗るならば、生徒のことを第一に考えよ、ならば迷うことなどあるまい」
(生徒のことを、第一に、ですか……)
「ゲンジさん……」
 おずおずと質問を挟む、アティ。
「なんだ」
「ゲンジさんも、そういう勉強、教えてたんですか?」
「おう。もちろん。ワシが教師だった頃は、この自慢の精神注入棒で、何人もの大和撫子を鍛え上げて来たもんじゃ!」
 そう言って、呵呵と笑うゲンジだった……


「というわけで」
 舞台は変わって、青空教室。ウィル、スバル、パナシェを前に、教壇に立つアティがいた。眼鏡装着、片手には教鞭。格好を見れば、文句なくいっぱしの教師だ。
「今日の授業は、『性教育』になります」
 はーい、スバルとパナシェが元気よく返事。一方、それが何なのか、うっすらと理解しているウィルが一瞬言葉を失った後、
「ちょ、ちょっと、先生!」
 怒気を孕んだ声で、ウィルが立ち上がる。
「それ、どういう事ですか!」
「どういうもなにも。これは、オトナになるためには必要な勉強ですよ」
「そうじゃなくてですね!」
 言いよどむウィルの横にアティは歩み寄ると、その耳元で、囁いた。
(この時間は、私はみんなのセンセイなんですよ。聞き分け良くしてくださいね)
「……だけど」
 拗ねた表情を浮かべるウィル。
(心配しないで。個人授業は、きちんと夜、ウィル君一人にしてあげるから。ね)
 なんとなく、艶っぽい囁きだった。過去、行われた『個人授業』の内容を思い出してか、顔を真っ赤にして俯いてしまうウィル。
「あー内緒話してる」
 目ざとくそんな様子をスバルが見咎める。
「えっと、それじゃ、授業に移りますね」追及がこないように、そんなふうに話題を切り替えながら、教壇に戻るアティ。

「みんなの種族には、男の子と、女の子がいるのはわかりますね?」  シルターンの鬼人とメイトルパの獣人は、そのあたりの構成に関しては、リインバウムの人間と大差ない。
「個人差はありますが、年を取るにつれ、男の子はどんどん男の子らしい体つきに、女の子は女の子らしい体つきになっていくんです」
「先生、質問」
 スバルが挙手。
「はい、何ですか、スバル君」
「それじゃぁ、海賊船のあの人はどうなんだ?男らしいの、女らしいの?」
(スカーレル……)
 名前が出なくても、誰のことか分かったアティは苦笑するしかなかった。
「……あの人は例外ですから」
「ん……?」
「と、とにかく、普通は、男の子は、大人になるにつれ、肩幅が広がったり、筋肉が付き、ガタイの良い、男らしい体つきに。女の子は、体付きの曲線を柔らかに、胸も出てきて女の子らしい体つきになっていくんです。ところで、それ以前に、男の子と女の子を分ける、決定的な体の違いがありますよね」
「チンコついてるか、ついてないかだ!」
 嬉々としていうスバル。
「な!下品だよぅ、スバル……」
 パナシェが頬を赤らめ、弱々しく抗議した。
「だって、そういう事だろ、なぁ、先生」
「はい。スバル君の言う通り。男の人にはチン………」
そこで、顔を赤らめ、止ってしまうアティ。そのセリフを口に出すのに、どうも嫌悪感があるらしい。
「こほん……えー、ペ、ペ……ペニスがついているわけです」学術的と思えそうな響きの言葉を選んで口にするも、やっぱり顔が真っ赤になってしまう。
「ところで、スバル君はどうしてそのことを知ってるんですか」
「う、それは……母上と一緒に、風呂に入るから……ち、違うぞ!無理矢理だからな!母上が、無理矢理風呂に入れようとするから……」
「そうですか……、では、スバル君、お母さんの体と自分の体を比べて、他に違う部分って、わかりますか?」
「それは……胸が大きいとか……くらい?」
「それもありますね。でも、もう一つ、決定的な違いがあるんですよ。そしてそれは、子供を作る行為を知る上で、とても大切なことなんです……」
 言うと、アティは教壇の上にちょこんと腰掛けた。裾の短いワンピース故に、ふとももとスカートを結ぶ三角形に、純白の下着がちらりと覗く。半ば意識して、半ば自然に、そんな風に生徒達に自身の女性らしい部分を強調するアティ。
 すこしだけ上気した声で続ける。
「今日、みんなには、女の子の体について、じっくり勉強してもらうことにします………ウィル君?」
「は、はい!?」
 桃色の囁きに半ば惚けていたウィルが名前を呼ばれて我にかえる。
「お手伝い、お願いしますね」
「手伝いって何を……わぁ」疑問を抱くウィルを強引に立たせるアティ。
「ウィル君は、とりあえず、後ろに立ってて下さいね……さて」
言うなり、アティは上着を脱いだ。セーター一枚になる。膨らみ、くびれ、そしてまた膨らむ、魅惑のボディラインがこれ見よがしに浮かぶ、タイトな装い。
「んしょ」掛け声とともに、まずは右肩がはだける。続いて二の腕。普段は見ることのない、そのきめこまかくて白い肌。
 同じように、アティはみずから左肩を上着から抜いた。胸の上までを露出した形。
 背後のウィルの息遣いを感じる。そして、スバルとパナシェが一言も発することなく、集中してこちらのようすを見ている。その熱っぽい視線がアティに何ともいえない歯がゆさを与える。

「まずは、さっきスバル君が言ってた、胸の方から説明しますね……二人とも、もっと近くに来て見てもいいんですよ」
「お……おう」
「……うん」
 乞われるままに、彼らが前へと近づいてくる。手を伸ばせば届く場所に陣取った二人が、胸のところで止められたアティの手が、服を下ろすために動くときを今か今かと待ち構えている。
ぷるん。
 肌と同じく白く、そして形良く膨らんだアティの乳房が露出した。セーターに押さえつけられていたそれは、戒めから解き放たれると、持ち前の弾力で、勢い良く飛び出すのだ。まずは右側、そして、左。
「おっぱいは、女の人にとって、触られてきもちのいい場所の一つです。でも、触られて気持ちのいい場所は、乱暴にされると、とても痛い場所でもあります。ですから、触れるときは、優しくしてあげてくださいね。ちなみに、胸の大きさは、個人差があります。私のは、ちょっと大きいかな?」
 むに、と自分から強調するように二つの胸をすくって持ち上げるアティ。
「それじゃ、ウィル君。お手本を」
「お手本……わかりました」後ろにいたときから、ある種の期待でいっぱいだったウィルは何ら抵抗なくこの提案を受け入れる。
 後ろから回された二つの腕が、たぷんとしたアティの胸を掴んだ。
「……ん!」
 包むようにてのひらを広げて下乳にあてると、こねくり回す回転運動。アティの胸が動きに従い、ぐにぐにと歪んだ。
「はぁん!……いい、いいよぉ、ウィル君……乳首、乳首も弄ってください……」
 遠慮がちに伸ばされた手が乳輪に、そして突起に触れる。擦られると、桜色の乳首はぷくりともちあがる。
「んん……いい、ですかぁ……胸で、一番っ、敏感なのはぁ……ここ、乳首ですぅ。さわられると、こんな風に、立って、きちゃうんですぅ……一番、感じる場所ですから……注意して、触ってくださいね……んん!」
 きゅう、そんな言葉が終わる前に、ウィルがそこを摘まんだのだ。何とか説明しようと、意識を払っていたアティにとって、予想外の刺激。息を飲むと同時に、ぴくんと背を反らせた。
「先生……オレ達は……」
 目の前の痴態に当てられた二人の少年が、乞うな視線を向けて来る。
「ん……いいですよ……でも、乱暴にはしないで、ね?」
「わかった!」
 途端、アティの胸にまとわりつく腕は、六本に増えた。
「くん!」
 乳首を、胸全体を掻き回される感触に、甘い吐息が抑えられなかった。
 経験者のウィル以外は、はじめはおずおずと触れる程度のことしかできなかった。しかしそれも少しの間。慣れればすぐに、子供らしい好奇心で、この魅力的な膨らみを貪り出す。
「す、スバルくん……んっく!そんな、に、強く吸っても、オッパイは……出ませんよ、んはぁう!……パナシェ君、肉球イイ……気持ちイイです!ぷにぷにで、ざらざらなのが、乳首擦ってますぅ……ウィル君、いつもより、乱暴……刺激、強すぎですぅ」

 それぞれの攻めが繰り広げられ、しばらくして…… 「ん!はぁん……ちょっと、待って、胸は、ストップ……もう止めて、ね!」半ば強引に、アティは胸から三人を引き離した。
「えー」
 明らかに遊び足りないという声が上がる。
「はぁ、はぁ……まだ、次がありますから。私もここで体力を使いきるわけにはいきませんから」荒い息を整えながら、アティは続ける。
「女の子の体には、もう一つ男の子と違う部分があります。それは……」
 胸をはだけた格好のまま、アティは教壇により深く腰掛けた。そして、両足を大きく開いていく。セーターの裾は腰元までずり上がる。M字の開脚、ふとももの間には普段は隠されている、純白のパンティが、露となっていた。
「ここ、です」
 そのまま、アティは自らの手をパンティに潜り込ませた。そして、スリットを誇示するように、下着をゆっくり横にずらしていく。
 茂み無い恥丘。そして合わせ貝のように桃肌色の、左右の肉壁で閉じられた秘部が姿を現す。
「おお……」
 覗き込む少年たちから、驚愕とも、感嘆とも取れない声が上がった。
「ここが、女の子の体の特徴。赤ちゃんが出てくる場所、おしっこをする場所、そして……好きな男の子のペニスを入れるための場所です」
 言いながら、肉壁を左右に割る。くぱり、そんな音が聞えてきそうに、糸を引くあざやかな、サーモンピンクの中が晒された。人差し指で指差しながら、アティが説明を続ける。

「この上の出っ張りの部分、ぷっくら豆みたいに膨らんでる、ここが、女の子の一番敏感な部分です。で、真ん中よりちょっと下の穴が、ペニスを入れる穴になります。……ここは胸以上にデリケートな場所ですから、触るときはよーく注意してくださいね」言うと、後ろのウィルを振り返る。上気した頬のまま、艶っぽく呟いた。
「それじゃ、ウィル君、お願い……」
 胸に回されていた手が、ゆっくりと下半身に下りた。
 ほっそりとしたウィルの指が秘部に辿り着いた。先ほどの胸への刺激、それと差し込む視線のせいか、じゅんわりとそこは潤っている。ぺたぺたとその愛液を纏わせた人差し指は、ゆっくり膣内に飲みこまれる。
ぬぷぷぷぷ………
「はぁん!」
「うわぁ……凄ぃ……あんなちっちゃい穴なのに指が入って……」
 パナシェがそんな感想を。
 如才なくもう片方の手は、淫核に回される。包皮されたそれを、その上からしゅに、しゅにと擦る。また、めくり、くりりとしたその部分に人差し指の腹を擦らせる。
「ん……!ウィル君、上手……」
 じゅぽ、じゅぽ。指の出し入れに従い、秘部から淫音が。滴り落ちた淫水がいつのまにか教卓の上に小さな水溜まりを作っていた……
「は、きゅん……ん、くは。……こうやって、ん!!女の子を、準備……気持ち良く、させて、上げてくださね……いいよぅ、いいよ、ウィル君、来て……来て」
 教卓の上でかえるのような開脚をしていたアティが、乞うような視線のままに、姿勢を変えた。上半身を教卓に押し付ける。大きな胸が歪に潰れた。そして、後ろに立つウィルに、その部分を差し出すように、教卓の外に下半身を投げ出したのだ。

 ウィルの方は何もせずとも準備万端だった。
 ズボンの中から、屹立したそれを抜き放つ。
 そして、指の出し入れの影響か、ひくひくと蠕動する膣穴に狙いを定めると、腰を進めた。
ぐちゅ……じぷぷぷぷ。
 淫音とともに、アティの膣内がウィルのモノを受け入れる。
「すっげー」
 注入部を真近で見ていたスバルが感想の声を上げた。
「良く入るんもんだなぁ……」
 ぐっ、ぱん。ぐっ、ぱん。ウィルが腰を打ちつけると、肉のぶつかる音が響く。
「はあん!!ウィル君、いつも、より……激しぃ!!」
「せんせ、い、こそ……しめつけきつくて……くっ!」
「ねぇ先生、オレ達は……」
 繰り広げられる痴態に我慢いかなくなった二人が、再び乞う視線。
「んっ!……入れるのは、ダメですけど、口で、してあげますから……」貫かれたまま、両手を二人の股間に伸ばすアティ。こちらも充分に支度ができていた。
 子供じみた外見によらず、ごつごつと節くれ立ち、歪に、攻撃的に屹立したスバルのもの。
(鬼神の末裔……子供でこんなのなら、大人になったらどんなになっちゃうのかしら)半ば呆れて、アティはそんなことを考えた。
 そして、ふさふさとした体毛に覆われた包皮の中から、肉色の男根が覗く、パナシェのもの。
 屹立した二本を、手でしごくアティ。しゅに、しゅに。ほとんど初めてに近い、そこを責められる快感に、二人の少年が歓喜の声を上げる。
「あむ……じゅく……れる……くちゅん」
 かわるがわる、口に含んでいく。とわたりに舌を這わせ、アイスキャンディのように、全体を嘗め回す。二本を眼前に置き、れるれると同時に舌をあてる……千変万化のアティの攻め。それは、後ろを突く、ウィルにとっても、扇情的なものだ。
 そしてアティも、前後を責める男根に酔っていた。
(凄ぃです……これ。みんな、必死になって私を攻めて……気持ち良くて、みんな、可愛いから……)
「うわぁ、なんだこれ……おしっこが、おしっこが出る!?」
 まずはスバルが叫んだ。すかさず、アティは射精寸前でぴくぴくとする男根をほお張る。半ば無意識にスバルはアティの後ろ頭をかっちり抑える。身動きできなくなったアティの口中で、スバルのそこから、凄い勢いで白濁が飛び出して来た。
 びゅぅ……びゅく、びゅく。酷く溜まっていたせいか、それとも鬼神の射精はこういうものなのか。喉の奥を叩くような勢いで、先端から迸りが発される。
「むご……ん!ぐ!!」
 後頭部を抑えられれてるため、うめけども逃れることができない。アティがくぐもった声を上げる。
 数度、腰をひくつかせては精を放ったスバル。ようやく腰を引きぬいた。
 ごぽり。アティのくちもとから、溢れた白濁が零れた。
「うわ、何で白い!?」
「……くちゅ……ん。これはおしっこじゃなくて、精子っていって、赤ちゃんの元になるんですよ」
 零れた白濁を指先ですくうと、これ見よがしにスバルの前でくちゅくちゅとするアティ。
「先生……僕もぉ……」
 今度はパナシェの番だった。
 切ない声にあわせて口をモノへと運ぶ。スバルの白濁がまだ口の中に残っているためか、アティの口の中は、ストロークにあわせて、くぷくぷと音を立てる。素早く動くと、唾液が零れ、あごを伝って首筋から教卓に落ちた。
「うぁ……うわぁ……」
 半ば半狂乱な声が上がり、そしてパナシェのモノが膨らんだ。
どぷん、どぽん。
 先端から酷く濃厚な質量を持った塊が、アティの口中に発される。
「んぶ……んぼ……ん!!」
 二回、三回……蠕動するたびに、白濁がアティの口中を満たす。とにかく量が多い。溢れるほどのそれが、回を重ねても減ることなく、一方的に放出される。
「むん……ぶ……ぐぐ」
 ごぼ。口中を、そして喉を、溢れかえさせ、微かに獣臭する白濁がくちもとから溢れて来た。
「……えふ、えふ……ん、げほげほ……ぱ、パナシェくん、量が凄すぎて……」
 ようやく引き抜かれたモノ。むせながら、アティが言う。
「ご、ごめんなさい!!」
「ん。いいですよ」(多分、獣人はこれで普通なんでしょうね……)

 残るは、後ろから攻めてくるウィルのモノだけだった。
「先生………先生ぃ!」
「いいですよ、ウィル君、そのまま、そのままで……!」
「くぅ!」
 ぐい、一際深く、膣奥までウィルのモノが叩き入れられる。
 そして……どくん、どくん。そこを満たすように白濁が注がれた……
「はぁ……出て、ます……。こんな風に、膣中に、せーしを出すと、赤ちゃんが産まれるんですよ……」
 荒れる吐息で、アティが二人に言葉をかける。
「でも、それじゃ、先生赤ちゃんできちゃうんじゃ……」
 パナシェがおずおず呟いた。
「あ……」
 背後のウィルが凍り付いた。今更ながらに、しでかしたことの重要さに気付いたらしい……
「ん。大丈夫ですよ。今日は、大丈夫な日ですから」
「……大丈夫な、日?」
 首を傾げる二人。
「……まぁ、でもあまりこういうのはあてになりませんから。女の人とこういう子とするときは、お互いに好きな相手、守ってあげたいと責任持って思うことができる相手だけにしましょうね……」
「……先生……それは……」
ぎゅう。
 はだけた服のまま、ウィルを強く抱きしめるアティ。胸に挟まれたウィルの顔は真っ赤だった……


「ふぅむ」
 その後ろの草むら。必死に息を殺して様子を伺っていた人影が二つ。
「なかなかやってくれるではないか」
 成り行きに満足した風のミスミ。
「ふん。若造にしては……といったところだろうな」
 そして、ゲンジ。
「ふぅむ……しかし……女生徒はおらんもんかのう」
「……あ〜、御老体?まさか、まだ……」
「なぁに。ワシは生涯現役じゃ!」
 再び、呵呵と笑うゲンジに呆れるしかないミスミだった……


おわり

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