イスラ×アティ 2



「イスラさん。な、何を……?」
 硬直した身体を抱きこむのは簡単だった。
 夜風に揺れる髪からは、ふんわりと花の香りがする。
「シャンプー、いい匂いですね」
「あ、はい。マルルゥに貰ったので今日のお風呂で……って、あの……」
 状況を把握していないようにとぼけた僕に、彼女は顔を赤らめつつ身を離そうとする。
 それを封じるように、腕の力を強めつつ、にっこりと微笑んだ。
「そう。じゃ、準備は良いってことだね?」

「準備……?」と、わけがわからない風情の彼女の夜着を肌蹴させる。
「まったく、貴方って本当に危機感がないよね。そんな格好で出歩いて、もしも帝国軍に見つかったらどうするのさ?」
 いくら温暖なこの島でも、夜は多少は冷える。
 夜気が僅かに、彼女の身体を揺らした。
 そして彼女といえば……。
 呆然と固まっていた。
「アティさん?」
 このまま先に進むのもいいけど、少しぐらいは反応なり抵抗なりしてくれないと面白くない。
 頬を軽く叩くとようやく現実へと戻ってきた。
「ああああ、あの……ご、ごめんなさい!  やだ私ったら、ちゃんとボタン留めてなかったなんて……」
 どこかずれた発言をする彼女に、苛立つ。
 自分の状況がわかっているのか?
 どうしてそこで、今にも自分を犯そうと……そういう対象で見ている存在に謝罪ができる?

「……やめてくれる?そういうの」
 口元から笑みを消して、ボタンをかけなおそうとする手を掴んだ。
「痛っ……」
 わざと痛いように掴んでいるんだから、当然だ。
 彼女の抗議を聞き流しながら、またいつもの笑顔の仮面を被る。
「夜にそんな格好で出歩いていたら、『襲ってください』って言ってるようなものだと思うけど」
 こんな風にね。
 かろうじて胸で引っかかっていた夜着を指先で落とす。
 夜着を落とすのが目的だったけれど、それは別の効果をもたらしていた。
「ぁ……っ」
「あれ?此処、立ってるね」
 指が触れたらしい胸の頂を突付けば、ため息が漏れる。
 童顔なくせに、胸はかなり大きいほうだと思う。普
 段は服やマントで殆ど見えない其処がさらけ出されていることに優越感を覚えた。
 どうせ服で隠れるし、と首筋に唇を寄せる。紅い鬱血が白い肌にじんわりと咲いた。
 その間にも、手で包み込むには丁度良い胸を弄る。
「…………っ」
 先程から声を出すのに抵抗を感じていたのか、必死になって唇を噛んでいる彼女の顔は苦痛に歪んでいて、とても綺麗だった。
「声、出してもいいよ。どうせ僕以外聞いてないんだから」
 交信の場所は、誰も近寄らないような場所を選んでいたつもりだった。
 だから、彼女のように僕の後をわざわざつけて来るようなことをしない限りは気づかれることはない。
「聞かせてよ」
 胸元を舌で嬲ると、びくり、と一際大きく震えたのがわかった。
「へぇ……、耳も胸も弱いんだ。じゃあ、こっちはどうかな」
「や…やめてくだ……ぁあっ!!」
 わざと言葉で挑発して彼女が口を開いたタイミングで、空いていた手を下着へと伸ばす。
 薄い布越しに、僅かな湿りを感じた。


つづく

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