偕老同穴



山中を歩いて回るレックスの目に沢山の「紅」が飛び込んでくる。
自然が作り出したその美しさに見惚れる時間もあればこそ、それとは真逆の方向を向いてレックスは目的の物を探索し続ける。
「御館様。こちらです」
「そっか・・・! 今行くよ」
キュウマの声に導かれ、レックスの足は紅葉で色鮮やかな木々の間を進んでゆく。
ヤッファと愉快な仲間達
―事の始まりは今朝の事。いつもの護人同士の集まりの席での事だった。
「どうでも良いけど・・・やつれすぎじゃない? クノンも連れてくれば良かったわね」
「まあ・・・その顔見れば何があったか位は分かるけどな。詮索ぁしねえよ」
「一瞬砂棺の王かと思いました」
呆れ顔の護人の面々は開口一番そう言うと、レックスに休息を勧めた。
「新婚時代のリクト様を思い出します」
そしてキュウマに肩を担がれながらの帰り道、彼にそんな事を囁かれた。
それと
「それでですが・・・精力促進に聞く良い薬の作り方を知っているんですよ」
そんな事を言われ、材料となる薬草を探すためこうして山中を詮索しているのだった。
「ふぅん・・・この根っこが・・・」
「ええ、この蔓のような植物の根が材料の一つになりますね」
キュウマがハートを長く伸ばしたような葉を付けた植物を挿して言う。
「かなり長い根ですので、手間はかかりますが・・・」
「ドリトルでも召喚しようか?」
「いえ、なりません。確かに早く掘る事はできるでしょうがそれでは根が傷ついてしまいます」
言葉と共に、クナイを取り出し地面を掘り始めた。
「じゃ・・・俺も頑張らないとな」
手持ちの柳生十時手裏剣を使い、レックスもまた土を穿つ。
無限回廊で苦労して入手した武器には悪いがスコップがないんだからしょうがないさ
心の中で言い訳一つ。黙々と作業を続ける。
「御館様・・・御疲れなのですから貴方は休まれていてもよかったんですよ?」
「そういうわけにもいかないよ、キュウマ。耐久力のない自分が悪いんだし」
召喚術にも飛具の扱いにも長ける”蒼の賢者”ではあったが体力はいささか心もとない。
無色や帝国軍との戦いで常にそれを気にしていたレックスではあったが、よもやこんな形で自分の欠点が災いしてくるとは予想外だった。
「まあ・・・あのリクト様すら足腰が立たなくなる事があった程ですからね・・・あ、そこ気をつけて」
「鬼姫の名は伊達じゃない、か・・・。結構太いもんだね、この根っこ」
変な所でミスミ様に感心しながらも、着々と根は掘り起こされていた。
多少の時間を掛け1m程の根が完全に姿を表していた。
「これだけの物が取れれば十分でしょう」
「しかし・・・どうやってこれを薬に?」
「おっ、こりゃ随分とでかいジネンの根ですなー」
汗を拭うレックスがキュウマに問うた所で、側から聞きなれた声。
一拍置いて体格の良い男が姿を見せた。
「オウキーニさんじゃないですか。どうしてここへ?」
「食材探しですわ。丁度わいもそれを探してましてん」
「え・・・、これですか?」
「そうです。これを蕎麦つー料理に掛けて食べると、そりゃあもううまいんですわ」
「へえ・・・」
「それは良かった。オウキーニ殿、これを調理してくださらぬか?」
「え?」
「いいんでっか?」
「ええ。身体に取り入れやすいほうが効果もありますし、残りの薬草はシノビでないと入手困難な場所に生えていますから。御館様も先に帰っていてください」
「そっか・・・すまないけど頼んだよ、キュウマ」
「御意。では」
言うが否や、サルトビの術を使うとキュウマは山中へと消えていってしまった。

「うむ・・・やはりお前さんの作る蕎麦は見事なもんじゃ」
オウキーニが料理を作ったのはゲンジの家だった。たまたま今日が彼の所へ回ってくる日だったらしい。
蕎麦をリクエストしたのもまた、ゲンジだったようだ。
「元いた世界にも、この料理があったんですか?」
「そうじゃ。向こうではこのかかっている白いのは自然薯と呼ばれておってのう。よく食べたもんじゃ」
「そうなんですか・・・うん、このとろみがなんとも・・・」
「ちっ・・・手で食うのは無しか?」
「流石にみっともありませんよ、ヤッファ」
黙々と蕎麦をすするゲンジとレックスとは対照的に、ヤッファとヤードは箸の扱い方に苦戦していた。
「やっぱ食べにくそうですなー。フォークも用意しておけばよかったですわ」
「しかし、レックスは良くこれの使い方を知ってましたね」
「学生時代帝都にいた時にちょっとね。しかし・・・キュウマはまだ探してるのかな?」
「いえ、ここに」
「うわっ!?」
心配そうにしていたレックスの傍らには、いつの間にか蕎麦を啜るキュウマの姿。
「それ・・・わての分」
脱力気味にキュウマが黙々と食べる蕎麦を見ていたオウキーニだったが、気を取り直すと再び台所へと消えていった。どうやら作り直す気らしい。

「お、お帰り・・・それで薬草は取れたの?」
聞かれたキュウマはちゅるりと麺を啜り終えると、無言でレックスの蕎麦に粉を振り入れた。
「これが・・・?」
「ええ、鬼忍に伝わる秘薬です」
どれどれとばかりに、レックスは蕎麦をひと啜り。ジネンの根のとろみがやはり美味で・・・
「って、無味無臭?」
「左様。しかし効果は抜群ですよ。効能がでるまでにはいささか時間はかかりますが」
「そっか、有難う。・・・ところで材料は?」
「秘伝ですから」
「・・・えっと、薬草なんだよね?」
「秘伝ですから」
「・・・・・・」
返答は無駄だと確信し、再び蕎麦そ啜り始めるレックス。
程なくして蕎麦を平らげたレックスはゲンジらと雑談した後、帰路についた。

「しかし御主にしては随分と積極的に動いたもんじゃな」
「・・・・・・」
二杯目の蕎麦に手をつけているキュウマに、意地の悪い笑みを向けるゲンジ。
「つい先日、スバル様がミスミ様にこのような事をおっしゃっていたのです」
「・・・・・・?」
「『早く弟か妹の顔が見たい』と。ミスミ様は苦笑しながら『そればかりは運任せじゃからのう』などとおっしゃっていましたが・・・。もともと、鬼である我々は身篭る事がそうそう多くはありません。異種族との交わりであればそれはなおさらでしょう・・・家臣である私にできる事といえばせいぜい、この位ですよ。」
「そうか・・・やはり御主は御主らしいな」
「褒め言葉として受け取っておきます」
「じゃが折角薬を作ったんじゃ。それで村の若い女子の一人や二人・・・」
「なな・・・そんな滅相も無い!」
「はっはっは・・・まったくうぶなもんじゃ。・・・と、お前さんらはまだやっておったのか」
「・・・・・・うるせえ」
「ほっといてください」
顔を高潮させ、慌てるキュウマ背後で未だ箸と挌闘する半泣きのヤッファとヤードにゲンジは軽くため息をついた。

(うーん・・・薬を飲んだのは良いけど・・・一体何時ごろから効き始めるのやら)
屋敷へと向かう帰途。肝心な事を聞いていないとレックスは首を捻らせていたと、そんな彼の背中に烈風が吹きつける
「うわっ?」
前につんのめるようにしながらも踏みとどまり返り見るとそこには見慣れた姿
「まったく・・・後ろから何度も声を掛けているというのに。考え事でもしておったのか?」
「あはは・・・ちょ、ちょっとね」
遠目でも分かるほど拗ねているミスミ様をなだめようとレックスが歩み寄る・・・と
ドクン・・・
(・・・・・・っ?)
心臓が急に跳ねたような感覚。と同時に身体を猛烈な熱さが襲ってきた。
(な・・・ひょっとしてこれが薬の効果か?)
劇的な変化に思わず肩膝をつく。異変を察知したか慌ててミスミ様が駆け寄ってきた。
「どうした?! しっかりせい!」
抱くような姿勢を取ったミスミ様の肩にレックスの手が伸び、しっかりと掴んだ。
「大丈夫・・・だよ」
「大丈夫な事があるものか! 身体もこのように火照って・・・」
「大丈夫、だから・・・ミスミ。ちょっとこっちへ・・・」

黄昏時の神社の境内の裏は何処か神秘的な空気に包まれていた
「このような場所に人を連れてきて・・・一体何をするつもりじゃ?」
怪訝な顔をしているミスミ様。その唇が急に柔らかい物によって塞がれた
「ん・・・んむっ?!」
ミスミ様の表情が驚きへと変わり紅潮、恍惚としたものへと変化してゆく
長いディープキスを終え、ようやくミスミ様の口が自由となる
その口からは唾液が糸を引き、夕日によって妖しく光っていた。
「はぁ・・・っ はぁ・・・っ 突然何故・・・このような・・・」
「すまないね・・・ミスミ。急に君が欲しくなったんだ」
「あっ・・・」
手馴れた手つきでレックスは着物の前をはだけさせ手からこぼれ落ちそうな柔らかな乳房を持ち上げ、振動させ中心に絞るようにしながらグニャグニャと揉みしだいてゆく。
「あ、やぁっ・・・そんな強く・・・」
ミスミ様の声が聞こえているのかいないのか、レックスは彼女の困惑と快感に悶えた顔を一瞥すると勃起して張った乳首を軽くつねり上げた
「ああああっ!」
そしてやさしく転がし、手のひらで円を描いて擦る。
ミスミ様の足からは既に力が抜け、必死にレックスに持たれかけ崩れ落ちそうになるのを耐えていた
本人も気づいているのかいないのか腰がと前後に動いており、膝をモジモジすり合わせている
そんな彼女の様子に満足するかのようにレックスはくすりと笑うと乳首を口に含み、唇で乳首を吸い上げながら舌先で転がす。
小さめな乳首は限界まで勃起していて弾力があり舌先で押してみると跳ね返ってきた
「はう・・・うっ・・・く、あ・・・」
ついにその姿勢を保っていられなくなり、崩れ落ちそうになるミスミ様のお尻を両手で掴むレックス
はちきれそうな弾力のあるお尻の感触を慈しむかのように軽く揉みしだく。
胸を愛撫したまま、着物の裾をたくし上げる。無論着物の下に下着は無い。
「あ・・・」
オレンジ色の光の中でもミスミ様の顔が更に紅潮するのが分かった
既に茂みは溢れ出る愛液に濡れそぼっている。
そこへとキスをするとびくん、と身体がのけぞった。そのまま舌を這わせふくらみを舐め上げる
「駄目じゃ・・・湯浴みもしてないし、きたな・・・ふ、あうっ」
「ミスミの身体に汚い所なんかないさ・・・」
レックスはミスミ様にたくし上げた裾を持たせ、両足を軽く開かせた。
散々に焦らされ、愛撫を受けたミスミ様の秘口はドロドロになっており今にでもレックスの分身を受け入れる準備はできていた。
(まだ・・・早い)
「あ・・・うあっ」
レックスはそのまま口全体で秘部を包み込むと舌先をくねらせ弄ぶ。
輪郭を確認するかのようにゆっくりと、舌先を這わせてゆく。
やがて陰核を探し当てるとそこを集中的に刺激し始めた
「駄目じゃ・・・外だというに・・・あっ・・・うあああああっ!」
意識の上では分かっているのだろう。だが湧き出る快感を抑えきれず声を上げあえぎ続けるミスミ様
そんな様子を愉しむかのようにレックスは唇を窄めると陰核を吸出し舌先でさらに刺激を加えてゆく
「駄目じゃ・・・っ あっあっ、駄目じゃ駄目じゃっ!」
腰を引き逃げようとするのを両手でしっかりと押さえ愛撫を繰り返す。
「だ・・・あ、あ〜〜〜〜〜っ!」
抑えられない程に激しく腰を動かしたかと思うと身体全身を痙攣させミスミ様は遂に絶頂に達した
「おっと・・・」
全身の力を虚脱させ、地面に崩れ落ちそうになる身体をしっかりと支えるレックス
「はぁ・・・っ はぁ・・・っ はぁ・・・っ」
肩で息をし、全身をじっとりと汗で濡らしたミスミ様の肌に黒髪が張り付いている
戦っている時とは違った美しさがそこにあった。
「じゃ・・・ミスミ。そこに手つけて・・・」
休む間もなくミスミの身体を社の壁にもたれかけさせた
「少し・・・お尻を突き出して」
「こ、こうか・・・?」
ミスミ様の腰が浮くのを確認すると、レックスは自らの肉棒を掴み彼女の秘裂へと押し当てた。
そのまま割れ目をなぞるように上下へと擦りつける。
「う・・・はよう・・・はよう挿れて・・・」
「うん? 挿れるって・・・何をいれて欲しいんだい?ミスミ」
「そなたの・・・をわらわの・・・に」
「良く聞こえないな・・・」
「・・・っ」
「大丈夫。こんな時間に此処へくる人はいやしないから・・・ほら、言ってごらん」
「・・・わらわの、わらわのアソコをそなたの大きいので掻き回して・・・早ぅ!」
恥じらいを捨て懇願するミスミ様。お尻をくねらせ肉棒を飲み込もうと腰が動いている。
「良く言えたね・・・ミスミっ」
「あああああっ!」
それに合わせ、レックスは思い切り腰を突き出した。ずぶずぶと肉棒がミスミ様の中に埋もれてゆく。
地面にはぼたぼたと、両の器から溢れ出た液が零れ落ちた。
根元まで腰を突き入れたレックスは再び亀頭まで肉棒を引き抜くと、深く浅く前後へとピストンを開始した
「あくっ・・・あっ・・・ああっ」
ミスミの肉壁はそれを待ちわびていたかのように肉棒が出入りするたびきつく締め付け、あるいは出て行こうとするそれに絡み付いてくる。とても男の子を一人産んでいるとは思えない動きだった。
レックスが動かずとも自ら腰を揺らし、快感を貪る。
レックスにしても動きが単調にならぬよう、時に円を描くように腰をくねらせた。
そのたびにミスミ様の嬌声が上がり、黄昏時の境内に響く。
「くっ・・・あっあっ・・・良い、良いのじゃ・・・そなたのが心地良い・・・っ」
鬼姫と魔剣の主はお互いを確かめ合うように動き続ける。
既にミスミ様の太腿には愛液が伝い流れビショビショに濡れていた。
やがて、レックスの動きが早くなる。それに合わせるかのようにミスミ様の締め付けも強くなりだした
「俺も・・・俺も気持ち良いよミスミ・・・っ」
レックスの手が伸び、ふくよかな乳房を揉みしだく
「そうか・・・そなたも良いか・・・ふああっ」
ミスミも自ら手を伸ばし、結合している肉棒の根元を掴んだ。
「ああ・・・っ そちの大きいのが奥まで、奥まで届いておる・・・」
亀頭は肉壁に擦り上げられ、竿もまたミスミの手によって愛撫されレックスの意識が白濁してゆく。
接合部分から出る水音のみが二人の頭を支配する
「もう駄目だ・・・ミスミ・・・」
「良いぞ・・・わらわも、わらわももうっ・・・」
「く・・・うおっ」
「中に、わらわの中に沢山注いで・・・っ!」
「うあああ・・・・・・・・・っ!」
「あ・・・あああああああああああっ!」
熱い飛沫がミスミ様の中へと迸り満たしてゆく。
絶頂したミスミ様の内部は強烈にレックスを締め付け、一滴も残さぬと言わぬばかりに搾り取る。
「でておる・・・たっぷりと・・・わらわの・・・中に・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
そのまま二人共壁にもたれかかり、暫くは動かなかった。
レックスが意識と取り直し、肉棒を抜こうとする。と・・・
「まだじゃ・・・もう一度・・・」
ミスミ様はそう言い、再び腰を密着させてきた
「元気だね、ミスミ・・・」
「そなた程ではないわ・・・」
レックスの肉棒もまた、あれほどの絶頂を迎えたというのにまだその硬さを保っていた。
「よし、じゃあこのまま・・・」
二人は再び、ほの暗い境内で睦みあいを開始した。
「まったく・・・バチ当たりにも程があるわ」
すっかり暗くなってしまった道を重なり合った二つの影が進んでゆく。
「あはは・・・ごめん」
薬の効果も切れ、レックスが正気に戻ったのは何度目か既に分からない契りの後だった。
流石に足腰の立たなくなったミスミ様をおぶさり、歩いているのだから薬の効果押して知るべし、である。
「でもミスミだってあんなに声をあげて・・・あいたっ」
「ば、馬鹿者・・・っ」
顔を赤く染めたミスミ様の拳がレックスをしたたかに打つ。だか何処かその姿が微笑ましい
暫くの間、足音と周囲の虫の声だけが暗闇を支配する
「・・・子は、できるかのう」
「あれだけ出したからね・・・」
「またそなたはそういう卑猥な事を・・・」
「できるさ。きっとできる・・・」
力強い、レックスの声。戦いの時もまたこの声に励まされ、生き延びれた事をミスミ様は思い出す
「そうじゃな・・・きっと」
行為の後の心地よい虚脱感と、レックスの背中の感触の中ミスミ様はまどろみへと落ちてゆく。
ミスミ様が眠ったのを確認すると心中でレックスはキュウマへと改めて感謝の意を述べた。
―行為に没頭していた二人は知らない。
黄昏時の境内を、慌てて駆け下りる一つの小さな影があったという事を。


おわり

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