和気藹々



夕刻の神社の階段を、半ば転げ落ちるように一つの影が降りてゆく
「はぁっ・・・はぁっ・・・うわっ!?」
気が動転していたのか、足を踏み外し身体が宙を舞った。
―常人であれば、ただでは済むまい
しかしその影は人でも、物語に出てくるようなドジなレビットでもなかった
そのまま空中で体勢を整えると華麗に地面に着地した。
「ふぅ・・・」
一息つくと影は腰を下ろし、胸に手を当てる
動悸は未だ激しいままだ。・・・別にこれは階段から転げ落ちそうになったのが原因ではない
たった今―境内で出くわしてしまった光景の所為である。
「まさかあんな所で父上と母上が・・・」
顔を真っ赤にした風雷の皇子―スバルの顔にはありありと動揺が浮かんでいた。

(別に、今の父上が嫌とかそういうのじゃないけどさ・・・)
取り合えずそこにへたり込むというのもシャクだと感じていたスバルは黙々と畦道を進んでいた。
今の父、即ちレックスの事は今の関係となる以前から憧れの存在だった。
魔剣の使い手である以前に良い先生として学ぶうちに、こんな人が自分の父上だったらと想像したりもしていた程だ。そしてそれは現実となった。
(お、おいらだってどうすれば子供ができるかくらい分かってたけど・・・)
ついつい両親の睦み合いを思い返してしまい、赤面して俯いてしまう。
今は亡きリクトの武器を使おうと倉庫を漁っていた時偶然見つけてしまった春画等で”そういった知識”は既に覚えてしまっている。
様は純粋に二人の行為による刺激が強すぎたという事であろう。
(にしても・・・)
―普段スバルに見せたことの無い表情と艶やかな声を上げるミスミ様
―冷静そうに見えながらも、恍惚とした表情のまま背後からミスミ様を攻めていたレックス
「あれって・・・気持ちよいのかな・・・?」


「た、ただいま・・・」
「お帰り。あれ? 二人とも一緒だったの?」
「あ、ああ・・・ちょっと手合わせしててね・・・ねえミスミ?」
「うん? そ、そうじゃそうじゃ・・・少々母が無茶をしてな。こうして父上におぶってきて貰ったのじゃ」
「ふうん・・・それよりおいら、お腹ペコペコだよっ」
「ごめんよ。今すぐ作るから先にお風呂にでも入っててくれるかい?」
「うん!」
とっとっと、とスバルが廊下の向こうに消えてゆくのを待ってからレックス達は溜息一つ。
「なんとか・・・誤魔化せたかな?」
「まあ、流石にそなたの香りがする着物を取り替えねばな・・・
丁度良いからわらわもスバルと湯浴みをしておこう」
「ん、分かったよ」
バレバレの上、気まで使われた事等当人達は気付くはずもなく・・・

(ね、眠れない・・・)
時刻からすれば丑三つ時はとっくに過ぎているだろうか
スバルはギンギンとした目でまっすぐ天井を凝視していた。
二人を出迎えた時はなんとか平静を保っていたのだが、そこまでが限界だった。
後から湯船に浸かってきたミスミ様とはまともに顔も合わせられず、自らの股間の硬直を隠すのでやきもきし、夕飯の時も似たようなものでそそくさと食事を終え、奥に引っ込んだ。お陰で中途半端な量しか食べていない為腹の虫が鳴り止まない。
夕食の残りの冷や飯でおにぎりでも作ろうと褥を抜け出してみれば両親達が再び睦み合っているのにでくわしてしまい、そのまま二人が果てるまでをしっかりと見学してしまった。
「っつーか二人とも・・・没頭しすぎだよ。普段なら気配を消してても気付く癖に・・・」
まあ、最後まで見てた自分も自分だ。と顔を顰めるスバル。
(何とかしないと・・・これじゃおいらの身体が持たないよ)
結局その日は解決法を考える為、スバルは一睡もできはしなかった。

「ヴァー」
うめき声とも溜息ともつかない声がスバルの口から発せられる。
あれこれ考えているうちに朝日は昇り、今日も今日とて学校である。
「ん? 寝不足みたいだね、スバル。夜更かしは駄目って言ってるだろ?」
「う、うん・・・」
(まったく・・・誰が原因だと思ってるんだよ)
毒づきながらレックスと並んで学校へ向かう道すがら、頭に浮かんだ解決法を整理してみる
眠れないというだけなら、ヒポタマにスイートブレスを吹きかけて貰う等という手もあったが根本的な解決にはならない。
何故なら、両親の睦み合いを見て異性への興味がもたげてしまったことこそがそもそも眠れない原因なのだ。
(つまりは・・・どうにかしてこの好奇心を満たせばどうにかなるって事だよな)
微妙に、というよりもかなりズレた発想に行き着いていることにスバルはまだ気付いていない。
(アルディラやクノンの姉ちゃん達は・・・頼めばどうにかなりそうだけど、冷静に突っ込まれそうだな)
(ソノラの姉ちゃんは・・・どのみち今頃海の上か)
(ファリエルの姉ちゃんは・・・ばれたらフレイズにぬっころされるだろうなぁ・・・)
考えれば考えるほど暗雲が立ち込めてきて思わず頭を抱えてしまう。
「あ、先生さん、ヤンチャさん。おはようですー」
「ああ、おはようマルルゥ」
「あ・・・」
(そういえばこいつも、まがりなりにも女だったっけ・・・)
「どうしたですか? ヤンチャさん」
腕を組み何やら考え込むスバルに、レックスもマルルゥも首を傾げた。


「ええっ、そんな事するだけでおこし3つもくれるんですかっ?」
「ああ、嘘じゃないよ」
妖精の森のやや奥、人気のない場所へとスバルはマルルゥを呼び出していた。
最初流石に渋るだろうと思っていたのだが、かみなりおこしを3つ渡すという条件であっさりとマルルゥは納得してしまっていた。
「でもヤンチャさんも変ですねぇ。こんな所が見たいだなんて」
「べ、別にいいだろっ!?」
「まあ、マルルゥはおこしが3つも食べれるなんてそれこそラッキーなのですよ。シマシマさんはお前さんの体躯じゃすぐに虫歯になっちうだろ、って風雷の里で貰ってもマルルゥの分まで食べちゃうんですよ? あれでシマシマさん、結構甘党だから・・・」
(うーん・・・やっぱり色気はないよなぁ)
早くもかみなりおこしに思いをはせ指を咥えながら遠くを見やるその姿には確かに色気の欠片も見られない
「とにかくっ、見せてもらうからな・・・」
「はいはい」
少々凄むスバルの声に促され、マルルゥはその可愛らしい服の裾を捲り上げて見せた
直に陰毛も生えていない滑らかな恥丘が露となった。
「・・・・・・」
喉を鳴らし、じっとマルルゥの恥丘を見つけるスバル。
「ヤ、ヤンチャさん・・・?」
いつもとは違うスバルの様子にいささかマルルゥも動揺する。
同時にそれまでは薄かった羞恥心が今頃になって沸いてきた
(なんか・・・変ですよぉ)
舐めるかのようなスバルの視線が、自らの曝け出されている下半身に集中している。
その事がなんとも言えない、これまで味わうことの無かった感覚をマルルゥに植えつける。

そして数分と経たないうちにマルルゥは内股を擦りもじもじとし始めた。
「なんだよマルルゥ、じっとしてないと見にくいじゃないか」
「だ、だって・・・なんだかここがムズムズしてるんです」
「ん・・・?」
言われてよくよく見てみると、擦り合わせる内股の間から太腿を伝わり、一筋の液が流れていた。
「濡れてる・・・」
「ひゃっ、ヤンチャさんっ!?」
顔を紅潮させていたマルルゥをスバルの両手が掴み、身動きできないように固定してしまった。
そして今までよりもさらに間近からマルルゥの恥丘へと顔を近づける。
「駄目ですよぅ、ヤンチャさん。なんだかマルルゥ、恥ずかしいです」
必死にもがいてみせるマルルゥだったがその身体には力が入らず、その声も何所か弱弱しい。
反対にスバルの視線は何かに取り付かれたかのようにじっとマルルゥの股に注がれ、息も荒くなっている。
「すご・・・濡れてる・・・それにいい匂いがする・・・」
「えっ・・・? ヤンチャさん? 何す・・・ひゃあっ!? あああああっ!?」
マルルゥの身体を、電気が走ったかのような感覚が貫いた。
頭が真っ白になり口が、目が大きく開く。
スバルの舌がマルルゥの陰口をぺろり、と舐め上げていたのだ。
「あ・・・ああっ、ヤンチャさん・・・そこ汚い、ですよ・・・ぉ」
「そんな事無いよ・・・それになんだか甘くて、美味しいし・・・」
「んぁっ!? やああっ、うあああああっ」
マルルゥが花の精霊である事が原因か、はたまたスバルが異様に興奮しているからなのか
それは定かではなかったがスバルの嗅覚と味覚が捕らえていたのは確かに花の蜜と香りだった。
「やっ・・・く、ふあああっ」
全てを舐め取り、吸いださんといわんばかりにスバルの口がマルルゥの股間にむしゃぶりつく。
その都度マルルゥは甘い声をあげ、のけぞった。
身体のサイズの違いもあり、スバルの舌から伝わる刺激は並の物ではなかった。
「いいっ・・・なんかマルルゥすごく気持ち良いですぅ。ヤンチャさん、ヤンチャさんっ!」
マルルゥの声が聞こえているのか否か。スバルの愛撫は止まらない。
「変、変ですよぅ! マルルゥ、マルルゥ飛んじゃう、飛んじゃいますっ!」
花園には本来無縁の嬌声と、淫猥なぺちゃぺちゃという音が響き渡る。
「飛んじゃ・・・っ・・・あ、ああああああああああっ・・・!」
びくん、とマルルゥの華奢な身体が大きく仰け反りそのまま失禁してしまった。
それすらも、スバルは飲み込み嚥下してしまう。
だがマルルゥがぐったりしているのを見るとようやく自分を取り戻したか優しく花畑の上に下ろした。
「はぁ・・・っ・・・はぁ・・・っ・・・。あれ・・・ヤンチャさん、それどうしたんですか?」
「うわわっ・・・」
マルルゥの視線の先、そこにはスバルの小さいながらも勃起した肉棒があった。
着物の下からでもはっきりと屹立しているのが分かる。
「こ、これはその・・・」
「そんなに大きくして・・・苦しそうですよぉ・・・マルルゥに何かできること・・・ありますか?」
未だ恍惚とした表情のマルルゥを見ていたスバルだったが、何かを決意すると口を開いた。
「・・・あるよ」
・・・・・・
「んっく・・・ん・・・ヤンチャさん、気持ち良いですかぁ?」
「うん、すっごく気持ちいいよ・・・マルルゥ」
スバルは自らの肉棒にマルルゥをしがみつかせ、先端を舐めるようにと頼んでいた。
挿入するには大きすぎ、しがみつかせるには多少小さいがマルルゥはそんな事気にもかけないという調子で竿を身体全体を使ってしごき、先端から出てくる液を啜ってゆく。
「うあっ・・・マルルゥ、そこ・・・もっと強く・・・」
「こうですか・・・? んっ・・・なんだかマルルゥもまた変な感じになってきちゃいました」
「マルルゥが身体を動かすたびに、マルルゥの股間とスバルの肉棒の間からにちゃにちゃという音がする。
その音が二人の快楽を誘い、マルルゥの動きを激しいものへと変えてゆく。
「マルルゥ・・・っ、マルルッ・・・」
「やああん、また、またマルルゥ飛んじゃいますっ」
「うわあっ、うあああああああっ」
「ひゃあああああああっ」
マルルゥとスバルは同時に仰け反り、肉棒からは噴水のように白濁液が飛び散るとマルルゥの身体全体に降りかかっていった。
「うあ・・・あ・・・あ」
「なんだか不思議な匂いですねぇ・・・でもあったかい・・・」

「まあ、その後『これは他の奴には秘密だからなっ』ってヤンチャさんは赤い顔のまま行っちゃったんですよ」
「で、なんでお前はその秘密を俺に話してるんだ?」
「あ、あわわわっ! シマシマさん、この事は他の人には秘密ですよ? でなきゃマルルゥ、かみなりおこしが食べれなくなっちゃいますから」
「あのなあ・・・」
どう言っていいのか分からず、頭をボリボリと掻くヤッファ。
(しかしまぁ・・・あのボウズももうそんな事を考える歳になったのかね)
「とはいえ・・・随分と・・・な事をしたもんだ」
「・・・・・・」
飲みなおすか、と出てゆくヤッファが小声で呟いた一言をマルルゥは聞き逃さなかった。

―翌日
今日もまた、いつものように学校が始まろうとしていた。
「昨日は良く眠れたみたいだね、スバル」
「うん、まあね・・・」
レックスにも笑顔で返すスバル。その顔は憑き物が落ちたかのように晴れ晴れとしていた。
(取り合えずおいらにアレは刺激が強すぎだな・・・もうちょっと、大きくなってからじゃないと・・・)
「皆さん、おはようございますぅ」
「お、今日も元気だね。マルルゥ」
「マルルゥは何時だって元気ですよぅ」
「お、おはようマルルゥ」
昨日の事もあり、おずおずと声を掛けるスバル。そんな彼にも笑顔を向け、マルルゥは開口一番こう言い放った。
「おはようございます、エロエロさん!」
「Σ(゚д゚lll)」
「スバル、ちょっと小一時間程話したい事が・・・」

・・・その日真っ白になったスバルを担ぎ歩み去ったレックスは小一時間経っても戻って来ず、結局臨時休校になってしまったとかならたかったとか。


おわり

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