光風霽月



「大・・・夫。もう傷・・・完・・・・・・塞・・・りましたよ」
「よかった・・・で・・・・・・でも私は」
―微かに声が聞こえる
(そうか、俺は・・・)
マグナの意識が次第に鮮明になってゆく
湿原で召喚師に狙撃されようとしていたカイナを突き飛ばし、そのまま胸を撃たれて・・・
(我ながら、間抜けなもんだよな)
だが、それ以上にカイナが無事だったかどうかが気になっていた
その事に気付き改めて苦笑する
(・・・ふう・・・惚れた男の弱みって奴かね)
そこでようやくマグナは自分がベットに寝かされている事に気付いた。
「私は・・・マグナさんに何と言ったら良いのでしょう」
「・・・カイナさん?」
アメルとカイナの声。カイナの声がどこかしら震えている
「だって・・・私の所為で・・・傷ついて・・・今度は命まで・・・」
「マグナが撃たれた事だったら・・・多分そのままカイナさんが撃たれていたほうがこの人は傷ついていたんじゃないかしら」
「え・・・?」
「何時だってマグナはそうですよ。自分が傷つく事よりも大切な誰かが傷つく方がこの人にとっては何倍も辛いんだから・・・治療してる時だって、うわ言で貴方の名前を呼んでた位だし」
―それだけに、私のほうが妬けちゃいます
言葉の後半を心中でのみ呟いてみせる
「・・・・・・」
カイナを見ると頬を染め、やや困惑した表情を浮かべていた。そんな様子にアメルは微笑し
「それじゃ・・・後はよろしくお願いしますね。マグナが起きたらネスティがまた『君は馬鹿か?』って言っていたって伝えておいてください。他の皆も心配してたって」
「はい・・・」
「ああ、それと」
「・・・・・・?」
ドアを開ける直前でアメルが振り返った
「自分が悪いと思うなら、逃げずに謝らないとね。―気持ちを伝えないと何も変わらないですよ」
「ありがとうございます、アメルさん・・・」
閉じたドアに向け、カイナは暫く頭を下げていた。

部屋を静寂が支配していた。
ちろちろと、ランプの明かりが燻る音が耳へと入ってくる
「・・・マグナさん、そのまま聞いていてくださいね」
ベットの横にある椅子に座ったまま眠るマグナの顔を見、呟くカイナ
「殿方とじっくり顔を合わすのはやっぱり・・・今でも馴れないですから今のうちにちょっと練習させてください」
すっと息を吸い込む
「先ずは・・・ごめんなさい。早とちりや不注意の所為でマグナさんに迷惑を掛けてしまいました」
膝の上に組んだ手に、ぎゅっと力が入っている
「それと・・・今更なのかもしれないけど、やっと・・・自覚した事を言わせて貰います。
―私は貴方の事が・・・大好きです」
一息に言い切り、片手で胸を押さえる。マグナが眠っているのも分かっているはずなのに鼓動は既に早いものへと変わっていた。・・・と
「俺も、君の事が好きだよ」
膝の所にあった白い手をマグナの手がぎゅっと握っていた
「え・・・!? マ、マグナさ・・・」
慌ててマグナの顔を見ると軽く微笑み、上体を起こす彼の姿。
突然の事にカイナは熟れた果実のように顔を紅潮させ目を白黒させる。
「いいいいいいつ・・・から?」
「そうだな・・・カイナとアメルの会話の終わりごろからかな?」
「そ、そうですか・・・。傷は痛みませんか?」
「アメルの癒しの力かな? 多少違和感はあるけど・・・」
マグナが胸に巻かれた包帯を擦ってみせる
「銃弾は貫通していましたから・・・そのお陰で治療は楽・・・」
カイナはその後の台詞を紡ぐ事ができなかった
彼女の身体はマグナの手で絡み取られ、身体へと抱きかかえられていた。
「マグナ・・・さ」
「怖かったんだ」
ぎゅっと、カイナを抱く手に力が篭る
「あのまま、誤解されたまま・・・君がいなくなるかもしれないかと思った時には身体が動いてた」
「それは・・・それは私だって同じです。撃たれた貴方を見て・・・ネスティさん達がいらしていなかったら、正直・・・正気を保てていたか分かりません」
そのままカイナはマグナに寄りかかる。
「カイナ・・・もう暫く、このままでいいかな・・・」
「・・・はい」
「カイナ・・・」
マグナの手がカイナの髪を撫でる
「・・・はい?」
「・・・キス・・・していいかな?」
「・・・はい」

窓から月明かりが優しく、部屋へと降り注ぐ。
青白い光に照らされベットへと横たわるカイナの姿は神秘的で綺麗だった
(明かりを消したは良いけど、あまり意味はなかったかな)
恥ずかしいので部屋の明かりを消して欲しいと言うカイナに従ったのは良いが寧ろ今の方がはっきりと彼女を確認する事ができている。
「・・・・・・」
当の本人は緊張の為、そんな事はすでにどうでも良くなっているようではあるが。
「カイナ、着痩せするタイプだよね」
「ん・・・ふあっ」
形の良い乳房を両手に納め、撫でるようにしてマグナは手を動かしてゆく
乳房を弄ばれがらも指でぷっくりと勃った乳首を刺激され、その度カイナが甘い声を上げた。
「ああっ・・・や、駄目です・・・そこ・・・はっ」
そんな彼女の様子に、マグナの愛撫は弱まるどころかその度合いを強くしてゆく。
今度は口に含むと、乳首を軽く甘噛みしていた
「やあ・・・っ!? あああああっ」
ベットに横たわったカイナの身体が仰け反り、ビクビクと痙攣する。
(ひょっとして・・・もうイっちゃったのか・・・?)
マグナ自身としてはまだ、ほんのさわりにしか過ぎなかっただけに少々動揺していた。
もっとも・・・だからといってその手が休まる訳ではないのだが。
「凄いな・・・こんなに溢れて・・・ぐちゃぐちゃになってる」
「だって・・・それはマグナさんが・・・」
「だっても何も。確かに弄ってるのは俺だけど、反応してるのは・・・カイナだろ?」
「きゃふっ!?」
口での胸への愛撫を続けてたまま、空いた手が軽くカイナの陰核をなぞっていた。やはり過剰なまでに反応し、嬌声を上げるカイナ
(駄目・・・マグナさんが、マグナさんが触っているって思っただけで頭が・・・真っ白に・・・)
マグナの愛撫一つ一つに反応し、声を上げ、秘口からは愛液が溢れ出る。
シーツにできた染みはその大きさをみるみる広げていった。
「はぁーっ・・・はぁーっ・・・はぁーっ・・・」
度重なる愛撫によってカイナはぐったりとし、その息も荒い。
(これだけ濡れてれば・・・平気かな)
「カイナ・・・」
虚ろな目をしていたカイナだったが、マグナに呼ばれ彼の怒張を見てその意識を取り戻していた
(私を見ていて・・・あんなに大きく、波打ってるんだ・・・)
不思議と、恐怖は沸かなかった。
「マグナさん・・・早くいらしてください。これ以上されたら・・・私、おかしくなってしまいます」
自ら誘うような言葉を吐いている事にカイナは驚く。しかしそれだけ自分が素直に慣れているという事に対する驚きのほうが大きかった。
「分かった・・・それじゃ、いくよ」
「はい。あ・・・んんんっ!」
自らの身体に熱いものが侵入してくる感触。そして一息に何かが突き破れる感覚と痛み。
自然と、シーツを握る手にも更なる力が篭ってゆく。
「カイナ・・・大丈夫?」
心配そうにカイナを見下ろすマグナ。カイナはそこで初めて、自らが泣いている事に気付いた。
「大丈夫・・・大丈夫です。確かに痛いですけどそれ以上に嬉しく・・・てっ」
シーツを握っていた手を放し、マグナの頬へと両手をあてがう。
「平気ですから・・・動いて下さい。もっと、もっとマグナさんを感じていたいんです」
多少ぎこちないながらもカイナは笑いかけてみせた
「カイナ・・・」
彼女の気持ちに応えるかのように、マグナは注挿を開始する。最初は彼女の身体を気遣いながらゆっくりと動いていたが、最初からかなり濡れていた事もあって締め付けは強いものの楽に動かす事ができた。
「んふ・・・あっ・・・あああっ」
数分も経たないうちにカイナの口からも嬌声が漏れ出す。愛撫の時にも思ったことだったが素質があるのかな・・・などと下世話な想像がマグナの頭を過ぎる。
マグナに身体を委ねきりだったカイナも、何時の間にかくねくねと腰を動かし快楽を貪っていた。
動きが激しくなった分、肉と肉がぶつかり合う音もより大きくなり、ぱんぱんという音とちゅぷちゅぷという音が室内を満たしてゆく。
「や・・・? マグナさんっ・・・マグナさんっ・・・!」
「く・・・カイナっ」
マグナの腰が奥まで突き出されると同時に熱い飛沫がたっぷりと放出されてゆく。
「あ・・・ああ・・・あ・・・熱いです」
ぬぷりと抜かれた肉棒からは未だに白濁液がトクトクと飛び出しカイナの肌に降りかかった。
こぽり、と苺色の混じった精液が秘口から溢れ出た。
「カイナ・・・」
「あっ・・・」
絶頂の快感冷めやらぬカイナの身体をマグナが抱き上げる。
「もう一度・・・ね?」
「はい・・・」
マグナに誘われるがまま、カイナは再び彼と口付けを交わしていた。

「まったく・・・君は油断しすぎだ」
「そう言うなよネス・・・咄嗟だったんだからさ」
「君は馬鹿か? そこで狙撃者を倒してこその召喚師だろう? そもそも―」
反論の隙もない程速射砲のように説教を続けるネスティ

「ネスティも素直じゃないわよね。一番心配してたクセに」
「そう言わないの、ミニスちゃん。あれも一つの愛なんだから」
「まあ分からなくもないけど・・・」
「あら・・・?」
何とか言い訳をしようと会話のタイミングを伺っているマグナの様子を楽しそうに見るカイナ。
その髪に付けられていたかんざしにケイナの目が向いていた
「カイナちゃん・・・それちょっと壊れてるけど、いいの?」
「ああ、御姉様。これはこれで良いんですよ」
大事そうにかんざしに触れ、笑ってみせるカイナ
(このかんざしは、二人の絆の証ですから・・・)
縁とは複雑なものである。常に絡み合い、一方向にのみは伸びていない。
数多くの可能性があり、人々はその一つ一つを手繰り寄せ進んでゆく。
マグナとカイナが出会ったのもまた・・・偶然の積み重ねの一つなのだろう
(なればこそ・・・トウヤさん、カシスさん・・・これも貴方達のお陰ですかね)
届くはずが無い。そう分かっていても
サイジェントにいるであろう彼等に、カイナは感謝の意を向けた。

―一方サイジェント
「だから、どっちにするのかって聞いてるの!」
「いや聞いてるも何も・・・僕はアカネの事が」
「黄泉の瞬きっ!」
ぼうぉぅぉーん、どどむっ
「がふっ・・・!?」
「よく聞こえなかったんだけど・・・もう一度言ってくれる?」
「むむーっ! むむむーっ!」
「黄泉の瞬きっ!」
ぼうぉぅぉーん、どどむっ
「さあ、どっちになの・・・?」
(いっそ殺してくれ)
攻撃的な相方を持ったのもまた・・・縁なのであろう


おわり

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