鬼畜兄弟シリーズ 邂逅編〜夏美と綾 その2



「あぅぅっ!!…んくぅ……んっ…くっ……」
責め苦に喘ぎ声を絵美は漏らす。それは彼女にとってもはや日常とも言える姿であった。ただひたすらに繰り返される調教はか弱い少女の精神など容易く打ち砕いていく。後背位から膣肉を突き上げる衝動は絵美の胎内に肉奴隷の刻印をより深く刻み込んでいく。
「あくぅぅぅぅ!!ひぃぃ…やっ…あっ…あぁぁぁぁぁ!!!」
吐き出される白濁は絶望を刷り込む。とめどなく続く陵辱は幻想を砕き、非情な現実を突きつけて諦観へと誘う。
「へ…へへ…絵美は…奴隷ですぅ…ご主人様たちの…肉便器ですぅぅ……」
焦点の定まらぬ瞳で涎をこぼしながらそんな言葉を漏らす。今の自分がその言葉通りの存在でしかないことは自明のことだ。自分はもう玩具なのだ。その事実を否定し続ける気力など一欠けらもありはしない。こんな風に気まぐれで陵辱され調教され、惨めに犯され続ける自分など。
「えへへぇぇ…うひぃ…いひぃぃぃ!!きひぃぃぃ!!あふぁぁぁぁ!!」
壊された意識。それでもまだ壊し足りぬとでも言わんばかりに繰り返される調教。
その中で絵美の哭く声は絶え間なく響き続ける。

気がつけば互いに相手の顔を見つめながら一言も発せずにいた。拉致され閉じ込められた場所で出会った自分と同じ年頃の少女。名前は確か綾といったか。その綾に対して夏美は自分から声をかけることができないでいた。
(だって…何から話せばいいんだか…そんなの…わかんないよ……)
そう胸中で言い訳めいて呟く。実際その少女、綾に対して聞きたいことは山ほどあった。どうしてこんなところにいるのか?果たして自分にとって害のある存在であるのかないのか?だが混乱した夏美の頭では何を最初に切り出したもの見当もつかない。
「あの………」
「はっ……はいっ!!」
綾に尋ねかけられて反射的にビクッとして夏美は返事を返す。夏美のその様子に綾の方も言いかけた言葉を詰まらす。
(どうにかしてよ!この状況!!)
もじもじと一向に進展しない事態に夏美の忍耐が持ちこたえられなくなる。それでも自分から綾に対してアプローチを仕掛けるふんぎりがつかなかった。見やると綾の方も似たような様子だ。互いに今の現状を打開したい。けれども糸口がつかめなくて悶々としている。こんな状況は正直言って性に合わない。
「ああっ!!もう!やめやめっ!」
堪えきれずに手で頭を押さえて呻く。突然声を上げたので綾の方も驚いて目を丸くしていた。その綾に対してゆっくり大きく深呼吸してから夏美は話しかける。
「その…樋口さんだっけ?あのさ…その…あたし…多分あたし達…変な奴に同じように捕まっちゃたんだと思うんだけど…そいつの仲間とか…そんなんじゃないから…さ…だから……」
しどろもどろになりながら話す夏美。そのしぐさに何か安心させられるものを綾は感じクスッと微笑む。その綾の様子に安堵して夏美を深く息を吐いた。

それからというもの二人の会話は徐々にではあるが滑らかに動き出した。互いの軽い自己紹介から始まって軽い雑談。久しぶりに同年代の相手とこんな談笑できて互いにいつのまにか楽しんでいた。ちょっとした世間話。互いの学校の話題など。お互い一番聞きづらいことはあえて触れないようにして。それが問題の先延ばしに過ぎないことは分かっていながら。
「……………………………」
「どうしたの?いきなり黙っちゃって……あっ…………」
雑談の途中突然黙り込んだ綾に対し怪訝そうな表情を夏美を浮かべた。だが、すぐに自分の愚に気づく。自分達がただ現実逃避に興じていたことに。
「橋本さん………わたしたち…どうなってしまうんでしょう………」
「どうなるって……そんなの……………」
ポツリと呟いた綾の言葉に夏美も口ごもる。自分達がこれからどうなるのか。どれも悪い想像しか浮かばない。拉致される以前。そしてつい先ほど自分が何をされたのか。思い出すだけで身が震える。肩がガタガタ悲鳴を上げている。顔が青ざめる。ただ恐怖心だけが膨れ上がっていく。
「ごめんなさい!こんなこと言い出すべきじゃありませんでした。わたし…本当に馬鹿なことを……ごめんなさい。」
恐怖に引きつった夏美の様子を見て綾は自分の過ちと思い謝る。
「ううん。こっちこそ……こんなふうに忘れたふりしたって…状況がよくなるわけじゃないのに………」
ただ突きつけられた現実から逃げたいだけ。自分がそうであったことを夏美は恥じ入る。自分は馬鹿だ。現実から目をそらしたところで結末は変わりなどしないのに。
「橋本さん………」
心配そうに声をかける綾。現実逃避に浸っていたかったのは綾も同じだった。立て続けに不可解なそして理不尽な出来事に巻き込まれ続けて。だがこれ以上逃げ続けるわけにもいかない。思い出してしまった。自分の後輩のことを。自分たちよりも以前に拉致され辛い責め苦を今も受け続けているであろう絵美。その彼女のことを忘れて自分だけ新しく出会ったこの話し相手と談笑に浮かれていた。なんという薄情者なんだろうと思う。
(絵美ちゃん…ごめんなさい…絵美ちゃんのことを忘れるなんて…わたし…)
絵美に対し心中深く謝罪する。思い浮かぶ絵美の姿。自分にすがり付いて泣きついた絵美。助けを求めつ悲痛な表情。その絵美に裏切られて辱めを受けたこと。だが絵美が悪いわけではない。気が狂うまでに酷い仕打ちを絵美は受けたのだ。そのことが分かる。一時正気を取り戻した絵美の顔。今も焼きついてはなれない。自分はあの娘を助けてあげることが出来なかった。おぼろげな意識で記憶に残る光景。躾と称して泣き叫ぶ絵美を蹂躙する異形の怪物の姿。あれは悪夢じゃない。現実だったのだ。ひたすら陵辱されて泣き叫び自分に助けを乞う後輩を見殺しにすることしかできなかったのだ。なんて汚い人間なんだろう自分は。苦しみ続けている後輩のことを忘れて自分だけつかの間の座興に浮かれて…自分に対する情けなさで胸が溢れてくる。
「うっ……絵美…ちゃん…ごめんな…さっ…うぐっ……」
いつの間にか声に出して綾は嗚咽していた。はたから見ても彼女の苦しみが見て取れる。そんな綾に対し夏美は気がつくと声をかけていた。
「あのさ…名前だけどさ……」
声をかけられ涙で濡れた顔を綾は夏美に向ける。夏美は一瞬戸惑い、しかし意を決して気を吐く。
「その…夏美でいいよ…そっちの方が気楽だから…だからさ…あたし達…その本当に話し合わなきゃいけないこととか…もっと……」
本当に話し合わなくてはいけないこと。自分達が置かれている現実を認識してどうするか力を合わせること。それが必要なのだ。何が出来るかは別として。そのことをようやく今になって気づいた。だから……
「わたしも綾でいいですよ。その……夏美さん。」
弱く微笑んで答える綾に、夏美の表情に僅かに明るい色が差し込む。先の見えない暗闇の中で少女達はほんのささやかな支えを互いに手にした。

「えへ…えへへへ…ふふ…ひひ……」
ゴポゴポと音を立てて胎内から溢れ出る液汁。その生暖かい感触が腿に伝うのを絵美は確かに感じていた。
「あは…はははは…………」
壊れた意識で力なく薄ら笑いを浮かべる。そこに残されるのは虚無感。自分にはもはや何もどうすることも出来ないということ。ただひたすらにこのような陵辱を延々と受け続けるのだろうということ。それに対する諦め。諦観で絵美の脳内は埋め尽くされている。
「うひひ…ひゃは…あはは……」
髪の毛を掴まれて引きずり起こされる。それでも腹から笑い声しか出てこない。絶望と恐怖に支配された人間はもうこんな風に壊れた人形のように哄笑するしかないのであろうか。絵美の肉を嬲りつくした怪物たち。それでもなお喰らい足りないというのかその飢餓感を絵美の秘肉を貪ることで満たそうとする。
「あは…はは…綾…先輩…………」
頬に一筋の涙を垂らして絵美はそうポツリと呟いた。


つづく

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