君といつまでも 2



「買い物ひとつでここまで疲れるなんて……」
プレゼントの入った紙袋を抱えながら、ネスティは一人、深いため息をついていた。
まだ本当に、トリスがお祝いの計画を立ててくれているかどうかも分からない。
初めて彼女への贈り物を買ったという満足感と、わずかな不安が心を満たすなか、ネスティの視界にある物が映り込んだ。
「手紙、か……」
袋の中のプレゼントについている封筒。
それを見つめながら、彼はパッフェルの言葉を思い出した。

『心のこもったプレゼントなら、品物ひとつじゃいけませんよ。ネスティさんの気持ちが沢山こめられた、素敵な物を一緒に渡すんです』

彼女が指定したもの。
それは、普段厳しい態度ばかりを見せるネスティが、トリスへの本当の気持ちを伝えることだった。
気持ちに値段なんて関係ない。
手紙という紙一枚の贈り物でも、それが何よりの価値を生み出すことだってあるのだ。
「それにしても……少し色々書きすぎたかもしれないな」
手紙の内容を思い出し、ネスティは思わず顔を赤らめる。
再び息を吐きながら、彼は派閥の門を潜り抜けていった。


「う〜ん、見つからないなあ」
埃が舞い立つ部屋の中、トリスは天井近い押入れを探りながら首を傾げていた。
今日、パーティーの後でネスティに見せようと思っていた物が、一向に見つからないのだ。
かれこれ三十分は探し続けているかもしれない。
まったく懲りようとしない彼女に、やがて小さな苛立ちの声がかけられた。
「……オイ」
「あ、ゴメン。あたし今忙しいから、後にして」
「って、誰のせいでオレ様が被害こうむってると思ってんだニンゲン!?」
イラついた声の正体。
それはトリスに強制的に肩車をさせられている青年――もとい、元の姿に戻ったバルレルだった。
久しぶりに元の姿に戻って欲しいとせがまれ、どんな用事かと思えばこんな雑用とは。
「オレはハシゴか!?」
「ケチケチしないでよ。あたしじゃ背が届かないんだもん」
確かに長身の彼に乗れば、高い場所を探ることも容易となるだろう。
しかしいくら「主」の頼みだろうと、バルレルは本来、霊界サプレスの悪魔王の一人・狂嵐の魔公子とまで呼ばれるほどの存在なのだ。
いくらトリスが、彼にとって初めて認めた「人間」だったとしても、さすがにここまで軽い扱いをされるのは気に食わない。
「この見返りは、メガネの祝いの席で出る酒を六割だ!六割はまるまるオレのモンだからな」
舌打ちをしながらつぶやくバルレルに、トリスは目を丸くして彼の顔を覗き込む。
「お酒なんて出ないよ?あたしとアメルが作った特製ケーキと、お料理、あとジュース」
「お前らそれでも成人か!?」
絶望的な返答に声を上擦らせてバルレルが叫ぶ。
もはやタダ働きで終わるのかと肩を落とすが、トリスはそんな彼の様子などまるでお構いなしという風だ。
――口元を緩めながら、思い浮かぶのはネスティが料理をほおばる光景。
素直じゃない彼のことだから、「まあまあだ」なんて言うのかもしれない。
それでも結局はどれも綺麗に平らげてたりして……。
「あ、あは、あはははっ!」
一人で照れ笑いを始めるトリスの姿に、バルレルは口の端を引きつらせている。
面白くなさそうにケッと吐き捨て、彼は唇を尖らせた。
「大体、メガネの野郎だって、女みてェに甘ったるいモン食って喜ぶようなガラじゃねぇだろ」
「そんなことないわよ。ネスはアメルのケーキ、いつも美味しいって褒めてたし」
今朝あれだけネスティと喧嘩していたのがウソのように、トリスは鼻歌交じりで彼の話題を口にする。
よほど彼のことが好きなのだろう。
負の感情を好むバルレルにとっては不味い事この上ない彼女の心に、胸焼けさえ起こしそうになる。
「アイツはアレでも一応男なんだぜェ?どうせ食わすならケーキより、毎晩通りテメェ自身でも食わせてやったほうが喜ぶぐはァッ!!?」
突然バルレルの首に強い衝撃が走り、その長身がトリスもろとも床へと転げ落ちた。
壮大な音とともに全身を打ちつけ、バルレルの額に青筋が浮かび上がる。
「てめっ……ニンゲン!いきなりバランス崩すんじゃねェ!!」
首をさすりながらバルレルはトリスを睨みつける。
……しかし、当の彼女は。
「……な、ななっ」
ぱくぱくと口をわななかせながら、呆然とその場に座り込んでいる。
その頬は真っ赤に染まり、今にも湯気が噴き出しそうな状態だ。
「オイ?どうしたんだよ?」
怪訝に眉をひそめ、バルレルが顔を覗き込む。
するとトリスは突如我に返ったように目を見開くと、ぶるぶると首を振りだした。
「バ、バルレルったら何言ってんのよ!?あ、あたしとネスはそんなことっ!!」
「……へ?」
「だって、その、ネスはそういうのより勉強とかの方が大事そうだしっ、えっと」
「つまり、やってねェのか」
「…………」
タコと見紛うほどに赤面し、硬直するトリスをバルレルは呆然と見つめていた。
確かに外見はまだ十代半ばほどといわれても全く差し支えのない容貌だが、彼女はこれでも二十歳を過ぎた「成人女性」なのだ。
まさか同じく成人した恋人と過ごしていて、男女の営みを何もしていないとは。
一体どういう生命体なんだ。この二人は。
「おいおいマジかよ……。オレはこんなケツの青い女の護衛獣を三年も続けてるってのか?ハァ……」
「ほ、ほっといてよっ。自分だって子供の癖にっ」
「アレは仮の姿だっ!誓約解いたあとも、目立たないように小さい姿になってやってんだろ。……それに」
ぐい、とバルレルの顔が近づく。
にやりと八重歯を覗かせて笑みを浮かべるその顔は、崇高な悪魔王というよりも不良少年と形容したほうが相応しいかもしれない。
そんな彼の吐息が、トリスの耳元にかかった。
「――少なくとも、お前らよりは経験豊富だと思うぜェ?」
「ひゃあぁあっ!?」
耳たぶをなぞった柔らかい感触に、トリスの体が跳ね上がる。
素っ頓狂な声をあげた彼女が面白くてたまらないのか、バルレルは腹を抱えながらバタバタと笑い転げた。
「ヒャハハハッ!ちょっとからかっただけでこの有様かよ!?ホントに中身はガキだなテメェ?いや、体型もだっけか?」
……耳たぶを、舐められた。
目の前で馬鹿笑いを続ける青年を、トリスは体を震わせながら見つめる。
恥ずかしさか悔しさか、それとも他の色んな要素が組み合わさったのか、ますます上昇していく体温を感じながらも返す言葉が見つからない。
……確かにトリスは、見た目はもとより、中身も充分子供っぽいかもしれない。
しかし彼女がそうなったのは、何も彼女一人が原因というわけではないのだ。
「あたしだって……大人になりたいよ。でも、ネスを遊びに誘ったり夜中に部屋へ行ったりしても、いっつも『勉強しろ』の一点張りで帰されるんだからしょうがないじゃない」
ふくれっ面でつぶやくトリス。
「帰される、ねェ……」
その言葉に、バルレルの表情がふと戻った。
「じゃあよ、このオレ様が直々に手ほどきしてやろうか?」
「――え?何を……きゃああぁっ!?」
言うや否や、バルレルの腕がトリスの小柄な体を包み込む。
というより、抱え込んで床に転がった。
子供のじゃれあいならともかく、成人男性にこんな扱いをされてはたまったものではない。
バルレルの胸に押しつぶされそうになりながら、トリスは息も絶え絶えに彼の胸元から顔を出す。
「ちょっとバルレル!?あたし相手に格闘ごっこはやめなさいってばっ」
「へぇ、ガキの遊びに見えんのか?これが」
相変わらずからかうような目つきで、バルレルはトリスを見下ろす。
次々とリアクションを返す彼女が面白くてしょうがない。
もちろん先ほどの悪ふざけの延長だが、それにも関わらすトリスは必死で手足をばたつかせていた。
「もう、いい加減にしてよね!?」
「ヒャハハッ。せっかくだし、この真っ平らな胸をメガネに見せる前に、もうちょい大きくしといてやるよ」
笑いながら、バルレルが無造作にトリスの胸を掴んだとき。
「あっ……!?」
小さな声とともに、トリスの体が強張る。
見れば、彼女は頬を染めたまま困惑したように、自身の胸元へ視線を落としていた。
バルレルはてっきり「変態!」とでも叫んで余計に暴れるものだと思っていただけに、目を丸くする。
再びやんわりと力を込めると、トリスは意識を取り戻したようにまばたきした。
「ちょっ……、どこ触ってんのっ」
「新発見だ。ねェ乳でも揉まれりゃ感じるんだな」
「バカ言ってないで……ふぁっ」
きゅう、と先端をつねれば、今度は甘い声がこぼれだす。
無意識の嬌声にとっさに口を閉ざしたが、目の前の彼がそれを聞き漏らしたはずがない。
……経験もないのに、体への刺激にこれほど敏感になっていることにトリス自身が驚いた。
ネスティに触れられることを考えているうちに、気づかないところで随分と欲求が溜まってしまっていたのか。
異性に触れられただけで、こんなに気持ちいいと思えてしまう自分がひどく恥ずかしく思えてくる。
「……おい、ニンゲン?」
急に大人しくなったトリスにバルレルは首を傾げ、その顔を覗き込む。
――憂いを帯びた表情。羞恥と苦悩の入り混じった感情。
「うっ――!?」
どくん、とバルレルの鼓動が高鳴り始めた。
この女、こんなイイ顔をする奴だっただろうか。
おまけにトリスから放たれる感情はあまりにも甘く、悪魔にとって心地よい歪みを持ち合わせている。
……錯覚でなければ、この上なく魅力的な存在が眼前に寝そべっているのだ。
「いきなりどうしたの?……静かになって」
訝しげな、不安げな視線。
それを見つめるうちに、下半身に熱がともり始めたのは間違いなく錯覚などではない。
「なぁ、ニンゲン。もともと悪魔のオレでも、魔が差す時ってあるモンなんだな」
「何が……あっ!?」
バルレルが脈絡なく覆いかぶさると同時に、トリスの首筋へ熱い感触がちゅうっと音を立てて降りた。
何度か首筋をついばみ、今度は耳たぶへと移動していく。
「んっ」
小さな胸を再び手のひらに包み込めば、トリスはまたしても体を震わせた。
性感帯さえ知ってしまえばこちらのものだという風に、バルレルは口の端を吊り上げる。
……これほど欲望に従いたいと思ったのはどれくらいぶりだろう。
かつては苦痛に耐えながら従ってきた「召喚主」という存在が、今はとてつもなく魅力的に見える。
「こ、こらっ、バルレル!?護衛獣のアンタ自身があたしを危険に晒してどうすんの!?」
「心配すんなって。外敵からは守ってやるよ。外敵からは、な」
「アンタの暴走からも解放しなさ……ぁっ……!」
するり、と彼の大きな手が太ももを這う。
スカートの中へと忍び込み、柔らかな丸みを帯びたお尻に指先が触れる。
「やっ……」
トリスの口から、かすかな吐息が漏れたとき。

「――やめなさいってのっ!」

「だあぁっ!?」
トリスが手を掲げた瞬間、空間をまばゆい光が覆いつくした。
同時にバルレルの体は衝撃で転がっていく。
あちこちを打ちつけた痛みに耐えながら、ゆっくりと起き上がろうとする――が。
……何か違和感がある。
視線を下に向けると、自身の手足が妙に小さくなっていた。おまけに天井がやけに高い。
「せ、誓約かけやがったなテメェ!?」
「自業自得でしょ!?悪ふざけにもほどがあるわよ」
子供の姿に戻ったバルレルの頭を押さえながら、トリスは小さくため息をついた。
いくらネスティと触れ合える機会がないからといって、他の男に触れられてときめきを感じてしまうなんて。
しかも相手は初対面の素敵な人などではなく、毎日顔を合わせるイタズラ小僧のような悪魔とは。
「自分の心って、案外予想できないもんね……」
気分転換に部屋から出よう。
そんなことを考えながらトリスがドアを開くと、ふと彼女の視界にある物が入った。
……廊下に何か四角いものが落ちている。
それに小さく書かれている文字は――「トリスへ」。
「なにこれ……手紙?」
「不幸の手紙じゃねえのかァ?」
ニヤニヤと笑いながら背後からバルレルが覗き込む。
眉を寄せながら、トリスがその封をおそるおそる開いたとき――彼女の表情は驚きへと変化した。
少し角ばった、几帳面そうな丁寧な字。
それは、トリスが幼い頃から嫌というほど目にしてきた、馴染みのある人の文章だった。
「……ちょ、これって?」
目を文面に滑らせていくうちに、彼女の頬がみるみる染まっていく。
「どうしたんだよ?何が書いてあんだ?」
「……バルレル。あたし用事があるから。すぐ戻ってくる!」
「お、オイ、ニンゲン?」
バルレルに背を向けると、トリスは慌てて走り出す。
――こんなものを床に置いておくなんて。
素直じゃない、彼らしいやり方なのかもしれない。
しかしこれを見た今、今朝の口論の気まずさなど彼女の脳内からは完全に消え失せていた。
あるのは、胸いっぱいに広がる嬉しさだけ。
無意識に緩む唇をなんとか引き締めながら、トリスは廊下を駆け出していった。


「そんな……バカなことが」
綺麗に片付いたというよりは、どことなく殺風景な印象を思わせる一室。
その片隅に座り込む部屋の主――ネスティの瞳は、ぼんやりと虚空を見つめていた。
街から戻ってきて、トリスの部屋の前を通り過ぎたときに聞こえた二つの声。
それは間違いなく、彼女の声と、その護衛獣であるバルレルの声だった。
しかしそれは、いつもの二人の無邪気なやりとりとは到底思えなかった。
――今までに聞いたことのないようなトリスのか細い声に、思わずドアの隙間から室内を覗いたときに見たものは……。
「トリスとバルレルが……あんなことを」
見間違いだと思いたかった。
しかし、その光景は今もまぶたの裏に焼きついて離れていない。
ふと、今朝彼女が口にした言葉を思い出す。

『今日は用事があって――』

「用事……か。僕に黙っていた用事が、あんなものだったとはな……」
自分があまりにもバカな男だと思えてくる。
他の男とあんなことをしていた彼女が、自分の帰ってきた記念日に何かをしてくれていたと思い込んでいたなんて。
ネスティが大樹になってから二年も経っていたのだ。
彼がいない間に、他に好きな男ができたって不思議ではないが、それならそうと正直に言えばいいのに。
「トリスとバルレルは、何も知らない僕を騙していたのか……?」

「――ネス?」

「なっ……!?」
突然背後から聞こえた声に、ネスティの肩が跳ね上がる。
振り返れば、そこには戸惑いの表情を浮かべたトリスの姿があった。
その手の中には、なぜか彼が書いたはずの手紙が。
「ど、どうして僕の手紙がっ」
机の上に置いた紙袋の中を見ると、そこに入れてあったはずの封筒は忽然と姿を消していた。
慌てて彼女の部屋から立ち去ったとき、落としてしまったのか。
「あの……あたしの部屋の前に置いてたよね?これ……」
「……読んだのか」
彼の問いに、トリスの頬がわずかに赤らむ。
いつもは可愛らしく見える彼女の笑顔も、今では不快でしかなかった。
――読んだ、というのは、一人でだろうか。それとも、バルレルと一緒になのだろうか。
嫌な光景が脳裏をよぎる。
自分が時間をかけて真剣に書いたものを、どんな表情で二人は読んでいたのだろう。
何も知らずに、と嘲笑しながら読み上げていたのか。
考えれば考えるほどに想像は妄想へと変わっていく。
「……さぞかし滑稽だったろうな。僕の手紙の内容は」
「え?何を言って――」
言いかけたトリスの腕を、ネスティが乱暴に掴む。
彼女が反応する間もなく、その華奢な体はベッドへと放り投げられた。
「きゃあっ!?ちょ、ちょっと!ネス、何なの!?」
覆い被さってくるネスティに、トリスは顔を真っ赤にしながら抵抗しようとする。
だが、その言動も今のネスティには白々しい演技にしか見えなかった。
「随分と安っぽい演技をするんだな。どうせこういうのは初めてじゃないんだろう」
「え、演技ってっ」
「僕がいない間、たくさん楽しい思いをしていたんじゃないのか?僕が帰ってきたせいで、面倒ごとが増えてさぞ大変だっただろうな」
「さっきから何のことを言ってるのよ、ネスッ!?ワケわかんないんだけどっ……」
「君が一番分かってることじゃないか!僕に黙って他の男のところに行った君が!」
「かっ……勝手なこと言わないでよ!ネスが何を知ってるっていうのよ!?」
もがき続けて何とかネスティから逃れたトリスは、肩で息を繰り返しながらネスティを睨みつける。
「ネスがっ……あたしのことを、そういう目で見てたなんて思わなかった」
「事実だろうっ」
「そんなわけないでしょ!?もういいわよ、ネスのバカ!大バカッ!!」
――ドアを乱暴に閉じ、トリスは足早にその場を去って行った。
足音が遠のいていった後に部屋に残ったのは、不気味なほどの静けさだけだ。
ぐしゃぐしゃと髪をかきながら、ネスティはひとり重いため息をつく。
今になって自分のやったことに後悔を感じながらも、やはりトリスの裏切りは許せない。
「確かに、二年も彼女のそばにいてやれなかった僕にも責任はあるかもしれない。でも、いや……しかし、だからって浮気は許せないだろう。だけど、さっきのは少し言いすぎたかも……ああっ、くそっ!僕はバカか!」
常に冷静な分析と判断をすることが取り柄だったのに、感情のみで行動をとってしまったことが彼自身意外だった。
やはり、トリスはそれだけ特別な存在なのだ。
バルレルとの一件を目にしても、彼女のことをいまだ諦められない自分がいる。
「女々しいな……僕は」
がっくりと肩を落とし、ネスティは力なくベッドに横たわった。


「もうっ、ネスのバカ!!いきなりどうしちゃったっていうのよ……」
グスンと鼻をすすりながら、トリスは自室の隅に座り込む。
本当なら、パーティーの準備に急がなければならないのだが、今の気分ではそれもままならなかった。
さっきまでの浮かれた心はどこかへ吹き飛び、今は憂鬱な感情だけがぐるぐると渦巻いている状態だ。
「ネスのパーティー……どうしよう」
トリスの苦悩を知ることなく、時間は刻一刻と過ぎていくのであった。


その頃、事件の発端となった悪魔は……。
「アイツら、まだ昼飯食いにこねェのか?オレが全部食っちまうぞ」
「これっバルレル!そんなことを言って、すでにネスティの分を平らげとるじゃろうが……」
ノンキに飯を食っていた。


つづく

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