狂乱演舞〜黒欲の少女達〜 3



魔力は失っていた、もはや彼を癒す力というものですら存在しない。それでもアメルは彼を責めていた。
魔力が失ってしまっても彼を回復させられる方法ならいくらでもあるのだから、それを繰り返せばいい事なのだ、アメルはマグナのそれを癒し始める。
胸で癒す為には大きさが足りない為に口での奉仕を行うことしか出来ないがそれでも何度も何度も行うことによって力を取り戻す。
マグナ本人はというと魔力を失ってからも執拗に攻められた為にもはや白い顔という存在そのものであった、もはや力も出ないだろう。
だが、それは見た目の問題、意識を保ち言葉を話すことだけはできるようなのである、目もまだ白目を向いている事は無い。
体力的にも限界があるのではないのだろうかという疑問もある…それに関しては深く突っ込んでしまったらやはり困りものがあるということなのでほうっておこう。
「アメルぅ…本当勘弁…」
弱音を吐く、マグナ本人が弱音を吐くことはこれ以外でも他数個はあったけれどここまで弱弱しく響いたのは初めてだった。それだけに心は参っていたのだ。
もちろんアメルは許すはずも無い、一つになることだけを望んで、ひたすらにマグナに騎馬位で挿入していったのだ、ここでまだ生半可に終わらせない。
というか生半可に終わるなんて想像しているのは誰がどう考えてもアメル本人でしか考えてないような気もするのだが…
「駄目ですよ、マグナ?まだまだ夜はこれからじゃないですか…?」
「いや、もう一日過ぎてるんだけど…」
屁理屈をこねてアメルに吐き出しても決して通用するわけが無い、下手すれば怒り出して行為は更に激しくなっていく可能性だって無いわけが無いのだ。
だが口にしなくてはならない、もう、自分は精神、体力共に限界だったからだ、せめて後一回で勘弁してくれと目でアメルに訴えている。
既にマグナのそれは力は加えられており、最初の様な猛りは無かったが確かにそれには大きくはなっていた。
アメルはその姿を確認すると再びマグナの体の上へとのしかかる、最初から最後まで彼の上にのしかかって何時までも何時までもここでこのままにと…
「こうなったのも…誰のせいなんでしょうね?」
笑みを浮かべて行為の元凶をマグナに問い詰める、アメルとクラレット、この二人にとっては犯人が誰かが分かっているが勿論マグナには心当たりというものが存在するはずが無い。
目の中で疑問符を浮かべながら困惑しているマグナを見つめながら笑みを浮かべてアメルは次第にまたそれの近くへと接近する、演舞の始まりへと…
「さぁ、マグナ。まだまだ…」
騎馬位で再び挿入される、もう何度だろうか?計算しても計算しきれる数ではないしまだまだ先のことも考えてみると倍の回数はこなしてしまうのではないだろうか?
誰か助けてくれ―――口にして叫ぶことは出来なかったが誰かに救いを求めたかった、いま挿入されていく中でも快楽というよりも苦痛が感じられてしまうから。
自分が悪いことをしたということは全く意識にした事は無い、意識したことは直に誤って仲直りはしてもらっているのだ、考えても原因は分からない。
でもアメルは確かにいったのだ、「こうなったのは誰の元凶なんでしょうか」と、それは少なからずともマグナが悪いんだといっても過言ではない。
「はぁぁぁぁ…あぁ…!!」
甘い吐息、もう聞き飽きた声だ…勿論最初に聞こえた時にはその声は確かに自分の興奮をそそるものだった、最初だけ、最初だけだったのだ…
「あぁ!!はぁぁぁぁ!!マグナ!!マグナ!」
誰か止めてくれ、誰か助けてくれ、この行為を誰か止めてくれ、マグナは悲鳴を上げているだろう。もはや口にすることも出来ない。あぁ、もう駄目だ…
淫らに腰を振る少女は未だに求め続ける、彼を全てを一緒にいて欲しいから、だから永遠に―――永遠に―――
少女が乱交の行為の役職を全て終え、意識を失うまで延々と続いていった…その時はまだ先に続いてゆく…

マグナと対になって全く正反対に勢いのある猛りを見せているのはハヤトのであった、今まで責められ続けながらも挿入は無かったからだ。
だがその平和は今まさに崩されてゆくところだった、クラレットは最後の営みへと腰を動かし始めたのだ、それは永久か、それとも一時か―――
クラレットがハヤトのそれに手を動かすその前に何故か手首を開放させた、これはどうしたことだろうか、今から開始される営みの前に開放するのは終わりを示すのだろうか。
それは兎も角、ハヤトにとっては好都合だ。これならば何とでもしてこの状況から逃れる音が出来る、彼女が何を思ったのかは分からないけど、逃げることは出来るのだ。
でもそれは全く甘かった、ハヤトが体を起こそうとする。のしかかっているクラレットも振り払おうとするくらいの勢いで起き上がった…つもりではあった…
体がねばねばとして動きにくい、まるでとりもちにひっかかったかのように身動きが上手く出来ない、動くことはできてもかなりの低速だ、逃げられるわけが無い。
のろのろとしているうちに手首を占められていたロープは今度はクラレットによって足に巻かれてしまった、
「スライムポット…!?」
恐らく開放する前から憑依させていたのだろう、もともと彼女はこのつもりだったに違いない。そうでもないとここまで用意周到なはずがない。
腕は動かせるようになっても今度は足が動かない、これではどのみち逃げることが出来ないではないか、当然クラレットが許すはずも無いが…
足を完全に固定させたところでクラレットは猛っているそれに体を近づけた、妖艶に浮かべる笑みは更に深くなり、どこまでも妖しさを彩っていた。
「それじゃあ、行きますよ…?」
そこまで言い終えると腰を落としてゆき、クラレットの体内へと初めてハヤトのそれが侵入してゆく。この瞬間、手首を開放させた瞬間が判った気がする。
「はぁぁ…あぁ…!!!」
「…っ・・・うぅ・・!!」
しつこく締め付けてくるクラレットのそれ、それはとんでもない快楽そのものだった、先ほどまでに受けていた首へのキスとは全く比べ物ににならないほど。
クラレットの表情が妖艶さから一点、突然別の快楽を受けている表情へと浮かべる。今までに見たことも無いそのクラレットの表情は甘いものだった。
「あぁ・・・!!あぁぁぁぁ・・・!!!ハヤトぉぉ・・・!!」
甘い声が響き、それが何度も続くとクラレットが腰を動かす、それによってクラレットのそれとハヤトのそれがさらに混ざり合い、更なる高みへと動かしてゆく。
腰が動けば動くほどクラレットの乳房は揺れ動く、質量のあるそれは上下左右に激しく暴れ周り、それはもう完璧な甘美という世界の幕開けだった。
よく聞けば、クラレットが何かを言っている、この初めての快楽という物にひたすら受けていたハヤトは途中まで気がつかなかったが、明らかに求めている声、
「はやとぉ・・・!!胸・・・!!胸を・・・!!ハヤトぉ・・・!!」
それ以上は何を言わなくても分かっていた、でも、それを実行することがハヤトにできるのだろうか?吸い付かせるのにですら困難を極めさせたというのに。
簡単なことだった、問題など無かった、そのために手首を開放させたということはすぐにわかるが・・・理性を蕩けさせていたハヤトにねだることなど簡単だった。
ましてやこの快楽によって完膚鳴きに理性というものを蕩けさせられないわけが無い、ハヤトはそのままクラレットの操るかのようにして乳房へと手を伸ばしていった。
逃げようとしていた態度の事とは完全に忘れていたのだろう、そうでなければここまで素直に従うわけが無い。いや、それとも従わないことによって今以上の行為の可能性を避けたのだろうか。
どっちへ転ぼうともそれはクラレットにとって快楽を受けることは変わりなかった、豊かな乳房がハヤトによって歪められてゆく。
「あぁ!!は、はやとぉ!!もう…あぁぁぁ!!」
甘さが完全に響き渡ってゆく、部屋全体に、もうすぐであろう、ハヤトのそれがクラレットの愛液へと絡みつき、体の中へと侵入してゆくのは。
間もない瞬間にクラレットの体にハヤトの精が侵入してきた、満足感はあったのだろうか、それとも否か―――
アメルのような耐久力も無かったクラレットはそのまま意識を手放していった、成る程、それだから―――彼女は最後の最後まで引き伸ばしていったのか―――


「それじゃ俺たちは一度ゼラムに戻る…また…」
「あぁ、また今度な。会える日を楽しみにしてるからさ」
昨日の事を連想させないかのような二人のさわやかな笑顔、それでも顔の一部には何故か疲れている表情が見え隠れしていた、誰にも木がつかせないようには気を配っているようだが…
襲った二人の女性も彼らの傍にいて、それはまさに絵になるような美麗爽快な風景であった、
最後に握手をして、船に乗ったマグナ達を、ハヤトやクラレットは見えなくなるまで見送り続けていった、完全に消えた先でハヤトはクラレットの一歩前を歩いてゆく。
その姿はあえてクラレットと目をあわさないかのようにして歩いていっているようにも見えた、実際事実そうなのだろう。
「あの…ハヤト?」
クラレットが何度もこうやってハヤトを呼び止めているというのに聞き耳を立てずに歩いてゆく、何も聞いていない。そういうかのように。
この調子じゃまだまだ話を聞いてくれることは二だろう、それでもクラレットは嫌だった、昨日のことを根に持っているのではないか、そんな恐怖があった。
ここで彼に失望させられて、嫌われてしまったらもう自分という存在を維持させることは出来ないのだから…恐れた、彼が怒っているのではないかと―――
「ハヤト…もしかして怒っているんですか?」
相も変わらずハヤトは口も聞かなかった、それはフラットに戻ってからでも、ハヤトは部屋に入ると一歩たりともでようとはしなかった。
でも人を拒む態度までとは行かなかった、クラレットが入るといえば以外にもすんなりと迎え入れてくれる、それでもハヤトは何も一言も言おうとはしない。
「あの…昨日のことが原因だったら…本当にごめんなさい…もう…あんなことはしないと誓いますから…」
そこまで言い終えるとクラレット涙を浮かべて一言
「お願いですから、嫌いにならないで…」
クラレットがそこまで謝罪の意を込めてもハヤトは何も口に出さない、顔は怒っている様子ではなさそうだが…どうして何も言わないのだろうか?
「怒ってるさ、そりゃ勿論…だから…」
やはり、そう思うとクラレットは落胆して肩を落とす、自業自得とはいえ(とはいってもハヤト達にも原因はあるが)もはや過ぎてしまったことなのだから。
ハヤトが「だから」と話を続けていることには全く耳をかそうとはしなかった、聞きたくも無い言葉が流れてくるのではないかと恐れたから。
しかし、ハヤトが次に零した言葉は予想を全く違う方向へと持っていったのであった。

「だから、倍返しだ」

そこまでいうとクラレットは重力にしたがって倒れていった。


つづく

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