アルバ×イオス(♀) 5



「……っ!」
膣内に放たれる熱い迸りを感じて、彼の背中に回した手に力を込める。
そうでもしなければ、自分が飛んで行ってしまいそうな錯覚を覚えたからだ。
迸りは一度だけでは収まらず、二度、三度と重なるごとに、自分の中が真っ白に染め上げられていく。
「……っ、はぁ……」
全て出尽くしたとわかると、途端に身体全体から力が抜け、熱い吐息が漏れる。
体格にそれほど差がないため、その吐息は彼の首筋に当たった。
「……ぁ」
とろとろと秘裂から溢れ出た精液が垂れていき、尻肉をくすぐっていく。
火照った肌よりもなお熱いそれが、汚らしいものだと認識する一方で、この一時だけは何故か愛しくすら思えるのが不思議だった。
「……んっ、アルバ……」
射精の余韻から脱したのか、こちらを力強く抱きしめてくる彼に応えるように、こちらも力を入れなおす。
そうしていると、ぽん、と頭の上に何かが当たる感触。その感触はぐるぐると円を描くように移動を始める。
頭を撫でられている。そう結論付けるのに、情事で蕩けた思考は十数秒の時を要した。
まるで子ども扱いだが、その手の感触から伝わってくる優しさが、疲労した身体には何よりも心地よい。
触れ合っているのはそこだけではない。普段は隠しておかなければならない場所も含めて、全身で彼の暖かな体温を感じている。
相手は自分の足元にも及ばない見習い騎士なのに、こうして抱き合っているだけで絶対的な安心感が身体を包み込む。
男に抱かれてこんな気持ちになるなんて、やはり自分は本質的には女なんだろうか。そんなもの、何年も前に捨ててきたはずなのに。
改めて彼の顔を見ようとすると、視界に入るもの全てが揺らめいて見えた。
あぁ、また泣いてしまったんだ、とそれだけは何故かすぐにわかった。
そんな自分の姿をどう受け取ったのか、彼は静かにこちらへと顔を近づけてくる。
こちらの全てを見透かしているような彼の行動が、たまらなく憎らしく、たまらなく愛おしい。
彼の背中に手を回したままでは涙を拭えないので、そっと瞳を閉じる。
目の端に一筋の流れていくものを感じながら、唇同士が優しく触れ合った。


つづく

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