閑話 初めての夜 side ポムニット



「んっ…っむ……ふむっ…っぐ…むちゅ……」
 まず交わすのはキスだった。唇を軽く重ね合わせるだけではなく、濃厚にお互いの舌を絡ませる。
 唾液を交換し合いながら、絡み付いてくる互いの感触を堪能する。ねっとりとした甘さに頭がとろけそうになる。
 リシェルの唇を吸いながら、ライは僅かに腰を引く。根元までリシェルの膣内に埋まったライ自身。
 それがずりりとリシェルの膣壁を滑る。
(……んっ!?)
 刹那、リシェルの瞳は見開かれる。自分の膣内で蠢く肉の塊。その感触に震えて。
 震えるリシェルを優しく撫でながら、ライはようやくその唇を開放する。互いの口元を唾液が糸のように結んでいた。
「……あ……」
 そのまま瞳を合わせる。視線でライは問いかける。リシェルは無言で頷く。
 そして次の瞬間、さらなる衝撃がリシェルを内から貫いた。
「んはっ!……ひああっ!!」
 ずぶずぶと半分まで引き抜かれた肉槍は再びリシェルの中に沈む。リシェルは咄嗟に声をあげる。
(なに…これ……スゴ……)
 自分の中で粘膜同士が擦れあう感触。なんとも言えぬ感覚にリシェルは圧される。ライと初めて結ばれたときは
 ただ彼を受け入れるだけで精一杯だった。破瓜の痛みが先に来てそれ以上のことを感じる余裕がなかった。
「はぁっ……っく…っひ…ぃ……ふぁっ…あふっ……ああんっ!」
 今も痛みがないわけではない。けれどもそれを上回る快楽が脳を包んでくれた。ずるずると自分の膣肉を削られるのが
 なんともたまらない。ぞくぞくする。中に納まった肉根が膣内で軽く上下するだけでもう頭が真っ白になる。
(スゴイよぉ……あたし……こんなの……ずっとされてたら…きっと……おかしくなっちゃうよぉ……)
 性交で得られる悦び。その強烈なまでの刺激にリシェルは溺れそうになる。ずりずりと今もライのペニスは
 リシェルの中でゆっくりと上下している。その都度、喘いでいる自分にリシェルは気づく。
 感じている。どうしようもなく肉の悦びを。ライとの交わりによって。
「リシェル……っく……リシェルぅ……」
 ゆっくりと腰を打ちつけながら、ライもまた快楽の虜になりかけていた。十分な肉蜜の絡んだリシェルの膣内。
 まだ処女の名残をのこす初々しい膣肉。それがライのモノをキュッと優しく締め上げてくれる。
 柔らかい。そして温かな感触だった。挿入を繰り返す度に、リシェルの秘肉はライの肉にぴったり吸い付いてくる。
 肉棒に密着する膣肉の触感がもうたまらない。さらに、リシェルが発する喘ぎ声。そのなんとも可愛らしいことか。
 その声を聞くだけで頭がとろけそうになる。もっと愛したい。リシェルを。もっと激しく。貪るように。
「ああっ!くひぃぃぃい!!……っは……激し……っく…かふっ!あっ!!あっ!!」
 忍耐の限界だった。ライは腰の律動を強める。より激しくリシェルを求めだす。全身の体重をかけて打ち付ける。
 肉槍は乱れる突きを秘肉に見舞う。胎内を突き動かされる衝撃にリシェルは身悶え、ライはきつく抱きしめる。
「ゴメン……リシェル……でも……オレっ……」
 もう抑制がきかない。それほどまでにライはリシェルを欲していた。かろうじて残った理性で同意を求める。
「んっ……いいよ…もっと…して…もっと…あたしを犯してっ!!」
 ライの訴えにリシェルも応じる。リシェルもまたライと同じ気持ちだった。もっと乱れてしまいたい。
 もっと溺れてしまいたい。この大好きな相手との営みで得られる尊い快楽に。
「あっ…っく……リシェルっ!リシェルっ!!」
「ひあぁぁっ!くっ…っは……あっ…ライッ!ライぃぃっ!!」
 ずんずんと肉根をリシェルの中にライは突き入れる。リシェルは胎内で暴れるライを懸命に受け止めて喘ぐ。
 互いをきつく抱きしめながら、お互いの名を呼び合いながら、愛し合う二人の営みは激しさの頂を迎える。



 さて、ライとリシェルがその営みの絶頂にいる一方で。
「……っは…ふぅ……あっ……っは……はひ…あふぅ……」
 睦みあう二人の嬌声を聞きながら、秘部を濡らす不届きなメイドが一人。
「あっ…はぁ……ライさん……おじょうさま……あはぁ……」
 求め合う二人の姿を出歯亀しながらポムニットは一人果てていた。



 どうも。みなさま。一家に一台、無敵の敏腕デビールメイドことポムニットでございます。どうぞお見知りおきを。
 さて、いつまでたっても煮えきらぬリシェルおじょうさまとライさんに対しあれこれ荒療治を試みたわたくしなのですが、
 今では少し反省しております。なんというか薬が効きすぎてしまいました。
『ひぁぁああっ!いくぅぅぅっ!!イっちゃうよぉぉ!ライぃぃっ!』
『……っく……リシェル……オレも……』
 お二人ときたらもう、恥も外聞もかなぐり捨ててズコバコと二回戦を……これが若さなのかもしれませんねえ。
『熱いっ!熱いよぉぉ!!あたしのおなかの中に熱いのいっぱい来てるぅぅ!!』
『くぅ……リシェル……リシェルっ!!』
 ドクドクとおじょうさまの膣内にライさんは景気よく射精なされます。ライさん、貴方はリシェルおじょうさまのことを孕ませるおつもりですか?
 まあ、おじょうさまは今日は安全日であられますのでそういう心配は多分ないのですが、(おじょうさまの生理周期のチェックは完璧ですよ)
 万が一のことを考えると……解雇(クビ)じゃすみませんね。断首(クビ)ですね。ライさんも、それを煽ったわたくしも。
『……ぁ……あぁ……また大きく……なってる……あたしの……中で……』
 驚かされるのはライさんの絶倫ぶりです。あんなにもおじょうさまの中に注がれたばかりだというのに直ぐに回復なされて
 しかもおじょうさまの膣内から引き抜きもせずに。流石は響界種です。
『ふぁっ……そんな……すぐに……あひっ!……ひふぅぅぅ……ひあぁぁぁあ!!」』
 ライさんはそのまま、三回戦を挑まれます。リシェルおじょうさま……イったばかりのお身体をライさんに激しく貫かれて……
 おじょうさまがおあげになられるその喘ぎ声。はふぅ。ダメです。たまりません。わたくし(*´Д`)ハァハァがとまりません。
「あふっ……おじょうさま……おじょうさまぁ……」
 我慢できず、もう濡れ濡れになっちゃってるあそこをわたくしは弄ります。少しでも自分を鎮めるために。
「はぁ……っく……おじょうさまっ!……おじょうさまぁっ!!」
 つい声が大きくなっちゃいます。お二人が行為に夢中になっておられるのが幸いでした。わたくしはそのまま自慰に勤しみます。
 指を二本ほど重ねて秘肉を掻きむしります。もう一方の手で乳首をクリクリ摘んでいじります。秘所を嬲る手の親指は肉豆をくにくに潰します。
 しかし、どんなに激しく嬲っても火照るわたくしの体の疼きは止められなくなっちゃってます。
『あ……あぁ……おかひくなるぅぅぅ!!あたひ、おかひくなっちゃうぅぅぅ!!』
 耳に飛び込むおじょうさまの喘ぎ。それがわたくしの心をいっそうに昂ぶらせるのです。
 ああ、それにいたしましてもリシェルおじょうさま。お風呂場でわたくしといたしたときよりも色よい反応で……
 はふぅ。やっぱりちょっぴりだけジェラシー感じちゃいますよ。分かっていたことなんですけどね。しくしく。
 こうしておじょうさまも大人の階段を上ってゆかれるのですね。わたくしの手から離れて。ライさんの下に。
 えうぅ。やっぱりそれは寂しいです。自分で後押ししといて言うのもなんですけど寂しいですよ。花嫁を送り出す親の心境とでも申しますか。
 今もおじょうさまは一心にその身でライさんを受け止めておられています。おじょうさまのあそこがライさんの型にされちゃうんですね。
 はあ……おじょうさまが……わたくしが手塩にかけて育ててきたリシェルおじょうさまが……やっぱり切ないです。しくしくしく。
 わたくしが切なさで胸を満たす一方で、そんなわたくしの気持ちなどそ知らぬお二人は激しくまぐわり続けております。
 ああ、ライさん。ダメですよ。もっと優しくしてあげてくださいまし。そんな風に力強く何度も腰を打ち付けて。
 おじょうさま……ついにはご自分から腰を振られるようになりましたね……恥らいもなくよがりなさって……
 わたくし、貴女をそんなはしたない娘に育てた覚えはございません。ええ、記憶にございません。多分。(ちょっとだけ嘘ですけどね)
 ビクンビクン。おじょうさまの膣内でまたライさんが果てます。先に出されたものもあわせてライさんの精液でおじょうさまの膣内はドロドロです。
 ライさんが御自身をひきぬかれますとドロっと白い膿のような塊がおじょうさまのあそこから溢れ出してまいります。とろとろと。
 はふぅぅ。ダメです(*´Д`)ハァハァが止まりません。わたくしもう致死量寸前です。朦朧とした意識でお部屋の様子を伺うと流石に連戦で
 ライさんもグロッキーのようですね。へたばっております。しかしそんな折に。
『なっ!リシェル!オマエ……』
『んっ……はむっ……んちゅ……』
 な、ななな!なんとぉ!おじょうさまはライさんのアレをそのお口に含みます。ちゅるちゅると音を立てて、ライさんの尿道に残る精液までも啜りだすのです。
『んっ……んぢゅ…ふむっ…ちゅっ……どう?気持ちいい?』
『いや……気持ちいいけど……オマエ……』
 流石にライさんも呆気にとられているようです。リシェルおじょうさま……貴女いつからそんなエロい娘におなり遊ばしたのですか?
 うぅ……そのあまりものご成長の早さにわたくしの頭はもうついてはいけません。
『あは……これ……あたしの中にさっきまで入ってたんだよね……すごく熱い……あ、またピクピクってしてきた……』
 ライさん。貴方の回復力も異常ですよ。なんですかその絶倫ぶりは。またギンギンになっちゃってるじゃないですか。どうなってるんですか?
『リシェル……オレ……また……』
『いいよ……好きなだけさせてあげる……あたしの全部あんたにあげちゃう……だって大好きだから……あんたのこと大好きだから!』
 四回戦突入ですか?もうお好きにしてください。ドクドクドク。致死量です。わたくしの鼻から赤いものが噴き出ております。
 あそこの方も何度もお潮を吹いてしまいました。もうびちょびちょです。お二人の営みを肴にわたくしもたくさんイっちゃいました。
 意識が遠くなります。なんかお二人の嬌声がまた耳に響きます。ライさん。リシェルおじょうさま。どうかお幸せに。
 それだけをわたくしは心より願っております。



 わたくしが意識を回復させるともう明け方近くになっておりました。旦那様は外出中とはいえ屋敷内には他の使用人の人目もございます。
 そのままにしておくわけにもいかず、おじょうさまの部屋にあがってみたのですが……
「ハァ……どうしろというのですか……この状況を……」
 そこにあるのは生まれたままの姿でピッタリとくっつきあい安らかに眠っておられるお二人。すごく幸せそうです。そりゃそうでしょう。
 あれだけ存分になさったのですから。あら、いけません。思い出すとまた(*´Д`)ハァハァして股が濡れてきちゃいました。
「とりあえずライさんはお店の方まで運んで……おじょうさまのお身体をきちんと拭いて……着替えさせて……
 シーツはもうお洗濯しても染みが落ちそうにないですね……こんなにもベトベトにして……」
 おじょうさまの身体もベッドのシーツもライさんのですっかり汚れちゃってます。おじょうさまの大事なところをチラッと除きます。
 案の定、お肉が赤く腫れちゃってます。初めてなのに無理をなさるから。こりゃ、今日は目が覚めたら地獄ですね。自業自得ですけど。
「今回は多めに見てさしあげますけどこれからはもっと節度というものを考えてくださいまし」
 眠りこけるお二人にわたくしは苦言を呈します。まあ、今回は煽ったわたくしがそもそもの元凶ですけど。
 しかし、こうも薬が効きすぎるなんて思ってもみませんでしたよ。若さって本当にあなどれませんね。
「しかし馬鹿みたいですね。わたくし。こんな徹夜仕事で……他人の色恋沙汰のお膳立てして……ほんとどうかしてますね……」
 もう目の下にクマができちゃってます。血を失いすぎたのでなんか血圧低くてだるいです。そうまでして為したことといえば
 一組のバカップルの成立。なんか割りにあわないですよねえ?少し自分でもアホらしくなります。ですけど……
「………………フフッ」
 ふいに微笑んでしまいます。本当に幸せそうなリシェルおじょうさまの寝顔を見て。そうですよね。おじょうさまのお幸せな姿が見られるのならば
 割りにあわなかろうが、馬鹿なことだろうが、わたくしはいくらでもやっちゃうんですよ。だっておじょうさまの幸せはわたくしの幸せだから。
 おじょうさまが幸せでいられることがわたくしの何よりの喜びだから。
「よかったですね。おじょうさま。大好きな人と……ライさんと結ばれることができて……」
 想い焦がれた人と結ばれる。女の子にとってこれに勝る幸せはないでしょう。そんな幸せをおじょうさまに与えることができてわたくしは感無量です。
「ちょっぴり妬けちゃいますけど……わたくしはいつだって応援しておりますから……」
 ライさんに想い焦がれて切なさを募らせていたおじょうさま。貴女のそんな姿見ているとわたくしの心まで切なくなっちゃうのです。
 だからわたくし馬鹿になっちゃいました。本当に大好きな人に対しては何でもしてあげたくなっちゃうものなんですよ。
 おじょうさま。貴女がライさんに対して、そうであるように。
「ずっと幸せでいてくださいまし。それだけがわたくしからのお願いです」
 そう言ってわたくしはおじょうさまの頬っぺたにキスしちゃいます。ううん。プニプニぃ。おじょうさまのほっぺ柔らかいです。たまりません。



「後は……さてと……」
 おじょうさまの身体をキレイに布巾で拭き終わって、替えのパジャマにも着せ替え終わり、その他諸々の片付けもすませてわたくしは一息つきます。
 あともう一仕事残ってるんですよ。あうぅぅ。眠いです。頭いたいです。背骨だるいです。でももうひと頑張りですよ。
「ちゃんとお店まで返しておかないといけませんよねえ。やっぱり」
 そう言っておじょうさまの傍にぴったりくっついた眠りこけている果報者をわたくしは麻袋に詰め込みます。
 もう、どうとっちめてさしあげましょうかねえ。言っておきますけどライさん。わたくしのおじょうさまの純潔を奪った代償は高くつきますよ。
 フフフフフフ。


side ポムニット  終わり

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