アズリア陵辱 5



私のそこはもう十分に濡れていた。幾度となく繰り返してきた、背徳の交わり。私はもう弟のモノを見るだけで股を粘液で湿らせる。そんな淫らな雌と化していたのだ。
「はっ…はぁっ…お願いっ、欲しいの……。」
そう言って私は弟にねだる。笑ってしまう。弟に犯されることを望んで股を開く姉。そんなものがどこの世界にいるというのだ。もう私は眼前の弟の姉ですらない。
「ひっ…はぁっ…イイっ!…イイよぉぉっ…イスラぁぁぁっ!!」
淫液で濡れ細った私の秘部に弟の…イスラのモノが入り込んでいく。充分にこなれた私の秘肉はイスラの陰茎を受け入れることに何の抵抗もなくなっていた。むしろそれを欲していた。熱く火照った私の肉が熱気を発するイスラの肉と触れ合う。互いの粘膜同士がこすれあう。私の膣内をイスラの陰茎が卑猥な音を立てながら挿入を繰り返す。
「あひっ…ふぁぅあっ…ひっ…あふぅ…」
私はよがっていた。弟と交わることに快楽を見出しよがり狂っていた。最初はイスラの方が私と交わることを求めていた。しかし今では私の方がイスラを求めていた。壊れてしまいたかったのだろう。弟に裏切られ、純潔を奪われ、自分の今までの人生が無価値なものと思い知らされ…。愛する男に思いを打ち明ける事無く、その思いを打ち砕かれて、私は壊れてしまうことを望んだ。もう理性なんて欠片もない姿を。何も考えられないぐらいに壊れてしまえれば、この先なにがあっても受け入れられると思ったから。
「ひゃっ…はぅぅ…あ・・・はは・・・あはははは…」
私は笑い出していた。自分のあまりに滑稽な姿に。弟に馬乗りになってペニスを下の口で咥え、腰を振る姿。それが今の私。私は望みどおり壊れることが出来た。頭が壊れてしまわなければこんなことはできないだろう。私にはもう理性なんてないんだ。そう思い込もうとした。でも何故……
「あははは…はははは……はは…は…」
私の頬にいつの間にか涙が伝っていた。どうして?私は壊れたはずなのに。哀しむことなど忘れたはずなのに…。壊れたい…何も考えたくない…そんな私の望み。
そんなささやかな望みも叶えられない。私は心の底から自分に絶望した。

いつからだろうか…。姉さんの方から僕を求めるようになったのは…。実の弟の僕に犯されつづける毎日。そんな生活が姉さんの心を蝕んでいったのは確かだ。
「はむっ…むぐゅ…んっ…んぅっ…」
僕の命じられるまでもなく姉さんは僕に奉仕してくれる。朝目を覚ますと姉さんは僕の朝立ちした竿を優しく口で舐め溶かす。僕と視線が合うと何も言わずに身体を開いてくれる。
僕の意志を先読みするかのように先手だって奉仕をしてくれる。ただすがりつくように僕に抱かれることを望む。
「は・・・はははははは・・・…」
ときおり行為の中で姉さんは狂ったように笑い出す。不気味というよりかは哀しい笑いだ。
自嘲。それが一番近いだろう。でも少し違う。あれは絶望の笑いだ。此の世のすべてに絶望しただもう笑うしかないから笑う。そんな笑いだ。僕にはすぐに分かった。だって僕はこれまでそういうふうに笑いつづけたのだから。
笑いながら、僕に犯されながら姉さんは涙を流す。自分でも意識していないのに流す。
僕にはもう分かっていた。姉さんが自分自身を壊したがっていることを。この現実から逃げる場所を求めていることを。気付いてひどく罪悪感に苛まれた。
僕が姉さんを…姉さんを…自分と同じ哀しい生き物にしてしまったことに…。

私は夢を見る。たわいもない夢だ。学生時代、田舎上がりの同期生に一方的に突っかかっていく夢。彼に負けまいと意地になる私の姿。それは私にとって一番幸せな頃の記憶。
もう取り戻せない過去。将来に何の疑いもなく純粋に生きていた日々。哀しい夢だ。
それがもう今は幻であることが分かるから…。
(どうしてあんな夢を見るのだろう・・・。)
目が覚めて夢うつつの気分でそう自問していた。
(昔を思い出したってしょうがないのに…もう戻れないって分かりきっているのに…)
考えている内に何かが込み上げてきた。目頭が熱い。いや体全身が熱い。
(私はもう壊れたんだ…このまま弟の…イスラの性処理道具として使い捨てられるんだ。それでいい…それでいいって諦めたはずなのに…なのに…)
熱い、本当に熱い液体が私の顔を濡らしていた。とめどなく溢れていた。
「ひっく…う……」
私の胸は押さえつけられたように苦しかった。かきむしりたいほどくるおしかった。声まで出てきた。もう堰を切ったように止まらない。
「う…うあぁぁぁ…うああ・・…ひっ…えぅぅ…あっ…あうぅぅぅぅぅ!!」
泣いた。大声で泣いた。私は泣いた。どうしても忘れられなかった。忘れたくなかった。
「レ…クス…レッ…クス…あ・・・うあああぁっ…あ・・・」
愛しい人の顔を、愛しい人の声を…。私は忘れられなかったのだ。あの日からずっと彼のことは忘れようとした。そうでなければ辛かった。そうだ、だから私は壊れてしまいたかったんだ。だから肉欲に溺れて弟とまぐわるのを求めていたんだ。彼のことを忘れるために。だって…だって…嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ。忘れたい。忘れさせて。どうして忘れさせてくれないの?何がイスラのためだ…。何がずっと側にいるからだ。私はただ思い出したくないだけだったんだ。あの時のことを…。彼の目の前でイスラに犯されたときのことを…
「うっ……ひっく…えっ…あうっ…」
嗚咽が止まらない。泣きながら気付く。自分はどうしようもなくあさましい人間なんだと。
弟の…イスラの悲痛な心の叫びを聞いても結局は自分の事しか考えられない女だと。
情けない。あきれ果てた。もういい。いらない。こんな私は要らない。死にたい。
死なせて。もうこんな自分なんて見ていたくない…。

「姉さん…。」
あの男の名を呼びながら泣きじゃくる姉さんの姿を僕は見ていた。不思議と嫉妬は沸き起こらなかった。ただ、後悔だけだった。
(これが…君のしたことの結果だよ…)
また例の声が聞こえる。まったくそのとうりだと認めざるをえない。そうだ、これが僕のしたことの結果だ。ボロクズのように姉さんを陵辱し、好きな男の目の前で辱めて。
ただ自分の嫉妬と今までこの世というものに感じてきた憎しみの捌け口にしてきた。
僕は姉さんをこんなに傷つけた。僕は姉さんをこんなにまで哀しませた。
可笑しいな。だって最初は僕は姉さんが憎くて苦しめてやろうと思ってたんだろ?
なのになんで今ごろになって罪悪感なんて感じてるのさ?
(それは…君が…一番…)
そうさ、その通りだよ。僕は姉さんが憎かったわけじゃない。犯したかったわけでもない。
ただ一緒にいて欲しかっただけなんだ。それだけだったんだ。それなのに…
僕は…僕は……!!
どうしてかな…。どうして手遅れになってからきづくのかなあ。もうどうしようもないよ。
もうどうしようも…。


次の日、まだ太陽も登っていない内に僕は目覚めた。僕は決意した。すべて終らせることを。
僕を許してくれる人間はもういない。僕が許されることなんて永遠にない。それなら最後まで憎まれてやろう。最後まで往生際悪くどうしようもない悪党としてみんなに嫌われながら、誰からも同情なんてされる事無く終ろう。それが僕の最後の仕事…。
ごめんね…姉さん。泣かせる事しかできなくて…。


「イスラ……?」
私が目を覚ますとイスラの姿はどこにもなかった。昨夜泣きつかれたのだろうか。
目を覚ますともう太陽は高く昇っていた。イスラはどこにいるのだろうか。
「………!!!」
ふいに、嫌な予感がした。もうイスラには会えない予感。何?これは!?どうして…胸騒ぎが止まらない。イスラがいなくなる。私の前から永遠に…?
気が付くともう走り出していた。どこにいるかも分からない弟を探して。
私は馬鹿だ。イスラを探して何がしたいんだ。懺悔をしたいのか、恨みをぶつけたいのか、ただすがりつきたいのか?それさえ分からない。でも…でも…
動かずにいられなかった。どうしても私は…。


「駄目です、サプレスの術が通じません。」
「畜生ぉっ!ストラも効きやがらねえ。」
血まみれで倒れる僕。彼らと僕との最後の戦い。僕はそれに敗北した。剣を破壊されそれでも闘おうとする僕にたぶん例の呪いが襲ったんだと思う。今まで剣のおかげで呪いの力が中和されていたんだ。本当の僕は常に死と隣合せの半死人。
「クックック、礼を言うぞ貴様等には…。」
「オルドレイク!!」
そうこうしているうちにあの男。僕の人生を狂わせた元凶が現われた。偉そうに呪いの講釈なんか垂れやがってさ。糞野郎。でももう駄目だ…。僕にはもう立ち上がる気力なんてないよ…。
「諦めるなイスラ…。死ぬな!」
まだ僕を助けようとしてるよこいつは。どこまで人がいいんだろう。おいおい、僕はお前の敵だろう。知ってるんだよ。お前だって姉さんのことが好きなことぐらい。その姉さんを僕はお前の前であんな風にしたんだぞ。憎くないのかよ。見捨てろよ。同情なんてするなよ。馬鹿みたい…馬鹿みたいじゃないか僕は…。そうしてる内に体から生気が抜けてくのが分かる。僕は死ぬんだ…。
「…!!」
ふいに人影が目に入った。今僕が絶対に顔を合わせたくなかった、それでも会いたかった人が…。
「姉さん!!」


「な…に…」
私は何が起きているのか理解できなかった。どうしてこの場所に足を運んだのかも分からない。ただ呼ばれたように感じただけだ。辿り着いた先には大勢の集団と…血まみれに倒れた…
「イスラぁぁっ!!!」
私は気付いた。倒れているのがイスラなんだと。イスラが今まさに死にかかっていることを…。
「死なないで!イスラ…イスラぁっ…嫌だ…逝かないでっ…私を置いていかないでっ!」
もう私の目にはイスラしか映らなかった。駆け足でイスラの前に近づく。そして抱き締める。
死なないでイスラ。そう私は心から思った。嫌…死んじゃ嫌ぁっ!!死なないで…お前に死なれたら…私は…私は…。
「ね…姉さん…」
「イスラっ!!」
私に気付いたのかイスラが声をかける。もうか細い声で。目から生気が失われている。
死相というヤツだ。はっきり分かるイスラがもう…
「ね…さ…ご…め…」
イスラはかすれ声で呟くろくに聞き取れやしない…。
「ひっく…えっ…イスラ…イスラぁっ…!」
イスラが助からないことを悟って私はポロポロ涙を流す。どうしてだろう。どうして私とイスラは普通に仲良くすることができなかったんだろう。イスラにかかった病魔の呪い。
そんなものはいい訳だ。本当はいくらでもやりようがあったはずだ。普通に会話して遊んで…。時に困ったことがあれば支えあう。そんな普通の家族の姿がどうしてできなかったんだ。馬鹿だ。大馬鹿だ。なんで今ごろ気づくんだ。
「ね…さ…さ…よ…」
「何言ってるの…起きて…ちゃんと・・・でないと・・・」
抱き締めたイスラの体から熱が失われていく。止めて。イスラを連れて行かないで。
私はこの子にまだ何もしてやれてないんだ!


姉さんが泣いてる・・・。僕なんかのために泣いてるよ・・・。どうしてこの人を泣かすことしかできないんだろう。伝えたいことがあった。ちゃんと謝りたかった。感謝したかった。
愛しかった。抱き締めたかった。でもそんな思いを伝えることも出来ないよ・・・。
「ごめんね。姉さん。大好・・・」
それを言い終えたときが僕の意識の最後・・・・・・


「ごめんね・・・姉さん・・・大好きだよ・・・」
「イスラ・・・?」
はっきりとその言葉だけ聞き取れた。その途端私の手の中の重みが増す。冷たくなったただの肉の塊の重みが・・・。
「イスラ・・・イスラ・・・イスラぁぁぁぁぁぁっ!!!」
もうイスラは動かない。そう永遠に・・・。
「嫌ああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!イスラぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
ただ私の叫び声だけが響いたことだけ記憶している。


つづく

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